法学民事法民法コンメンタール民法第3編 債権 (コンメンタール民法)

条文

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弁済の提供の方法)

第493条
弁済の提供は、債務の本旨に従って現実にしなければならない。ただし、債権者があらかじめその受領を拒み、又は債務の履行について債権者の行為を要するときは、弁済の準備をしたことを通知してその受領の催告をすれば足りる。

解説

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弁済の提供の方法につき規定している。本文の場合を現実の提供、ただし書の場合を口頭の提供とよぶ。

参照条文

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判例

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  1. 家屋明渡請求(最高裁判決 昭和32年06月05日)
    弁済を受領しない意思が明確な債権者に口頭の提供をしない場合と債務不履行
    債権者が契約の存在を否定する等、弁済を受領しない意思が明確と認められるときは、債務者は口頭の提供をしなくても債務不履行の責を免れる。
  2. 請求異議(最高裁判決 昭和35年11月22日)
    小切手による弁済提供と民法第493条。
    金銭債務を負担する者が弁済のため同額の小切手を提供しても、銀行の自己宛小切手または銀行の支払保証のある小切手等支払の確実なものでないときは、特別の意思表示または慣習がない限り、債務の本旨に従つたものとはいえない。
  3. 建物取除、土地明渡等本訴並びに反訴請求(最高裁判決 昭和37年09月21日)
    小切手による弁済提供と民法第四九三条。
    金銭債務の弁済のため、取引界において通常現金と同様に取り扱われている銀行の自己宛振出小切手を提供したときは、特段の事情のないかぎり、債務の本旨に従つた弁済の提供があつたものと認めるべきである。
  4. 家屋明渡請求(最高裁判決 昭和44年05月01日)
    債権者において弁済を受領しない意思が明確な場合でも弁済の提供をしない債務者は債務不履行の責を免れないとされた事例
    弁済の準備ができない経済状態にあるため言語上の提供もできない債務者は、債権者が弁済を受領しない意思が明確な場合であつても、弁済の提供をしないかぎり、債務不履行の責を免れない。
    • 弁済に関して債務者のなすべき準備の程度と債権者のなすべき協力の程度とは、信義則に従つて相関的に決せられるべきものであるところ、債権者が弁済を受領しない意思が明確であると認められるときには、債務者において言語上の提供をすることを必要としないのは、債権者により現実になされた協力の程度に応じて、信義則上、債務者のなすべき弁済の準備の程度の軽減を計つているものであつて、逆に、債務者が経済状態の不良のため弁済の準備ができない状態にあるときは、そもそも債権者に協力を要求すべきものではないから、現実になされた債権者の協力の程度とはかかわりなく、信義則上このような債務者に前記のような弁済の準備の程度についての軽減を計るべきいわれはない。

前条:
民法第492条
(弁済の提供の効果)
民法
第3編 債権

第1章 総則
第6節 債権の消滅

第1款 弁済
次条:
民法第494条
(供託)
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