海王星
海王星は太陽系の8番目の惑星で、太陽から最も遠い位置にある巨大なガス惑星である。1781年に天王星が発見された後、その軌道に見られた予測外のずれから存在が予測され、1846年にヨハン・ガレによって発見された。海王星は強い風と青い色が特徴で、メタンガスによる吸収が青色を強調している。
概要
編集海王星は天王星と同じく木星型惑星(ガス惑星)に分類され、天王星型惑星にも分類される惑星である。
半径は地球の約3.8倍。質量は約17倍。
表面温度は-200℃を下回り、惑星の中では遠いのもあって最も低い。
自転周期は約16時間。公転周期は太陽から一番遠い惑星なので一番長く、164.8年にもなる。
大気と構造
編集大気
編集海王星の大気は主に水素とヘリウムで構成されており、メタンが少量含まれているため、青い色合いを持つ。海王星の大気では極端な風速が観測され、最大で2,000km/hにも達することがある。大気中には「大暗斑」と呼ばれる巨大な嵐も見られるが、これは地球上のハリケーンに似たもので、1990年代に観測されたが現在は消滅している。大気の成分は以下の通りである。
- 水素...80%
- ヘリウム...19%
- メタン...1.5%
構造
編集海王星はガス惑星であり、その構造はガス状の外層と、氷と岩石からなる内部構造から成り立っている。海王星の核は地球の質量に匹敵する大きさで、その周りには水、アンモニア、メタンの氷が取り囲んでいる。
温度
編集海王星は太陽から非常に遠いため、その表面温度は極端に低く、約-214℃に達する。しかし、内部から発生する熱によって大気の下層では比較的暖かい部分も存在する。
海王星の衛星と環
編集海王星には14個の衛星が確認されており、その中で最大のものがトリトンである。トリトンは太陽系の主要衛星の中で唯一、逆行軌道を持ち、極めて興味深い特徴を持つ。また、海王星には暗くて細い環がいくつかあり、その成分は氷と塵で構成されている。
海王星探査
編集海王星は遠距離にあるため、直接探査されたのは1989年にボイジャー2号によるものだけである。ボイジャー2号は海王星の詳細なデータを取得し、トリトンの活発な地質活動や海王星の環の存在などを確認した。
将来的には、海王星やその衛星を対象とした新たな探査ミッションが計画されており、さらに詳細な研究が期待されている。