「高等学校数学III/微分法」の版間の差分

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== 導関数 ==
 
ここでは、[[高等学校数学II]]で学んだ微分の性質についてより詳しく扱う。特に、関数の和、差、積、商、更に合成関数や、逆関数の導関数について詳しく扱う。また、三角関数などの複雑な関数の微分についてもここでまとめる。
 
 
=== 関数の和、差、積、商の導関数 ===
 
ここでは、関数の和、差、積、商の微分について扱う。これらの方法は以降の計算で常に用いられる内容であるので、十分に習熟しておく必要がある。
 
====和の導関数====
 
<math>
f,gを微分可能な関数とする。このとき、f,gの微分をそれぞれf',g'と書くと、fとgの和について次が成り立つ。
:<math>
( f + g )' = f' + g'
</math>
これは、関数の和を微分して得られる導関数は、それぞれの関数の和を足し合わせたものに等しいことを表している。
(
*注意
ここで、関数としてf(x)やg(x)ではなく、単にf,gと書いた。これは例えば、f(x)ではなく、f(y)やf(a)のように異なった変数を用いても、導関数の形は変化しないということを表している。
)
 
導出
29 ⟶ 42行目:
 
====実数倍の導関数====
 
次に、関数の実数倍の導関数について考える。関数の実数倍をしたものを微分したものは、実数倍する前の関数に対する導関数を実数倍したものになる。具体的には次の式が成り立つ。
<math>
(af)' = af'
</math>
(aは定数)
 
導出
52 ⟶ 67行目:
 
====積の導関数====
 
<math>
積に関しては、和や実数倍と比べて計算結果がより複雑になる。具体的には次が成り立つ。
:<math>
( f g)' = f'g + fg'
</math>
これは、それぞれの関数の微分とそれ以外の関数との積が得られるということを表している。これは導出を見ないとなぜこうなるかがわからないかも知れないが、よく導出を検討することが重要である。
 
 
導出
83 ⟶ 102行目:
 
====商の導関数====
商の導関数については次式が成り立つ。
:<math>
( \frac 1 f)' = - \frac {f ' } {f^2}
</math>
この式についても、よく導出を検討することが必要である。
 
導出
107 ⟶ 128行目:
|}
 
また、これ商の導関数の式積の導関数の式より、次の公式が導かれる。
:<math>( \frac g f)' = \frac {g'f - gf' } {f^2}</math>
 
この式は、積の式と商の式から直接従う式だが、よく現れる形であるので、覚えておくと便利なことがある。
<math>( \frac g f)' = \frac {g'f - gf' } {f^2}</math>
 
導出
131 ⟶ 152行目:
|}
 
<!--
note: maxima は微分法をサポートする。
(GNU maximaのこと。
140 ⟶ 162行目:
command: diff(f(x)*g(x),x);
command: diff(1/f(x),x);
-->
 
===合成関数、逆関数の導関数===
====合成関数の導関数====
 
合成関数とは、2つの関数f,gを用いて、h(x) = f( g(x)) という形で書くことができる関数のことである。合成関数は、与えられた変数に対する関数と見ることができ、導関数を取ることもも可能である。具体的には、
:<math>
( f(g(x)) )'= f'(g(x)) g'(x)
</math>
 
 
が成り立つ。
<!-- % 導出 この導出はおそらくf,gの条件をきちんと指定しないと