「ガロア理論/単拡大」の版間の差分

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Angol Mois (トーク | 投稿記録)
ページの作成:「;定義(単拡大) 体の拡大 <math>K/F</math> が単拡大(単純拡大)であるとは、<math>K = F(\alpha)</math> となる <math>\alpha</math> が…」
(相違点なし)

2020年10月29日 (木) 05:15時点における版

定義(単拡大)

体の拡大 が単拡大(単純拡大)であるとは、 となる が存在することを言う。

定理 1 (原始元定理)

体の有限次拡大   に対して以下は同値。

(i) 中間体が有限個である
(ii) 単拡大である

証明

(i) ⇒ (ii):
  が有限体の場合は ガロア理論/有限体 を参照のこと。
 ,   が無限体、のときを示せば十分。  とおいて、  となる   を探す。  は無限集合であるが、  は仮定より有限集合。したがって   となる相異なる   が取れる。
  であるので、  となり  

(ii) ⇒ (i):
  として、    上の最小多項式とする。  の中間体   について、    上の最小多項式とする。  の係数   について、  となることを示そう。
  として、    上の最小多項式とする。明らかに   なので、   で割り切れる。また、  より、   で割り切れる。つまり、  であり、  なので  
したがって、  の中間体は   で決まることがわかったのだが、   内で   を割り切るので、中間体が有限個であることが示された。

命題 2

有限次分離拡大は単拡大である。

証明

   の有限次分離拡大とする。