「ニホンイシガメの飼育法」の版間の差分

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Kyube (トーク | 投稿記録)
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ニホンイシガメ(日本石亀、Mauremys japonica)は、イシガメ科イシガメ属に分類される日本固有のカメです。甲長は雄で8~13cm程度、雌では約13~20cm程度。この文章では、ニホンイシガメの飼育法について解説します。
 
== はじめに ==
[[w:ニホンイシガメ]]は、イシガメ科イシガメ属に分類される日本固有の水棲のカメです。ニホンイシガメの幼体はゼニガメと呼ばれ、古くから売買されてきました。ニホンイシガメはペットとしてよく飼育されるミドリガメ([[w:ミシシッピアカミミガメ]])や[[w:クサガメ]](現在国内でゼニガメとして市販されているのはクサガメの幼体であることが多い)と比べると性格がやや神経質で、臆病な傾向があります。また水カビ病にかかりやすいため、陸場を広く取るように心がけることが大切です。十分飼い主に馴れたニホンイシガメは、飼い主をほかの人間と区別できるかのようになれます。
 
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ニホンイシガメは日本固有種ですが、地域変異があり、色彩や性格が異なります。また、近縁なクサガメなどと交雑し[[w:ウンキュウ]]と呼ばれる雑種が生まれることがあります。ニホンイシガメが日本固有の種であっても、それを放流することはそれぞれの生息域の系統を脅かすことになるので決して採集地以外での放流は行わないことにしましょう。
 
== 飼育設備 ==
この節では、ニホンイシガメの飼育設備について述べます。ニホンイシガメは単独で飼うこともできれば多頭で飼うこともできます。また、大きさはベビーサイズから成体までにかなりの変化があります。ニホンイシガメはもともと日本固有の種であるため通年屋外で飼育することが可能です。
屋外で飼育することで水槽飼育では見られなかった野性の一面を見ることができるかもしれません。
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FAQではこれらの例示では示せない情報が追加されます。
 
=== 水槽飼育1 ===
ニホンイシガメを室内で、水槽飼育するための方法を紹介します。まず留意することはイシガメは皮膚病にかかりやすいことです。水カビ病といわれるもので、イシガメの手足や首の周りに白いカビが生え、皮膚がただれたり、呼吸が困難になったりして最後は死亡します。
 
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具体案として大きな水槽内にタッパを置いて、そこを水場とする方法があげられます。タッパ以外のスペースにはペットシーツやレンガなどを敷き詰めます。イシガメはのどが渇くと自分でタッパに入って水を飲みます。こうすると水換えはタッパの水を取り換えるだけですむようになるので飼い主の負担は減ります。何より水カビ病にかかりにくくなります。イシガメと、ミドリガメ・クサガメではこの点が大きく違うことを念頭に置きましょう。
 
==== 水槽 ====
ニホンイシガメは、ベビーサイズから甲長10cm程度までは1年以内に成長する場合があります。最終的にメスの場合で20cm強、オスの場合で15cm程度になることから、成長にあわせて水槽サイズを大きくする必要があります。10cm以上のニホンイシガメを1匹飼うという前提ならば、最低でも60x30x36cm(60cm水槽として販売されている)を用意しましょう。大きなサイズになると、60x45x45cmないしは90x45x45cmの水槽を用意してもそれほど大きすぎると感じることはないでしょう。
 
ペアまたは多頭での飼育には問題が発生することもあります。ニホンイシガメの性格は個体によってさまざまです。ニホンイシガメの多くは比較的臆病で温厚なので、それほどトラブルは起きませんが、まれに、ニホンイシガメがお互いにいつも見える状態にしておくと喧嘩になってしまったり、尾を食いちぎられるなどの被害がでるかもしれません。このような事故は、日々観察していれば避けられると思います。様子をみて水槽を分けたり、水槽サイズを段階的に大きくできる余裕が自分にあるかどうかあらかじめよく検討しましょう。個体同士が互いに顔をつきあわせ続けなければならないようなレイアウトだとストレスがたまってしまうことがあります。多くのトラブルは、水槽のどこかにいるときはお互いに見なくて済むようにしてあげることで回避できます。
 
==== ろ過 ====
[[画像:Aquarium-Au_enfilter.svg‎ |thumb|right|250px|外部式ろ過装置]]
ろ過には様々な種類があります。一般的なニホンイシガメの飼育でろ過を行う場合は観賞魚用に販売されている、底面式、外部式、外掛け式、投げ込み式という4つのろ過方法が検討対象になります。ニホンイシガメの長期飼育では外部式ろ過がもっとも優れていると考えられますが、飼育スタイルによってその他のろ過方式を採用したり併用することもできます。ここではそれぞれのろ過装置の特長について説明します。
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ろ過槽、水槽の大きさにもよりますが、上記のろ過方式のおおよそのろ過能力とメンテナンス性は以下のようになります。
 
* ろ過能力
: 底面式>外部式>外掛け式>投げ込み式
 
* メンテナンス性
: 外掛け式>投げ込み式>外部式>底面式
 
'''・底面式ろ過'''
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外部式ろ過を使用する場合、ろ材は物理ろ過のためのマットと生物ろ過のためのろ材(リング式やボール状)を2層にして使用しますが、ニホンイシガメなどのカメ類の場合糞が多いため物理ろ過用のマットを使用するとすぐに目詰まりを起こしてしまいます。そのためニホンイシガメを飼育する場合はろ材は全てリング式のろ材にし、物理ろ過は給水パイプの先端にスポンジフィルターを設置することで目詰まりを防止します。それでもやはり目詰まりはおきますのでろ材の定期的な洗浄は必要です。また、ろ過器を購入する場合は目安となる水槽サイズのものより一回り大きいものを購入すると良いでしょう。
 
==== 照明 ====
ニホンイシガメを飼育するうえで照明の役割は二つあります。
* カメの体を温め、消化機関の働きや代謝を促すこと
* 紫外線(UVB)を吸収させ、カルシウムの生成を促すこと
 
一つの照明で二つをカバーする照明もありますが、ここではそれぞれの照明について、説明します。以下では体温を温める用途で使用する照明を「バスキングランプ」、紫外線を発生させる照明を「紫外線灯」と呼びます。
 
===== バスキングランプ =====
爬虫類であるニホンイシガメは変温動物であり、体温は周囲の温度に影響されます。周りの温度があがればカメの体温もあがり、代謝が促進され動きも活発になります。また、食べた物を消化するためにもある程度の体温が必要になります。
 
野生のニホンイシガメや屋外飼育では日光浴により体温をあたためますが、水槽飼育では日光を利用することが難しいため、熱を発する照明で日光の代替にします。バスキングランプは熱さえ出ればなんでもよいのですが、広い範囲を温めるものではなく、一箇所を温めるものが向いているため、白熱灯のレフ球が安価でワット数の種類も多くお勧めです。他にも爬虫類用のハロゲンランプなども売られています。一箇所を温め、水槽内部に高温の場所から低温の場所まで温度勾配を設けることにより、ニホンイシガメが好む場所でバスキングできるようになります。
 
====== 設置場所と温度 ======
バスキングランプで光をあてる場所をバスキングスポットと呼びますが、バスキングランプは
水槽全体を照らすのではなく、水槽の一部に照射します。ニホンイシガメの場合は水槽内の
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高さを変えて調節します。冬用と夏用でワット数の違うランプを常備しておくと便利です。
 
====== 使用上の注意点 ======
バスキングランプは非常に高温になりますので、点灯時の取り扱いには注意しましょう。
 
また、点灯中に水がかかると割れてしまいますので、換水時には注意が必要です。
 
===== 紫外線灯 =====
紫外線灯はその名の通り紫外線を発生させる照明になります。ニホンイシガメは日光に含まれる紫外線(UVB)を吸収することで体内でビタミンD3を作り出します。ビタミンD3はカルシウムを吸収するために必要な栄養素で丈夫な骨格や甲羅の形成に重要な働きをします。そのため、十分な紫外線が得られない場合、骨格の生育に異常をきたし、クル病などを発症します。また、紫外線には殺菌効果があり皮膚病を予防することができます。
 
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ただし、どの紫外線灯も日光に比べると非常に微弱なため、日光浴ができない場合の補助として使用し基本的には日光浴で紫外線を吸収させるほうが良いでしょう。逆に、週に1~2回、10分程度の日光浴ができる環境であれば専用の紫外線灯を用意する必要はありません。日光浴をよくさせて育成したニホンイシガメは、甲羅につやがあるなど、外見上も美しく育ちます。とくによく整備された飼育環境ではキズなどを負わずに長期間育成するので天然個体以上に美しい個体を育成することも可能です。
 
====== 設置場所 ======
紫外線灯を設置する場合は、あまり高位置にとりつけるとただでさえ弱いUVBがさらに弱まってしまいますので、陸場から30cm以内の場所に設置しましょう。UVBは水にも吸収されてしまうため、水中にいる場合も効果はありません。
 
====== 使用上の注意点 ======
紫外線灯は使用しているとUVBの発生量が落ちていきます。商品の説明書きに交換時期が記載されていますので、まだ点灯する場合でも定期的な交換を行いましょう。
 
UVBはガラスなどに吸収されてしまうため、水槽のふた越しに紫外線灯を設置するとUVBは吸収されてしまいますので、ふたなどは取り外しておきましょう。ただし、本来観賞魚用に設計された製品はガラスフタを設置するように説明書などで要求されていることがあります。事故が生じた場合、保証されない場合があるのでショートした場合に延焼しないように設置したり、結露した電灯で感電したりしないように注意深く扱う必要があります。
 
==== 底床 ====
ろ過を行う場合、底床(ていしょう:水槽の底に敷く砂利・土)の有無で水質の安定性が大きく変わってきます。
見た目にも底床があるほうが良いでしょう。
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底床の種類は大磯砂が一般的に使われているようです。
 
==== 保温器具 ====
野生のニホンイシガメは冬になると冬眠を行いますが、冬眠を行わない室内飼育では保温器具が必要になります。
 
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*プレートヒータ(シートヒーター)
 
: 水槽の下に敷くタイプのヒーターです。主に小型水槽やプラケース、衣装ケースなどの小規模な飼育に向いています。
: 水槽外部に設定するため、事故(火傷や挟まりによる溺死)が起こりにくく、大抵の商品は温度が一定(または段階的に調節)で設定が簡単です。また、水位を気にせず設定できるため、低水位で飼育する場合はこのタイプにします。
: 短所としては出力が低く外気の温度に左右されやすいため、室温が常時5度以下になるような低温の場所や水量の多い水槽での使用には向きません。設定温度の調節はほとんどできません。
 
* 水中ヒーター
 
: 水槽内の水中に沈めて使用するタイプのヒーターです。主に中型~大型の水槽や外気温が低温になるような場合の飼育に向いています。
: 低出力のものから高出力のものまで幅広くあるため、水量に合わせて選択することで水量の多い水槽や外気の低い場所でもほぼ一定の水温を保てます。
: サーモスタットが別についているものは水温の設定が1度単位で行えるものがほとんどです。サーモスタット内臓のものでも水量に合った出力のものを選べば外気の影響はあまり受けないでしょう。
: 短所としては必ず水中に水没して使用しなければならないためある程度の水位を必要とします。また、水槽内に設置することでカメが火傷をしたりヒーターと水槽の間に挟まってしまうなどの事故が起こる場合があります。(注意して設置すればほぼ回避できますが)
: また、大型のカメになるとヒーターそのものを動かして水中から出してしまう場合もありますので、しっかり設置しましょう。火傷防止のヒーターカバーは必ず使用します。
 
=== 水槽飼育2 ===
ニホンイシガメを最も安あがりな飼育設備で維持するための方法を述べます。
ここでは、ろ過や照明を人為的に与えないで、その変わりに飼い主が積極的に水換えや日光浴をさせることで
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日常の世話については個々の飼育環境の違いにより、方法や時期が異なる場合がありますので、ここで書かれている情報にこだわらず、状況にあわせて対応してください。
===観察===
たのしい
 
===給餌===
====餌の量====