「分子生物学」の版間の差分

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3つめは'''[[w:Pre-mRNA スプライシング|スプライシング]]'''で、これはタンパク質をコードする部分: '''[[w:エクソン|エクソン]]'''を残して、それ以外の部分: '''[[w:イントロン|イントロン]]'''を除去するものである。
 
このうち、[[w:Pre-mRNA スプライシング|スプライシング]]がもっとも重要と見なされていて、駿台予備校の医系生物で教えるほどである。スプライシングにおいて重要なのは、これまでは主としてタンパク質による作業だったのに対して、この作業の中核となるのがRNA:つまり'''[[w:snRNA|核内低分子RNA:snRNA]]'''であるということである。スプライシングは、まず、snRNAがエキソンとイントロンの境界を識別することによってはじまるのである。また、このsnRNAにタンパク質が結合したものを[[w:核内低分子リボ核タンパク質|核内低分子リボ核タンパク粒子:snRNP]]と呼ぶ。そして、snRNPが中心となるRNAとタンパク質の巨大な複合体である'''[[w:スプライソソーム|スプライソソーム]]'''が実際にスプライシングを担当する。
 
複数のイントロンをもつRNAがスプライシングを受ける場合、遺伝子によってはイントロンとイントロンに挟まれたエキソンが一緒に切り出され、結果的に構成エキソンの異なる複数種の成熟RNAができることがある。これを'''[[w:Pre-mRNA スプライシング #選択的スプライシング|選択的スプライシング]]'''と呼び、これによって、真核生物のゲノムは、その指令能力をさらに増強されている。ヒトの遺伝子の実に60%がこの選択的スプライシングを受けると言われており、これこそが、スプライシングという一見ムダに見えるプロセスが行なわれる理由であろう。