特許法第104条の2

侵害に係る訴訟における具体的態様の明示義務について規定する。本条は、実用新案法、意匠法、商標法で準用されている。

条文 編集

(具体的態様の明示義務)

第104条の2 特許権又は専用実施権の侵害に係る訴訟において、特許権者又は専用実施権者が侵害の行為を組成したものとして主張する物又は方法の具体的態様を否認するときは、相手方は、自己の行為の具体的態様を明らかにしなければならない。ただし、相手方において明らかにすることができない相当の理由があるときは、この限りでない。

解説 編集

特許権侵害訴訟において、侵害行為の立証は容易ではない。特に、被疑者側が不熱心、不誠実である場合には、訴訟の争点整理段階が適正に進行しないことも懸念される[1]

このため、訴訟の争点整理段階に積極的に参加させる観点から[1]、特許権侵害訴訟において具体的態様を否認する場合、被疑者側は原則として単に否認(単純否認)することはできず、具体的態様を明らかにして否認(積極否認)しなければならないこととした(本文)。

明らかにすることができない相当の理由がある場合には、具体的態様を明らかにする必要はない(ただし書)。 「明らかにすることができない相当の理由」とは、

  • 具体的態様に営業秘密が含まれており、具体的態様を開示すると営業秘密が公開され、営業活動に支障が生じるおそれがある場合
  • 主張すべき内容がない場合

などが考えられる。

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改正履歴 編集

  • 平成11年法律第41号 - 追加
  • 平成14年法律第24号 - 侵害の行為を組成したものにプログラム等が含まれることを明確にするための文言の変更

脚注 編集

  1. ^ 1.0 1.1 特許庁編『工業所有権法(産業財産権法)逐条解説』〔第19版〕、発明推進協会、2013年、p. 304。

関連条文 編集

前条:
104条
特許法
第4章 特許権 第2節 権利侵害
次条:
104条の3