特許法第184条の12の2

仮専用実施権特許原簿への登録の特例について規定する。本条では国際特許出願の場合について規定しているが、みなし国際特許出願の場合についても合わせて説明する。

条文 編集

(特許原簿への登録の特例)

第184条の12の2 日本語特許出願については第184条の5第1項の規定による手続をし、かつ、第195条第2項の規定により納付すべき手数料を納付した後、外国語特許出願については第184条の4第1項又は第4項及び第184条の5第1項の規定による手続をし、かつ、第195条第2項の規定により納付すべき手数料を納付した後であつて国内処理基準時を経過した後でなければ、第27条第1項第4号の規定にかかわらず、仮専用実施権の登録を受けることができない

解説 編集

仮専用実施権の設定の効力は特許原簿への登録により発生する(27条1項4号)。

国際特許出願はその指定国に日本が含まれていれば、出願時から我が国の特許法の適用を受ける(184条の3第1項)。しかし、国際特許出願が日本の特許庁に実質的に係属していなければ、仮専用実施権の設定を認める必要が無い。そこで、手続が国内段階に移行して初めて特許原簿への登録を認めることとした。 また、みなし国際特許出願についても、特許庁に実質的に係属していなければ、仮専用実施権の設定を認める必要が無いことは、国際特許出願と同じであり、国際出願日の認定の拒否、国際出願のみなし取り下げの宣言または所定期間内の記録原本不受理の認定が正当でない旨の決定があれば、特許原簿への登録を認めることとした(184条の20第6項で準用する本条、令12条)。

要件をまとめると以下の表の通りである。

国際特許出願 日本語特許出願 国内書面の提出 手数料の納付
外国語特許出願 国内書面の提出 翻訳文の提出 手数料の納付 国内処理基準時の経過
みなし国際特許出願 国際出願日の認定の拒否、国際出願のみなし取り下げの宣言または所定期間内の記録原本不受理の認定が正当でない旨の決定

改正履歴 編集

  • 平成20年法律第16号 - 追加
  • 平成23年法律第63号 - 翻訳文提出の救済措置に伴う追加、仮通常実施権に関する規定の削除

翻訳文提出の救済措置に関する改正については特許法第184条の4#改正履歴を、仮通常実施権に関する改正については特許法第34条の5#改正履歴を参照のこと。

関連条文 編集

前条:
184条の12
特許法
第9章 特許協力条約に基づく国際出願に係る特例
次条:
184条の13