近江弁(おうみべん)は、関西地方の滋賀県で話されている日本語の方言です。近畿方言の一種であり、一般的に「関西弁」として知られる特徴を多く備えるため、滋賀県民自身を含めて、方言学者でもない限りは「関西弁」として認識されることが多いですが、大阪弁などとは異なる表現も存在します。

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ウィキペディア近江弁の記事があります。

「関西弁」と呼ばれる機会が多いため、滋賀県の方言の名前は定まっておらず、近江弁のほかにも江州弁(ごうしゅうべん)、滋賀弁(しがべん)、近江ことば(おうみことば)など様々な呼び方がありますが、ここでは「近江弁」と呼ぶことにします。

「近江弁」の中にも

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滋賀県はさほど面積が広くないものの、中心に琵琶湖があり絶対的な中心都市がないこと、交通の要衝で周辺地方との文化交流が盛んなことなどから、実のところ「近江弁」として統一された方言はありません。大まかに、琵琶湖を挟んで「湖北」「湖東」「湖西」「湖南」で文化圏が分かれます。

  • 湖北(こほく) - 長浜市と米原市からなる県北東部。北陸や東海と隣接する地方で、近江弁のなかでもっとも特色豊か。際立った特徴は、一般的な関西弁のアクセント(京阪式アクセント)ではない垂井式アクセントが分布することだが、若い世代では京阪式アクセント化が進みつつある。福井弁ほどではないが語尾が波打つことがあり、年配層では「重たい→おもたぇ」のような発音変化もある。特徴的な表現は「~やある」「~んす」「~ほん」など。
  • 湖東(ことう) - 彦根市や東近江市などの県東部。「~やある」「~ほん」など湖北と共通する表現も多いが、アクセントは一般的な関西弁。「それ→ほれ」「その→ほの」のように「そ」が「ほ」によく変化する(県内各地で見られるが、湖東は特に目立つ)。文の合間に「~よ」を付けることが多い(湖南の一部でも)。語尾に「~なーし」を付ける特徴もあるが、現在は一部の高齢女性に限られる。
  • 湖西(こせい) - 高島市と大津市北部からなる県西部。「~んす」を使う点や語尾が波打つことがある点は湖北に似るが、そのほかは京都府南部の方言に近い。語尾に「~のー」を付けることが多い。朽木など山間部は独特の表現が多い。
  • 湖南(こなん) - 大津市主要部から甲賀市にかけての県南部。京都への通勤通学圏であり京都府南部の方言とほとんど変わらないが、年配層では「~らる」など独特の表現もある。甲賀市と湖南市からなる甲賀(こうか)地方は「~やある」など湖東と共通する表現や「~わさ」など三重県の方言と共通する表現も多いため、他の湖南地方とは別個に扱われることも多い。

アクセントの表記について

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アクセントは低く発音される部分を「L」、高く発音される部分を「H」で示しました。

(例)「バナナ」は、共通語では「バ」、近江弁(など関西の多くの方言)では真ん中の「ナ」が高く発音されます。LとHで表すと、共通語のバナナはHLL、近江弁のバナナはLHLとなります。

促音(っ)の部分は省略しますが、撥音(ん)は省略しません。

(例)「圧巻」HHH

単語のアクセントは、接頭語が付いたり複合語になったり助詞が続いたりすると変化する場合がありますが、語彙の項目などでアクセントを解説する際には、基本的には単体で発音した場合のアクセントを取り上げます。

(例)「大津」単体ではHLLですが、「大津市」「大津駅」のように複合語になるとHHHL、HHHLLのように「大津」は高いままになります。
(例)「店」単体ではHLですが、接頭語を付けて「お店」にするとLHLではなくLLHになります。さらに助詞を付けて「お店に」になるとLLHLではなくLLLHとなります。
(例)「ええ」(良い)単体ではLHですが、「ええ店」のように後ろにHから始まる単語が付くと、LLHLのように「ええ」は低いままになります。

湖北地方の表現に関しては、表現は同じでもアクセントが地域によって細かく異なる場合もあるため、アクセント情報を省略する場合があります。

解説について

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共通語の文法の知識を前提とし、例文、アクセント、共通語訳等を交えながら解説していきます。

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