関東地方は主に北アメリカプレート上にあるが、南からはフィリピン海プレートが、東側からは太平洋プレートが沈み込んでいるために非常に地震の多い地域となっている。
相模トラフ巨大地震
編集相模トラフ巨大地震とは、相模湾から房総半島の南方にかけて伸びる相模トラフで起きる、北アメリカプレートとフィリピン海プレートの境界で発生する巨大地震である。相模トラフ巨大地震には、1923年の大正関東地震のように相模湾のみを震源域として発生する地震と1703年の元禄関東地震のように相模湾と房総半島の南方の両方を震源域として発生する地震がある。発生周期は180年から590年と考えられており、最後の大正関東地震から100年余りしか経っていないことを考えると次の発生は22世紀以降になる可能性が高い。しかし、発生すると南関東の広い範囲で震度7の揺れを観測すると考えられているだけではなく、伊豆半島から千葉県にかけての広い範囲に大津波が襲来する危険があり、見過ごせない地震である。
南関東直下地震
編集南関東直下地震とは、南関東の直下で多様な発震機構によって発生するマグニチュード6.7から7.3の地震をまとめて表現する言い方である。特に被害が大きくなると考えられているのが都心南部の直下で発生する地震で、相模トラフ巨大地震と比べると被害が出る範囲は狭いが都心部の広い範囲で震度7や震度6強を記録し都心のインフラが麻痺することが考えられる。三浦半島断層帯や箱根ヶ崎断層でもマグニチュード7クラスの地震が想定されており、震源近くでは震度7や6強の揺れを観測する可能性が高い。なお、マグニチュード7クラスでも3メートル前後の津波が発生する可能性がある。
日本海溝の地震
編集日本海溝南部の房総沖や茨城県沖では過去にマグニチュード7クラスの地震が何度も発生しており、1677年の延宝房総沖地震はマグニチュード8クラスであったと考えられている。延宝房総沖地震がそうであったように、この付近での地震は揺れが小さい割に大きな津波が襲来する「津波地震」である場合があり、揺れがそれほど強くなくても長く続いた場合は大きな津波が発生する可能性があるので高台に速やかに避難することが重要である。より北の福島県沖や三陸沖の地震では地震動そのものによる被害はそれほど大きくならないと思われるが、2011年の東日本大震災で見られたように津波や液状化現象による被害が発生する他、高層ビルでは長周期地震動によって大きな揺れが観測される可能性があるので警戒が必要である。
南海トラフ巨大地震
編集南海トラフ巨大地震では震源域にもよるが、駿河湾が震源域に含まれている場合は南関東で震度6弱前後の揺れを観測し被害が大きくなる可能性がある。この場合は津波の襲来も早くなる。東南海地震や南海地震の場合でも震度は5弱前後になり、長周期地震動で大きな被害が出る可能性がある。