パソコン用語など


パソコン用語など、現代では高校の範囲外でも、年月が経つと高校教育に降りてきますので、なるべく関連づけてパソコン用語なども覚えておきましょう。

実際、 E-mail や Internet などの単語は、すでに中学・高校の単語集にあったり、または検定教科書で見かけることすらあります。

例文として

send email 「Eメールを送る」

で通じます(桐原EMPOWER 2 ,P47)。

東京書籍1800によると、チャット chat、インターネット Internet、「オンラインの」online、ウェブサイト website 、というネット用語もありますし、

キーボード keyboard、マウス mouse などの入力機器もありますし、

プロジェクター projector、スキャナー scanner、デジタルカメラ digital camera、などの外部機器もありますし、

スマートフォン smartphone などの電話もあります。

なお、camera は発音「キャメラ」です。


旺文社1900によると、ツイッター twitter という単語すら紹介されています。特定企業のSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)の商標すら、大学入試の英単語の文中に出ているのが実状のようです。すでに検定教科書の桐原 EMPOWER 2 ,P46 で、SNSという単語を見かけました。

なお、SNS は Social Network Service の略です。

「SNSにメッセージを投稿する」も

英語で

post a message to SNS

で通じます(桐原EMPOWER 2 ,P20)。というか、そういうインターネット英語を和訳した結果、日本語でもネットに「投稿する」(= post )と言うように言うようになったのでしょう。

桐原3000によると、もうセンター試験でも既に、ウェブ上の「リンク」link とか、インターネットへの「アクセス」 access や、テキストデータなどの text や、セキュリティソフトなどの security や、暗証番号などのコード code などの単語も、出題されているとのことです。

メインメニューでの「オプション」 option などの単語もセンターにあるとのこと(桐原3000)。

コンピュータ知識は直接は入試に出なくても、こういうふうに狙われますので、これからの時代に必要になるだろう最新技術の単語は、きちんと勉強しておきましょう。


桐原3000によると、すでにセンター試験に「ログイン 」 log in が出ているようです。『センター試験スクリプトでチェック』という章に log in という単語があるので、たぶんセンター出題されたのだと思います。

会員制サイトなどに接続することを、「ログインする」と言います。「ログオンする」と言う場合もあります。

また、自分のパソコンにパスワード(passwaord)を設定している場合は、パソコンの電源を入れて立ち上げたときにパスワードを入力することも、「ログインする」・「ログオンする」などと言います。

これは英語でも

log in 「ログインする」

または

log on 「ログオンする」

です(桐原3000)。

中学校あたりの技術の授業で、「パスワード」という概念を習っているはずですので、授業をまじめに聞いていれば「ログイン」・「ログオン」などの用語も知っているはずです。

password も桐原3000の巻末にあります。

なお、ログインの対義語は「ログアウト」 log out です。


丸太小屋などをログハウスと言いますが、その「丸太」 log と同じ単語です。

セキュリティ関連の語だと、センター出題ではないですが、桐原4500に hack(ハック)「(コンピュータシステムに)不法侵入する」などがあります。

単語集には無いですが、crack(クラック)「(コンピュータシステムに)不法侵入する」という事もあります。(辞書で hacker「ハッカー」を見れば、類義語として cracker 「クラッカー」が紹介されています(ジーニアス、グランドセンチュリー))

コンピュータ時代の令和には重要な単語かもしれませんが、残念ながら入試には出ていない単語のようです。旺文社ターゲット1900や1400を見ても、hack も crack も見当たりません。

ハッカーとクラッカーで、ニュアンスが微妙に違うのですが、まあ高校範囲を超えるので、省略します。ハッカー hacker には、「コンピュータシステムに不法侵入する人」の意味のほかにも、「コンピュータ技術に非常に詳しい人」のような意味もあります(ふつうに辞書に書いてあります)。

高校生は、こういう俗語(ぞくご)的な意味までは、細かい暗記の必要は無いでしょう。


ハッキングと退学の話
※ 社会的な話。英語とは無関係なので、読み飛ばしても良い。

なお、主にネットワーク上のコンピュータシステムに不法侵入することを「ハッキング」hacking または「クラッキング」cracking と言います。

2001年くらいだと、書店にハッキング本とか売ってて、付録にハッキングツールとかありましたが、今そういうツールは使ってはいけません。

単純に、違法かなんかで処罰される可能性が高くなっています。

あと、学生の場合、停学(最悪だと退学)を食らう可能性があります。

たとえ、学校のネットワークが素人レベルにぜい弱だとしても、不法侵入してはいけません。たとえば、他人の家の防犯が不十分だからって侵入してはいけないのと同じです。

いま、学校はどこも忙しいので、言い訳(いいわけ)とか聞いてくれず、不法侵入したらサッサと停学などの処分を下します。

ほか、ファイル共有ソフトなどによる著作物の不正コピーなどの配布も、停学や退学などの対象になりかねません。

「停学」と聞くと、ついつい高校生は、せいぜい1~2週間の謹慎だろとか思いがちですが、大学の場合、その謹慎のせいで留年とかをしかねません。


ほか、まだセンター試験・共通試験にないだろう単語ですが、

テレワーク teleworking

リモートアクセス remote access

なども、英語です(ジー二アスで確認)。


なお、テレビなどの操作のためのリモコン装置の「リモートコントール」 remote control も、英語です(ジー二アス、センチュリーで確認)。すでに2008年の段階で teleworking はジー二アス英和に存在しています。

テレビ電話などを用いたテレビ会議などの「遠隔会議」は teleconference (テレ・カンファレンス)などと言います(ジー二アスで確認)。

近年(2022年に記述)、検定教科書では、社会科の公民科目や地理科目のほうで、テレワーク・リモートワークなどの話題がちらほら紹介されています。なので先手を打って、テレワークなども英語であることを知っておきましょう。

流行語っぽくもあるので、もしかしたら細かい言い回しとかが将来的に少し変わる可能性もありうるので、細かなスペルまでは暗記する必要は低いでしょうが。


なお単語集では、 remote は「人里はなれた」の意味で4500語レベルあたりで紹介されています。山奥の村などが、市街地からは remote みたいな例文です。


ほかの単元「連結に関する言葉」で説明しますが、connect と link の違いもあります。

link はIT用語のほかにも、動詞「関連付ける」や名詞「関連」の意味もある(東京書籍4500、旺文社1900)。こちらのほうで出題される場合もありえます。


IT用語としての用法は、動詞 connect は、たとえばテレビをパソコンにつないだり(東京書籍)、テレビをインターネットにつなぐ(旺文社)のに使う動詞。

connect the TV to the computer 「テレビをパソコンにつなぐ」

なお、道路やトンネルで2地点を結びつけるのにも connect を使う(桐原およびグランドセンチュリーはトンネル、ジーニアスは道路)。

なんか細いケーブル的なもので2つのものをつなぐのが connect っぽい。

connect A to B 「AをBにつなぐ」(東京書籍)

旺文社だと、to でなく with でも良いとのこと。つまり、

connect A with B 「AをBにつなぐ」

でも良い(旺文社)。

桐原だと、そもそも構文としては紹介していない。桐原は例文で with を使っているだけ。

IT用語・ネット用語としての connect と link の違いは、

connect = LANケーブルみたいに、ハードウェア的(ソフト的にはOSあたりまでか)に通信ができる状態にもっていく

link = ネット内での、クリックしたら目的のサイトに飛ぶなどの機能


ほか、ウェブ・ブラウザなどの browse が、旺文社1900および桐原4500および速読英単語・上級編で紹介されています。

browse (ネットなどで)「検索する」「閲覧する」(桐原)

の意味です。

もともとは、「拾い読みをする」という意味のようです(旺文社1900)。


なお、「ウェブサイト」は websites です(桐原4500、速読英単語・上)。

よくある例文

visit our website 「(当社の)ウェブサイトをご覧ください」(桐原4500、グランドセンチュリーに似た例文)

直訳で「ウェブサイトを訪れる」としても良い(グランドセンチュリー)。

「公式サイト」は official website です(速読英単語・上)。


ただし、ウェブサイトは英語では the web などと略する場合もあります(旺文社1900)。なお、webはもともと「クモの巣」の意味です(旺文社、グランドセンチュリー)。

ほか、携帯電話のメールのことを、米英では a text message と言います(桐原4500、鉄緑、辞書グランドセンチュリー)。

また、動詞 text で「軽単電話でメールを送る」という用法もあります。


なお、site 「用地」という意味。

construction site 「建設用地」(鉄緑、グランドセンチュリー「建設現場」)

the site for a new airport 「新空港の用地」(グランドセンチュリー、旺文社1900を改変 new ではなく upcoming「まもなく開港する」)


ほか、一見するとIT用語には見えない語で、動詞

subscribe 「定期購読する」

があります(旺文社1900巻末、鉄緑)。

名詞形は subscription 「定期購読」です。

よく、webサービスの入会のときにサブスクリプション契約などが聞かれます。

ソフトウェアの定額サービス化の傾向

むかし、ソフトウェアは1度買えば、壊れないかぎりは、ずっと使い続けることができる販売の形態が主流でした。

しかし近年、ネットサービスなどの多くは、利用期間の長さに応じてお金を払う定額制になっています。月額料金など、期間限定でまとめて料金を払う仕組みであり、これを「サブスクリプション」と言います[1]

※ 高校の帝国書院の『公共』教科書では、ネットフリックスの写真が、サブスクのコラムで写っています。


公民科目などでサブスクリプション契約について習うようになっています。

(※ 範囲外)ほか、動画サイトのYouTubeの「チャンネル登録」も英語では subscribe です。日本語版だと意訳して「チャンネル登録」としてある。なお、「登録済み」の場合は subscribed と過去分詞になる。
そして、その「登録チャンネル」一覧を閲覧する際のボタンが、subscription である。
このように、無料サービスでも、なにかの視聴を登録する場合は、subscription を使う。


また、英検準1級の単語でもあります(旺文社1900巻末)。

subscribe to a magazine 「雑誌を定期購読する」(鉄緑そのまま、ジーニアスだとthe New Yorker (そういう雑誌がある))

w:ザ・ニューヨーカー

なお、subscript だと、H2O などのHの横の小さな添え字のことになります。

インターネット上で文字を書く HTML でも、 上記の「 H2O 」は H<sub>2</sub>O のように書いています。


そのほか、IT用語で、

「携帯電話」 cell phone または cellular phone または mobile phoneです(桐原3000、東京書籍3000および旺文社1400に cellular phone あり、旺文社1400)。

英国では mobile phone がよく使われます(旺文社)。cell phone は米国です。


なお、「燃料電池」は fuel cell です(z会速読英単語必修編)。


コンピュータのアプリケーションも、れっきとした英語であり、名詞で application である(桐原4500、速読英単語・上)。

速読英単語・上と桐原4500しか、コンピュータのアプリケーションの意味は紹介していない。他社の単語集だと、application「適用」「申し出」はあるが、コンピュータのアプリの意味が無い。

(※ ほぼ範囲外)なお、最近はコンピュータのアプリのことは Apps という。スマホ以外でも Apps という(windows11 で Apps という表記を確認)。

速読英単語・上が、app (発音「アプ」)という略称を紹介している。

英検準1級でもapps は英検の範囲としており(パス単準)1、まあそろそろ受験英語の範囲として降りてくるだろう。


download an app 「アプリをダウンロードする」(速読英単語・上)

なお、名詞「ダウンロード」も同じ download である。


パス単準1級では、さらに、いくつかの写真編集アプリ(photo editing apps)のダウンロードとまで指定している。目的語を複数形 apps とするためか、個数が「いくつかの」several となっている。

なお、パス単のダウンロード先は、軽単電話( download ~ onto my phone)。photo なんとかと言っても、べつにアドビ社のフォトショップ(プロ用の写真編集の高額ソフトとして有名)をダウンロードするのではなく、携帯電話カメラで撮影した写真を携帯電話(スマホ)内で加工するためのアプリのインストールの話。

パス単の全体の英文は、著作権のため省略。


download は割と色々な単語集にあるが、upload 「アップロード」は桐原3000と速読英単語・上級編くらいにしか無い。動詞「アップロードする」も同じ upload である。


アップロードとは、サーバー上にファイルなどを置くこと。他者がファイルをダウンロードできるようにするためには、基本的にはそのファイルをアップロードしないといけない。(他にもファイル配布などの方法はあるかもしれないが、省略する。)


application form 「応募用紙」「申込用紙」(鉄緑、東京書籍)


桐原と速読英単語・上の以外、コンピュータのアプリも説明していない。

旺文社は大学入試の出る順の単語集なので、つまり大元の大学入試が、ろくにIT教育についていけてないわけである。


コンピュータのプログラムの「更新(こうしん)」「アップデート」 update も受験英語です(旺文社1900)。動詞「更新する」「アップデートする」の語も同じく update です。

桐原4500や東京書籍4500では update は見つかりませんでしたが、さすがにアップデート update くらい、常識として覚えてほしい。


その他、速読英単語・上級編は、database データベース, cloud クラウド , protocol プロトコル, compile コンパイル, などの単語を例文なしで紹介しているが、これをどう入試英語で出すかが難しい。

そのうち、「クラウド上にアップロードする」とか出そうだが、そのくらいか。でも「サーバー上にアップロードする」とか、「クラウドサーバー上にアップロードする」とかでも良いわけで。

あるいは、「データベースサーバから統計データをダウンロードする」とか。そんなの。

そもそも皆さん、たとえばツイッターなどSNSに投稿する際、いちいち「SNSの(たとえばツイッターの)クラウドサーバーにアップロードする」とか考えないでしょう。単に「SNSにポストする」とか考えるわけで。

YouTubeなどの動画サイトも同様で、いちいち「クラウド」とか考えないのがユーザーの発想。

「成功したAIは『AI』と言われなくなる」という格言があって、機械翻訳とか典型なのだが、「クラウド」という語も似たようなところがあり、普及したクラウドはクラウドと言われなくなる現象もあったり。

「クラウド」とか言う呼び方を使いそうなのは、google waorkspace とか microsoft 365 くらいか。しかし、こういう大手のグループウェア的なオフィスソフトは、高校必修の内容ではないからなあ。


ファイル共有サーバとクラウドはどこがどう違うのか聞かれても、答えづらい。というか、世間の人はそもそもサーバという用語すらロクに知らなかったりする。

「FTPサーバー」とか既存の名前を名乗ると老害がウザいから、クラウドストレージとか名乗っている面もありそうである。新技術によって、旧技術の老害は淘汰されるのが、技術のよくある歴史。


スマホなどのタッチパネルを「タップする」tap も、受験英語です(旺文社1400)。

ただし、辞書を見てもスマホの用例が見当たらず、よく分かりませんでした。

なお、「水道水」を tap water と言います(旺文社、ジーニアス)。イギリス英語で、「水道の蛇口(じゃぐち)」が tap です(旺文社、ジーニアスでイギリス英語の情報、)。

参考文献

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  1. ^ 帝国書院『05新公共総合特色書.indd - 06公共_内容解説資料.pdf』