このページ「高等学校英語 英単語」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。

すべての単語は書ききれないし、例文も作れないので(ネィティブなど協力者がいれば有難い)、とりあえず類義語の区別方法を書くことにする。

例文などは市販の単語集で練習してもらいたい。

本ページでは、基本的に高校英語4500~5500語レベルの単語でみかける類義語について説明している。

大学入試レベルまで約7000語:大学受験英語 英単語

類義語 編集

3000語レベルあたり 編集

好きでない、嫌い

not like 好きでない

dislike 嫌い

hate 憎む。強く嫌っている


dislike は、構造としてdis-(でない)like(好き)ですが、しかしdislikeの意味は動詞としては「嫌う」ですし、名詞としては dislike は「反感」(桐原3000)や「嫌悪」(旺文社1400)です。

単に「好きでない」という場合は、don't like や doesn't like のように言います。


かといって、たとえばagree「賛成する」 にdisをつけた disagree が必ずしも反対しているわけでもなく、単に「賛成ではない」という意味合いで disagree が使われることもあります。

この手の dis なんとかや un なんとかといった打ち消し・否定の接頭辞がついている動詞は、実務的では使う前に辞書で意味を確認するのが安全でしょう。


嫌いの強さは、

(嫌いの気持ちの弱い側) not like < dislike < hate (つよく嫌っている側)

です。

hate 自体で動詞「憎む」のほかにhateに名詞として「憎悪」「憎しみ」の意味があります。hatred という単語にも「憎悪」や「憎しみ」の意味があります(東京書籍3000、旺文社1400)。


選択する choose, select ,

選挙で選ぶ elect

あまり深く考えずに選ぶ pick


choose が、もっとも基本的な「選択する」である。

select は、やや慎重に「選択する」のニュアンスがある。

選挙で選ぶときは elect を使う。

なお、「投票する」は vote である。


pick は、花などを摘む(つむ)場合も pick である。

ただし、select, choose, pick の上記のニュアンスは、あくまで傾向であり、例外もあるので、あまりガチガチに考える必要は無い。

日本語で「ピックアップ」という「選びだす」意味の表現があるが、それは英語では pick out である。

英語の pick up は、地面におちているものを「拾い上げる」とか、自動車などで「迎えにいく」の意味である(桐原4500)。

たとえば、

「彼女を迎えにいく」 pick her up

である(桐原4500に同じ例文。旺文社1200に似た例文)。


よく分からなければ、単に選択をする場合を言うなら、前置詞を使わず pick ~(選ぶ対象) でも通じる。東京書籍3000の例文がそうである。


「着る」など

wear 「着ている」という状態

put on 「着る」という動作


なおwear は不規則変化で

wear(ウェア) - 過去形 wore(ウォア) - 過去分詞 worn (ウォーン)

である。

単に、普通に服を「着る」動作を言いたい場合は、put on を使うのが無難である。

また、なんらかの服を着ている状態を言いたい場合は、とりあえず wear で表すのが無難である。


暗記のさいは、動詞 wear についえ「wear 状態」「put on 動作」とセットに覚えて、名詞wear について「wear 衣服」と覚えておけば、あとはそこから芋づる的に、「put onは衣服関連の動作だから『着る』だな」とか連想できるだろう。


ほか、動詞 dress は「服を着せる」という意味もあるが(東京書籍3000)、ややニュアンスが違う。よって、特別な場合以外は、dress ではなく上述の wear や put on を使うほうが安全であとう。

なお、dress は、受身形では

be dressed in 「~な服を着ている」(状態)

の意味である。たとえば、

She is dressed in pink. 「彼女はピンクの服装をしている。」

とか(東京書籍3000の例文そのまま)、

She is dressed in black. 「彼女は黒い服装をしている。」

のように使う(センチュリーの例文を少し改変)。


なお、旺文社は

She is dressed in white. 「彼女は白い服装をしている。」

のような文である(旺文社1200を少し改造)。

色だけでなく、生地でもよく、

She is dressed in silk. 「彼女はシルクの服装をしている。」

でもいい(ジーニアス)。


get dressed 「服を着る」(動作)

の意味である(旺文社1200)。ただし辞書を探したが、get dressed の例が見つからなかった。

ただし、辞書で動詞 dress の例文を見ると、女性物のドレスとか、あるいはパーティ衣装の例が多い(ジーニアスなど)。

よって、普通の服では wear や put on を使うのが無難だろう。

旺文社1200だと、wear を見ても put on との関係しか書いてないが、本来なら be dressed との関係も書くべきである。

東京書籍3000は、wear と be dressed を同じページで紹介している。

また旺文社1200は、wear と get dressed を同じページで紹介している。

wear の対象は服だけではなく、靴(くつ)も帽子も眼鏡もネクタイもアクセサリー、すべて装着している状態は wear であるし、それを装着する行為は put on である(桐原3000、東京書籍3000)。

日本語とは違って、英語では装着の対象によって動詞が変わったりはしない(桐原3000)。


動詞 wear は「すりへる」という別の意味もあるが、いまは衣服の話題なので、すりへりについては言及しない。

名詞形 wear は、「衣服」とかの意味である。

ソフトウェア softwareなどの末尾は-wareなので、混同しないように。なお発音は同じ。

入試に出ることはないだろうが、サラダの調味料ソースのドレッシング dressing と、衣服を着ること dressing は、同じ単語であり、つまり同じスペルで同じ発音である(ジーニアス、センチュリー)。せっかくなので、ついでに覚えて脳内の知識を整理しよう。

辞書を見ると、さらに dressing には、傷の「手当て」や包帯などの意味もあるが、これは医療関係者にまかせて、私たち高校生は深入りしないことにしよう。高校生にはニュアンスなど分かりづらい。


operate と control

猛烈 tremendous, fierce


control は「管理する」の初等的な表現のニュアンス(東京書籍1800)。だが、「制御する」でcontrolを覚えるのが良いだろう(後述)。

under control で「制御下で」の意味。つまりcontrol には「制御する」のようなニュアンスあり(旺文社1200)。

「銃規制」は gun control である(駿台の単語集)。東京書籍4500の control 項目にも gun control 「銃規制」はある。

あまり他の単語集には「銃規制」が書いてない。


なので機械を操作する場合は operate のほうが望ましい。

※ 高校生の勉強としては、まず operate を覚えよう。

機械のオペレーター operator などの表現も単語集にある。


パソコンのオペレーティング・システム operating system の前半部 operating も、動詞 operate の名詞形です。

OS上で動かす、メモ帳ソフトだとか電卓ソフトなど、個別のソフトウェアのことを アプリーケーション application といいます。桐原4500だと、「コンピュータのアプリケーション」の用法も書いてあります。

一般の英語では application とは「応用」という意味です(東京書籍4500)。1990年後半ごろは、アプリのことを「応用ソフトウェア」などとも訳すこともありました。今ではそのままアプリで通じますし、むしろ応用ソフトでは通じないので、訳すなら「アプリ」または「アプリケーション」と訳すべきです。

なお、東京書籍の例文は、「情報技術の応用」とか、紛らわしい例文です。

OSを90年代の昔は「基本ソフトウェア」などと訳していた時代もありました。しかし、オフィスソフト(OS会社の提供するワープロソフトや表計算ソフトなど)と紛らわしからか、今では operating system はそのまま「オペレーティングシステム」と訳します。

動詞 apply は多義語で、「適用する」「応用する」「応募する(=申し込む)」などの意味があります。

名詞 application も、「摘要」「応用」「応募」などの意味です。


なお、掃除機や冷蔵庫など「家庭用の電気器具」は appliance (アプリアンス)である(ジーニアス、桐原、旺文社)。

特に家庭用であることを強調したい場合、 home appliance あるいは household appliance などとも言う(センチュリー)。


戦後の日本では、平和教育などの理由で gun 「銃」など武器の英語をあまり教えませんが(桐原3000にgunある。しかし東京書籍コーパス3冊にない)、しかしgunなどの単語も学ばなければなりません。

アメリカの場合、銃社会です。

こういう単語、戦前の英語教科書だと教えていたりするのです。少なくとも gun は戦前でも教えています。研究社『英語教科書は<戦争>をどう教えてきたか』などの文献に、戦前の教科書の英文が紹介されており、そこに gun などの単語があります。

べつに自走砲(じそうほう)だの榴弾砲(りゅうだんほう)とかの専門用語まで学ぶ必要はないでしょうが、本来なら、「銃」 gun とか、「戦車」tank とか、「軍艦」warship くらいは学ばないとマズイでしょう。なお、航空兵器は、やや特殊なので、英語を省略します。

なお、桐原3000に、tankは「水槽」「タンク」・「戦車」だと書いてある。

戦前の教科書を見ると、casualties (カジュアルティーズ)「死傷者」とか、戦争以外でも災害などの死傷者を言い表すこともできる単語もあります(研究社『英語教科書は<戦争>をどう教えてきたか』)。wounded 「けがをしている」とかdead「死んでいる」などを習うついでに、高校範囲外ですが casualties も覚えましょう。

なお、「軍艦」warship は「崇拝する」worship とスペルも発音も別ですので、混同しないように。

「旗艦(きかん)」flagship は、英語では現代でも使う表現です。

よく最新のデジタル家電などで、そのメーカーの現時点での一番上級の製品を「フラッグシップ・モデル」などと呼びます。


もともと旗艦とは、海軍において、各方面でのその艦隊(かんたい)の指揮官が登場している中心的な軍艦のことです。

「艦隊」fleet (フリート)も戦前で教えらています(研究社『英語教科書は<戦争>をどう教えてきたか』)。

やや専門的ですが、スペルが簡単なので fleet も覚えてしまいましょう。


英語では旗艦は「旗艦ミカサ(三笠)」flagship Mikasa みたいな言い方をします。三笠とは、日露戦争における日本海軍の旗艦です。


なお、船の沈没は、「沈む」sink の過去分詞 sunk で通用します。

be sunk で「沈没した」の意味です。


敵の軍艦などの兵器を captured したという表現も、覚えたい。

catch だと、つかんでいるようなイメージになってしまいます。

get でも通じるでしょうが、captured のほうが「敵から奪った」というニュアンスも含まれており、なかなか良い言い回しです。


なお、「戦艦」(せんかん)と「軍艦」(ぐんかん)は別物です。「戦艦」とは、軍艦の種類のうちのひとつです。「空母」とか「巡洋艦」とか「戦艦」とか「潜水艦」とか、そういうののうちの一つが「戦艦」にすぎません。空母などの英語は専門的すぎるので省略します。現代では「戦艦」は時代遅れになってしまいました。なので、戦艦についての英語の説明を省略します。

なお、「潜水艦」は submarine です(桐原4500)。「地下鉄」 subway のように、地面や水面の下にあるから冒頭に sub がつきます(桐原4500)。


subway は実はアメリカ英語である(東京3000、桐原3000)。

だが、桐原3000も旺文社1200も、「地下鉄」については subway である、として主に紹介している。

イギリス英語では地下鉄は underground (アンダーグラウンド)や tube (チューブ)と言うが、しかし桐原・旺文社の単語集では独立の項目としては紹介せず、subwayの項目の備考として underground や tube などを派生的に紹介しているだけである。東京書籍では、tube は主に「管」(くだ)の意味で紹介しているのであり、地下鉄 tube は派生的な紹介である。

そもそも underground は「地下」という意味だし、tube は「管」(くだ、かん)という意味である。

地下や管を「地下鉄」とするのは、その位置や形状から考えれば分からなくもないが、まあ同義語が多すぎて不便だろうし、やや飛躍的である。単語集からもそう見なされて、アメリカ英語の subway に紹介が置き換わっているのだろう。

たとえば、地下鉄の近くにあるデバートの地下フロアとか、地下街とか、いったいイギリス人はどう表現するつもりなのか。

地下鉄の工事のために、大きな鉄の管を通しますとか、イギリス人はどう表現するつもりなのか。

もっとも、アメリカ英語のsubwayも、地下subの道wayという構造なので、鉄道の走っていない地下道とまぎらわしい欠点があるが。イギリス英語では、subway とは「道路横断用の地下通路」のこと(ジーニアス)。アメリカ英語では「地下通路」は underpass である(ジーニアス英和 subway)。

なお、「高速道路」をハイウェーというのは和製英語。米英では「高速道路」は別の言い方をする。highwayは「幹線道路」とか「主要道路」の意味である(ジーニアス)。

単語集では、紹介の意味を感じてないのか、まず見当たらない。どこかの単語集にあるのかもしれないが。


さて、general は「将軍」「武将」などの意味もあります。(これも戦前の教科書にある。)

「一般的な」を意味する general と、「将軍」を意味する general は同じスペルです。

第二次世界大戦のあとの戦後の笑い話ですが、アメリカ式の財政制度を日本に輸入するさい、「一般会計」 general account という単語の書かれた英文を読んだ日本の官僚が、「アカウント将軍」というGHQ軍人が来日でもするのかと勘違いして慌てたというジョークもあります。(経済学者の野口悠紀雄の本に書いてある事例。)

「一般な」の意味での general の対義語は specific (東京3000)、または special です(桐原3000、旺文社1200、東京3000)。

general ⇔ specific, special


account は多義語で、色々な意味があります(桐原)。

桐原は、まずは、計算のイメージで account を覚えることを勧めています。

ac-count と分解してみると、後半はカウント count 、つまり数えることです(桐原)。


私たちは、さらに、お金の計算の経理(けいり)・会計(かいけい)のような意味で account の意味をつかみましょう。

桐原いわく、たとえば、account には、なにかの予算の費用などの「明細書」(めいさいしょ)の意味もあります。

桐原いわく、「銀行口座」も account です。SNSなど会員制サイトの「アカウント」など、さらに派生的な意味でも使われています。SNSは2020年以降、中学高校の英語教科書などでもよく題材になるので、こういう account のような英語も覚えるべきでしょう。

上述の意味は、これらすべて、経理や会計の意味から、簡単に連想できます。


いっぽう、東京書籍は「理由」「根拠」などで account を説明しています。

単に「説明する」ことを言いたいだけなら describe などの他の単語でも言い換え可能です。


しかし、自治体のオンブズマン制度的な情報公開などにおける「説明責任」も英語で accountability (アカウンタビリティー)と言います。

こういう背景があるので、account の「説明」の意味も知っておきましょう。

旺文社は、形容詞 accountable を「(説明)責任がある」とだけ紹介しています。オンブズマン制度などの背景があることを知らないと理解しづらいと思います。


なお、「責任」を意味する一般的な語は responsibility (レスポンシビリティー)である。

これは形式的には動詞 response(レスポンス) 「反応する」「対応をする」「返答する」などの名詞形である。

動詞 respond と 名詞 responsibility 「責任」のあいだには、あまり共通性は無く、そのためか、桐原も東京書籍も、別々のページでrespond と responsibility を紹介している。旺文社のみ、動詞と名詞をまとめて紹介している。

形容詞 responsible は、

be responsible for ~ 「~の責任がある」

のように使う(桐原、旺文社)。


a responsible person 「信頼できる人」

a person responsible 「責任者」

というふうに、前置修飾か後置修飾かで意味が異なる。


さて account の「説明する」の意味は、会計によって説明することから、account に「説明する」の意味が出てきたことに由来すると考えれば良いでしょう。


熟語 take account of ~ 「~を考慮する」「~を勘定に入れる」

という熟語があります。

江戸時代、「勘定」(かんじょう)とは今で言う「会計」「経理」の意味です。東京書籍が熟語 take account 訳に「勘定に入れる」という訳も出しています。

江戸時代の勘定奉行(かんじょう ぶぎょう)は、現代でいうなら国の財政を管理する役人のお偉いさんです。

もともと会計のような意味の「勘定」が派生的に、いつしか「考慮に入れる」のような意味になったのです。

account for ~(割合など)  「~の割合を占める」

は、たとえば 

account for 15 % of ~  「(主語が)~の15%を占める」

のように使う(東京、桐原)。

これも、経理の帳簿(ちょうぼ)をつかうことで、費用がどういう割合でどういう部品や原価などに使われているかが分かることを考えれば、 イメージしやすいでしょう。


さて、ことわざ で、

There is no accounting to taste. 「好みの理由を説明することはできない」

というのがあります。

よく、日本のことわざ「たで食う虫も好き好き」に相当すると、昔から受験英語で習います。


さて、tremendous(トリメンダス) 「計りしれない」「途方もない」という単語が、桐原5500にあります。桐原の例文は、なんか抽象的な例文です。

しかし戦前の教科書だと、猛烈な砲火などの「猛烈な」が tremendous です(研究社『英語教科書は<戦争>をどう教えてきたか』)。こういう風に tremendous は使います。

「猛烈な砲火で取り乱す」とでも語呂合わせで覚えてしまいましょう。

tremendous は語そのものにveryのような強調の意味を含むので、tremendousをveryで修飾できない。

同様に、delicious(とてもおいしい)、enormous(とても大きい)、huge(巨大な)、marvelous(すばらしい)、terrible(ひどい)、tremendous(ものすごい)、などの形容詞はveryでは修飾できない。これらの語を修飾するには、reallyやcompletelyなどを使う

形容詞 fierce (フィアース)という単語でも、「気象の荒い」「激しい」「猛烈な」という意味があります。

fierce dog で「猛犬」(もうけん)です(桐原、ジーニアス)。

fierce animal は「どう猛な動物」です(旺文社、センチュリー)。

猛犬の「猛」は、獰猛(どうもう)の「猛」です。

なお、「猛烈な嵐(あらし)」 fierce storm です。


猛烈な戦闘にも fierce を使うことができ(東京書籍、ジーニアス、センチュリー)、 fierce battle 「猛烈な戦闘」(東京)だとか fierce fight 「激闘」(センチュリー)だとか、 fierce attack 「猛烈な攻撃」(ジーニアス)とか言います。

どうも、日本語・漢字の「猛」と、fierce は合いそうです。たぶん明治時代あたりに、英語に合わせて「猛犬」とか日本の誰かが造語したのでしょう。


ほか、範囲外ですが、敵を「全滅させる」 annihilate (エナイエレイト)も、実は戦前の高校で紹介するレベルです。紹介のみですが。

terminate (ターミネイト)と「終わりにさせる」とか eliminate (エリミネイト)「殲滅(せんめつ)する」「抹殺する」(※ジーニアスで確認)とかの語彙の知識に、annihilate (エナイエレート)「全滅させる」「絶滅させる」(※センチュリー)も加えましょう。

素粒子を「消滅させる」も英語で annihilate です(ジーニアス)。


点数・得点

point, score


score も point も、スポーツや試験などの「得点」の意味がある。


違いとして、score は

win a game by a score of five to three 「5対3で試合に勝つ」

のように両チームの得点結果の意味にも使える。


win a game by a score of 5 - 3 「5対3で試合に勝つ」

のように数字で英文を書いてもいい(ジーニアス、センチュリー)。


pointは

win by 3 points 「3点差で勝つ」

のように使える。


機会

chance, opportunity, occasion


日本語の訳語では、一言ではopportunity と occasion を区別できない。

opportunity は、自分で作れる「機会」。発音注意であり、「オポチューニティ」である。


だから create an opportunity 「機会をつくる」と言う(ジーニアス)。

このため、「均等な機会」「機会均等」という場合は equal opportunity である(東京4500、センチュリー)。

また、これらの例のように、chance よりも、opportunity のほうが、やや確実というか(桐原3000)、本人次第というニュアンスがある。


だからか、opportunity to do 「~する機会」および opportunity for ~ 「~の機会」である(東京書籍4500)。

経済学でいう「機会費用」も opportunity cost である(ジーニアス)。


いっぽう、occasion は、たまたま遭遇する「機会」。

occur という動詞があるが、旺文社いわく、occasion は「たまたま何かが起きるとき」というイメージで考えるとよい、と述べている(旺文社)。なお、語源とは違う(ジーニアス、センチュリー)。

ただし、occasion であっても、機会を逃さないように、という意味のことは言える(ジーニアス)。

ジーニアスに「機会を見つけては、必ずその博物館をたずねた」というoccationを使った言い回しがある。

たまたま遭遇した珍しい機会を、逃さないように、というような意味だろう。

よくある例文は

on special occasion 「特別な機会に」、または for special occasion「特別な機会に」

である(東京4500、桐原3000)。on か for かは、直前の動詞による。


そのほか、occasion には、「場合」という意味もあり、caseとほぼ同じ意味(ジーニアス)。

翻訳の都合でoccasionを「時」と訳す場合もあるが(桐原、ジーニアス)、しかし意味合い的にはwhenではなくcaseである。

副詞 occasionally は「時折」「ときたま」と訳すのがよいだろう(ジーニアス)、桐原3000は「ときおり」と平仮名で書いている。

形容詞 occasional は「時折の」と訳すとよいだろう(ジーニアス)、桐原3000は「ときおりの」と平仮名である。

このように、occasion派生の副詞や形容詞では「時」を使ったほうが良さそうである。


occasionおよび派生は、sometimesよりも低い頻度を表す(ジーニアス)。桐原もジーニアス同様の見解のようである。

センチュリーおよび東京書籍3000はその節を採用しておらず、occasionalを「時々の」としている。

だが、桐原はセンチュリー説を採用していない。


最近 lately, recently


桐原およびセンチュリーいわく、

lately は、「最近、母の調子が悪い」みたいに期間中に継続していることを表すのによく使い(ジーニアス、センチュリー)、したがって完了形でよく使う。

My mother hasn't been looking well lately.

または

My mother hasn't been feeling well lately.

のようになる(ジーニアス、センチュリー、旺文社をもとに例文を作成)。

一方、recently は、「最近、東京に行きました」みたいに、近い過去の行動を表すのに使い、過去形でよく使う。



前進する

advance, progress


advance も progress も、軍隊や人などの物理的な「前進する」という用法と、それとは別に「技術の向上」の意味がある。

progress のほうが、技術の向上のニュアンスが強い。

東京4500は技術や知識の向上の意味でしかprpgressを紹介していない。だが、辞書で確認したところ、progress にも物理的な前進の意味もあるし、単語集でも桐原3000が紹介している。

また、progressは、物理的な前進の意味で使っていても、ときとしてゆっくりな場合もあるが(ジーニアス)しかし「着実な前進」というニュアンスがある(センチュリー、ジーニアス)。


「急速な進歩」または似たことを言う場合、advance で表すのが普通。

また、普通、advanceによる技術進歩は、社会全体・業界全体の技術水準の進歩のことを言う。

progress は、業界全体の進歩も、個人の技術習得の進歩も、どちらも言っていい。


She made remarkable progress in English. 「彼女は英語が顕著に上達した。」

のような文章を、辞書などでよく見かける。

4500語レベル~ 編集


命令する

order と dictate と command

オーダーとディクテイトとコマンド


説明する

describe, explain , illustrate , , ,


「独裁者」dictator という単語がある(旺文社1900のdictate 項目)。東京書籍や桐原にはdictator は無い。


このように dictate には、どちらかというと「押し付ける」ようなニュアンスがある。

なので、とりあえず普通の場面では、orderを用いるのが安全だろう。

このためか、単語集によっては dictate に「命令する」の意味がない。東京書籍4500にはない。桐原5500にだけ、和訳だけ「命令・指図」と書いてある(例文なし)。

なおdictateには「書き取らせる」「後述する」の意味もある。むしろ、こっちが高校単語集でよく紹介されており、桐原5500および東京書籍4500の両方で紹介されている。

なお、スペルと意味の似た動詞 describe は「説明する」の意味。辞書(ジーニアス英和)だとdescribeに「記述する」の意味もあるが、あくまで説明が第一の意味だと考えるべきであり、「記述」の場合でも説明になるように記述しているわけである。だからか、単語集ではdescribeの意味を「記述」で照会せず、「描写」で紹介している。なお語幹 scribe が「書く」の意味である。


東京書籍4500が「(言葉で)描写する」としているのは、scribeにそういう文字的な意味があるから。

ジーニアスおよび旺文社1200によると、describe の第一義は(「説明する」ではなく)「特徴を述べる」である。 たとえば旺文社によれば

Can you describe the contest to me? 「そのコンテストの特徴を私に説明してくれませんか。」

となる。

describeの目的語には、説明相手ではなく話題になっているもののほうが入る。

ただし、和訳として「特徴を述べる」だと日本語として不自然になる場合もあり、その場合は「詳しく説明する」(桐原4500)や「描写する」(東京書籍4500)などの訳にするのが良いだろう。例えば桐腹4500では「私の気持ちを詳しく説明するのは難しい」 It is difficult to describe my feeling. という例文がある。

また、熟語 describe A as B で、「AをBだと説明する」である。


中学英語の explain だと、単なる「説明する」こと。東京書籍4500は「(理解させるために)説明する」と紹介しているが、describeの文章的な説明だって理解を目的にしているだろうし、無理があるだろう。

やはり、語幹のscribeを解説せざるを得ない。

動詞 illustrate には、図解などで「説明する」の意味のほかにも、実例などで「説明する」という意味もある(桐原4500)。

ただ、古い時代の文章を読むならともかく、現代では図やイラストなどでの説明との誤解を避けるためにも、実例での説明で illustrate を使うのは避けるのが安全だろうとは思う。実際、東京書籍3000では illustrate の意味を「(図・イラストなどで)・・・を説明する」と紹介している。東京書籍では「実例」については紹介していない。

ただし、辞書を見るとジーニアス英和にもセンチュリー英和にも、まず実例による説明の意味でilustrateの意味を紹介している。名詞形 illustration にも、「絵画」の意味のほかにも「実例」や「例証」の意味がある。旺文社1400にもillustrationの「挿絵、イラスト:具体例」と紹介しているように「具体例」の意味があるし、桐原4500はillustrationを「図解、実例による説明」と紹介している。

なのに、辞書で illustrator には「画家」の意味しかないので、辞書と実際の用法とに若干の食い違いがあると思われる。


命令の話に戻ると、

子供相手などの言いつけには tell ~ to ~ という表現がある。この場合、tellは「告げる」「指示する」の意味[1]


※ order には熟語がいろいろとあるが、それはまた別の単元で。

order ○○ to ~で、「○○に~を命令する。

order にかぎらず、force「強制する」やask「頼む」などでは、これから相手が何かの動作をするわけだから、to不定詞が続く。

つまり、order(命令する) や tell(指示する) や force(強制する) や ask(頼む) で、相手に何かの動作をさせる用法では、  動詞+目的語+to不定詞  の語順になる[2]

ところで、よくレストランなどの注文を「オーダー」というが、実際に英語でも名詞「注文」および動詞「注文する」も order である[3]

なお、「割り勘」は英語で split the bill である[4]。英語と日本語の表現が近い。費用などの分担・分割は split (割る・切り裂く)である。


command は、指揮して「命令する」ような意味なので、軍隊や警察の命令であり、命令される側が通常は従うのが前提。

センチュリー英和によると、医者が患者に安静を「命じる」のは、command ではなく order だ、というニュアンス。


なお、disorder の意味は「無秩序」であり、まったく意味が違う。

そしてさらに、「摂食障害」を an eating disorder といい、「精神障害」を a mental disorder という(ジーニアスで確認)。このように disorder には、健康上の~「障害」の意味もある。なお、桐原4500と旺文社1900の例文が、この~障害である。

日本語では「障害」と言うが、しかし摂食障害や精神障害についての英語的な発想では、おそらく英米人は、胃やら脳などの機能が「混乱」しているというイメージなのだろう。なお、disorder には「混乱」という意味もある。

disorder には、そのほか、ジーニアスいわく「暴動」の意味もある(ここまで単語集にある)。単語集にはないが、実際、派生の形容詞 disorderly の意味は、ジーニアスによれば「乱暴な」「無法な」の意味である。


さて、単語 command には「能力」の意味もあり、桐原 4500 によるとcommand of the English language で「英語を自由にあやつる能力」のような意味もある。だが東京書籍は「能力」の用法を紹介してない。

まずはcommandは軍隊的な「命令」の意味で理解するのがいいだろう。あとは派生的な用法と解釈すると良いだろう。


ほか、

have a good command of ~ 「~を自由にあやつる」「~を自由に使いこなせる」

の意味(桐原の熟語ページ、旺文社)。

典型的な例文は、

She has a good command of English 「彼女は英語を自由にあやつれる。」

である。


なお、高校範囲外だが、特殊部隊・コマンドーは commando という語尾にoがつく別単語であるので、混同しないように。


なお、命令に従うのは obey である。

obey orders や obey command という。

東京書籍4500 が obey orders を紹介。センチュリー英和辞典が obey commands を紹介。

「 obey teacher's commands . 」で「先生の命令に従う」とセンチュリーが紹介。

commandするのは、かならずしも軍隊や警官でなくてもいい。


なお、発音は「コマンド」。ドーとは伸ばさない。ハリウッド映画の『コマンドー』は 軍隊などの特殊部隊員 commando のことであり、別単語。

指揮官が commander である。(東京書籍4500が紹介。)


ビジネスなどの業務上の指示は direct が、(コマンドよりかは)望ましいだろう。旺文社1400が、directを「業務上の指示を与える場合で用いる」と紹介している。また東京書籍4500にも

Mark directed the project. 「マークはそのプロジェクトを指揮した。」という例文がある。


文字以外で描写する

represent, depict, portray

動詞 represent は、絵や彫刻や音楽などで、なにかを描写する際、それが何を描写・表現しているかという意味を説明している。

芸術に限らず、たとえば「地図にあるこの記号は何を表しているのか?」とか、そういうのも represent である(センチュリー、ジーニアス)。

もっとも、mean 「意味する」で代用できそうではあるが。ジーニアス mean で確認したところ、絵の意味を mean を含む一文で質問する例文がある。

represent には集団などを「代表する」という意味もある(東京書籍4500)。


動詞 depict は、絵や彫刻などが、「詳細に描写している」または「生き生きと描写している」ことを示す(ジーニアス)。

言葉で物語を説明する場合でも、対象が生き生きと描写されているなら、depict で表してもよい(東京書籍4500巻末、ジーニアス)。

名詞形は depiction 「描写」「叙述」である(旺文社1900、ジーニアス、センチュリー)。旺文社だと「描写」としか書いてないが、ジーニアス・センチュリーでは「叙述」の意味も紹介している。


「肖像画」(しょうぞうが)や肖像の彫刻などを名詞で portrait (ポートレイト)と言う。

ポートレイトとは、人物の顔または上半身の絵や彫刻や写真などのことだが、全身のものでも構わない。

動詞 portray でも、「生き生きと描く」いう意味である。

絵画や彫刻などの形あるものだけなく、文章や言葉や物語や映画などでも良い(ジーニアス。東京書籍4500巻末で映画の例。センチュリーだと自叙伝)。


ポートフォリオとは異なるので混同しないように。

なお、portfolio は、作家の「作品集」や、金融における「有価証券の一覧表」のこと(旺文社1900巻末、ジーニアスで確認)。センチュリー portfolio だと、「有価証券の一覧表」しか書いていない。

桐原4500・5500と東京書籍4500には、ポートフォリオは無し。


「支配」 -クラシー

democracy(民主主義), bureaucracy(官僚政治), aristocracy(貴族政治), meritocracy(能力主義)


単語集にはないが、独裁者には dictator という言い方のほかにも、 autocrat (オート・クラート)ともいう。これは単語集に書いてないので暗記しなくていい。

「独裁政治」のことを autocracy (オートクラシー)というが、これ自体は覚えなくていいが、次のことを覚えてほしい。

語尾の -cracy (クラシー)というのは、「支配する」のような意味である。

そして、「民主主義」 democracy は、語幹を分析すると、民衆が支配する、のような意味の構成である。

よく政治学の用語で、何とかクラシー、あるいは何とかクラート、というのがある。


なお、企業などによる市場の「独占」を言いたい場合、monopoly (モノポリー)という別の単語である。動詞形(市場を)「独占する」は monopolize である(旺文社1900)。mono- 「モノ」というのは「単一の」という意味(桐原4500巻末)。白黒写真のことを日本ではモノクロとも言ったが、英語で monochrome (モノクローム)は「単色画」や「白黒写真」などの意味である(センチュリー)。

だから「君主制」「君主国」は monarchy (モナーキー)である(桐原4500 republic 「共和国」の対義語として紹介)。ジー二アスには「君主制」の意味も書いてある。なお、東京書籍4500と旺文社1900にはモナーキーはない。そういうマニアック単語なので、やや高校範囲外。

ほか、音響機器などの音声の「モノラル」monaural などの単語がある(ジー二アス)。意味はたぶん、ステレオ音声ではないという意味かと(詳しくないので、よく知らない)。

さて、クラシーの話題に戻る。

たとえば「官僚」のことを bureaucrat (ビュアロウクラート)という。なお、「官僚」とは、日本で言えば財務省とか経済産業省とか、ああいう国の上級の役所に勤める、上級の国家公務員のことである。

桐原5500にあるが、bureaucracy で「官僚政治」の意味。


アメリカの「連邦捜査局」 FBI は、Federal Bureau of Investigation である。このように bureau という単語には「局」の意味もある。

「民主主義」democracy は桐原4500。東京書籍4500にもdemocracyはある。東京書籍4500に bureaucracy は無い。

単語集を見ても、democracyとbreaucracyを関連づけて教えるような工夫は、されていない。


これが分かると、「民主主義者」のことを democrat というのも、理解しやすいだろう。もっとも、旺文社1900でしかdemocrat(民主主義者)は紹介されてない。 しかし大文字 Democrat で「米国民主党の支持者」という意味もある。


「貴族制」を aristocracy という(桐原5500)。

また、単語集にはないが、この意味での「貴族」を aristocrat という。

成績主義などで選ばれた知的エリートなどが支配することを、「能力主義」 meritocracy という。日本語でも、政治評論や社会評論などで「メリトクラシー」という。

旺文社1900の merit の項目に派生語として「実力主義」 meritocracy がある。


「貴族の」の、より平易な言い方として、 形容詞 noble 「高貴な」「貴族の」がある。桐原・旺文社が紹介している。東京書籍は巻末でだけ紹介で、あまり乗り気ではない。

名詞として、「貴族」 nobleman がある(旺文社)。辞書で確認したところ、男性の貴族が nobleman である。女性の貴族は noblewoman である。

貴族の家柄のことは noble family である(旺文社、センチュリー)。

名詞 nobility が「高潔さ」「気高さ」である。


単語集にはないが、金・銀などの腐食しづらい「貴金属」が noble metal である(センチュリー、ジーニアス)。

また、希ガスのことを「貴ガス」ともいい、「貴ガス」 noble gas である(ジーニアス)。


形容詞 arbitrary 「独断的な」(発音: アービトレリー)という単語がある(東京書籍4500巻末、旺文社1900)。副詞ではなく形容詞である。

この arbitrary でも「独裁政治」は言えて、たとえば arbitrary government で「専制政治」である(センチュリーの訳)。


だが、そんなことよりも、 arbitrary の意味は「任意の」で覚えるほうが良い。

「任意の」とは、論理的な議論をする場合なら「条件を満たすものなら、全て(すべて)が」のような意味である。

少なくとも、そういうニュアンスで「任意の」は使われる。

なぜ、この「任意の」(=すべての)意味で arbitrary を覚えるべきかと言うと、

大学レベルの基礎的な数学で arbitrary という用語を「任意の」の意味で使うからである。

『条件「〇〇」を満たす変数は、すべて~(以下略)』のような議論をするとき、arbitraryを使う。


そして、大学の数学科では、大学1~2年レベルの数学で、ほぼ必ず、「 ∀ 」という記号を習う(「全称記号」(ぜんしょう きごう)という)。

∀ の意味は「任意の」という意味である。

この全称記号を「アービタラリー」(arbitrary)と読んだり、あるいは「オール」(all)と読む。

よって、arbitrary の「任意の」という用法は、海外での数学エリートの教養なので、この単語と意味を知っておくと海外では頭良さそうに思われるだろう。


ほかの意味もまとめて紹介すると、arbitrary の意味は「独断の」「任意の」「気まぐれな」などである。

バラバラに覚えるではなく、たとえば「任意の」(≒すべての)を基準に関連づけて覚えるなどして、「独裁者のいうことには、なんでも(≒任意に)従わざるをえない」とか、「これは任意だというので、つまり最低条件さえ満たしていれば、あとは気まぐれに選べる」とか、頭の中で関連づけて覚えよう。

an arbitrary choice 「任意の選択」(センチュリー)

make an arbitrary selection 「任意に選択する」(ジーニアス。旺文社に似た文。)


旺文社は「恣意(しい)的に選択する」という。本来「恣意的」とは、「任意」とほぼ同じ意味なのだが、しかし現代では誤用だが、本来なら規則などを管理者が自分の好都合に解釈することで規則の意味を歪めて不公平に運用したりするのを「恣意的な運用」とか言ったり、意味がゆらいでいる。

念のため国語辞典で確認したところ(三省堂『新明解』、岩波『広辞苑』)、「恣意」(しい)は「思いつき」(三省堂)、「気ままな心」「自分勝手な考え」(広辞苑)などの意味である。


邪魔する

interrupt, interfere, disturb, bother


interrupt は「邪魔する」の意味。

「邪魔する」を意味する単語はいくつかあるが、高校生はまず、interrupt で「邪魔する」を覚えるのが良いだろう。


よく単語集にある典型的な例文が、

Don't interrupt me when I ~ 「私が~しているときは邪魔しないで。」

である。


interfere は「邪魔する」の意味もあるが、「干渉する」の意味で覚えると良いだろう。

interfere in ~ で「~に干渉する」の意味。

interrupt with ~ で「~の邪魔をする」の意味。


disturb は「邪魔する」の意味もあるが、「かき乱す」の意味で覚えると良いだろう。

とくに、進行形 disturbing で、「動揺させるような」(東京4500)、「迷惑な。心を悩ませる。」(旺文社1400)のような、相手の心を乱すような意味がある。

名詞形は disturbance で、「邪魔。乱すこと」(旺文社)、「混乱」(東京)、「妨害。不安」(桐原)、のような意味。


こういった意味だけ聞くと、disturbはあたかも強く邪魔するような印象を読者に与えかねないが、しかし実際には下記の例文

I'm sorry to disturb you, but ~

で、「邪魔してすみませんが、~」の意味。(東京4500。桐原4500)

このように、ちょっとした「すみませんが、」程度のニュアンスのことに disturb を使うし、むしろそういう用法では interrupt よりも好まれるだろう。


bother は、慣用的に

「ジュリアの邪魔しちゃ駄目よ」Don't bother Julia.

みたいな使われ方をする。単語集では、邪魔しちゃダメな相手は、東京書籍がジュリア Julia 、桐原はエレン Ellen である。

bother には「思い悩む」という意味もあり、 単語集にはないが、辞書ではよく、

「そんなこと気にするな」Don't bother about that.

のような例文がある(センチュリーにそのままの例文。ジーニアスに少し違った例文あり)。


ほか、

I'm sorry to bother you, but ~

で、「邪魔してすみませんが、~」の意味。(旺文社1400、センチュリーで確認)


提案する

propose と suggest

プロポーズ、サジェスト

ともに「提案する」だが、suggest には「示唆する」の意味がある。

propose には「求婚する」の意味があり。

なお名詞形はともにあり、それぞれ proposal と suggestion である.


なおoffer(発音「オーファー」)は「申し出を提案する」なので意味が異なる。

offerの名詞では「提供」の意味もあるので、動詞の場合はどちらかというとサービスや高待遇などを提案するニュアンスもありそうである。


促進

promote と prompt と stimulate , urge , facilitate


販売促進が promote である。 ジーニアス英和によるとpromoteには「増進させる」の意味もある。

消費者の販売意欲を「増進させる」的なニュアンス。

だから、人の昇進などにもpromoteを使う。


prompt は、「促す」(うながす)。※ジーニアス英和で確認。

なおpromptには形容詞の用法もあり、(行動が)「すばやい」、「即座の」の意味。

行動ではなく、速度が速い場合は rapid である。


コンピュータ用語で Windows のDOS画面

C:\>

のような画面を「コマンド・プロンプト」というのだが、たぶん「さっさとコマンド入れろ」的な意味の名前の画面。


広告を考える広告マンが消費者の購入意欲を促進するのはpromoteだが、彼によって作られた広告が購入意欲を促進するのはpromptである(東京書籍4500で広告のpromptの例文あり)。

ただし桐原4500で、外交の訪問が国家間の友好を「促進する」という例文があるので、あまり境界は明瞭ではない。


ジーニアス英和に「平和を促進する」 promote peace とあるが(※辞書)、どちらかというと、「平和を増進させる」的なニュアンスだろう。


景気刺激など、活気づかせる意味で「刺激する」のが stimulate である。

stimulate は「刺激」が第一の意味であり(桐原4500)、「促進」は派生。

単語集にはないが、stimulateには「興奮させる」の意味もある。刺激して興奮させるのが stimulate のニュアンス。

派生的に、(活動などを)「活気づかせる」もstimulateである。(東京書籍4500)

桐原4500が指摘しているように、あくまで「刺激」が stimulate の第一の意味。


urge (アージ)は「強く勧める」(東京書籍4500)とあるが、ジーニアスによれば(~するように)「催促する」「強く迫る」である。

桐原4500によると、urge 人 to ~ で「<人>に~するように強く促す」である。東京書籍4500でも同様、urge (A) to ・・・ で「・・・するよう強く勧める」である。


facilitate は、「促進」の意味もあるが、「容易にする」の意味もあって(桐原5500)、たとえばセンチュリー英和には、「コンピュータによって仕事が容易になった」的な例文でfacilitateを用いている。ただし桐原5500の例文を見ても、容易にするニュアンスは無い。桐原の例文は慶応大の過去問「軍縮を促進したことで国民に良い影響を与えてきた。」の紹介。この軍縮の文のどこにも容易のニュアンスはない。

また、旺文社1900では名詞形 facility (ふつう複数形でfacilities)は「設備」の意味だと紹介しており、例文で day care facilities 「デイケア施設」のある文章を紹介している。

入試には出ないだろうが、公共機関などの「機関」の意味もあり、たとえば monetary facilities で「金融機関」だとジーニアス英和にある。

なお、「複数形」は英語で plural (プルーラル)という(旺文社1900巻末)。


示唆(しさ)

suggest と imply


implyは、明言を避けて、「暗に示す」、「ほのめかす」の意味。

東京書籍が、implyでは「明言を避けて」の意味があるといっている。

ジーニアスも「暗に示す」と言っている。

桐原4500だと「示唆する」「ほのめかす」しか書いてない。



反対

contrary, opposite

contrary と opposite の違いは、この単語や派生の品詞だけをいくら見ても分からないだろう。

数学で「対頂角」のことを opposite angle または vertically angle という。

数学英語は高校の範囲でないので暗記しなくていい。

opposite にはこういうふうに、単に向かい合う位置にあるという事だけをあらわすようなニュアンスがある。

もっとも動詞oppose を見ると、他人の意見に「反対する」のような用法もあるので、ニュアンスの違いは不明確であるが。


contrary のほうが、意見などの「対立」のニュアンスが強い。実際、ジーニアスに a contrary opinion 「反対意見」という単語があるし、東京書4500も同じ単語を紹介している。ほか、センチュリー英和だと、訳語こそ「反対」だが、最初の例文の用例が、趣味・趣向が「反対」という例文である。

熟語 on the contrary で「それどころか」の意味。桐原4500では例文を紹介しているが、東京書籍4500では紹介していない。旺文社1900は熟語が存在することを紹介しているが、例文はなし。


この「それどころか」の訳語が曲者で、単語集では「それどころか」としか説明してないが、実際にはセンチュリー英和では、否定文につづいての「それどころか」である。桐原4500でも「介入は役に立たなかった。それどころか事態を悪化させてしまった。」である、。

自分の否定の意見をはっきりさせるために on the contrary を用いるので、たとえば疑問文のあとの文頭なら「とんでもない。~~ですよ」のように訳す。実際、ジーニアスもセンチュリーも「とんでもない」と疑問文の解答では訳している。

(センチュリーの例文は単語が難しいので非紹介とする。)

例文のない別の熟語(桐原と旺文社が熟語のみ紹介)で to the contrary は、「それとは逆の」である。センチュリー英和の例文だと「見かけによらず、彼は親切な人だ」 Appearance to the contrary, he is a kind man.

とある。to the contrary のほうは、とくに否定形がどうこうとかはない。


肯定形の疑問のあとなら「逆に」として相手の意見を否定する用法で on the contrary だったりする。否定疑問文に対しては、相手の意見を否定する意味での「それどころか」だったりする。

つまり、「contrary」(対立の)という知識がある上での「それどころかで」ある。

疑問文でも平常文でも(桐原4500の例文が平常ぶん)、前の意見や説明に


旺文社1900や東京書籍に似た例文があるが、

「期待に反して」Contrary to the expectations,

という用例もある(旺文社の例文)。


敵対

「敵意」は hostility である。単語集には形容詞 hostile が書いてあるが、たぶん名詞形のhostilityのほうが覚えやすいだろう。

be hostile to ~で「~に敵対する」の意味。

なお、「憎悪」「嫌悪」はhate。 hateで名詞も動詞もある。とくに名詞には hatred という専用の名詞もあリ、意味は同じく「憎悪・嫌悪」だが(ジーニアスで確認)、単語集ではhatredは「憎しみ」と訳している(桐原・東京書籍の両方とも)。

桐原4500によると、「写真を取られるのをひどく嫌う」のような、ちょっとキライなぐらいでも hate を使う。


抗議

protest

protest は動詞としては「抗議する」、名詞としては「抗議」の意味である。動詞も名詞もスペルは同じ protest である。

protest against ~ で「~に抗議する」。againstまたはatを使う(旺文社1400)。ただし、桐原4500および東京書籍4500を見ても、protest against のほうしか書いてない。

よくある例文が「戦争に反対する」とかで、たとえば「戦争に抗議する」なら protest against the war である(桐原4500)。

なにも平和運動ばかりに使うわけではなく、たとえば「増税に抗議する」なら protest against the tax increase である(東京書籍4500)。



提供、供給

supply と provide と furnish

サプライ、プロバイド、ファーニッシュ


ともに「供給する」の意味だが、

supply はdemand「需要」の対義語として使われる。

supply と demand をセットで覚えよう。なお、日本語では「需要(demand)と供給(supply)」の語順だが、英語では「supply and demand 」の語順になる。


一般にprovideを「提供する」と訳す場合もあるが、しかし東京書籍4500語によると、supplyを「供給する」と紹介している。


備え付ける

equip と furnish


furnish という単語にも「提供」・「供給」の意味があるのだが、どちらかという「家具を備え付ける」という別の意味で使われる。東京書籍4500では家具のほうしかfirnishは書いてない。

なお「家具」は英語で furniture である。まずはfurnitureを覚えよう。

たとえば「家具屋」は furniture store である[5]

なお furniture は集合名詞である。なので、どうしても数えたい場合は、 a piece of furniture のように数える。

equip は、とくに家具に限定しないが、家具に用いてもいい。東京書籍4500で、電子レンジの取り付けを equip で説明している。

企業や店舗などにカメラを取り付けるのは equip だと、桐原4500は説明。


桐原4500およびセンチュリー英和辞典では furnish は equip に意味が近いというスタンスだが、いっぽう東京書籍およびジーニアス英和辞典は類義語としての紹介を避けている。


据え付ける(すえつける)

壁に絵を貼る程度の「据え付ける」(すえつける)(※旺文社)あるいは「備え付ける」(※桐原)は、 mount である(旺文社)。「載せる」というイメージだろう。

センチュリーいわく、写真などを台紙に貼るのも mount である。

また、「台紙」そのものも名詞 mount である(旺文社、センチュリー)。

なお、「壁」(かべ)は英語で wall である。


mount は、自転車やウマなどに「乗る」の意味の動詞だが、他動詞で「載せる」の意味もあり(桐原5500)、「~をすえつける」という意味もある(桐原・旺文社)。

桐原5500が、ウマに乗るの意味を紹介。なお、自転車やウマに乗るは ride も言えると、ジーニアスは言っている。

辞書いわく

「自転車に乗る。」 mount a bicycle

である(ジーニアス、センチュリー)。


「ウマに乗る。」 mount a horse

である(ジーニアス)。


mount には「増える」という意味もある(東京書籍)。(おそらく、なにかを積み重ねるイメージからか、あるいは山( mountain )を登る行為の連想からだろう。紙などを積み重ねる行為も、紙のうえに紙を載せているわけである。)

辞書によくある例文が、物価関係で

「物価が上がっている」 Price are mounting.

である(ジーニアスを参考。なお東京書籍では「出費」expenses が上昇)。


辞書にはないが、IT用語で、USBメモリなど外部ハードをパソコンに接続したときに、その外部ハードをパソコンで使えるように自動設定される処理のことを(USBメモリなどを)「マウントする」などといい、英語でも mount という。

単語集にはないが、mount の対義語は、意味によって unmounted か dismount かが変わる。

すえつけられていた物を取りはずしする場合は、形容詞 unmounted である。

一方、乗り物や馬などから降りたり、下ろしたりするのは、動詞 dismount である。


辞書にはないが、先ほどのパソコンのUSBメモリなどの件でも、取りはずしなどには unmounted が使われる。



「欲望」と「欲しい」

desire と hope

動詞 desire デザイア は「強く望む」。

名詞 desire に「欲望」「願望」のようなニュアンスがあるので、それだけ強い望み。

名詞 hope はどちらかというと「希望」なので。


wish にも「願う」や「願望」の意味がある。仮定法以外でも使う。

※ 高校生は、まず desire を覚えよう。hope は中学レベルなので、いちいち勉強しなくていい。

want は「ほしい」という意味であり、やや幼稚・初等的な表現。wantを「願う」と訳せなくもないし、単語集にそういう意味もあるが、まあ中学で習っているので放置でいい。


逃亡する

flee と escape

「虐殺」genocide、 「自殺」suicide


flee は「全力で逃げる」(※東京書籍)。

※ 東京書籍でも言ってるが、国外逃亡とかの表現でよく使う。(※ 英字新聞などでよく見かける)高校生としては flee を覚えたいところである。

なお、「難民」は refugee (レフュジー)なので、「難民が国境を越えて逃げた」(桐原4500)は The refugees fled across the border.

である。fled はflee の過去形。


「難民」ついでに言うと、「難民キャンプ」は refugee camp です(検定教科書2社[6][7]、Z会TOEIC対策本1900[8])。


なお、名詞だけ単語集にない単語だが、「難民」ではなく、災害などの「避難民」は evacuees である。動詞「避難する」が旺文社1900にあり、スペルは evacuate である。名詞「避難」が桐原4500の単語集で evacuation である。


「亡命者」は exile (エグザイル、エクサイル)である。

「亡命」(ぼうめい)とは、政治上の理由で、迫害などをおそれて、自国を離れて国外などに逃れること(三省堂『真明解国語辞典』など)。

日本語の場合、普通、自発的に国外へ脱出した人間のことを「亡命者」と言うが、ただし英語の exile はもっと意味が広く、自発的かどうかに関わらず結果的に「国外追放された者」のようなニュアンスの違いもある。


たとえば、

be sent into exile 「追放される」

の意味である(旺文社、センチュリー)。


「亡命する」は

go into exile 「亡命する」

である(ジーニアス、旺文社)。

ほか、単語集には無いが、名詞 asylum (アサイラム)は「亡命者へ与える保護」、「難民保護」(難民へ与える保護待遇のこと)である(センチュリー「亡命者保護」、ジーニアス「難民保護」)。亡命者自身のことではないので、混同しないように。


さて、難民の話題に戻る。

説明の都合、refugee を「難民」の意味だけで説明したが、実は refugee には、災害などの「避難民」の意味もある(ジーニアスで確認)。ただし、センチュリーのrefugeeでは「避難民」の意味を説明していない。


また、refugee は、災害などの避難民だけでなく、政治亡命者なども含む、広い意味で使える単語である。英語でも political refugee 「政治的亡命者」という表現がある(ジーニアスで表現を確認)。

なお、日本語では「亡命」だけでも、国外に逃れた原因が政治的な迫害であることを説明できるが、特に政治による原因であることを強調したい場合などに日本語では「政治亡命」などという。

なので、英作文では、難民か亡命者かよく分からなければ、とりあえず refugee を使えばいい。

桐原4500ではrefugeeは「難民」としか説明していないのに、なぜか桐原3000ではrefugeeの意味で「難民」「避難民」としている。

refugeeの避難民の意味は、こういうクセのある意味なので、深入りしない。


「難民」には、さらに displaced person という言い方があり、戦争や迫害などによって「追い出された人々」のようなニュアンスで「難民」を表すのに使い(センチュリー)、DP と略すこともある(ジーニアス)。ただしジーニアスによれば、災害などの批判民でも displace person を使う例もあるとのこと(ジーニアス)。

ともかく、 displaced person 「難民」である。

動詞 displace は多義語であり、「取って代わる」(=replace に近い)とか「(国や家などから)追い出す」とか、「通常の位置から動かす」などの意味がある。

物理学の力学における、基準位置からの「変位」が英語で displacement である(ジーニアスで確認)。そのほか、displacement には「置き換え」や「解雇」の意味もある(旺文社、ジーニアス)。


なお、refuge (レフュージ)というスペルの少し違った単語があり、末尾のeが1つだけな refuge だが、この refuge は「避難」「保護」「避難所」の意味である(旺文社のみ紹介)。いちおう辞書にはあるが、桐原も東京書籍も紹介していない単語。


他にも「避難所」については shelter という単語もあり、これも単語集(4500語レベル)にある。いわゆる「シェルター」のことである。東京書籍4500いわく、洪水からの避難の避難所でも shelter と呼んでよい。

桐原および旺文社いわく、雨宿りのための一時的な住居も shelter である。さらに桐原たちの紹介する熟語で take shelter で、「雨宿りのために避難する」である。

shelterの語源はジーニアスによると、「盾を重なり合わせ身を固めた一団」とのこと。

盾(シールド)的な意味がニュアンスがあるので、屋根つきの建物を盾に見立てて雨風を防ぐという発想なのだろう。

なお、「屋根」は英語で roof である。「屋根」 roof の複数形は roofs である。rooves(×)ではないので注意。

日本語で「シェルター」というと、なんだか虐待や家庭内暴力から逃れるための避難所か、あるいは戦争から逃れる避難所みたいなニュアンスだが、一応そういうのもsheleter と言いそうだが、しかしshelter はもっと幅広い意味である。

ジーニアスによると、防空壕を an air-raid shelter というとのこと(単語集には当然ない)。センチュリーによると、「子供を保護する」をgive the child shelter というとのこと(なおセンチュリーの例文中では過去形)。

旺文社1900が紹介しているが、「衣食住」のことを "food, clothing and shelter" といい、通例ではこの語順である(つまり語順は変えてはいけない)。(ジーニアスおよびセンチュリーで確認)


haven にも「避難所」の意味があり、センチュリーとジーニアスと旺文社に書いてある。だがセンチュリーに例文が少なく1個だけだし、ジーニアスに至っては例文なし。また東京書籍と桐原の単語集には記載が無い。

「タックスヘイブン」「租税回避地」 a tax haven が有名である。旺文社がタックスヘイブンを紹介している。ジーニアスおよびセンチュリーでは tax の項目で探すと tax haven が見つかる。

なおタックスヘイブンとは、税金がとても安い国または税のとても低い地域などのことで、外国企業の誘致のために税金を非常に安くしている国などのこと。

念のため指摘するが、「天国」「楽園」の heaven (ヘブン)とはとは別の単語(桐原3000レベル)。


旺文社1900のevacuateと同じページP.488に「帰国子女」returnee があった。 このreturneeのように、語尾にeeがついて「~な人」のような意味になることもある。

「従業員」の employee が典型例。

「雇い主」は employer である(旺文社1900で確認)。

employ ついでに言うと、「雇用」は employment であり(桐原、旺文社)、「失業」は unemployment である(東京書籍、旺文社)。

なお、「解雇する」は dismiss です(東京書籍 employ、旺文社 dismiss )。

ただし、lay off 「解雇する」という表現もあります(桐原4500熟語)。もしかしたら lay off のほうが口語的によく使われるかもしれないので、使用頻度は高いかもしれません。

日本では、よく「リストラ」とマスコミで言いますが、やや和製英語です。英語での企業におけるリストラクチャリング restructure は「再構築する」「再編成する」という意味であり(ジーニアス、センチュリー)、もっと意味が広いです。

もしかしたら婉曲表現として、大々的な解雇のことを restructure「再編成する」という米英企業もあるのかもしれませんが、しかし日本の大学入試でそういう各企業の個別具体的なことは出ないでしょう。

英語を見れば、リストラクチャリングは「企業再編」という意味ですので、なので、その企業が再編するわけでもなく今までどおりの体制が続くのに、単に一個人の従業員の解雇やら派遣などの雇い止めのことを 「リストラ」というのは、英語の出来ない人の、間違った用法です。


dismiss には、意見などを「しりぞける」など別の意味もありますが、いまは触れないことにします。

また、名詞形 dismissal は「解雇」「却下」の意味です(旺文社、桐原)。


どういうわけか、昔から英語教育では employ を早めに教えるのに dismiss はなかなか教えません。

単語集でも、 dismiss は後回しです。

しかし

「雇う」employ ⇔ dismiss 「解雇する」

と、なるべくセットで覚えるべきでしょう。

workforce という単語があり、「総労働力」の意味だが、一企業の「全従業員数」(東京書籍が紹介)や一国や産業の「労働人口」(旺文社が紹介、センチュリーで確認)という意味もある。 桐原は workforce を紹介せず(桐原4500にも桐原5500にもない)。

ジーニアスだと、workforceの例文がない。センチュリーいわく、total workforce のようにtotal で強調してもいい。


なお、hire は「一時的に雇う」の意味である。桐原によると、「大工を1週間雇う」のがhireの例。

東京書籍によると、「レンタカーを借りる」が hire a car である。


ほか、recruit (リクルート)は、新入社員や新会員などといった新人を「募集する」の意味(旺文社1900、ジーニアス)、または「新入社員」「新会員」などの新人のこと(東京書籍4500 巻末)。桐原には recruitはない。

また、「背広」(せびろ)は単に suit だけである(ジーニアス和英)。

なお、freshman (フレッシュマン)は、イギリスでは大学の1年生のことだが、アメリカでは高校1年生と大学1年生のこと(ジーニアス、センチュリー)。なので、企業の新人にはフレッシュマンを使えない。あと、男女平等の観点から語尾「マン」に文句がついていて、freshperson やbeginner や newcomer などに言い換える必要がある。

日本だと「フレッシュマン」は学校を卒業して企業人とかになったばかりの人を言うが、しかし英語の freshman にそういう意味はない。

なお、東京書籍3000が英語 freshman を紹介している。

ほか、Z会が出版しているTOEIC対策本『速読速聴・英単語 Core 1900』に、AP通信の記事の引用で、「大学新入生」の意味で freshman を用いている[9]

日本ではよく、米英では「man」が差別的だと言うが、しかし上述のAP通信の記事のように実際はそう単純ではないらしい。


さて、動詞 engage の話題。

旺文社にしかないが、センチュリーいわく、弁護士など専門職を一時的に雇う場合は engage を使う場合もある。 engage a lawyer で弁護士を雇う。

桐原4500や東京書籍4500などの単語集にあるのは、 be engaged in ~ で「~に従事する」である。

典型的な例文が「ボランティアに従事している」 be engaged in volunteer activities.

である。

volunteer はもともと「志願者」とかそういう意味なので(桐原4500でも volunteer に「志願者」の意味が書いてある)、英語でいう時はボランティア活動のように volunteer activities と言おう。


「~と婚約している」は be engaged to ~ である。


さて、難民を発生させた理由が侵略やらその他の国際法違反行為なら当事国には経済制裁がされることがあるが、「経済制裁」は economic sanction である(桐原4500)。 sanction で「制裁」の意味。東京書籍と旺文社1900にはsanctionは無い。

なお、単語集にはないが、スペルの似ているサンクチュアリ sanctuary (もとは「聖域」の意味)は、現代でも「自然保護区」等の意味で使われている。開隆堂(教科書会社の一つ)の高校英語の検定教科書に、中華人民共和国のパンダ保護区 panda sanctuary という単語が載ってた[10]

ルワンダ虐殺とか、歴史的に名前が残っている事件の「虐殺」は genocide が普通であろう。検定教科書でもルワンダの虐殺について genocide という表記を行っている[11]


genocide の-cide は「殺すこと」のような意味です。たとえば「自殺」は名詞 suicide です(東京書籍)。

commit suicide 「自殺する」

です(東京書籍、旺文社)。

自殺やら犯罪やらをする場合の動詞は、 commit です。

また、自殺未遂は、「試みる」の意味の単語 attempt をもちいて、

attempt suicide 「自殺を試みる」(=自殺未遂をした)

のように言います(旺文社、)。

桐原は熟語としては紹介してないが、例文にもあるが impose sanctions on ~(国名など) で「~に制裁を加える」である。

impose で、罰金・税金などを「課す」の意味。だから impose a fine で「罰金を課す」である(東京書籍4500)。桐原に例文があるが、 impose ~(罰金・税金など) on ・・・(人や課税対象)で「・・・に~を課す」である。

sanctionの基本的な意味は名詞形「制裁」だが、実は動詞「制裁する」も同じスペル sanction (制裁する)である。ジーニアス英和辞典で確認できる。桐原5500を見ても動詞までは書いてないが、実はスペルが同じままで動詞にもなる。

なお、スペルの-tionな似た現象として、旺文社1400(緑本)に書いてあるが、condition (名詞「条件」、動詞「条件付ける」)とかposition(名詞「位置」、動詞「位置を定める」・「置く」)など、一見すると名詞な単語にも実は動詞の用法のある場合もある。ただし単語集を見ても例文まではないので、そんなに気にしなくてもいいだろう。

「置く」ついでに言うと、動詞 locate にも「置く」の意味がある。なお、名詞形は location 「場所」である。このように、語尾が -tion だからって何でもかんでも動詞の意味があるわけでもない。熟語 be locate in ~で「~に位置している」(旺文社1400、桐原3000)、「~にある」(東京書籍4500)。

なお、経済危機は the economics crisis である。食糧危機は the food crisis である(東京書籍4500に経済・食料の両方。旺文社1400に経済危機のみ紹介)。


なお、軍隊などを「撤退させる」「撤退する」のは withdraw である。「撤退」は名詞 withdrawal である。(東京書籍4500)


東京書籍4500に、「将軍は兵士に撤退を命じた」 This general command soldiers to withdraw.

という文章がある。語法 command A(相手) to B(動作) で「AにBするように命じる」の意味である(東京書籍4500、旺文社1400)。

なお、攻撃の命令なら command ~ to attack the enemy である(旺文社1400)。

(※範囲外 :)なお、企業の「市場撤退する」は単に動詞 exit で通じる。

retreat 「撤退する」「撤回する」「(田舎などに)引きこもる」という動詞もある(東京書籍4500巻末、旺文社1900)。桐原4500・5500は retreat を紹介していない。


commandにはその他、動詞としてなら「言語を自由に操る」、名詞としてなら「言語を自由に操る能力」という意味もあり、桐原4500にその意味での例文もある。(なお桐原3000では、「警官が彼に停止を命じた」という例文で The policeman commanded him to stop. という例文がある。)

withdrawの話に戻れば、預金を引き出すのも withdraw である。(桐原4500、旺文社1900)

典型的な例文は

「彼は銀行から2万円を引き出した。」 He withdrew 20,000 yen from the bank.

である(桐原、旺文社、ジーニアス英和、センチュリー英和、に類似の例文)。

なお活用は withdraw - withdrew - withdrawn

である。

旺文社によると、ATMからの抽出にも withdraw は使えるとのことで、(旺文社)、

「彼はATMから2万円を引き出した。」 He withdrew 20,000 yen from ATM.

である(旺文社に類似の例文)。ただし辞書を見たが、ジーニアス英和とセンチュリー英和ではATMの例文は確認できなかった。


「預金する」および「預金」は deposit である。(桐原4500 および東京書籍 4500)。

なお、「定期預金」は fixed deposit です(Z会TOEIC対策本 core 1900)。fixed deposit は高校の範囲外ですが、せっかく「預金」 deposit まで高校で習うのですから、ついでに定期預金も覚えましょう。

(※ 範囲外: )なお、海外のホテルに宿泊しようとすると、フロントでの最初のチャックイン(check in[12])のときに一定の金額を保証金としてホテルに預けなければならないホテルも多いのだが、その保証金のことも deposit と言う[13]。なお、ホテルの宿泊だけでなく飛行機の搭乗手続きのこともチェックイン check inという[14]

なお、ホテルのフロントは front desk である(ジーニアス和英「フロント」)。

「攻撃」だの「撤退」だのの話のついでに話すが、アグレッシブ aggressive という形容詞があり、日本ではよく「積極的な」と言われるが、しかし「攻撃的な」という意味もある。つまり米英人は、「攻撃的」と「積極的」とを区別していない。aggressive の「攻撃的な」の意味のほうも、普通に桐原や東京書籍の単語集に書いてある。


貸し借り

無料で借りる borrow, use

(もの・お金を)貸す lend

部屋を賃借りする rent

お金を借りる owe

借金 debt

貸付金 loan


東京書籍によると、「レンタカーを借りる」が hire a car である。

しかし、rent も「賃借りする」と言う意味の英語である。東京書籍によれば、rent a car で「車を賃借りする」である。

典型的な例文としては、

(アパート・マンションなどの)「一部屋を賃借りする」 rent an apartment

である(旺文社1900およびジーニアス)。apartment は、日本語でいうアパートの一室、またはマンションの一室である(ジーニアスで確認)。


また、とくにアパートなどの部屋の賃借りをすることを rent と言う。また「家賃」も同じスペルで rent である。

典型的な例文は、

「家賃を払う」 pay a(またはthe) rent

である(東京書籍4500を若干改変、およびジーニアス)。


ややこしいが、 lend は「貸す」 である。なお、東京書籍によれば、lend は 無料で「貸す」 の意味。

「お金を貸してください」もlendであり、東京書籍4500によれば

Will you lend me a money? 「お金を少し貸してください」

である。

桐原3000によれば、

Could you lend me $5 until tomorrow? 「明日までに5ドル貸してください。」

である。


なお、ペンを借りたり、移動できるものを「借りる」のは borrow である。東京書籍によれば、さらに、無料で借りるのが borrow である。

車を借りる場合でも、無料で借りるなら borrow だと、東京書籍1900は言っている。

lend ⇔ borrow のように対義語をセットで覚えよう(旺文社1400がセットで紹介)。


トイレのように設置してあって移動できないものを「借りる」場合は、 use である(桐原3000、東京書籍4500)。つまり、「トイレを使わせてもらう」的な言い回しを英米人はしている。

東京書籍1900だと、「電話」をuseで借りる例文がある。たぶん、トイレを英語でどういうかの説明が面倒だったのだろう。


しかし、実際には、短時間なら、持ち運びできるものでも use で無料で借りることも表現できる。桐原の検定教科書『EMPOWER ENGLISH EXPRESSION II』のP26に、辞書を借りるさいに

May I use your dictionary for a while? 「少しの間、辞書を借りてもいいですか。」

という表現がある。常識的に、まさか金を払って借りるわけではないだろう。

長期間借りるなら borrow のほうが適切かもしれないが、少し借りるくらいなら、とりあえず use で十分だろう。


旺文社では1900でなく旺文社1400にrentが書いてある。


owe は「お金を借りる」である。典型的な例文が、「私は兄から(または「友達から」)10ドルを借りている」である(センチュリーと東京書籍に、ほぼ同じ例文)。桐原とセンチュリーは友達から借りている。東京書籍が兄から借りている。

ともかく典型の例文は、

「私は兄からお金を借りている。」 I owe my brother 10 dollars.

である。語順を変えて、

「私は兄からお金を借りている。」 I owe 10 dollars to my brother.

としてもいい。

owe で借りる行為に、利子がつくかどうかは、特に決まっていない。


owe には、恩義を負っているという意味での(誰かに対し)「借りがある」という意味もある。

「負う」とowe の発音が似ているので、ついついこれをもとに暗記したくなるが、しかしまずは「お金を借りる」から暗記したほうがいい。

典型的な例文が「私が成功したのはあなたのおかげだ」である。(ジーニアスそのまま。旺文社に「彼のおかげだ」という例文あり)

「私が成功したのはあなたのおかげだ」I owe my success to you.

である。この意味の場合、I owe you my success (×)としてはならないとジーニアスは述べている。

IOU で「借用証書」の意味であり、そのままアイオーユーと読み、"I owe you"とのダジャレになっている(旺文社でも紹介)。

たとえば50ドルの借用証書の場合、

IOU $50

のように書く(センチュリーに同じ例文。ジーニアスにも金額の単位が違うが似た例文あり)。なお辞書でIOUを探す際は、oweの項目ではなく、「I」の段で「IOU」を探せば掲載されている。


loan は「貸付金」である。

だが、「公債」のように、一般人が借しつける立場になる機械のないものでも、loan という(ジーニアスで確認)。あるいは、センチュリーは「公債」を a public loan というと言っている。

また、ジーニアスいわく「銀行の貸付」は bank loan である。


ジーニアスいわく apply for a loan で「貸付けに申し込む」である。

要するに「借りる」わけだが、英語では「貸付に申し込む」みたいな言い方もする。

apply でなく ask でもいい。センチュリーがaskを使っている。

Hal asked for a loan of $5,000. 「ハルは5000千ドルの貸付けを申し込んだ。」

である(センチュリーの例文そのまま引用)。

借金を「返す」のは pay back である(旺文社およびセンチュリー)。

pay back a loan. 「借金を返済する。」

である。

銀行で金を借りる場合は、loan が適切だろう。

公債については、ジーニアスで確認したところ debt もloan も「公債」である。


debt の借金を返す場合は、旺文社およびセンチュリーいわく 「借金を完済する」pay off one's debt である、とのこと。ただし、これはあくまで完済した場合だけである。

完済ではなく、単に「借金を返す」と言いたい場合、ジーニアスおよびセンチュリーを見ると、「借金を返す」は get out of debt であると言っている。

なお東京書籍いわく、「借金をする」は get into debt であるとのこと。ジーニアスは、get 以下略のほか go into debt でもよいと言っている。


「私は銀行に30万円の借金がある。」 I am 300,000 yen in debt to the bank.

である。

be in debt で「借金がある」という意味である。借金の金額も言いたい場合、上述のように、be と in の間に金額が入る。

debt には「恩義がある」という意味もある。だが単語集に例文はない。

indebted という形容詞があり、「借金をしている」「恩義がある」という意味である(借金の意味だけ、旺文社でも紹介)。だがジーニアスいわく、普通は be in debt を使うとのこと。


position(位置) と possession(所有)

名詞 position は「位置」「場所」や体の「姿勢」(東京書籍3000)や「地位」(桐原4500)の意味。動詞としてのposition は「位置を定める」の意味(旺文社1400)。

発音の似た単語で名詞 possession (発音は「ポゼッション」)があるが、意味は「所有」である。動詞形possess は「所有する」の意味。名詞形 position や動詞 possess (発音「ポゼス」)にも、まったく位置や場所などの意味は無い。possessは「所有する」の意味。



位地 position, location

立場・地位 place, position


position には「地位」や「立場」などの意味もあるが、本セクションでは深入りしない。なお、location には、テレビ撮影などでの「野外撮影」の意味もある(ジー二アス)。なお、positionは桐原3000や東京書籍3000にある3000語レベルの単語。locationは東京書籍4500語および桐原3000。

本セクションでは、場所的な「位置」での、position (ポジション)と location (ロケーション)のニュアンスの違いに、正面から分析を挑もう。


まず、location は、地図的な位置のことであろう。動詞locate だが、東京書籍4500も桐原3000も、locate の例文は、地図に関する例文である。

別に世界地図でなくとも町内の地図でもいいが、そういう地図にかかれるような位置は、location で表すのが無難だろう。


単語集にはないが、実際、IT分野などでは、たとえば携帯電話などのGPS位置情報などの「位置」は、英語では location という単語が使われている。

辞書にはないが、 geolocation (ジオ・ロケーション)という「地理的位置」とでも訳せるような単語が既に英語にはある。


逆に、たとえば(座席などで座る)「椅子(いす)の位置」だとか、そういうのは position で表すのが無難であろう。旺文社1200のposition の例文が、テーブルで座る(イスの)位置の例文である。

東京書籍3000は、position は「(相対的な)位置・場所」だと説明している。

だから東京書籍は、「私の位置からでは聞こえない」というような英文を書くときは、position を使うことを進めている(例文は著作権に配慮して省略。買ってあげよう)。

position を「相対的な位置」と考えれば、「立場」も割と相対的なものだから、まあ「位置」以外の他の用法も連想しやすいかと。


placeにも立場の意味があるが、これはよく仮定法で

In your place, I would ~ 「あなたの立場だったら(、~するのに)」

とかで使われる。

If I were in your place, I would ~

と省略せずに書かれる場合もある。

詳しくは、辞書や文法参考書などを参照せよ。



回避

avoid , evade


センチュリーevadeにある説明では、escape は「危険から脱する」、avoidは「危険に近寄らない」 のニュアンス。

東京書籍3000にavoid the danger (危険を避ける)という典型的な文、東京書籍4500にavoid the mistake (過ちを避ける)という例文がある。


なおevadeはescapeおよびavoidの両方のニュアンスを持つ。


義務から逃れることをevadeという。税金の支払いなど、evadeの例文で典型的。


一方、avoidは、悪いことやいやなことを「避ける」の意味。avoidは 「議論を避ける」とか(東京4500)、「悪友との付き合いを避ける」(センチュリー英和)ぐらいでも使われる。

ただし、どうやらavoidには、向かってくるものを「回避する」ほどの強い意味合いはないようだ。

語法として avoid ~ing で、「~することを避ける」の意味(旺文社1400、東京書籍4500)。動名詞を使う。旺文社1400でも指摘されてるが、不定詞は使わない。


その他、shun(シャン)という単語があって、「人前に出ることを避ける」shun the publicity (旺文社1900)とか「人付き合いを避ける」shun the society (センチュリー)などの意味だが、単語集では旺文社1900にしか書いてない。ジーニアス英和に単語だけあるが例文すら買いてない(センチュリーには英文あった。桐原4500と5500および東京書籍4500には単語は無し。

shun the media's spotlight で「メディアのスポットライトを避ける」 などの熟語が旺文社1900にはある。



「達成」と「到着」

  • 達成

achieve と attain と reach

アチーブ、アテイン、リーチ


achieveは(目標などを)「達成する」。

achieve the objective (東京書籍4500)または achieve the goal (桐原3000、旺文社1400)で「目標を達成する」。

名詞 achievement には、「達成」の意味のほかにも、「業績」(東京書籍4500。旺文社1400のmodestの項目)や「成績」(旺文社1400)の意味もある。


attainは(目標などを)「達成する」だが、並の人には到達不可能な目標を達成した場合によくattainが使われる用例もあるが(ジーニアス)、べつに並の人でも達成できる目標にattainを用いても構わない。

たとえば東京書籍4500 に「彼はオリンピックのメダルを獲るという目標を達成した」 He attained his goal of winning an Olympic medal. とあるのは、並の人には到達不可能な目標に用いれる例だろう。

一方、センチュリー英和にある例文「父は80歳の高齢に達した」My father has attained the advance age of eighty. のような、一般人でも達成できるattainもある。

なお、別に年齢のattainでは現在完了形を使う必要はなく、たとえばジーニアス英和では「彼女は77歳に達した。」She attained the age of seventy-seven. である、


reach は「手が届く」の意味と、ほか(場所などに)「到着する」。

reachは多義的なので目標的な意味でもreachが使われるが(英和辞典にそう書いてある. 東京書籍3000にも書いてある)、しかし attain のほうが「目標達成」のニュアンスが強い。

※ 高校生としては、目標達成には attain を覚えたい


  • 到着

arrive とreach

arriveは場所に「到着する」。

「到着の予定」は be due to arrive である(東京書籍4500. 旺文社1900)。


due は「予定」の意味の名詞。桐原の単語集に至っては、dueの意味紹介で「(人・乗り物などが)到着する予定で」とすら紹介している。

いちおう、東京書籍および旺文社では、 be due to 〜(動詞) が「〜の予定である」と紹介しており、その例文として乗り物の到着の例文を出している。


なので、ともかく due to arrive 「到着の予定」というふうにセットで覚えよう。


典型的な例文が

The train due to arrive at 6 pm .

のような例文である。train(電車)の代わりにplane(飛行機)だったりする場合もある。

桐原4500によれば、to arrive を省略しても通じるらしい。つまり、

The train due at 6 pm .

でも通じる。

なお「省略する」は英語で omit (オミット)という(旺文社1900巻末)。


さて、due の話に戻る。スペルが同じだが、前置詞的に due to で、「〜が理由で」の意味がある。because of とほぼ同じ。

桐原4500にある例文「彼女は病気のため休んだ。」で、「病気のため」の部分が due to illness である。全文は単語集を買って読んで。辞書にあまり例文が無い。


その他、due には、給料などが「支払われるべき」という意味もあるが、平易な例文が少ない。東京書籍4500に例文ある。


reachにも「到着する」の意味があるが、他の意味もあるので、専門的な会話などでは避けたほうが安全。実際、桐原4500を見ても、目標の段階到達の意味は書いてない。それが書いてあるのは東京書籍3000だけ。 


つまり、

attain 目標達成する

arrive (場所に)到着する

reach 手が届く

のように使い分けるのが安全だろう。


さて、目的地は destination です(桐原4500、旺文社1400)。

arrive at the destination 「目的地に到着する」です(旺文社1200)。

「arrive at ~(地点)」で「~(地点)に到着する」です。東京書籍3000によると、町・駅など比較的に狭い場所に到着するときはarrive at ~ です。

「arrive in ~(地域)」で「~(地域)に到着する」です。東京書籍3000によると、大都市・国など比較的に広い場所に到着するときはarrive in ~ です。たとえば arrive in New York 「ニューヨークに到着する」という例文があります(英語例文は東京書籍3000より。日本語はwikiに合うように言い換え)。


なお、「出発する」は動詞 depart または動詞 leave [15]です。

leave ⇔ arrive

とセットで覚えましょう。


  • 目標

purpose, aim, target

「目標」は、まずはpurposeで覚えるべきである。

aim (エイム)は銃などで「狙う」という意味の動詞だが、名詞としてはaimは「目標」の意味にもなる。

aim to ~(動詞) で「~しようと目指す」のような意味。

target はアーチェリーなどの「的」(まと)の意味の名詞だが、派生的な意味で「目標」の意味にもなる。また、動詞でtargetは「目標を定める」の意味にもなる(センチュリーで確認)。

旺文社1900およびセンチュリーによれば、「的に当てる」 hit the target である。

よく外来語で「ターゲット」と聞くが、なんと東京書籍と桐原の単語集にはターゲットは書いてない。(旺文社1900には書いてある。)


さんざん上述でreachだのachieveだのの話をしたが、ジーニアスに「目標を達成する」は reach a target または achieve a target だと書いてある。


一見すると aim は銃などの狙いなので攻撃的な雰囲気がありそうだが、しかしジーニアスで確認すると target にも攻撃目標の意味があるので、違いが不明瞭である。

ジーニアスによれば、「広告ターゲット」の客層のことは target audience という。



修理する

repair と fix

リペア、フィックス

repair のほうが硬い表現であり(東京書籍4500)、そのためか、大型または複雑なものの修理に使われる(桐原3000)。

ただし、あまり境界は明確ではなく、たとえば東京書籍では TVの修理が repair なのに car の修理がfixだったり。実際は自動車の「修理」なんて修理工場とかが必要で凄く難しいが。

桐原3000では、腕時計 watch の修理が repairだった。


実用英語としてはズレるが、高校生はまずrepair で覚えるのが安全だろう。


fixは多義語であり、「固定する」の意味もあるので、誤解されるおそれがある。ただし、実際はよく使うが。

なお、船の錨(いかり)を名詞 anchor というが、これには動詞 anchor で(物理的に)「固定する」の意味もあるが、単語集に書いてないので入試には出ない。センチュリー英和には、「本棚を固定する」という例文で anchor が使われていた。fixだと紛らわしい場合にはanchorをどうぞ。


なお、mend は衣服や靴などを「修繕する」。

mendには、行儀などを直す、改心する、などの意味もあり、

諺(ことわざ) It is never too late to mend. 「行いを改めるのに遅すぎることはない」[16]

というのもある。


なお、「ことわざ」は英語で名詞 proverb (プラバーブ)である。

決まり文句として、

as the proverb say 「ことわざの言う通り」

という言い回しがある(東京書籍4500、ジーニアス、センチュリー)。

なお、単語集proverbにある ことわざ は、

「行動は言葉よりも雄弁である」 "Action speak louder than words. " (旺文社1900)

「ローマは一日にしてならず」 "Rome was not built in a day." (東京書籍4500)

である。

なお桐原は、日本の「出る釘(杭)は打たれる。」を紹介。


支配

dominate と control

dominate が、統治的な意味で「支配する」とか(桐原4500)、力(ちから)などで「支配する」(東京書籍4500)。

一方、control には、そういう統治やチカラ的なニュアンスはないだろう。controlを「支配する」と紹介する単語集もあるが(東京書籍1800)、どちらかというとcontrolは「制御する」だろう。

和英辞典(ジーニアス)で「制御する」を調べても control しか書いてない。

また、ジーニアス和英で「操作する」を調べても、controlはない。「コントロール」を操作の意味で使うのは、どうやら和製英語のようだ。


管理

management と controlと in charge of

経営管理や(単語集にはないが)遺産管理などがmanagement である。

単語集にはないが、品質管理などはcontrolである。(quality control、QC)である。


単語集には manage を単に「経営する」とだけ書いてあるが、今後の応用などを考えると「経営管理する」と覚えるほうが良いだろう。

動詞 manage to do で、「なんとか~をやりとげる」という意味があり、桐原3000や東京書籍3000にこの熟語が書いてある。

manage で「経営管理する」→「やりとげる」だと意味を連想しやすい。一方、「管理する」→「やりとげる」だと、やや飛躍があるだろう。


ついでに、動詞 cope with が「うまく処理する」という意味があり、似たような使われ方をする。

典型的な例文が、

cope with the problem 「問題を処理する」

である(東京書籍4500、旺文社1900)。

その他、handle にも、問題を「処理する」の意味がある。(handle については、別の機会にほかの用法ごと意味を勉強したほうが効率的だと思うので、当セクションでは解説を省略。)


「品質管理」について、日本語では「管理」と言っているが、しかし under control で「制御下で」という用法があることを考えると、推測だが、どちらかというと、QC には「生産工程を正しく制御することで、すぐれた品質を維持する」的なニュアンスが英語QCにはありそう。

QCは管理自体は目的ではなくて、品質の維持が目的なので。

なにかを維持したりするのは、日本語では「制御」という訳を当てることが多い。もっとも、もう「品質管理」で訳語が広まってしまったので、どうしようもないが。


形容詞のような使いかたで in charge of ~ 「~を管理して」という熟語がある。(旺文社・熟語1000)

「~を預かっている」→「~を管理している」のようなニュアンスだろう。

たとえば The person who is in charge of repairs is Mr. Smith. で、「~を管理しているのはスミス氏だ」のような意味。なお、センチュリー英和と旺文社熟語1000を組み合わせた例文。

manager だと支配人と誤解されかねないし、そういう場合に who is in charge of ~ という表現は便利そうである。

なお、動詞「管理する」「担当する」はtake charge of ~ である(旺文社 熟語1000)。


administration に「管理」という意味もある。

だが、これは現代では、ネットのサーバー管理者やその他のシステム管理者のことを「アドミニストレーター」 administrator と言ったりして用いるので、よく目にかかるだろう(単語集にはない)。ジー二アス英和 administrator には、きちんとコンピュータ用語で「管理者」の意味だと書いてある。

administration には、「政権」という意味もあり、たとえば「ケネディ政権」the Kennedy administration とか(東京書籍)、トランプ政権 the Trump Administration とか(旺文社)、のように使う。

manager でいうと「経営者か?」と誤解されないが、ある人が何らかの管理の権限が与えられている場合など、administration などで言い換えると良いだろう。

東京書籍4500では administration は巻末送りである。あまり高校教育的に良い題材にしづらいのだろうか。だが、「政権」も「サーバー管理者」も、大学進学を目指すなら知っておきたい単語であろう。


遺産

estate, heritage

受け継ぐ inherit


estate (エステート)が、親からの財産などの相続的な「遺産」。


heritage (ヘリティッジ)は後世に残すにふさわしい文化的な「伝統」などの意味での「遺産」(旺文社1900、センチュリー)。ただし、heritage にも親からの「遺産」という意味もある(センチュリー)。

「世界遺産」は World Heritage である(桐原3000)。世界遺産はヘリティッジ冒頭のHが大文字。

東京書籍3000・4500はheritageを紹介せず。

heritage は発音注意。後半はテージではなくティッジ。


inherit (インへリット)は、単語集では「相続する」で書いてあり(桐原)、辞書にもそうあるが(ジー二アス)、しかし「継ぐ」「引き継ぐ」「受け継ぐ」で覚えたほうがよいだろう。(「継承」と訳すと固すぎて、日本語の訳には合わない。)

前任者から地位や方針などを「受け継ぐ」という用法が、 inherit にはある(ジー二アス、センチュリー)。

財産の「相続する」の例文については、典型的なのは、

(桐原、センチュリー)「財産を相続する」inherit a fortune

(ジー二アス、東京書籍)「財産を相続する」inherit a property

である。

She inherited a fortune from her father. 「彼女は父から財産を受け継いだ。」

のように使う。

単語集には、inherit には、親から性格・体質などを「受け継ぐ」の意味があると書いてある(東京・桐原)。

名詞形は inheritance (インヘリタンス)であり、「相続」「遺産」「遺伝」などの意味である(桐原)。

「相続税」を inheritance tax という。だから、inherit を「相続する」と訳すのも間違いではない。


日本人は「受け継ぐ」と「相続する」を別々の言い回しとして区別しているが、英米人はそうではない、というのが理解の本質である。

生物学などで「遺伝」の分野の英文をよんでいると、しばしば inheritance という英文も見かける。

en:w:Mendelian inheritance (英語版 wiki「メンデル遺伝」(直訳) )など。


(※ 範囲外 : )ほか、単語集にも辞書には無い範囲外の話題だが、プログラミング用語で「継承」 inheritance という概念があり、( w:継承 (プログラミング) )

親(parent)的なデータ集合のモジュールから、子(child)的なデータのモジュールにデータを継承させる設定などで「継承」 inheritance は使う用語である。(※大学の情報工学レベルの内容なので、高校生は暗記しなくていい。また、工業高校でも、ここまでは習わない。)


※ 対義語

メジャーとマイナー

major と minor

major は「主要な」。minorは「重要ではない」。

2つ以上のもののうち大きいほうがメジャーmajor、比較的に小さいほうがマイナー miner 。

高校では bigger とかlargerとか論外だし、そっちは紹介すらしていない。 なお、big と large の違いとして、文英堂インスパイアは形容詞の単元で、bigは『最も口語的で、主観の入ることが多い。』としており、larger は『(largeは)「広い」「数量が多い」の意味。客観的表現。』としている。

「多数派」が majority マジョリティ。

なお「多数決」は a majority vote である(東京書籍4500 でvoteの項目に書いてある)。vote とは名詞形では「投票」とか「票」の意味であり、同じスペルで動詞の意味の場合もあり動詞なら「投票する」の意味。

派生的に major には「重要な」という important に近い用法もあるが、上述のような違いがある。

「圧倒的多数」は an overwhelming majority である(東京書籍4500。旺文社1900)。

単語集にはないが、ジーニアス英和には「圧倒的多数」は a sweeping majority of votes だと書いてある。

sweep は、掃除のホウキなどでゴミを「掃く」(はく)の意味だが(旺文社1900にはこの例文が書いてある)、ほかには敵などを「一掃する」などの意味もあるが(旺文社のに書いてある)、単語集にはないが派生的な意味として票や人気などを「かっさらう」の意味もある。あと、試合や勝負などで「圧勝する」の意味もある。

検定教科書では、三省堂CROWN III に sweep が書いてあった[17]。環境問題の単元で。

「圧倒する」overwhelm は、勝負事のほかにも、「美しい景色に圧倒された」のような使い方もして良く、旺文社1900の例文がそうである。センチュリー英和の例文でも、交響曲が「感動的」をoverwhelming としているのがある。

ジーニアスによると、感動だけでなく苦しみや困惑でも overwhelm を使うこともあるようだが、wikiで紹介するには例文が不足しているので、紹介しない事にする。

大学などで特定の学問分野を「専攻する」ことを米語(アメリカ英語)で major といい、普通は major in ~で「~を専攻する。」

典型的な例文が

He majored in economics. 「彼は経済学を専攻している。」

問題は場所の前置詞である。


He majored in economics in university. 「彼は大学で経済学を専攻している。」

だと、inがいくつもあって読みづらい。(東京書籍4500は気にせずin ・・・ in college と並べている)

He majored in economics at university.

のように、atが好まれる場合もある。(センチュリー英和が at university としている。)


イギリス英語だと、専攻はread だったりstudy だったりするが、まあ同音意義語が多くて分かりづらい。なるほど、米国英語 major が必要とされたわけである。

旺文社1900には specialized が紹介されているが、しかしspecialized は大学院以上での「研究する」に用いるのが本来だとジーニアスは述べている。


主要な

chief ,principal, main, primary


第1位の primary , prime


まず、chief は組織の「長」という意味の名詞である。

だが、それ以外の意味として、形容詞として、「主要な」という意味がある。

たとえば、「主要な都市」だとか「主な理由」とかで chief が使われる。

この「主な」という用法では、chief は main とほぼ同じである。


形容詞 principal という「主要な」を意味する単語がある。

名詞の「原則」principle とい別の単語である。(ただし、語源は同じで、princip-が「第一の」という意味。)

また、発音も同じで、つまり principal の発音と、principle の発音は同じで、両方とも「プリンセプル」と発音する。旺文社1900が同音だと紹介している。


principalの語源は「第一の」であるが、しかし「主要な」の意味する対象は唯一のものでなくとも構わない。

ジーニアスの例文で、「ヨーロッパの主要都市」 the principal cities of Europe という単語がある。

このように、複数個ある「主要都市」に principal を用いても良い。

東京書籍にある「主な原因」principal reason とか、またはセンチュリーにある principal cause は、別に理由が一個だけとは限っていないだろう(教材では特に言及はされていない)。


principal は名詞としては「校長」の意味である。

ジーニアスおよびセンチュリーいわく、「会長」を principal という場合もある。

ジーニアスいわく「社長」にも principal が使えるらしいが、しかし「社長」は、 president で十分だろう。

principalには「元金」という意味もある。利子に対する元金のこと。旺文社で、元金が紹介されている。


primary (プライマリー)は「第一の」という意味の形容詞。

イギリス英語では a primary school で「小学校」である。なお、アメリカ英語では「小学校」は elementary school である(ジーニアス和英「小学校」)。


「主な目的」と同じ意味で「第一の目的」 a primary purpose という言い回しもあるので、「主な」とも訳される場合もあるが(東京書籍3000)、しかし primary の意味は「第一の」で先に覚えるのが安全だろう。

小学校を「主な学校」と覚えるのは、飛躍をしすぎている。 よくあえる典型的な例文は

a primary concern 「第一の関心ごと」

である(ジーニアス「最も心配しているのは」、桐原「第一の関心事」)。


ほか、米国の「予備選挙」を a primary election という(桐原4500、ジーニアス)。


さて、よく似た関連の別単語 prime (プライム)の話。

今の単語集にはあまり書いてないが、昔はよく「総理大臣」は英語で the prime minister (ザ・プライム・ミニスター)だと高校で習ったものである。いちおう、東京書籍の例文中に「総理大臣」the prime minister がある。桐原には書いてない。

なお、「大臣」は英語で minister である。


いま話しているのは、primary ではなくprimeである。

違いは、ニュアンス的に

primary は単に「順番が第一の」 の意味でも使われる。

一方、prime は、総理大臣のように、やや固い言い回しであることくらいか。

prime の語源はもともと、カトリックの日課の「最初の」礼拝のこと(ジーニアスで確認)。 prime はこういう意味なので、単に一番目であるだけでなく、さらに重要性の高いものに使われるというニュアンスがある。

形容詞を単独で覚えるのではなく、primary concern とか prime minister とか、名詞とセットで覚えよう。



「深刻な」

serious と severe

日本語になっているシリアスとシビアと同じような使い分け。


ともに「深刻な」の意味があるが(東京書籍3000にそういう用例あり)、

シビアのほうは、マジメに考えるべきという意味で「深刻な」。

severe のほうは、苦痛などがひどいという意味で「深刻な」。

だが、あまり境界は明瞭ではなく、桐原3000では severe economic problem のように「深刻な経済問題」という用法もある一方、東京書籍で serious damage 「深刻なダメージ」という用法もある。

※ 東京書籍には悪いが、高校生の段階では、とりあえず severe のほうだけを「被害で深刻な」と覚えておいて、serious の被害的な用法は例外的だと思うほうが安全だろうか。


なので、serious は(「深刻な」ではなく)とりあえず「(問題などが)重大な」と覚えるほうが良いだろう。

もっとも、そう覚えると今度は important「重要な」との区別が難しくなる。

なので、serious は「(まじめに考えるべき、問題などが)重大な」で覚えるのが良いだろう。東京書籍3000 でも、serious を「(問題などが)重大な」と説明してある。


上述のように「重大な」「重要な」「主要な」など漢字が一文字変わるだけで意味が変わるので、ここらヘンは注意が必要である。



「能力」

ability と capability


まず、形容詞 able は「~できる」の形容詞。

形容詞 capable は「~の能力がある(※ 東京書籍4500)」「(人や組織が)有用な」の形容詞。組織の有能は桐原4500、人の有能は東京書籍4500。


なお、構文では「be able to 原形動詞」 と 「be capable ~ing」の違いがある。


問題は、ability と capability の違いがある。

桐原3000がabiity を「能力」と訳し、桐原4500および東京書籍 4500 が capability を「能力」と訳し、ともに「能力」である。


※ これはもう、capability のほうが格調が高くて高尚な表現だと思うしかない。


なお、国家の「戦闘能力」のことも capability といい、ジーニアス英和辞典にそう書いてあるし、よく海外の軍事ニュースとかで聞く。

辞書(三省堂センチュリー)を見ていたらcapabilityに「力量」がある、という表現があった。 ジーニアス辞典だとcapability に「手腕がある」。


高校の単語集では capable を「有能な」と訳しているが、上述のような力量・手腕なニュアンスがあると見るのが良いだろう。

構文「be able to 原形動詞」 と 「be capable ~ing」の違いについても、capableが手腕や力量を評価していると考えれば、普通は過去の実績にもとづいて手腕を評価するだろうから、capable ~ing のように後続が動名詞である事も納得理解しやすいだろう。


桐原 3000 およびセンチュリー辞典によると「able」は人のみを主語とする、桐原3000ではcapable は人も無生物も主語とするとあるが、しかしジーニアス英和辞典ではそのような説明は確認できなかった。

ableが人のみを主語としているなどは、あくまで傾向・経験則に過ぎない。


なお、本来なら can より be able to のほうが文語体に近い。なのでbe able to は高尚なはずである。

しかし、上には上がいて、さらに be capable ~ing という、上級な表現がある。



「力量」

上述のcapabilityに「力量」のついでに言うと、なんと「美徳」を意味する virtue にも、辞書にないが、中世あたりの古いラテン語などで、virtue に相当する言葉に「力量」という意味があった。

現代でも、辞書ではvirtue に「長所」「(薬などの)効能」の意味がある


なお対義語の「悪徳」は vice である。美徳 virtue と悪徳 vice はセットで覚えよう。


さて、桐原4500 にだけ virtue の意味に「美徳」のほか「長所」という意味があると説明しているが、こういう力量的なニュアンスが背景にある。

高校の範囲外だが、たとえば政治学の古典のマキャベリ『君主論』の和訳本を読むと(NHK出版のを読んだ)、君主には virtue (に相当する昔のイタリア語)が必要だと言ってるのだが、これは「君主には(敵を押さえつける)力が必要だ」的な意味。辞書には書いてないが。

薬の効き目なども virtue というと辞書にあるが、そういう「力量」的な意味が背景だろう。

ジーニアス英語辞典にあるが、キリスト教の天使にバーチュ virtue というのがいるが、そういう意味で、だから「力天使」(りきてんし)と訳されるわけだ。



消滅・滅亡

perish と vanish と disappear


perish は「(災害などで)死ぬ」のを perish で桐原5500が紹介している。なので、perish には「消滅する」という意味があるが、どちらかというと殺されるような感じで「消滅する」(桐原5500)。

単語集にはないが、大学の研究者についての格言で、publish or perish 「(論文などを)発表しろ、でなければ消えろ」というのがある。パブリッシュとペーリッシュの発音とスペルが似ている駄洒落にもなっている。意味合いとしては、大学教員は研究者としての意義で税金などの援助を受けていたりするので、それができないなら邪魔なので大学からは消えてくれ、というふうに日本では解釈されている。

コレで覚えるほうが、perish を覚えやすいだろう。


vanish は、(単に突然に)「消える」が第一の意味だが、派生的に 「恐竜が地球上から消える」という用法で東京書籍が vanish を使っているように、死んだことにより消えたものにもvanish を使うこともある(東京書籍4500)。辞書によると、絶滅にはvanish を使う(ジーニアス和英)。

だが、vanishを死んだものに使うのは派生的な用法。なので、 perish 「死に去る」で覚えるのが高校生には良いだろう。


disappear は単に姿が見えなくなること。appearの対義語。


vanish とdisappear の境界はあまり明瞭ではない。「少年が人ごみに姿を消す」を桐原は vanish で説明する一方、 東京書籍は飛行機が「視界から消える」ことをdisappear で説明している。



公表

publish , release

publish には「出版」の意味のほかにも「公表」の意味がある。そもそも「公開」を意味する public と、publishの語源は同じである(ジーニアスで確認)。

だが、いくつかの分野では、release が「公表」の意味で使われる場合もある。

release は「解放する」の意味が第一義であるが。


たとえば企業などによる、テレビなど報道機関に向けた情報公開はプレスリリース press release という(ジーニアスおよびセンチュリーで press の項目に書いてある)。 なお、ここでいうプレス press とは、「報道機関」の意味。press は名詞では、新聞やテレビなどといった「報道機関」の意味もある。通例、報道機関のことをいう場合は the をつけて the press となる(the press は単語集に普通に書いてある)。

映画の公開の開始やレコードの販売開始などもrelease と言うが、本項目では触れない。

push と press の違いについては本ページでは深入りしない。「圧力」が pressure のことから、press は「強く押し付ける」とか「しっかりと押す」のような意味合いで使われる場合もあるだろう。


なお、depression と言う単語が「憂うつ」「低気圧」「不況」の意味である。

不況だから「憂うつ」なのか、それとも、「抑うつ」といわれるように何か抑圧を感じていて「憂うつ」なのかは分からないが、関連付けて覚えよう。

なお、動詞形 depress は、「落胆させる」「不景気にする」の意味(桐原4500)。


出現

appear と emerge


emerge を「現れる」と説明している単語集もありますが(桐原4500)、しかし「(見えないところから)出てくる」ぐらいに考えるべきです(※ ジーニアス上岩辞典などを参考)。実際、ジーニアス英和辞典でそう説明しています。

桐原4500が「春になると昆虫が現れる」という文でemearge を使っているのも、冬のあいだは卵だったりして人目につかない場所に隠れていたのが、明らかになった、というような意味合いでしょう。

なお、よく非常事態をemergency といいますが、この動詞 emerge の名詞形 emeregence (「出現」、「脱出」)の派生系の名詞です(ジーニアス英和辞典にそう書いてあります)。

桐原4500にemergence が書いてあるのですが、どうせなら非常事態 emergency も覚えてしまうのがよいでしょう。


appear は(登場する的なニュアンスで(※ 桐原4500))「現れる」。

だが、appearは「出現する」で覚えたほうが良いだろう。ジーニアス和英で「出現する」を調べれば appear が書いてある。

東京書籍4500も桐原4500も「出現する」という言い回しを避けている。いったいこの出版社は、「出現」という言葉にどういうイメージを持っているんだか。emergeとの混同を防ぎたいのだろうか。


なお appear にはSVC文型で「~に見える」という意味もあり、lookのSVC文型と同じような意味の用法もある。

このようなSVC文型で有名な動詞は、

look(見える), sound(聞こえる), smell(匂う), feel(感じられる) , taste(味がする) , seem(思われる) ,

などがある[18]



許可する

permit と allow とadmit


撮影許可や駐車許可など規律で「許可する」が permit である(東京書籍4500)。

単語集にはない情報だが、パソコンで「アクセス許可」などの設定でファイルごとに「読み取り専用」「読み書き自由」とかファイルの所有者などを設定するアレも、Unix系システムでは パーミッション ( permission )という[19]

単語集の話に戻ると、派生的に父親が娘の留学を「許可した」みたいに使う場合もあるが(桐原4500)、派生的な用法であるので、まずはpermission「許可」で覚えるのがよい。

His father permitted him to study abroad. 「彼の父は、彼が留学することを許した。」(桐原4500)


しかし、allowで留学を「許可」する文章を書いてもよく、実際に啓林館の検定教科書『Standard Vision Quest』にallowの留学の可否の例文がある。

My parents won't allow me to study abroad. 「(※私の両親は)私が留学するのを許さない」[20]

※ カッコ内「(※私の両親は)」は、wiki側での補充。検定教科書には訳なし。


ジーニアス英和辞典によれば、後述の名詞形 permission には、「許可」のほか「認可」の意味もある。

動詞 permit には認可の意味はないが(ジーニアス英和で確認)、名詞形 permissionのニュアンスをくんで使うのが良いだろう。


子供などに許可を与える場合は普通はallowを使う(東京書籍4500で説明、および旺文社1200に文例あり)。


一方、名詞形 allowance だと、給料の通勤手当(つうきんてあて)だとか家族手当などの「手当て」という意味になる(東京書籍、ジーニアス)。基本的に allowance に許可の意味は無い。辞書をみれば、allowance には税の「控除」(こうじょ)などの意味もある。

なぜ、こういう事になっているかというと、実はもともと allow のもとの語は、「割り当て」という意味だった。なので、むしろ「手当て」の意味のほうが語源に近い。

実は辞書を見ると、allow には税の「控除をする」などの意味もある(ジーニアス)。

逆に、動詞 allow の「許す」の意味のほうが、語源から遠いのである。


さて、熟語 allow for ~ は「考慮に入れる」の意味である(東京書籍4500)。

このように allow はあまり「許可」に特化した語ではない。

permit のほうが「許可」に特化している。


なお単語集には、allowance の例文は無い(東京、桐原、旺文社)。


admit は、入学・入場などを「許可する」こと(桐原4500)。だからadmission は「入学(入場)許可」・「入場料」の意味である。

ただし、admit には、(いやいやながら、あるいは仕方なく)しぶしぶ「認める」という用法もある(東京書籍4500および旺文社1900)。ジーニアス英和辞典を見ると、自身の罪や失敗や自身のおろかさなどを認める際に admit を使った例文がある。

「いやいやながら受け入れる」的なニュアンスだろう。

なおジーニアス英和によるとadmitの本義は「受け入れることを認める」とある。


なお、「嫌々ながらの」「しぶしぶの」は reluctant である。桐原に「しぶしぶの」という和訳がある。

「しぶしぶ」・「嫌々ながらに」は reluctantly である。東京書籍に「しぶしぶ」という和訳がある。

be reluctant to ~(動詞)で「~するのに気が進まない」である。


典型的な例文が、

be reluctant to go there. 「そこに行くのに気が進まない。」

である(東京書籍に同じ例文。旺文社が行き先が違うが go の例文)。


forgive

forgive は、悪い事をした人を「許す」の意味(単語集に書いてあるのはコレ)。

このほか、辞書の forgive の項目には、借金などの免除の意味もあるが、単語集には書いてないし(旺文社1900にだけ書いてあるが例文なし)、高校生には重要性が低いだろうから覚えなくていい。


  • 承認

recognize

いちおう、旺文社1900の単語集にはrecognition 「承認」とあるが、ほかの単語集では紹介されていない。旺文社にも、「承認」の意味でのrecoznizeの例文は無い。

recognize には、新政権の「承認」などの意味もある。辞書によくあるのは、新政権やイスラエルなどが周辺諸国から承認 recognize を拒まれるという内容の例文。



過失を認める

admit, acknowledge

admit には、(いやいやながら、あるいは仕方なく)しぶしぶ「認める」という用法もある(東京書籍4500および旺文社1900)。ジーニアス英和辞典を見ると、自身の罪や失敗や自身のおろかさなどを認める際に admit を使った例文がある。

「いやいやながら受け入れる」的なニュアンスだろう。

なおジーニアス英和によるとadmitの本義は「受け入れることを認める」とある。


acknowledge はアクナリッジまたはアクナーリッジのように発音する。

アクノウ(×)以下略とは発音しない。


acknowledge は「事実であると認める」という意味であるが、誤りを認める場合にも使われる。

センチュリーいわく、admit とは違い、しぶしぶ過ちを認めるようなニュアンスは acknowledge には無い。


典型的な例文が、

acknowledge one's mistake 「過ちを認める」

である(東京書籍、センチュリー、旺文社)。


たとえば東京書籍は

She acknowledged her mistake. 「彼女は自分のミスを認めた。」

である。


センチュリーは

I acknowledge my mistake. 「私は自分のミスを認めます。」

である。

その他、単語集にはないが、好意などに対して「会釈する」という意味や、手紙や贈り物などに対して、「送り主に受け取ったことを知らせる」という意味もある。




「禁止する」

forbid, prohibit, ban

「抑制する」 inhibit


prohibit および ban は法律または規則による「禁止する」。

ban のほうが口語的。辞書などでよく、喫煙禁止の例文があり、

You are prohibited from smoking in this room. 「この部屋での喫煙は禁止です。」

のように使われる(東京書籍4500をもとに、ジーニアスの例文の「この部屋」に改変)。

法律が禁止する場合、

The law prohibits ~「その法律は~を禁止している」

のように使う。(ジーニアスおよび旺文社1900)


スペルの似ている inhibit は「抑制する」「妨げる」。

inhibit の派生の名詞 「インヒビター」inhibitor が、よく薬品などの化学反応の抑性物質の名前で使われる。


forbid が一般的な「禁止する」であり、法律・規則による場合と、そうでない場合のどちらでも使われる(東京書籍)。

forbid の活用は、

現在形 forbid - 過去形 forbad または forbade - 過去分詞 forbidden

である。


考慮

consider と allow


動詞 consider が「考慮する」。名詞ではないので注意。

allow for ~ が「考慮に入れる」。


take ~ into consideration が「考慮に入れる」。


※ 高校生はとりあえず consider および take ~ into consideration を覚えるのが良いだろう。こっちのほうが大人っぽい表現だろう。

allow for ~ は覚えるのが難しい割に、個々の単語を見てもイメージがわきづらい。また、比較的に子供っぽい表現だろう。手間をかけて子供っぽい表現を覚えるのは損である。

実際、桐原3000では、allowを使った「考慮に入れる」の表現は紹介していない。

一応、旺文社の熟語1000にallow for ~ の「考慮に入れる」の熟語があるが。


「規制」と「規則」


日本語の問題でもあるのだが、「規制」は禁止とは限らない。

英語で「規制する」 regulate は、たとえば「米価を統制する」の「統制する」とか(ジーニアス)、警官の道路交通整理とか(東京書籍、センチュリー)、そういうのにも regulate を使う。

たとえば

「警官は交通を取り締まっている。」 The police are regulating the traffic.

である(東京書籍。センチュリーに似た例文)。

なお、「交通規則」は単に traffic rules で言える(桐原4500の rule)。


また、名詞形 regulation は、「規制」「規則」である。つまり、英語では規制と規則とを区別していない。センチュリーいわく、rule よりも細かいのが regulation であるとのこと。

また、法律ではないので、政府や公共機関による規制である必要はないのが「規制」regulation であり、たとえば「自主規制」the voluntary regulation of the press などの単語もある(ジーニアス)。

規制の内容によっては、「取り締まり」の内容の場合もある(センチュリー)。

あと、自動車の交通違反の「取り締まり」だって、別に自動車の運転は禁止していないわけです。

世間には「取り締まり」というと禁止と勘違いする人がいますが、それは規則の内容次第です。


なお、規制 regulate の成り立ちは、出来事などの「規則的な」、生活などの「規則正しい」という意味の単語 regular の派生である(ジーニアスで確認)。

旺文社が紹介しているが、regulation には「調整」という意味もある。

辞書によると、「温度の調節」 the regulation of temperature とか(センチュリー、ジーニアス)、ガスなどの流量を調整するのも(ジーニアス)、 regulation である。

「安全基準」 safety regulation である。


なお、「時間に規則正しい」は punctual (パンクチュアル)である(旺文社、桐原)。

He is always punctual. 「彼はいつも時間を守る。」

のように使う(旺文社、桐原)。東京書籍は punctual を紹介せず。

名詞形は punctuality 「時間厳守」である(桐原5500)。


なお、「規制を撤廃する」は deregulate である(東京書籍)。


「銃規制」は gun control である(東京書籍3000・control、ジーニアス)。


「規則に従う」は obey the rule

である(センチュリー、旺文社)。

obey は、規則のほか、教師や親や上司などに従うのにも、obeyを使うこともできる。


(ジーニアスいわく)「親に従う」obey one's parents

(センチュリーいわく)「教師に従う」 obey one's teachers

「法に従う」「法を守る」 obey the law

などである。

辞書によっては和訳で、規則や法に「従う」と言う代わりに、規則や法を「守る」と和訳している辞書もあり、ジーニアス英和がそうである。


名詞 obedience は「従順」「服従」の意味(旺文社、桐原)。

形容詞 obedient は「従順な」の意味(東京書籍、旺文社)。


確信

形容詞 confident と 動詞 convince

形容詞 confidentは、自分の能力に対する「確信している」の意味がある。また、他社への「信頼している」の意味がある。


単なる確信のsureとは、そこが違う。

熟語集などによっては、そこが書いてないレベルの低いものもある。(※熟語集を買うときも、やみくもに語数の多いものを買うのではなく、類義語との違いを説明しているものを買おう。)


動詞 convince は(~が事実であることの)「確信させる」・「納得させる」であり、無罪を「確信させる」などが典型的(桐原4500および旺文社・熟語1000)。

そのほか、勝利を「確信させる」とかが convince である。


なので、「確信する」人物は、動詞 convince の目的格の人物である。(主語が確信するのではない。)

そもそも、convince は(形容詞ではなく)動詞であり、他動詞である。

ただし、受身形 be convinced with ~ とすることで、主語が「確信している」ことをあらわすこともできる(桐原4500)。


なお、convince A of B で、「AにBを納得させる」の意味にもなる。


そのほか certain や sure などで「確信している」を表現できるが、中学で習うのだろうから省略。ほか、certain については対義語 uncertain (不確かな)を覚え足せば十分だろう。


適合・適応

adapt とadjust


まず、「適合する」は adapt を第一に覚える。

電気のアダプター adapter と同じ語源。(ジーニアス英和辞典で adapter が電気のアレであることを確認。) アダプターは和製英語ではなく、本物の英語。

adaptとスペルの似た単語でadoptというのがあるが、これは「採用する」の意味だが、ほかにも「養子にする」がある(旺文社1400にだけ養子の意味も紹介されている)。adoptの養子の意味はたぶん入試には出ないだろうが、記憶の補強材料として知っておけば「採用」のほうも覚えやすいだろう。 養子も採用の対象と考えるのが英語的な言語のセンス。大体の単語集ではよく例文で「新しい政策を採用する」 adopt a new policy のような感じの例文を見かける。

adjust は「調節する」を第一に覚えて(※桐原4500 の見解)、派生的に 「adjust to ~」で「~に慣れる」のような意味なんだと覚える(実際の言語の歴史がそうかは知らない)。

よく事務室とかにある、高さ調節のできるイスとかの下に付いているアレを「アジャスター」という。東京書籍 4500 が例文でイスの調節を adjust で紹介している。

「暗闇に目が慣れる」表現を桐原・東京書籍とも adjust で表現。

なお、東京書籍が「適応」、桐原が「適合」と表現。



捕獲

capture と seize と arrest

seize は「押収する」(桐原4500)。および seize ~(=人)by arm で「人の腕をつかむ」。「つかまえる」ではなく「つかむ」。

arrest は「逮捕する」。under arrest で「逮捕されている」


capture が(人・動物などを)「捕まえる」などの一般の意味。東京書籍4500が「人・動物などを」といっている。

capture で動詞にも名詞にもなる。

また名詞 captureで「捕虜」の意味がある(桐原4500)。また旺文社は「捕虜になった兵士」a captured soldier としている。

しかし、単語集にはないが、現代では、軍事用語では、「戦争捕虜」のことを POW という。Prisoner of War の略である。また、日本語で「捕虜」と言ったら、普通は戦争における捕虜のことである。


なお、俗語ですが、IOW で in other words の略称。

これ自体は入試に出ませんが、重要なことして、

  • 現代英語でも in other words はよく使う表現であること
  • 字数の削減などの理由で現代のネットでは慣用句・熟語が短縮されること

があります。

ツイッターなどのSNSでは字数制限がありますので、かつて一部のネット掲示板などでしか使用されなかった IOW のような非公式な表現が、現代では次第にツイッターなどでも広く使われるようになってきています。

ほか、接続詞 so も、ネットではよく使われます。

いっぽう、therefore などの固い言い回しだと、字数を多く消費してしまいます。

かつて、日本の英語教材などに so は「女性的な表現」または口語的な表現などと書かれていたかもしれませんが、しかしネットの登場で事情は変わりました。字数の制限という事情です。

ノーベル経済学者のクルーグマンが、彼のツイッター投稿中で "so" を接続詞的に使っているの目撃したことがあります。まさかクルーグマンがオカマなわけはないので、つまり so が「女性的な表現」という言説が現代では誤りです。

なお、「国防」は英語で national defense である(旺文社1900の項目 allocate )。べつに日本が憲法の理由で国防と言い換えてるわけではなく、英語でも「国・防」の語順で national defense という。

さて、ジーニアス英和によると、captureで「心をとらえる」とか(コンピュータなどでデータを)「集積する」の意味もあるが、しかし単語集には紹介がない。

なお、「データ」 data は本来は名詞 datum の複数形だが、しかし現代では単数形として data を使ってもいい。


なお prisoner は「囚人」(しゅうじん)である(東京書籍4500・桐原4500)。

和英辞典だと「捕虜」でprisonerが書いてあるが(センチュリー和英)、しかし、まずprisonerは「囚人」だと覚えよう。


catch は中学英語なので、説明を省略。


理解

understand と comprehend


comprehend は単に形式ばった表現に過ぎず(※センチュリー英和辞典の見解)、意味は特にunderstandingと違いはない。

ジーニアス英和辞典では「知的に十分に理解する」と書いてあったが、しかし例文を見ても、そうは思えなかったは。

ただし、名詞形のcomprehension で「理解」・「理解力」の意味があることは覚えておこう。桐原・東京書籍の単語集4500を見ても名詞形の例文はないが。


類似

alike と look like と similar と resemble


alike は、主語が複数形であり、それらのものが互いに「似ている」の意味。なので、SV文型になる。

「○○ and □□ are alike .」 で、「○○と□□は似ている」のように使う。

The two ~ are very much alike. 「その2つの~はよく似ている。」というパターンの例文もよくある(桐原4500、旺文社1400など)。※ 「alike」を「似ている」と訳すか「よく似ている」と訳すかで和文のパターンが分かれるが、あまり本質的でないので深入りしない。旺文社1400だと「very much alike 」で「とてもよく似ている」と和訳している。


similar は、

○○ is similar to B .

で「○○は□□に似ている」のように使う。

Tom is similar to John. みたいな例文になる(出典はとくに無し)。

東京書籍3000に in a similar way 「似た方法で」と例文がある。なお、このように名詞を修飾する場合は similar を使う(旺文社1400)。

現代の単語集にはないが、ジーニアス英和にもあるが、数学の図形の「相似」が similar である。たとえば「相似三角形」なら similar triangle である。


さて、旺文社1900の単語集によれば similarity は「類似」「類似点」である(旺文社1900)。同様に数学の「相似」も similarity であると、ジーニアス英和で確認できる。


ジーニアス英和によると、「ネコとトラには共通点がある。」という例文で There is a similarity 〜 という表現をしている。桐原4500には「類似」しか紹介していないが、できれば「類似点」の用法も覚えたい。

なお、東京書籍4500にはsimilarity の紹介は無い。

similarly で「同様に」「同じく」の意味。


なお、形容詞 same(セイム) は「同じ」「同一の」という意味。


「形容詞 similar は、同じというほどではないが、かなり同じに近い何かであり、つまりsimilar で『似ている』という意味になる」・・・というふうに関連づけて覚えれば、暗鬼が定着しやすいだろう。


look like は

S look like O .

で「SがOに似ている」の意味。よく文法参考書で、SV文型またはSVO文型の解説でよく書いてあるかもしれない。

前置詞 like は、単独では「~のような」の意味である。(類似とは、ややニュアンスが違う。)


なお、単語集にないが、形容詞 like というのがあり、これは「ほぼ同じ」の意味であるので、similar より意味が強い。(どの辞書にも書いてある。)

※ 高校の単語集にある like は、前置詞の用法のやつ。


動詞 resemble は、SVO文型で、

S resemble O.

「SはOに似ている」の意味。

resemble は進行形では使わない(旺文社1400、桐原4500)。

resembleに限らず、行為を表さない動詞は通常、進行形は不可である。この種の動詞にはresemble も含めて紹介すれば、belong「所属する」,exist「存在する」、contain「含んでいる」、resemble「似ている」などがある[21]

look like よりも単語が難しいので文法参考書では印象がうすいかもしれないが、しかし一語で「似ている」ことを表せるので resemble も覚えておきたい。


類似の意味の名詞として、similarity もresemblance も「類似」の意味(桐原4500)。

単語集には無いが、similarにだけ「相似」の意味がある(辞書にもそうある)。(だから数学の図形の「相似」にもsimilarを使う)


単語集には無いが、辞書を見れば、similarity もresemblance の両方とも「類似」または「類似点」の意味がある。さらにlikeness という形容詞likeの名詞形もあり、これも「類似」または「類似点」の意味がある。

センチュリー英和辞典では likeness とresembleの違いを説明しているが、ジーニアスは違いの説明を放棄する程度に、これらの名詞のニュアンスの違いは微妙である。



期待や予想など

expect は「期待する」であり、まず期待の意味を覚えるべきだが、「予想する」の意味もある。


predictが「予想する」の意味。



発生

happen と occur とarise

ジーニアス英和のoccurの説明によれば happenもoccurも、偶然に起こったことについて「起こる」の意味で使う。 occur のほうが、あらたまった語。

arise は、問題が発生したときに使う。



正確

accurate と correct とright と precise と exact


後述のように accurate と precise は、「精密な」のニュアンスがある。


accurate は、東京書籍4500には(情報・数値などが)「正確な」とある。しかし「精密な」で覚えるほうが理解しやすいだろう。

桐原4500だと、「精密な」の例文を紹介してあり、物理実験での測定値の「正確」にaccurateを用いている。

名詞形 accuracy について、単語集にある「正確さ」で覚えるよりも、ジーニアス英和にある「精度」で覚えるほうが理解しやすいだろう。


correct は、単に正解か不正解のような場合のように、合ってると場合に使う「正確な」である。

形容詞 right も同じように正解か不正解かの「正確な」の意味だが、多義語である。右とか権利とかもrightなので。

あらたまった場では、「正解」には correct のほうが安全だろう。


correct には、動詞として「訂正する」の意味もある。


なお、「考えを改める」の意味で「考えを修正する」ともいうが、この「考えを改める」は動詞 revise (リバイズ)である。発音注意。最後は「ズ」 z の音である。

出版物を「改訂する」も revise であり、つまりそういうニュアンス。東京書籍4500や桐原5500に revise があるが、これで覚えるよりも、単語集にないが名詞形 revision で覚えたほうが良いだろう。英和辞典をみれば revision で、「改訂」・「改訂版」の意味。センチュリー英和によれば「憲法を改正する」は revise the Constitution である。


単語集にないが、動詞 amend が法案・憲法などを「改正する」意味と、ほかの意味では文章などを「修正する」意味であり、たとえばジーニアス英和に amend the Constitution 「憲法を改正する」という例文がある。

ただ、名詞形 amendment の意味は、改正案ではなく、(たとえば憲法修正第21条(禁酒法廃止法)のような)「改正条項」といった細かい単位である。


  • 精密

accurate と precise

precise instrument で「精密機器」。


単語集で先に紹介している初等的な単語は、 accurate のほう(たとえば旺文社1400で、accuracy のみ紹介。東京書籍3000も同様にaccurateのみ紹介)

ジーニアスが言ってるが、precise (プリサイス)は、測定・機器などが「正確な」。

一方、辞書にはないが accurate は、良い測定機械などで得られたデータなどについて、誤差が少ないという意味での「精度が高い」。

のようなニュアンス。

あと、スペルの似ている「貴重な」「大切な」 precious (プレシャス)と混同しないように。


さて、「精密な」のprecise について、ジーニアス英和の指摘しているように、計算誤差の少ないことを precise というので、境界はあいまい。

東京書籍4500 でも、precise number 「正確な数値」を紹介。

辞書だけにあるが、「きちょうめんな」のことを precise という。be precise in ~ で、「~に、きちょうめん」の意味。

exact も同様、 be exact in ~ で、「~に、きちょうめん」の意味。

センチュリー英和に、これらの類語の違いが書いてあるが、しかし信用できない。精密機器 precise instrument などの用例に合わないと思う。


副詞 exactly


東京書籍4500 では、副詞 exactly だけを例文で紹介している。形容詞exactは例文なし。

おそらく、exactの例文を、違いの説明の難しさで、あきらめたのだろう。


東京書籍4500およびジーニアスにあるが、 exactly the same で、「まったく同じ」。

つまり、exactly で「まさしく」の意味がある。


「きっちり10人」exactly ten people とか(ジーニアス)、「きっちり6時22分」exactly six twenty-two とか(センチュリー)、「きっちり1年後」exactly one year from now とか(東京書籍)。



賛成

approve と agree と support と favor


approve は、案などに「賛成する」という意味がある。

ところがagreeもジーニアス英和によると、案などに「賛成する」の意味もある。

agree to ~(案)で、「~(案)に賛成する」である。

I agree to this plan. 「(私は)この案に賛成です」

である。

ここでの to は、前置詞 toとして直後に名詞が来る場合もあれば、不定詞 to として直後に動詞の原形が来る場合もある。


なお、人に賛成する場合は、toではなくwithを使う。つまり、agreeにはagree with ~(人)の熟語で「~(人)に意見が一致する」の意味もある。

I agree with you. 「私はあなたに賛成です。」(ジーニアスを参考)

である。


だが実際には、 I agree with your argument. 「あなたの意見に賛成する。」のように、所有格が来る場合、with を使うこともある(英文はジーニアスで確認)。旺文社1900でも、派生の動詞 disagree「賛成しない」だが disagree with the speaker's opinion 「演説者の意見に不賛成である」という例文がある。

また、この例のように、 agree と disagree の直後の前置詞の使いかたは、基本的には同じである。


ともかく、agree は辞書にも、熟語としてではなく agree の基本的な意味のひとつとして「意見が一致する」の意味もあると書いてあるほどである。

agree to ~(名詞) と、 agree to ~(動詞)で、ニュアンスが微妙に違う。 to 不定詞のほうが、賛成している主語に、協力的な意味での積極性がある(ジーニアスで閣員)。

派生の意味の名詞 disagree は「賛成しない」「反対する」の意味である(ジーニアスで確認)。賛成の否定なのか反対なのかは、文脈によって判断する必要がある。


さて、approveについては、単語集にないが、ジーニアス英和によると「承認する」「是認する」の意味もある。

桐原4500にあるapproveの例文の「両親が賛成する」は、どちらかというと「承認する」の意味だろう。

approve of ~(案など) の形でよく用いられる。

Her father approved of her marriage. 「彼女の父親は彼女の結婚を認めた。」

(※東京書籍4500をもとにwiki自作の例文.)

なお disapprove は、「承認しない」の意味である[22]

Her father disapproved of her marriage. 「彼女の父親は彼女の結婚を認めなかった。」

(wiki自作の例文.)


「結婚」marriage はよく「反対」の例文にもあり、たとえば旺文社1900に

「彼女の両親は彼女の結婚を認めなかった。」 Her parents objected to her marriage.

という例文がある。「~に反対する」は object to である。


センチュリー agree を調べると、類義語がそのほかにも accede , acquiesce , assent , concur , consent など書いてあるが、もう大学受験以降のレベルだろうから、本wiki本ページでは無視する。、

(桐原4500でなく、超上級レベルの)桐原5500に、assent と consent は書いてあった。

一方、桐原5500にはaccedeとacquiesceは無い。


approveだと「承認」のニュアンスがあるから、あらたまった場で「承認」でない立場の「賛成」を表したい場合などに、assent が便利かもしれないだろう。

「委員長が提案に同意」という表現で、桐原が assent を使っている。


つまり、assent は、賛成というよりも「同意する」ぐらいのニュアンスだろう。


support は、意見などを「支持する」の意味。

support ~(意見)で、「~を支持する」である。

I support her idea. 「私は彼女のアイデアを支持した。」

のように使う(旺文社1200を参考に、例文をwikiで自作)。

なお、「意見」は opinion なので、

I support her opinion. 「私は彼女の意見を支持した。」

である(東京書籍3000にほぼ同じ例文あり)。


単語集にはないが、opinion には、医者や弁護士などの「鑑定」という意味もあり、保健体育などでセカンド・オピニオン a second opinion を習っているはずである。second opinion も英語(ジーニアス opinion)。

support の対義語は object to である[23]

support ⇔ object to


東京書籍4500の例文で、

object to the proposal 「提案に反対する」

というのがある。


ちなみに、「賛否両論」は pros and cons である[24]


「お気に入りの」の意味の形容詞 favorite の動詞形 favor に、実は「賛成する」の意味もある。

ジーニアス和英やセンチュリー和英に、favor の最初の意味で「賛成する」が書いてある。

なので、たぶん米英ではそうなのだろう。

だがしかし、東京書籍も桐原もfavorの「賛成する」の意味を紹介していない。あまり、日本の高校生への教育の意義を見出せないのだろう。

そもそも、東京も桐原も動詞としての favor を紹介しておらず、名詞としての favor しか紹介していない、。

桐原はfavorの意味を「好意」とだけ紹介している。

東京書籍は「親切な行為」「支持」としている。

行為と好意は別の用法。

will you do me a favor? 「お願いがあるんだけど。」

という慣用表現があり(東京書籍にも書いてある。)、「親切な行為」とはこれのこと。

May I ask a favor of you?  「お願いがあるんだけど。」

ともいう(ジーニアス、センチュリーで確認)。


旺文社1900には、favor の動詞の意味「賛成する」も書いてあるが。



収集

gather と collect と accumulate

accumulate は、桐原5500によると「蓄積する」であり、東京書籍4500では「(長時間)・・・をためる」の意味での「集める」である。

桐原によると、地層の堆積の形容詞も accumulate である。東京書籍によると、学説の長年の証拠集めが accumulate である。


gather は、人が「集まる」でよく使う。

だが、gatherには「集めて、一つにまとめる」ようなニュアンスがある。センチュリー英和によると、例文で、子供がおもちゃをgather で「集めて」箱に入れた、という例文もある。

実際、センチュリーおよびジーニアスに、gatherの意味で「かき集める」という用法がある。


人や動物が「群がる」ならflock という動詞があるが(旺文社)、使用できる場合が限られる。人を「集める」のでは使えず、「群らがる」でないと使えない。


People flocks to ~(場所) で 「人々が~に群がる」である。

そのほか、flock には名詞として、羊や鳥の「群れ」などの意味もある(桐原)。


a flock of トリs で「トリの群れ」


他の動物の群れでは使えない。ウシやウマの「群れ」は herd である。魚の「群れ」は school である。


なお単語集にはない語だが、「散らかっている」状態は名詞 mess である[25]。messは形容詞ではなく名詞なので注意。

messの典型的な例文として、

The room is a mess. 「部屋が散らかっている。」

がある。

さて、ジーニアスによると、枯れ草を集めるのも gather である。

センチュリー英和によれば趣味などで収集しているものについては、gather も collect も使うのだが、しかしジーニアス英和 gather などの項目によれば、どちらかというと collect のほうが趣味の「収集」としては好まれるとしている。(ジーニアスは、趣味の収集では gather を使うべきではないというスタンス)

このようなニュアンスの違いがあるので逆に、ゴミなどの収集では gather が好まれるだろう。

検定教科書『All aboard! English Communication I』(東京書籍、令和3年1月29日検定済、令和4年2月10日発行、P117)を読んでると、海洋ゴミの収集に関するシーンで gather という単語があるので、たぶんそういう意味。(教師用指導書は未確認なので、推測だが。)

ただし、農作物を「採取する」のに gather を使うので(ジーニアス英和にもセンチュリー英和にも書いてある)、collectとのニュアンスの違いは微妙ではある。

もっとも、「掃除をする」clean up という平易な表現もあるので、こちらでニュアンスの問題を回避する手もある。


副詞でtogether (一緒に)というのがあるが、センチュリー英和によると「togetherと同語源」である。

「情報収集をする」場合にgatherを使う用法がある。旺文社1400の例文中に(犬が嗅覚で)「周囲の情報を集める」gather information about their surroundings. とあるし、

ジーニアスにも「本を書くために情報を集める」 gather information for a book とあるし、

センチュリーにも「私たちはこのことについて必要な情報すべてを集めた」We have gathered all the necessary information on this matter.

という例文がある。


旺文社には『gatherは「集める」の一般的な語。collectは目的を持って「集める」。』とあるが、しかし上述の「情報を集める」のように目的のある行為でもgatherを使うので、慣用的な部分もある。犬はともかく、ジーニアスの「本を書くため」という目的がある例文でもgatherを用いている。


collect は、ものを「集める」でよく使う。

ただ、どちらかというと、collectは「集めて入手する」ぐらいのニュアンスだろう。

ジーニアス英和だとcollectの意味で「収集する」と書いてある。

単語集にはないが、辞書によるとcollectには(税金や料金などを)「集金する」とか、精神集中の意味で「集中」するなどの意味もある。

だからか単語集ではcollectを「収集する」とだけ決め付けるわけにもいかないのだろうか。


センチュリー英和のcolectの説明にもあるが、collectには「選り分けて集める」ようなニュアンスがあるが、その意味ではgatherは使用不可。

中学校で collect を習って高校で gather を習うという順序だからか、なんとなくcollectを「集める」一般で使いそうだが、実際はそうではない。


集会、集合

assemble,


辞書を見たが、assemble は「集合させる」「集会させる」および「集合する」などの意味もある。(その他、assemble には、機械などを部品から「組み立てる」の意味もある。組立ての意味については、別の類似表現の項目で説明する。)


assemble は、けっして単に「集まる」のではなく、より正しくは assemble とは何かの目的を達成するために(人々が)集まったり(人々を)集めたりするわけである。

名詞形 assembly は、「組立て」「集会」の意味。単語集だと「集会」のほうが先に書いてあるが、組立てのほうで先に覚えよう。


アメリカの州議会を Assembly という。センチュリー英和によると、国連総会も the General Assembly とのこと。


つまり、機械などの「組立て」と、「集会」や「議会」などが、同じ assembly という単語であると覚えればいい。動詞 assemble はその派生として覚えれば、暗記の負担の節約になる。


コンピュータ用語で「アセンブラ」や「ビルド」とかあるが、しかし日常語の用法と合わないので、このページでは説明を省略する。


なお、記者会見は a press conference である(東京書籍4500)。


構成

compose, consist


be composed of ~ 「~で構成される」

consist of ~ 「~で構成される」


compose は、受身形 be composed of ~ で「~で構成される」。

compose には「作曲する」の意味もあるが、東京書籍以外は紹介していない。桐原と旺文社は、作曲の意味を紹介せず。作曲や創作などの意味で使う場合は、センチュリー英和や東京書籍の例文にあるが、compose は能動形で使う。


人間社会の組織などが「(○○な人員)から構成される」という表現は、compose でも consist でも、どちらでもいい。

なお後述するが consist は能動形で、

consist of ~ 「~で構成される」

である。


compose で、桐原および旺文社およびセンチュリーは、組織が構成される例文を紹介。

しかし、センチュリー英和の例文を見ると、consist でも「クラスは12人の男子生徒と13人の女子生徒で構成される」という例文もあるので、あまりconmpose と consist の違いはハッキリしない。

なお、名詞 component は「部品」「構成要素」の意味。たとえば東京書籍4500では、例文で自動車の製造部品を car component としている。桐原4500でも、「すべての部品は組み立てられる前に検査を受けなければならない」という例文で component を使っている。

つまり、component は部品の、しっかりとした言い方。

その他、「成分」の意味もある(桐原4500)。

「構成要素」とは、たとえば旺文社1900では、「炭素はすべての細胞に不可欠な構成要素である。」という例文で component を使っている。


consist は、能動形で、 consist ~ で、「~から成り立つ」 。

センチュリー英和にある例文「クラスは12人の男子生徒と13人の女子生徒で構成される」

This class consists of 12 boys and 13 girls .

このように、consist は能動形で使う。


建設、建築、建造

construct , build

建設業のことを construction という。

build と construct の違いは、construct は比較的に大掛かりなものを建てるときに使う(東京書籍3000および同社4500)。

このように、constructは、比較的に高度なものを建てることを言うが、しかし実際には英和辞典(センチュリー)の例文を見ると、「家を建てる」なども construct でいうこともある。

桐原4500やセンチュリーにある例文だが、比喩ではない建築的な意味での「橋をかける」は construct a bridge である。

under construction で、ビル(センチュリー英和)や橋(ジーニアス英和)などが「建設中」。

なお、スペルの似ている constitute は(組織などを)「設立する」。憲法は constitution。しばしば「憲法」は大文字で Constitution である。


高層ビルを建設するのは construct が望ましいだろう。


東京書籍3000 に、

Some high-rise buildings are being constructed.


という例文がある。

いっぽう、「高層ビルをビルドする」は、あまりにも幼稚。


construct の対義語は、語源的には、destruct (デストラクト)「破壊する」であり(ジー二アス construct ,センチュリー construction )、東京書籍の単語集にも construct と destruct は対義語だと書いてある。

だが、建物の破壊の仕方といっても、「解体」とか色々な言い回しがあるので、果たして日本語でいう「解体」のような表現を英語でどう言うのかは知らないし、英米での建築の言い回しを知らない。

そのためか、桐原4500では、construct の対義語を紹介していない。


米英では、通行人に工事中を知らせる掲示の文言は、センチュリーいわく、「この先工事中」 Construction ahead という文言とのこと。

旺文社に「工事中」 under construction という例文があるが、なんとなく日本での印象から掲示かという印象をうけるが、旺文社 construct 項目のどこにも掲示の文面だとは書いていない。


さて一方、家を「建てる」は、build でも construct でも、どちらでもいい。桐原3000には、buildで「家を建てる」の例文を紹介している。

「ローマは一日にして成らず」 Roma was not built in a day. [26]


set up

set up はテント(a tent)や看板(a sign)などを立てる。

この他、set upには「創業する」「創設する」の意味もある。


組立て

assemble, build ,

「組立てる」はまず assemble で覚えよう。とくに、(機械などを)部品から「組み立てる」ようなニュアンスが assemble にはあるだろう。

さて、単語集ではbuldの「組立てる」を教えておらず、つまり桐原4500 にも東京書籍3000 にも、build の「組立てる」の意味は書いてない。

build はまず「建てる」が本質的な意味であり、組立ての意味はあくまで派生的な用法だと思うと良いだろう。

センチュリー英和によると、自動車 car の組立てで build を用いている。

もちろん、assemble で car を組み立てても良い。ジーニアス英和辞典にcar をassenmble する例文が書いてある。

また、工場の「組立てライン」のことを assembly line というので(センチュリー英和に書いてある)、自動車など工業製品もassemble で組み立てていいだろう。

ジーニアスだと assembly line で「流れ作業」と書いてあるが、確かにそうだが、ちょっと例が古すぎるかと。近代アメリカのフォード生産方式とかじゃないんだから。

このように、辞書は一冊だけでなく、複数を読み比べるのが良いだろう。


桐原4500や東京書籍4500を見ると、「集まる」「集める」の意味でしか assemble を紹介してないが、まったく受験英語はピント外れで困る。簡便してほしい。

辞書を見たが、assemble は「集合させる」「集会させる」および「集合する」などの意味である。 、 assemble は、けっして単に「集まる」のではなく、より正しくは assemble とは何かの目的を達成するために(人々が)集まったり(人々を)集めたりするわけである。

名詞形 assembly は、「組立て」「集会」の意味。単語集だと「集会」のほうが先に書いてあるが、組立てのほうで先に覚えよう。


アメリカの州議会を Assembly という。センチュリー英和によると、国連総会も the General Assembly とのこと。


つまり、機械などの「組立て」と、「集会」や「議会」などが、同じ assembly という単語であると覚えればいい。動詞 assemble はその派生として覚えれば、暗記の負担の節約になる。


コンピュータ用語で「アセンブラ」や「ビルド」とかあるが、しかし日常語の用法と合わないので、このページでは説明を省略する。



設立

constitute と establish と found

found という動詞がある。動詞「見つける」find の 過去形foundとは別に、原形で「設立する」のfoundという動詞がある。

「設立する」は活用が、

原形 found - 過去形 founded - 過去分詞 founded

と変化をする。

foundの意味は「設立する」。「創設者」を名詞 founder と言うのを記憶の土台にすると、覚えやすいだろう。名詞 foundation で「基礎・基盤」や「建設・設立」などの意味。化粧でファンデーションとあるが、あれは和製英語ではなく、れっきとして foundation cream という英単語がある(ジーニアス英和で確認)。

ちなみに金融などで「ファンド」といわれる単語は fund (原形がfund )というまったく別の単語。組織などの「資金」「基金」が名詞でfundである。動詞 fund は、組織などに「資金を出す」こと(旺文社1400)。

なお、「基金の基金を集める」は raise a fund である(旺文社1400。ジーニアス)。また、raise money で「資金を集める」である(東京書籍4500。桐原4500)。


constitute は、議会や制度などを「設立する」。

なお、センチュリー英和によると、「議会を設立する」 constitute an assembly とのこと。

establish は、組織を「設立する」。たとえば桐原4500に「早稲田大学を設立する」という例文で establish が紹介されている。

ジーニアス英和によると、政府・学校・会社などを「設立する」のが establish である。

センチュリー英和によると、国家・政府などを「樹立する」のも establish である。


だが、それよりもestablishは、単語集にはないが、評判などを「確立する」の意味で覚えるほうが良い。

たとえば、センチュリー英和やジーニアス英和にあるが、国家体制など既存の「体制側」や「支配層」のことを establishment という。

いっぽう constitute には、こういったニュアンスはないだろうから。


set up

set up は「創業する」「創設する」の意味である。

このほか、set upには、テント(a tent)や看板(a sign)などを「立てる」という意味もある。

センチュリー英和にもあるが、コンピュータの初期設定のことを set up という。



主張 claim と insist と argue と contend

議論する argue, discuss


センチュリー英和によると、claimは、当然の権利として「主張する」、あるいは事実であるとして「主張する」の意味。


claimとinsistのどちらにも、「要求する」の意味がある。

だが、claimの要求は、権利としての要求である(東京書籍4500)。

いっぽう insistの要求は、単に強く要求しているだけである。


insistは、特に、強く「主張する」意味である。

ジーニアス英和およびセンチュリー英和では、無罪の主張でinsist on が用いられている。


日本語の、批判のような意味での「クレーム」は、和製英語であり、センチュリー英和のclaimの説明によると、英語にこの意味はない。

なお、「文句を言う」は英語で complain である。

(※ たぶん範囲外?)海外旅行などで「荷物の受け取り」のことを baggage claim という[27]。このように、日本語の「クレーム」と英語のclaim は、だいぶニュアンスが違う。

記号「!」 のことを exclamation (イクスクラメイション)というが、これも動詞 exclaim (イクスクレイム)「さけぶ」の名詞形である。


なお、荷物 baggage は集合名詞なので たとえば複数の荷物を言うときは、 ~ pieces of baggage になる[28](桐原3000)。

発音注意であり、baggage 「バギッジ」である。

なおbaggageはアメリカ英語。イギリス英語だと luggage 「荷物」になる。

一方、「カバン」bagは具体的なカバンのことをいうので、普通に数えられるので、bagの複数形は bags である[29](桐原3000)。

さて、claim する人(主張者)のことは claimant である。

ただし、権利の主張などは、insistとclaimのどちらでも良い。


argue は、理由をあげて「主張する」の意味である(東京書籍4500)。argue that ~ で「~だと主張する」の意味である。argue with ~(人) で「~(人)と言い争う」の意味である(桐原4500および旺文社1400)。


なお、argueには、用法によっては、やや非友好的に「議論する」ニュアンスもある。ジーニアス英和にも、argue は「discussよりも非友好的」と記述がある。

たとえば検定教科書 "Standard Vision Quest I" でも、 argueは「言い争う」といった意味であると紹介する一方、discuss は「議論する」であると紹介している[30]

ただし、実際には argue には「説得する」などの意味の用法もあるので、ニュアンスの違いはあまり明確ではない。

センチュリー英和に、弁護士の「弁論」をargueとした例文があったが、もし法廷闘争での敵対陣営同士の「弁論」ならargueのほうが、ふさわしいだろう。

なお、「口論する」は quarrel である[31]


contend は、(東京書籍4500いわく)「強く主張する」とか、(桐原5500いわく)「論争する」とかの意味。

桐原5500の例文にあるが、contend in court で「法廷で争う」。

旺文社1900によると名詞 contention で「主張」「論点」の意味。

旺文社1900とセンチュリー英和が紹介しているが contend that ~ で「~だと主張する」。

旺文社1900 で熟語 an issue of contention (「議論の対象となる問題」)が紹介されてるが、しかしジーニアス英和でもセンチュリー英和でも確認できなかった。


  • 異議を唱える

challenge

challenge には課題や競技相手などに「挑戦する」の意味もあるが、議論などで相手に「異議を唱える」の意味もある。


たとえばジーニアス英和からの抜粋だが、 I challenged her. 「私は彼女に異議を唱えた。」

旺文社1900からの抜粋だが、 He challenged the common belief. 「彼は常識に異議を唱えた。」

センチュリーからの抜粋で、 He challenged my statement. 「彼は私の言うことに異議を唱えた。」


challenging で「やりがいのある」。東京書籍3000に例文がある。辞書を見ても、あまり例文が無いので、当ページでは紹介しない。


なお単語集にはないが、ジーニアスによると、競技などで challenger 「挑戦者」 ⇔ defender 「選手権保持者」(防衛側)

である。defender の項目で調べると書いてある。


競技では、challenge は試合を「申し込む」などの意味である。


たとえば、東京書籍3000の例文だが、

Dan challenged me to a game of tennis. 「ダンは私にテニスの試合を申し込んだ。」


また、センチュリー英和に似たような例文

I challenged Betty to a game of tennis. 「私はベティにテニスの試合を申し込んだ。」

がある。



防御

defend , guard , protect

まず、「ガードマン」は和製。

guard だけで「警備員」の意味がある。特に、警備員であることを強調したい場合、 a security guard という(東京書籍、旺文社)。

a security をつけずに「警備員」と使用してもいい。桐原3000の英文は銀行の「警備員」に、 a security をつけていない。


さて、defend は動詞。guardは名詞および動詞。protectは動詞。


なお、guardian とは、未成年などの「後見人」のこと。旺文社1900ではguardian を「保護者」「後見人」と紹介している。 そのほか、センチュリーでは、たとえば世界平和の「守護者」とか、そういう意味の「守護者」のことを guardian という。そのほか、ジーニアスには guardian の意味のひとつに「保護者」と書いてある。


protect は、病気などから「守る」場合にも使えるが(東京書籍3000)、ジーニアスによると人間などの相手でも使っていいようである。

辞書や単語集では「保護する」と訳される場合もある。

名詞 protection は「保護」の意味。


辞書によると、関税によって国内産業を「保護」することも protect である。また、風雨からの保護の「雨よけ」「風よけ」も 名詞 protection である。


さて、ジーニアスによると、「家族を守る」でprotect one's family である。ジーニアスでは文脈は述べていないが、普通の感覚では、病気とかではなく犯罪などから家族を守ることだろう。

日光(sunlight, sun)から目を守ったり(ジーニアス、センチュリー)、肌を守ったりするのも(桐原4500)、protectである。

たとえば、 protect one's eyes from sunlight 「日光から目を守る」

である。

protect 〜 from B で、「〜(守られる対象)をB(危険側)から守る。」である。

なお、子育てなどでいう「過保護」は英語で overprotect である(桐原5500)。


汚染

pollute と contaminate


違いは不明確。

桐原5500にcontaminate がある。polluteは桐原・東京書籍の4500にある。


一応、ジーニアス英和および桐原5500には、「毒物や放射能」による汚染を contaminate としているが、彼らがそういう説を言っているだけ。クラウン英和はその説を採用していない、

実際にクラウンの例文を見ると、車の排気ガス汚染で、contaminate という動詞を用いている。

Car exhaust contaminate the air. 車の排気ガスは大気を汚染する。

という文がクラウン英和にある。


しかし東京書籍4500では、工場の煤煙による大気汚染が pollute である。

クラウン英和にある大気汚染 air pollution のように、そういう用語が既にあるので、実務では業界の用語ごと覚えるしかない。

※高校生としては、不正確かもしれないが、とりあえず「汚染」はすべてpolluteで覚えておいて、実務などで「この場合はcontaminete を使え」と修正された場合にだけ contaminate を使うのが良いだろう。


傷(きず)

wound, injured, harm, hurt


動詞 wound は、刃物・銃などで「傷つける」、「負傷させる」。桐原3000だと「傷つける」、東京書籍4500だと「負傷させる」。


ジーニアス英和hurtの説明によると、戦いでの負傷には wound を使うとのこと。

hurt は、感情なども含む「傷つける」。


センチュリー英和だと、hurtには、「傷による苦痛に重点がある」とのこと。


名詞 injury が「けが」という意味。これが「けが」の基本的な単語である。


さて、~ be injured で「~が、けがをする」の意味である。

~ be injured in ・・・ で「~(けが人)が,・・・(原因)でけがをする」である。

単語集によくある典型的な例文が、

「彼はその事故でけがをした。」 He was injured in the accident.

である。


単語集では、自動詞 hurt で「痛む」の意味があり、東京書籍4500で例文を紹介。一方、桐原4500は例文なし。


「おなかが痛い」(※東京書籍4500)とか(靴擦れで)「かかとが痛い」(※センチュリー)とかでも、hurtを使っていい。


桐原4500に名詞 hurt で、「傷」の意味が紹介されている(例文なし)。東京書籍4500にはなし。


hurt には「けが」・「傷」・「苦痛」の意味がある。

「傷」の意味では、injuryとほぼ同義だと、ジーニアス英和が言っている。


hurtとpainの違いが気になるが、あいにく辞書には書いてなかった。


ややしいことに「痛み」を意味する名詞 pain には、「苦労」の意味もある。苦痛ではなく苦労なので、いい意味でも使われる。


なお、painは名詞の用法が基本的な意味だし、名詞の意味は「痛み」。

hurt は動詞の用法が基本的な意味だし、動詞の意味は「傷つける」。

辞書を見ると、実は動詞のpainもあるが、これは「痛む」の意味である。(「傷つける」ではない)painはあくまで「痛み」に関する単語


名詞 harm は「害」の意味。なお、harmful で「有害な」の意味の形容詞[32]


東京書籍およびジーニアスによると、日光や光によって「目をいためる」のは harm である。

飲酒や喫煙などの「害」がharm 。桐原4500に喫煙の害。センチュリー英和に飲酒の害。

このように、比較的に痛みを伴わないものにも使われる。(センチュリーにもそう書いてある。)

だが、「目をいためる」ように、実際に痛いこともある場合にも使われるので、まあ傾向の程度。

ネットでときどき「有害コンテンツ」という用語があるが、「有害コンテンツ」も英語で harmful contents である[33]


ほか、旺文社1900のsubstance ’物質)の項目が言うには、飲食物などに含まれていたら困る「有害物質」は harmful substances である。


さて、動詞 suffer が「苦しむ」という意味だが、 be suffering from ~ で、「~(原因)で、苦しい(つらい)」的な意味。

東京書籍 be suffering from a toothache 歯が痛くてつらい

桐原 be suffering from a backache 背中が痛くて苦しい

などと訳している。


ジーニアスによると、 「風邪をひいている」 be suffering a cold のように痛み以外でも使っていい。ほか、「英国はインフレで苦しんでいる」 be suffering from inflation のように使ってもいい。


やわらげる

relieve, ease


苦痛などを「やわらげる」は動詞 relieve である。

典型的な例文で、(風邪薬などで)「頭痛をやわらげる」 relieve a headache がある(東京書籍4500およびセンチュリー)。

誰が風邪薬を飲んで誰の頭痛をやわらげるのかによって、飲んだのが「私」だったら relieve my headache になったり、教材ごとに主語による多少の違いがある。

どちらにせよ、単に柔らかいわけでもなく、単に軽減するわけでもなく、苦痛などを減らすのが relieve である。


relieve A of B(苦痛など) で、「AからBを除いて楽にする」の意味。

熟語 get rid of ~ 「~を取り除く」と関連づけて覚えよう。実際、桐原4500がそういう構成である。

名詞形は relief であり、「安心」「緩和」「救援」などの意味である(単語集にある)。単語集にはないが、野球のリリーフも同じrelief である(センチュリーで確認)。

sigh with relief で「安堵(あんど)のため息をつく」である。sigh (発音「サイ」)は、動詞としては「ため息をつく」、名詞としては「ため息」である。

例文は、

She sighed with relief. 「彼女は安堵のため息をついた」

である(東京書籍4500 項目 sigh。旺文社1900 項目 sigh)。

ともかく、「安心」的なのが relieve のイメージなので、be relieved to ~(動詞) で「~で安心した」という形容詞的な用法になる。 というか、辞書ではジーニアス英和でもセンチュリー英和でも、 relieved を形容詞として紹介している。


ease (イーズ)という動詞および名詞がある。これも動詞ease は「やわらげる」「取り除く」の意味である。これは形容詞の「簡単な」 easyの、名詞計および動詞形である。

名詞 ease は「容易さ」「気楽さ」「軽減」の意味である。

This medicine eases the pain. 「この薬は痛みをやわらげる。」

のように使う(東京書籍および旺文社に似た例文)。

ジーニアスによると、頭痛 headache をやわらげるのに ease を用いてよく、旺文社によると胃痛 stomach pain をやわらげるのに ease を用いている。

このような薬による「取り除く」「やわらげる」の意味での ease は、ジーニアスによると、relieve とほぼ同義語とのこと。


取り除く

remove, eliminate


remove は、「取り外す」の意味に近い。

たとえばパソコンのUSBスティックメモリなどを「リムーバル・メディア」などというが、取り外したあとに、別に捨てるわけでもなく、消去するわけでもない。

このように、remove は単に「取り外す」「取り除く」というニュアンスである。

名詞 removal (リムーバル)「取り外し」という単語も存在しています(東京書籍4500)。

形容詞 removable(リムーバブル)「取り外し可能な」という単語もあります(東京書籍4500)。

「リムーバル」はけっして形容詞 removable(リムーバブル)「取り外し可能な」の誤記ではないです。間違えないように。


一方、eliminate は、取り除いたあとに、処分することを念頭に置いている。または、取り除いたあとに、再度の取り付けの意思がないものに使う。

なので、eliminate で取り除かれるものは、ゴミだったり、あるいは犯罪などの社会悪だったりする。

または、解決すべき問題を片付けることも eliminate である(東京書籍)。

だから eliminate の訳語は「取り除く」である。外すのではなく「除く」に、そういうニュアンスがある。

eliminate (A) from (B) で、「AからBを除去する」である。fromの後ろにあるBが、抹消されるべき対象である。

こういう単語なので、単語集にはないが、ジーニアスを見れば、敵軍などを全滅させる事も eliminate と言うこともある。

なお、生物種の「絶滅」は extinction (エクスティンクション)である。

熟語 get rid of ~ は、そこまであれこれと考えていない。remove的にも使われるし、eliminate 的にも使われる。あるいは、remove と eliminate の中間だと思っておけばいいかもしれない。


さて、 exclude は、「除外する」である。

これよりも、形容詞の exclusive エクスクルーシブの意味「排他的な」のほうが分かりやすいので、そちらを説明する。


exclusive 「排他的」とは、最初から内部に入れない、という意味である。

だからexclude は、最初から中に入れないように「締め出す」という意味もある(桐原で確認)。


excludeの「除外する」の意味については、可能性などを「除外する」という意味もあり、ジーニアスの例文だと、たとえば「明日、雨が降る可能性は除外できる」みたいな割と平和的な「除外する」にも exclude を用いることもできる。

そのほか、exclude は、見当などの際に「考慮に入れない」という意味もあり(ジーニアス、センチュリー、旺文社で確認)、たとえば旺文社の例文では「税金は価格から除外されている」という意味の英文で exclude を受身計で用いている。


なお、対義語は include であり、「含む」という意味である。

たとえば「税込み 5ドル」は

$5, tax include

である。

典型的な例文は、

「料金は税込みですか?」 Does the price include tax?

がある( ジーニアス(ただしpriceでなくrate)、 東京書籍(ただし「料金」でなく「価格」と和訳) )。


また、-clude とは「閉じる」の意味である。

だから、たとえば conclude は、話を閉じるので「結論づける」「締めくくる」の意味。conclusion は「結論」の意味。


消去する

erase , delete

(※ 範囲外)火を消す extinguish

鉛筆で書いた文字を消しゴムで消すのが erase である。

また、消しゴムをアメリカ英語で eraser (イレイサー、イレイザー)という(東京書籍1800、旺文社1900)。なおイギリス英語では rubber である。

黒板ふきも eraser である(旺文社、ジーニアス、センチュリー)。


コンピュータのデータを消すのは、erase も delete も使われるが(ジーニアスで確認)、しかし現代では delete でデータ消去を表すのが普通である。

実際、パソコンのキーボードにも delete キーがある。

旺文社の例文も、メールの削除を delete で表現している。

なお、東京書籍と桐原の単語集には delete は見当たらない。

昔なつかしいテープのデータを消去するのには、erase が使われるようである(ジーニアス、センチュリーにerase でテープのデータを消す用法あり)。


erase で消すのは、文字のほかにも、感情を「消す」などの表現でも使われる(ジーニアス、)。

「記憶を消せればいいのに」みたいな表現でも erase を使う(旺文社、ジーニアス)。


辞書にはないが、delete はもともと動詞で「削除する」「消去する」の意味であるが、現代ではパソコンのデリートキーを表す名詞として、delete が名詞としても使われる(旺文社1900)。辞書のほうが遅れている。旺文社1900が正しい。

なお、名詞形 deletion 「消去」「削除」という単語もある(旺文社、ジーニアス、センチュリー)。


高校範囲外ですが、火を「消す」は動詞 extinguish (イクステングィッシュ)です。

extinguish は一見すると見慣れないですが、実は高校範囲の単語「絶滅」 extinction (イクスティンクション)の動詞形です。

extinction のスペルのままでは動詞の意味は無いです(センチュリー、ジー二アス)。

消防士による「消火する」から(ジー二アス)、たばこの火を「消す」まで(センチュリー)、extinguish で表現できます。

なお、extinct は形容詞「絶滅した」「消滅した」です。


ほか、生態系の「絶滅危惧種」は an endangered species である(桐原4500 species、ジー二アス endangered)。東京書籍と旺文社には、species の項目自体はあるが、絶滅危惧種はない。


なお、植物の「種」(たね)は、seed という別の単語である(東京書籍4500、桐原3000)。

典型的な例文は、

「農場に種をまく」 plant seeds in the field

である(東京書籍4500、桐原3000)。


plant は「種をまく」という意味の動詞。

field は「農場」である。

動詞として seed 「種をまく」という用法もあるが、旺文社以外1200は紹介していない。少なくとも、桐原3000と東京書籍4500には、動詞の用法が紹介されていない。


疑い

suspect ,doubt


doubt ~は、「~が信じがたい」の意味。 → don't think に近い

たとえば doubt if ~で「~かどうか疑わしい」。doubt that~で「~でないと思う」である。

suspect ~ は、「どうも~のようだ」のような意味(ジーニアス英和) → think に近い


旺文社1400にあるdoubt 例文で、

doubt ifの例文「私は神が存在するかどうか疑わしく思う」I doubt if god sexists.

および

doubt that の例文 「私は神は実在しないと思う」I doubt that god exist.

が覚えやすいだろう。


suspect~ の 目的語(~)の部分は、原因や容疑などがくる。

例文として「食中毒を疑う」 suspect food poisoning とか(東京書籍4500)、


容疑者は名詞 suspect である。


このほか dubious と言う「疑わしいと思う」(桐原5500)という単語があるが、辞書の例文が不足していてよく分からなかった。単語集では桐原5500に書いてある。


治療と回復

「治す」 heal, cure ,

「~が回復する」は recover

「~を回復する」は restore

「気分の回復」は refresh

「(健康などを)取り戻す」は regain


医療や薬などによって、けが や病気を「治す」一般的な語は cure である。

外傷を治す場合は heal が好んで使われる。


cure ~(人) の語順である。

けが を治す場合、

cure ~(人) of □□(けが・病気)

の語順である。


典型的な例文が

「その薬が彼の病気を治すでしょう」 The medicine will cure him of his disease.

である(ジーニアスの例文を改造し、「あなたの病気」から「彼の病気」に変更)。

桐原にも似た例文があり、

This medicine will cure him of the disease. 「この薬が彼の病気を治すだろう。」

とある。

his disease か the disease かなどの多少の違いはあるが、まあこんな感じの英文になる。


get rid of ~ などと同様に、ofの後ろには取り除かれるべき物が来る。

heal も同様、

heal ~(人) of □□(けが)

の語順である。

だが、東京書籍4500および桐原4500いわく、 heal the wound 「けがを治す」のように、ofを使わずに使われる場合もある。


recover は「回復する」である。

recover from ~ で「~から回復する」である。


動詞 restore は、

「秩序を回復する」 restore order

のような例文が辞書で典型的(ジーニアスとセンチュリーの両方にある)。


さて、旺文社 store 項目によると、パソコンなどで、データをバックアップすることは store である。

そして、単語集にはないが、バックアップをもとに設定データなどを自動的に「復元する」ことを restore という事がよくある。

辞書によると、古い建築物や美術品などを復元することも restore である。

東京書籍4500では、教会を修復するのを restore としている。その教会が古いかどうかは東京書籍4500には書いてない。

桐原では、桐原5500にrestoreが書いてある。


けがの回復ではなく、ちょっとした疲れやノドの渇きや気分などを、軽い飲食物や短時間の休養などで回復させるぐらいの場合は、動詞 refresh (リフレッシュ)で表せる。


旺文社1900がrefreshを紹介している。桐原・東京書籍は紹介せず。

ジーニアスいわく、冷たい水を飲むのも refresh である。

refresh は主語や述語の語順のつかいかわけが難しいので、例文を省略する。


センチュリーいわく、入浴で疲れをとるのも refresh である。また、ジーニアスでもセンチュリーでも、アルコールで気分を回復するのが refresh である。

そのほか、ジーニアスによると、コンピュータなどのディスプレイ上の画像が更新されるのも refresh である。これからのIT時代は覚えておきたい。


regain one's health で「健康を取り戻す」という慣用表現である(ジーニアス、旺文社1900)。

旺文社1900にしかなく、番号 1502 / 1900 の単語。少なくとも桐原4500・5500と東京書籍4500にはない。

He regained his health. 「彼は健康を取り戻した」

のように使う(センチュリー)。


「意識を取り戻す」 regain consciousness もよく使われる(ジーニアス、旺文社1900)。


たぶん She regained consciousness のように使う(旺文社に似た例文)。

また、この用例から分かるように、健康的なものを取り戻す場合、普通は主語が自身の健康を取り戻すのに regain を使う。


「自由を取り戻す」(センチュリー)とか「都市を取り戻す」(ジーニアス)とかの政治的なことも regain である。


蓄え

store , stock


store は「店」という意味の名詞でもあるが、「蓄える」という意味の動詞でもあり、さらに「蓄え」「蓄積」などの意味の名詞でもある。

なお、storeを「店」の意味で使うノはアメリカ英語。イギリス英語では店はshopである。桐原3000にも東京書籍3000にも書いてある。storeは3000語レベル。


stock は「在庫」や「株式」という意味の名詞でもあるが、「蓄え」「蓄積」などの意味の名詞でもあり、さらに商品を「店に置く」「仕入れる」などの意味の動詞でもある。桐原と旺文社は、「仕入れる」の意味まで単語を紹介している(ただし例文なしで単語のみ)。

stockは4500語レベル。


しかし単語集では、ややこしいので、stockについては、「株式」「在庫」の意味の名詞だとしてしか、紹介していない。しかし実はstockも動詞の用法があるのである。


センチュリーによると、食料の「蓄え」は、stock でも store でもよい。

たとえばセンチュリーのstockの例文は「我々の食料の蓄え」Our stock of food である。センチュリーのstoreの例文は(リスが冬の備えての)「食料を蓄える」lay in a store of food である。

このように、どっちでも食料 food を蓄えられるので、区別がつかない。

storeは別にリスのような動物限定というわけでもなく、たとえばセンチュリーで図書の「蔵書」 a book of store などの表現もある。

storeが店での商売関係というわけでもない(もし商売に限定だすると、図書の蔵書とかリスの食料とか、説明がつかない)。


なので、stock に「株式」「在庫」の意味があるとか、覚えるしかない。

桐原および旺文社いわく、

be out of stock で「在庫が切れている」

の意味。桐原は例文も紹介。旺文社は例文なし。東京書籍は紹介せず。

例文は桐原も東京書籍も旺文社も、在庫の例文である。


単語紹介だけでが、桐原いわく「株式市場」stock market

旺文社いわく「証券取引所」the stock exchange

である。

語源を調べてみても、 stock の語源は木の「棒」stick と同じだと書いてあるだけで、stock と storeとの区別には役立たない。


さて、単語集にはないが、パソコンなどのハードディスクなどの貯蔵量のデータ記録デバイスのことをストレージ storage という。

ついで、単語集にある情報だが、 storage は、「貯蔵庫」や「保存庫」の意味で、東京書籍4500の巻末にだけ、解説なしで、単語と例文だけ書いてある。

辞書を確認のため見たが、ジーニアス英和は家具の「保管」を storage といい、センチュリー英和は単に「倉庫」を storage といい、あまり共通性はなさそうなので、深入りしない。


愚か

形容詞 foolish, stupid, silly, ridiculous などがある。

このうち、 foolish, stupid, silly, は、「愚かだ」「馬鹿げている」の意味。

このうち silly は口語調。


Don't be silly. で「馬鹿げたことを言わないで。」という典型的な例文があり、東京書籍4500でも紹介されている。


名詞foolが形容詞になったのが foolish である。

stupid は、辞書によると、foolish よりも、けなしの意味が強い。口頭では使わないほうが安全だろう。


ridiculous は、「不合理で馬鹿げている」意味。センチュリーによると、ridiculousには、あざけりや物笑いの意味もあるとのこと。

単に「不合理だ」の意味なら、 absurd を使う。桐原5500にabsurdが書いてある。なるべくabsurdを使うほうが高尚だろう。

センチュリーによると、absurdは、不合理さ・非常識さを強調している。


移行と移転と移動

migrate, transfer ,


桐原4500に名詞形migrant (移住者)が書いてありますが、英語では動詞 migrateとは「移住する」や、渡り鳥の「渡る」のことです。

しかし単語集にはないですが、そのほかにもmigrateには、IT用語では古いシステムに入っていたデータやプログラムを新しいシステムの中へと「移す」ことや、開発環境などのシステムを新システムへと「移行する」という意味もあります[34]


なお似た言葉にreplaceがありますが、これはサポート切れなどで古くなったりして(obsolete)使えなくなったソフトウェアなどを現在の稼働中の使えるバージョンのものに「置き換える」(replace)ことを意味します。


英語では、「『移住』にシステム環境『移行』の意味もある」と覚えることが本質的な理解でしょう。


なお、スペルの似ている immigrate に、(外国から)「移住する」の意味があります(桐原4500)。またなお、桐原4500にも書いてあるが、空港などの入国管理が名詞 immigration である。英会話の教材などでよく immigration が出てくる。

immigrate と migrate の意味の違いを把握するため、辞書の説明に逆らって、私たちは migrate は(環境を)「移行する」で覚えましょう。


これが、moveやtransfer と、migrate との違いです。


なお transfer に「転勤する」「転勤させる」の意味があります(桐原4500)。

「転勤させる」ほうは他動詞なのでtransferでもいいのは分かりますが、「転勤する」と「移住する」の区別が難しいです。まあ、おそらく他動詞からの類推か、慣用的にtransfer が定着しただけでしょう。

なお、辞書にありますが「転校」や(プロ選手などの)「移籍」もtransferです。


高校生物の遺伝に関連する細胞物質のひとつで、トランスファーRNA (transfer RNA)というのがあります。こういうのと関連づけて覚えましょう。


また、列車・バスなどの乗り換えも transfer です。


スペルの似た単語で、transport という動詞および名詞がありますが、動詞 transport は「輸送する」です。

transfer 「乗り換え」はおそらくtransport 「輸送する」との関連で定着した表現でしょうか。


単語集にも辞書にもないですが、インターネット用語で HTTP というのがありますが、これは「Hypertext Transfer Protocol 」の略です。データなどを「転送する」のも transfer です。

センチュリー英和によると、銀行口座に「振り込む」もtransfer とのことなので、「送金する」のようなニュアンスでしょう。

なお、ジーニアス英和およびセンチュリー英和によると、法律用語で、財産などを「譲渡する」もtransferです。

transition という名詞が別にあります。transition は、移行期にあるものについての「移行」のことです。桐原4500 では「議会制民主主義への移行」、旺文社1900では「自動運転車への移行」を例文にしています。



決定

determine ,decide


辞書にはないが、determine は、断固とした決意で「決心する」「決定する」である。

形容詞 determined がセンチュリー英和によると断固とした決意の意味なので、動詞determineのほうもそういうニュアンスである。

あと、ジーニアス英和にあるが、判決を下すのも determine である。

あと、予備知識がないと気づかないだろうが、東京書籍4500にある例文のように、専門家などが原因などを「特定する」ことや、判定するのも determine である。

実際には、あまり断固としてなくても determine が使われるような例文もちらほらとあるが、あくまで派生的な用法だと思うべきだろう。

だから名詞形 determination は、「決心」「決意」と覚えるべきだし、実際に桐原4500や東京書籍4500でそういう和訳である。


be determined to ~(動詞) で「~する決心をする」

である。受身形で「決心する」になる。

たとえば

He was determined to ~ 「彼は~する決心をしていた」

のように使う。また、完了形にせず、過去形のままで使う(桐原4500の例文、ジーニアスの例文など)。

能動形でも「決心する」の用法もあるが、普通は上述のように受身形で使う(ジーニアス)。

検定教科書で三省堂 CROWN Iを読んでいると、高校1年でもう be determine to do を扱っている。


対する decision は、和訳は「決定」である(東京書籍4500)。桐原によるとdecisionは「決定・決断」だが、しかし上述のように、どちらかというとdesicionは比較的に「決定」のニュアンスのほうに近いだろう。


resolve でも「決意する」だが、東京書籍4500だと彼女をデートにさそう「決心」という例文であり、まったくもって断固とした必死さが足りない。

そんなのよりも、会議などの「議決」のことを resolution というのを覚えたほうが良いだろう。桐原4500に「決心」「決議」と単語の和訳だけ書いてある(例文はなし)。


減少

decrease, decline , reduce, diminish


まず、高校英語で増減を表す場合につかう典型的な単語は、increase (「増える」「増やす」の意味)および、対義語の decrease(「減る」「減らす」の意味)である。

たとえば、三省堂『CROWN II』「英語表現」教科書では、パラグラフ・リーディング/ライティングの説明で、留学生に関する分析の文章を扱っているのだが、留学生の「増加/減少」にそれぞれ increase/decrease という表現を使っている[35]

この例のように、 increase (増加)と decrease (減少)は対になって使える便利な表現であるので、まずはこれを覚えよう。

熟語というほどではないが、

~(主語) increased by □□(数値) percent.

で、「~が□□%上昇した。」である。たとえば上記のパターンで、東京書籍4500では「その商品の売り上げ」Sales of the product だし、旺文社199では「日本の実質GDP」Japan's real GDP である。桐原3000には数値上昇の例文なし。桐原は昔から単語集では定番だが、しかし桐原だけでは勉強できないこともある。

increase で増える数値はなにも百分率(パーセント)でなくてもよく、たとえばジーニアス英和では、「体重は2キロ増えて60キロになった」 increased by two kilograms to 60 kilograms.

という例文もある。

on the increase で「増大して」の意味。なお、ここでの increase は名詞。

東京書籍4500では「自動車事故が増加している。」 Bike accidents are on the increase.

センチュリー英和では「大都会における犯罪は増加しつつある。」 Crime in big city is on the increase.

ジーニアスは on the increase の例文なし。このように、ひとつの英和辞典だけでは勉強できない。


別に on the increase を使わずとも、現在増加中のものは現在完了進行形で書いてもよく、桐原3000がそうであり、

「車の台数が増え続けている」 The number of cars have been increasing.

である。

ジーニアス英和にある説明だが、よく、The number of ~ increased. で「~が増えた。」と言う例文があるが、「The number of 」を省いて直接「 ~ increased. 」のように言ってもいい。


実際、東京4500の例文「自動車事故が増加している。」 Bike accidents are on the increase.

でも、 the number of は無い。


on the increase のbe動詞が単数形(is)なのか複数形(are)なのか食い違いがあるが、英和辞典を見ても、とくに言及はされていない。


increasingly で「ますます」の意味が紹介されているが(東京書籍4500。旺文社1900)、しかし例文は無い。


価値や能力を「高める」場合、enhance (エンハンス)という動詞が使われることもある。だが、辞書でも例文が少なく、あまりいい例文が見当たらないので、説明は省略。旺文社1900だと、603/1900の位置でenhanceを紹介している。だが東京書籍4500では、巻末ちかくで enhance を紹介である。桐原に至っては、4500語レベルではなく桐原5500の後半ちかくでenhanceを紹介である。


さて、decline は自動詞であり、つまりdeclineは「低下する」「減少する」の意味である。


declineの典型的な例文が「出生率は低下している。」であり、東京書籍4500では

The birth date is declining. 「出生率は低下している。」

である。

似た例文が、旺文社1400にもあり、

「出生率は低下し続けている。」 The birth rate continues to decline.

である(旺文社1400)。


なお検定教科書にも decline の単語は掲載されている[36]。和訳が検定教科書に書かれてないので不明だが、その検定教科書では経済の議論の紹介で decline が使われているので、「低下する」の意味にて decline を用いているのだろう。


decline には、申し出・誘いなどを「断る」の意味もあり、桐原4500に紹介されているのはこっちの意味だけ。

しかし、高校の検定教科書に、「少子化」 declining birth rate が照会されているので、「減少」の意味のほうもキチンと覚えよう[37]

名詞形 declination が、ていねいな断りの意味。

reject (計画などの「拒絶」。※却下のような意味)や refuse (拒絶)だと意味が強すぎるのだろう。


reduce は「減少させる」。3R運動のリサイクル、リユース、リデュースのあれ。 

「減少」は名詞 decrease と名詞 reduction がある。

reduction は、「削減」のニュアンスで使われることが比較的に多く、桐原4500および東京書籍4500の例文が経費削減である。

reduce costs で「経費を削減する」である。


このほか、diminish や drop や fall などがあるが、やや高校範囲を超える。一応、diminishは桐原5500および東京書籍4500には書いてある。(桐原4500には書いてない。)な 一応、diminish は、検定教科書『CROWN III』で使われている[38]

CROWN III にある例文は

But the war 1990's, the threat of war diminished.

という文章(抜粋)である。検定教科書に和訳がないので答えは不明だが、「しかし、1990年代には、戦争のおそれも少なくなった」ような意味である。

直前の文章では、「20世紀は戦争が多く」みたいなことを英語で言っているので、おそらくそういう意味だろう。

辞書で diminish を確認したところ、ジーニアスもセンチュリーも悪い意味に使う例文のほうが多いが、しかしCROWN IIIの検定教科書によると、とくにdiminish には悪い意味合いは無いようである。

桐原5500に書いてある例文も、

We can diminish our fear. 「恐怖を減らすことはできる。」(抜粋)

なので、別にdiminish に悪い意味合いはない。

なお、桐原5500の例文は東北大の過去問。ネットでは「地方国立の入試英語なんて教科書レベル」などの言説もあるが、まあ確かに教科書にはdimisihも書いてあるものの、大分、学習量は大きい。


drop やfall は、旺文社1400の巻末にある類義語の章にだけある(本編には解説なし)。

dropは数量や人口、価格などの減少で使われる「口語的」な語(旺文社が「口語的」と言っている)。ただ、ノーベル経済学者クルーグマンのツイッターを読んでたら、「インフレの減速」のような意味で普通に drop を使っていた。

価格の低下だけでなく、派生してインフレの減速にもdropが使われることから、もしかしたら経済学などでは文語的に drop という単語が使われている可能性もあるかもしれない。


なお、「急騰する」は soar である(桐原5500、旺文社1900)。

単語集の例文だと完了形で have soared だが、急騰の結果として現在でも株価が高いなら完了形にするのが無難だろう。

インフレ率の上昇でも株価の上昇でも何でもいいが、たとえば旺文社1900が株価の上昇の典型的な例文

The stock prices of the company has soared . 「その会社の株価が急上昇した。」

である。

ジーニアスは野菜の価格の急騰、桐原5500は米価の急騰である。たとえばジーニアスでは

The price of vegetables is shoring. 「野菜の価格が急騰している。」

である。この野菜の例文のように、進行形ならもちろん、現在も急騰の真っ最中になる。


時制ついでに桐原5500の例文を紹介すると、

Figure showed the price of rice had soared to record levels. 「数字は米価が記録的な水準にまで急騰したことを示していた。」

である。


なお「痛い」soreと同じ発音である。



ついでに言うと、よく景気の先行きについての見通しで「悲観的」だの「楽観的」だのマスコミ用語でいうが、これは英語でもそう言い、

「悲観主義」は英語でpessimism (ペシミズム)である。

「楽観主義」は英語で optimism (オプティミズム)である。

スペルよりも、まずカタカナで『ペシミズム』『オプティミズム』と覚えてしまおう。社会評論などの書籍などを読んでいると、ときどき外来語として「ペシミズム」などの用語を使っている場合もある。

典型的な例文として

東京書籍4500で「ボブは自分の将来について楽観的だ。」 Bob is optimistic about his future.

である。

似たような例文が旺文社1900にもあり、「彼女は自分の将来について楽観的な気持ちだ。」 She feels optimistic about her future.

である。

桐原4500が紹介しているが、なにも将来でなく経済に楽観や悲観を感じてもいいのである。 桐原によれば、「彼はその国の将来について楽観主義を表明した。」 He has expressed optimism about the country's economy.

である。


wikiオリジナルの例文だが「トムは経済の先行きに悲観的だ。」なら、さしずめ Tom is pessimistic about the country's economy.

とでもなろうか。

なお、英和辞典を見ても、例文が「~は将来に楽観的だ」とか「将来に悲観的になってはいけない」ばかりである。optimistic などの単語が経済予想や株価予想に使えることすら、辞書だけでの勉強では全然分からない。とはいえ、あまり良い市販の英語教材がない。


ともかく、また、これらの例文のように、 be optimistic about ~ で「~に楽観的だ」となる(東京書籍4500)。悲観の場合も pessimistic で同様。


念のため、派生語も含めて一覧にすると、

optimism 「楽観主義」、

optimistic 「楽観的な」、

optimist 「楽観主義者」(旺文社1900に紹介あり)、


pessimism「悲観主義」、

pessimistic「悲観的な」、

pessimist 「悲観主義者」、


である。


想像

vision, imagination, image

vision は「想像」の意味があるが、「見通し」の意味もある。もっとも、見通しの意味では名詞 perspective がさらに高尚。

なお、perspective はどちらかというと「視点」の意味である。大局的な視点=見通しのようなニュアンスが perspective である。東京書籍が(大局的な)「視点」、桐原が「観点」。だが、別に大局的でなくても美術の遠近画法のことを perspective というので、東京書籍の説明はいかがなものか。


from a different perspective で、「違った視点から」

たとえばジーニアスいなる例文think about the problem from a different perspective で、「その問題を違う観点から考える」となる。ジーニアスは「観点」、東京書籍4500は「視点」と訳しているが、別にどちらでもいい。

different の部分を別の形容詞にすれば、

from ~ perspective で、「~の視点(観点)から」になる。


なお、スペルの似ているprospect は、何か良いことの起きる「見込み」、成功の可能性のこと。 たとえば形容詞 prospective は「有望な」の意味である。

ジーニアス英和によると、もともとはprospectは高いところからの「展望」のような意味だったようである。桐原4500にprospectが書いてある。

「見込み」outlook という単語もある(桐原5500 のprospect)。桐原5500では prospect の「見込み」の類義語として紹介されている。


もし、「観察力」とかを言いたい場合、observe 「観察する」である。

「洞察力」なら、penetrating 「洞察力のある」である(旺文社1900。桐原5500)。ただし、洞察力の意味での例文は単語集に無い。動詞penetrate には「浸透する」の意味もあって、そちらの例文が市販の単語集には書いてある。

もっと簡単な単語としては insight 「洞察力」という名詞があるので、これを使って洞察力を表現する方法もある。

なお、

語法 give A insight into B で「AにBの見識を与える」

である。

名詞 vision にも、「見通し」「洞察力」などの意味があるので、これでも洞察力を表現できるだろう。ただし、単語集にその用法での例文は無い。

旺文社1900によれば、 a one's(myなど) point of view で「〜の観点から」の意味。だが、これを直接暗記するよりも、まず名詞 view には、「眺め」の意味のほかにも、「見解」の意味があることまず知るべき。

慣用的に in my view, 「私の考えでは、」(ジーニアス、センチュリー)という表現がある。「考え」と訳しているが、「私の見解ですが、」くらいに訳したほうが分かり易いだろう。ただし、英語の view には、個人的な感情も含んで見方を示しているので、そういう意味で辞書では「意見」としたのかもしれない。

だが、 in my view は、ジーニアスによれば、in my opinion よりも控え目な言い回しとして使われる。

まあ、読者の自己責任で和訳してください。

単語集にはないが、viewpoint 「観点」という単語がある。ジーニアスの例だと、

From an economic viewpoint, 「経済的な見地からすると、」(その計画には利点がない)

と続く。

センチュリーだと、

〜 from the viewpoint of employees. 「従業員からの立場からみれば」(昇給はよいことだ)

となる。


旺文社の大学入試出る順シリーズに a point of view が書いてあるから、たぶん入試に良く出るんだろうが、正直言って瑣末な単語であろう。実際、桐原も東京書籍も a point of view を紹介していない。ジーニアスやセンチュリーにすら、少なくともview の項目には書いてない。辞書でpoint で調べると point of view が書いてあるが。

たとえば、センチュリー英和では「アメリカ人の視点から見ると、」(謝罪は自分の誤りを認めたことになる) From an American point of view, 〜

ジーニアス英和では「財政的見知では、」(これは由々しき問題だ) From a financial point of view, 〜

などの例文がある。


熟語 in terms of ~ で「~の点から」。なお terms はterm の複数形。東京書籍4500と桐原4500に似た例文があって、東京書籍「その計画は費用の点から現実的ではない」The plan is not realistic in terms of cost.

なんで terms と複数形なのか不明と思うだろうが、しかし英和辞典にも in terms of と複数形で紹介されているので、受け入れてもらうしかない。

いっぽう、桐原「この計画は時間と費用の関係で現実的ではない。」 This schedule isn't realistic in terms of time and costs.


term ついでに言うと、医療の末期医寮などでターミナルなんとか terminal 〜 とかあるが、辞書で確認すると用語term と末期terminal の語源は一応は同じだが、事実上は意味のまったく違う別の単語だと思うほうが良いだろう。東京書籍4500がそういう見解であり、「用語」 term と 「末期の」「終末の」 terminal を別々の項目として紹介している。

「末期の」の典型的な例文としては、「末期ガン」 terminal cancer がある(東京書籍4500. ジーニアス、センチュリー)。

桐原4500 では terminate 「終わりにする」が紹介。terminateの紹介位置が巻末ちかくの付録のため、例文なし。


駅や空港などのターミナル terminal も、同じスペルである。駅近くなどのターミナルも、もともとは何かの終着のことだったのだろう。

なお、駅が公共バスなどの終点である事例は多い。

そういうバスターミナルのことも、ジーニアス英和いわく a bus terminal であり、またはセンチュリー英和いわく単に terminal という。

センチュリー英和は、バスのターミナルを単に「終点」と訳している。


さて、term には、「用語」の意味の他にも、「期限」「期間」の意味がある。

形容詞 long-term で「長期の」という意味である(旺文社1900)。

単語集にはないが、termination 「満期」「満期の」という単語がある。term にはそういう、限度のある期間的な何かのニュアンスもある。関連づけて覚えよう。

小中高の学校の「学期」もtermであるが、普通は3学期制の「学期」のことをいう(ジーニアスsemester で確認。ほか旺文社 semester )。大学の「前期」「後期」といった2学期制の場合は semester という(旺文社、ジーニアス semester )。

なお、日本の大学は、年間で「前期」「後期」という2学期制である。少なくとも日本の大学はそうである。

英米では、「秋学期」the fall semester と、「春学期」 the spring semester という言い方をする。


普通、英米では、9月から翌年1月までが「前期」the first semester であり(センチュリーで確認)、「秋学期」the fall semester という言い方をする(センチュリー、旺文社)。

普通、英米では、2月から8月までが「後期」the second semester であり(センチュリーで確認)、「春学期」the spring semester という言い方をする(センチュリー、旺文社)。

果たして大学でもし3学期制の学校があったら何というのかは知らない。まあ、単語なんて所詮は、社会の現状に合わせて言葉が作られるので、社会に存在しない制度の呼び名を考えてもラチがあかない。


imagination は「想像する行為」または「想像力」のこと。

image は、想像によって脳内に思い浮かんだ「像」や「印象」のこと。

動詞形は imagine である。実はimageも動詞とみる場合もあるが、しかしジーニアス英和ではimageの動詞用法は不採用である(ジーニアスでimageを見ても、動詞の用法は無い)。センチュリー英和だと、imageの動詞の用法が書いてある。

形容詞 imaginary は、「想像上の」「架空の」「実在しない」である(ジーニアス英和。センチュリー英和)。 ジーニアスでもセンチュリーでも、「創造」ではなく「想像上の」である。

スペルの似た imagery という単語があり、旺文社には『(集合的に)「比喩的表現」』と書いてある。辞書を見てもジーニアスでしか見つからず、例文もなく、よく分からないので説明を省略。

単語集にはないが、理科のレンズの実像(a real image)や虚像(a virtual image)などの「像」も image である(ジーニアス英和)。

旺文社1900にあるが、テレビの「画像」も image である。上述のレンズとテレビを合わせて考えれば、つまり、光学の像も image であるし、実際に英和辞典ではそう紹介している。

なお、イメージダウンなどは和製英語。イメージが悪化した場合は a bad image のように言う(ジーニアスで確認)。

なお、仏像とか銅像とか、ああいったのは「塑像」(そぞう)とか「彫像」(ちょうぞう)とかいうが、「塑像」・「彫像」の英語は statue (スタチュー)である。単語集を見ると巻末の索引に statue が書いてないので一見すると高校の範囲外だが、しかし自由 liberty で東京書籍4500を見れば「自由の女神像」 the statue of liberty が書いてある。桐原の検定教科書『EMPOWER II』にも、P28に「自由の女神像」 the statue of liberty が書いてある。

このように、「自由の女神像」 the statue of liberty は事実上の高校必須の単語である。

liberty「自由」は普通、国家権力からの自由の事を言う。

だから liberal は形容詞「自由主義の」または名詞「自由主義者」の意味がある。(桐原4500が名詞「自由主義者」も紹介している。東京書籍は形容詞だけ。)

liberalism 「自由主義」である。

statue は、桐原の検定教科書『EMPOWER II』にも、P31に「ブロンズ像」 a bronze statue が書いてある。


光学ついでに言うと、「反射する」は reflect である。典型的な例文が、「日光を反射する」reflect sunlight である(東京書籍4500、センチュリー)。

ジーニアスには「鏡は光を反射する」

A mirror reflects a light.

という例文もある。


だが、桐原4500や旺文社1900では、reflectの、意見などを「反映する」の意味のほうが紹介されている。

とりあえず、ジーニアスによれば「世論を反映する」 reflect public opinion である。

センチュリーや桐原や旺文社を見ても、「反映する」は他動詞的に使うのか自動詞的に使うのか、能動形や受動形か、あまり使い方がはっきりしない。

reflect on ~で「熟考する」「回想する」の意味(旺文社1900では熟考、東京書籍では回想を紹介)。東京書籍のには例文あり。著作権のため本ページでは紹介しない。

名詞形には reflection と reflex がある。意味が微妙に違うので、必要な場合には英和辞典で確認せよ。

なお、単なる「視野」や「視界」のことは view である。だが、辞書でviewの項目を見ると、「見解」の意味が先に書いてある。少なくともジーニアス英和とセンチュリー英和はそうである。辞書よりも単語集で勉強しよう。



可能性 possibility, probability, likelihood

成功の見込み、成功の可能性 prospect

潜在能力 potential


probability (プロバビリティー)は「見込み」「確率」の意味(旺文社1900)。数学の「確率」で probability が使われるので、もし確率ではない単なる「可能性」のことをいいたい場合は、別の言い回しが必要な場合もあるだろう。

関連語として、副詞 probably「たぶん」がある(旺文社、桐原)。

形容詞 probable (プロバブル)については

It is probable that ~  「たぶん~だ」

の意味(桐原4500、旺文社に似た和訳)。

対義語 impossible (インポッシブル)「不可能である」も覚えておきたい。


ほか、prospect は、何か良いことの起きる「見込み」、成功の可能性のこと。

「可能性」を意味する likelihood (ライクリフッド)という単語もある(旺文社1900巻末)。副詞 likely 「ありそうな」の名詞形である。


possible (ポッシブル)について、

It is possible that 人 to do

で「人が do するのは可能だ」の意味(桐原4500、東京書籍3000)。


capability (ケイパビリテイー)は「能力」である(桐原4500)。可能性は関係ない。

ability (アビリティー)は「能力」「才能」である(桐原4500)。可能性は関係ない。


「たぶん」を意味する副詞の maybe(メイビー) と perhaps(パハップス) と probably(プロバブリー) については、省略。書きたくない。

東京書籍3000が、ひとまとめで maybe や perhaps と probably を説明している。

東京書籍3000は紹介していないが、 likely (ライクリー)形容詞「ありそうな」、副詞「たぶん」という単語もある。


名詞および形容詞のpotential (ポテンシャル)は翻訳の都合で(名詞の場合なら)「可能性」と訳す場合もあるが、なるべく「潜在能力」 potential という訳で覚えましょう。

形容詞としての場合、「潜在的な」で potential を覚えましょう(桐原3000巻末)。

物理学の位置エネルギーのことを英語で potential と言いますので、科学的な専門用語でもあります。

桐原3000巻末のセンター試験特集によると、「潜在能力」などの意味ですが potential はセンター試験での出題をされた単語らしいです。

センター出題の背景事情として、ポテンシャルは物理学などで使う用語だという背景があります。

日本語でも、物理学の専門書などを見ると、普通に「ポテンシャルエネルギー」とか単に「ポテンシャル」などと言ったりもします。



計画

scheme, plan, project


桐原4500 が scheme を「たくらみ」の意味だけ例文で紹介している。勘弁してほしい。

まず、旺文社1900 が例文で、政府の「新しい住宅供給計画」を The new housing scheme といってるように、比較的にきっちりとした計画のことである。

桐原・旺文社の単語集にもあるように schemeに「体系」とかの意味もあって、だからニュアンス的には、体系だった計画のような感じがある。

念のためジーニアス英和を見ると、scheme の意味として「政府の公共計画」、「会社の事業計画」などが挙げられている。

そして、そういう派生として、「陰謀」(旺文社)、「たくらみ」(桐原)を覚えるべきだろう。語源はともかく。暗記の負担を減らす理解としては、たとえば

陰謀は大規模・身の程知らず → 大規模な計画は scheme という → じゃあ陰謀も scheme でいいか

的な連想とかで覚えるのがラクかと。


高校生に語源の知識はいらないし、もし語源が「たくらみ」だというなら、そういう情報を先に教えるべきだし、念のためジーニアスで語源を見てもsdhemeの語源は『「形」が原義』とのことだし、あるいはもし有名大学が入試でscheme の「計画」の意味も出題せずにschemeの「たくらみ」を出題しているならその大学が批判されるべきだろう。


なので、ジーニアスもいってるように、scheme は plan よりも固い語である。


ジーニアス英和やセンチュリー英和にあるように 大綱とか図式とか、学問などの体系とか、教育体系とかも scheme という。

たとえばセンチュリー英和が教育体系なら an educational scheme だと言っている。


plan は「計画」をあらわす一般的な語(ジーニアス)。


project は、長期の「計画」を表す(東京書籍3000)。projectを「事業」「プロジェクト」などと訳す場合もある。東京書籍では「プロジェクト」という訳語を紹介している。


辞書では特にplan と project の違いは述べられていない。だが project の用例を見ると、橋やダムなど公共インフラの建設計画などがよく project で表現される。

「ダム建設の事業」 the project ro build the dam

である(東京書籍3000。センチュリーに似た例文)。


「橋の建設の事業」なら a project to build bridges である(ジーニアス)。

別に公共インフラでなくてもよく、ビルの建設計画でも良い。


なお、大規模な工事などを「計画する」という意味で動詞 project もある。アクセントが名詞と動詞とで異なる。

名詞は、プ「ラ」ジェクトの「ラ」にアクセントがある。なお、日本語では「プロジェクト」と書かれるが、英語ではどちらかというと「ロ」ではなく「ラ」であり、プロジェクトである(センチュリー、ジーニアス)。

動詞は、プロ「ジェ」クトの「ジェ」にアクセントがある。


学生などの研究課題も project という、


陰謀(主に「共謀」)

conspiracy


たくらむ

scheme


高校英語としては、陰謀で覚えるのは conspiracy と、あとはschemeで十分だろう。


ジーニアス和英辞典によると。「たくらむ」には、plot, conspire , scheme , contrive ,hatch がある。


これらの単語には、陰謀以外の意味で使われるものあり、

比較的に簡単な単語なら、

plot は、よく数学的なグラフに「点を打つ」とかの意味で使われる。

なんと高校の単語集には plot がない(桐原3000・4500・5500と東京書籍3000・4500を調べた)。点 point とか教えてるのに「点を打つ」plot がないとは、英語教育の界隈はどういう了見か。反省を願う。中学数学レベルの簡単な英単語も教えられないくせに conspiracy とか教えているのか。

一応、「x軸」 x-axis とか「y軸」y-axis とかは、検定教科書で見かける[39]

ジーニアス英和で plot を見ると、「(裏切りの)陰謀」「たくらみ」が最初の意味だが、なんだかなあ。いまどき plot なんて数学の座標で使うのが人生で最初だと思うが。

センチュリー英和の言うように、地図や図面などに位置を書き込むことがプロット。

なお、小説などの筋書きも plot といい、センチュリーはこの筋書きの意味をplotの名詞の項目で最初に紹介している(動詞のほうは、「たくらむ」だけ紹介)。

しかしセンチュリーのほうだと、動詞には、図面や地図に位置を書き込むことの動詞がない。

本当もう勘弁してほしい。英和辞典ともあろうものが中学校レベルの英語くらい書けないのか。


scheme は上述のような体系的な「計画」だし、

hatch は(鳥などが)「ひなからかえる」「卵からかえる」「卵をかえす」とかの意味。船などの昇降口のハッチ hatch とスペルが同じ。


contrive には、(ジーニアス英和によると)「考案する」・「うまくやりとげる」の意味もある。

conspire が、「共謀する」の意味。桐原5500でも、conspiracy の例文の主語が複数形になっているので、和訳には「陰謀」とあるが内容は「共謀」である。

ちなみに「陰謀」の名詞は、桐原5500が紹介しているのは、intrigue (イントリーグ)とconspiracy (コンスピラシー)である。

これだと意味が強すぎるので(政府転覆とか)、ちょっと何かをたくらんでいるぐらいの場合に、scheme とか plot とかを使うとよいのだろう。

ジーニアス英和で intrigue を調べてみたが、例文がなく、よくわからなかった。なお、名詞も動詞も intrigue である。



多様性

variety ,diversity


東京書籍4500は variety と diversity の違いの細かい説明をあきらめている。

diversity のほうが高尚な言い回し。

東京書籍の言うには、形容詞 variousが「いろいろ」「さまざま」。名詞 diversity が「多様性」である。

熟語 a variety of ~で「様々な」の意味(桐原4500)。


桐原4500および旺文社1900に至っては、そもそもdiversityの項目・ページではvarietyを紹介していない。


桐原4500 が「民族の多様性」 ethnic diversity という表現を使っている。

センチュリー英和がdiversityの項目で biological diversity 「生物学的多様性」という表現を使っている。

「生物多様性」のことを biodiversity または biological diversity という(旺文社1400)。

biodiversity は辞書(ジーニアス、センチュリー)に書いてある。

辞書のbio- の項目では、biological diversity は辞書では見つからなかった。


なお、ややこしいことに、diversity およびvariationには「差異」「相違」という意味もある。


和製英語のバライエティーおよにバリエーションは、やや意味が間違っている。

variation は、「差異」・「相違」・「変化」の意味(東京書籍4500および旺文社1900)。高校数学ではわかりづらいが、大学の数学で「変分法」という微分積分の発展的な分野のようなものがあって、これに variation という英語が相当している。( コトバンク『変分法』 )この変分計算では、関数中にある変数の代入値を少しだけ変化させたら関数がどう変化するかを考察しているので、英単語 variation の訳語のニュアンスに近い。

なお「微分」はdifferential、導関数はderivative なので、混同しないように(※ 大学受験に出ないので覚えなくて言い)。


桐原4500の例文にもあるが a diversity of ~ で「多種多様な~」の意味。 a diversity of wildlife で「多種多様な野生生物」と桐原4500が紹介。


なお余談だが、近年では国籍や性別(男・女のほかにも、さらにはLGBTなど)などの多様性のこともよく「ダイバーシティ」 diversity といい、よく人権などの関係した議論でこの用語護が出てくる。今後の公民科目などの範囲になるだろうから、本・英単語集のページでは深入りしない事にする。


十分・充分

sufficient ,adequate, enough

sufficient ⇔ deficient

適切である suit, be adequate for,


enough は形容詞にも副詞にも使われる。

sufficient と adequate は形容詞。

ジーニアス英和に、adequate の類語が sufficient , enough だと書いてあるが、ニュアンスの違いは見当たらなかった。

形容詞 sufficient 「十分な」は enough よりも固い語である。 だが、その用法だけではない。

強制ではないが、sufficient は、質・量ともに十分な場合に好まれて使われるニュアンスがある(センチュリー)。

一方、単に量が多い場合や、特に質が問われない場合などに enough を使うという、使い分けがある。

be sufficient to ~(動詞) 「~するのに十分である」

である(桐原、東京書籍)。

sufficient の名詞形は sufficiency 「十分足りること」である(桐原)。


対義語は insufficient 「不十分な」、または deficient 「不足した」(デフシュント)である(東京書籍)。

センチュリーいわく、sufficient では質も問われるニュアンスがあることも合わせれば、対義語との関係は、

(質・量とも)「十分な」sufficient ⇔ deficient(質・量が)「不足した」

である。


センチュリーの訳語を比較した範囲では、insufficient よりも deficient のほうが絶対量の不足という意味合いが強そうであった。そのためか、deficinet は「欠乏」と訳されることもある(センチュリー)。つまり deficient 「欠乏した」「不足した」などの意味である。

名詞形 deficiency 「不足」「欠乏」「欠陥」という単語もある(旺文社 deficit 項目、センチュリー)。

ほか、貿易赤字などの「赤字」は 名詞 deficit (デフィシット)である。

つまり、「赤字」 deficit である。

「貿易赤字」は a trade deficit である(旺文社、センチュリー)。


数学用語だが、「十分条件」は sufficient condition である(旺文社1400)。なお、「必要条件」は necessary condition である(旺文社1400)。


sufficient O(目的語) to V(動詞の原形)

で、「Vするのに十分な量のO」


~ be sufficient to V

で、「~はVするのに十分だ」


be adequate for ~ は、「~に十分な」とのことだが(東京書籍)、しかしジーニアスを見ても例文がなく、よく分からなかった。

be adequate for ~には「~するのに適している」の意味もある(桐原)。


「適切である」を言いたいなら、動詞 suit (スート)ひとつで足りるだろう。

たとえば

「このソフトウェアはプログラミングに適切です。」 This software suits programming.

のように(wikiオリジナルの例文)。

suit 自体は桐原4500・東京書籍4500・旺文社1900の3冊とも紹介しているのだが、

しかし「適切である」の例文は、東京書籍しか紹介していない。

しかも、待ち合わせの時間が「好都合である」の訳。

違う英文だが、

(待ち合わせの時間を聞かれた返事で)「金曜日が好都合です」 Friday suits me.

のような使い方(オリジナル。ジー二アスに似た例文。センチュリーに似た例文)。

桐原が紹介している例文は背広のスーツだし、旺文社のは「訴訟する」の suit である。



不足

lack , shortage

かつて受験英語などで「欠乏」lack ,「不足」shortageのような使い分けがあったが(実際、ネット検索するとそういう説明も出てくる)、しかしこの分け方は正しくない。なぜなら、英和辞典で lack の項目を見れば、単に不足している場合でも lack を使っているからだ。

lack と shortage の違いは、たとえば「同情に欠ける」とか「常識に欠ける」がlackである。

センチュリー英和を読むと形容詞 lacking の説明で、be lacking in common sense という例文で、「その学生は常識が足りない」という例文もある。

どうも、lack は、慣用句として、配慮が欠けている場合に使うのが英米では自然なのかもしれない。また、その言い回しが、配慮を欠けている事実自体を主張するおかにも、どうも不足の現状に対して非難や批判などのニュアンスも込めてlackが使われていそうである。



おそらく、辞書にあるlackの訳語の「欠乏」が間違っている。ジーニアスにもセンチュリーにも「欠乏」が書いてあるが、正しくは「欠如」(けつじょ)である。(ジーニアスに「欠如」が書いてある。)あるいは、辞書にはないが「欠落」あたりだろうか。欠乏の「乏」とは貧乏の「ぼう」である。

ジーニアスには、lackについて「十分にはないことをいう。まったくない場合はabsence」といっている。ジーニアスはせっかくここまで説明しておいて、なぜ「欠乏」という訳語を使い続けるのか。

欠席のことを be absent from (classなど)というが、上述のabsenceはその形容詞absentの名詞形。つまり、英語では「欠乏」と「欠席」とが同じ単語だという事。

absenceは、ゼロの状態だから、「ゼロでないけれど、大幅に足りない」みたいな表現には向かない。そういう深刻な不足を言いたい場合は、たとえば a serious shortage となるだろう。実際、センチュリ-のsortageの項目に例として a serious shortage (深刻な不足)や an acute shortage (深刻な不足)や a severe shortage (深刻な不足)などが 書いてある。


さて、食料やら金銭やらが物理的に足りない場合は、どちらでもいいが、辞書を見る限り shortage のほうがそういう物資の不足での例文が多い。

たとえば東京書籍4500にあるが water shortage である。

食料不足は、東京書籍4500では The shortage of foodだが、センチュリー英和では food shortage である。

労働者不足が the shortage of labors である(旺文社1400(簡単なほう))。

医師不足が a shortage of doctors である(桐原4500)。 冠詞 a と the の違いは文脈に応じただけのものなので、読者は気にしなくていい。


なお、lack は動詞の場合もある。

単語集を見ても、lackとshrtageの違いとか、書いてない。まったく。


直観と直感

intuitive(直観),


洞察

insight


英語というより日本語の問題なのだが、「直観」と「直感」では意味が違うので注意が必要である。

「直観」には、洞察力のようなニュアンスがある。

だから 直観の intuitive は、「直観的な」「直観力のある」などと訳す(東京書籍4500)。

名詞形 intuition だが、桐原5500の例文の和訳で(なお東大の過去問例文)「動物、中でも人間は起こりそうなことに関して鋭い直観力を発達させたと考えることができるだろう。」 We coudn't expect animals, especially humans, to have developed sharp intuitions about probably. とある。

英和辞典でintuitive などを見ても、ほとんど例文がないので(センチュリーには例文がなかった)、桐原のこの例文を学ぶのが良いだろう。

あるいは英和中辞典などを見れば例文があるのかもしれないが、さすがに高校英語でそこまでする必要はないだろう。

あと、東大は辞書を見ても満足に例文のない単語を大学入試に出しているわけだが、はてさて、見識が問われますなあ。まさか高校生に中辞典を買わせるつもりでもあるまいし。


もっとも、「洞察」「洞察力」については insight という別の専用の単語があり、普通に4500語レベルの単語集にある。


いっぽう、「直感」は、単なる勘に近い。和英辞典によれば、hunch とか scent が直感である。(高校の単語集にはない)

センチュリー英和によれば hunch は「虫の知らせ」で、口語のニュアンスがある。

scent には、名詞 scent には「勘」の意味もあるが、「臭い」とか「嗅覚」とか「香水」の意味なので、動詞scent には「かぎつける」の意味もある。

hunch も scent もこういうふうに口語っぽい内容なので、まあ単語集には出ないだろう。


そのほか、名詞 instinct (本能)にも「勘」の意味があるが、どちらかというとinstinctは「本能」で覚えたほうがいいだろう。


結果

consequence , result

辞書にはconsequenceでは「結果の重要性を意識している。resultより固い語」とか書かれるが、

だが、東京書籍4500にはconsequenceは「通例望ましくない内容について用いられる」と説明がある。

実際、センチュリー英和で例文を見れば 「戦争の結果」In the consequence of the warだとか

ジーニアス英和だが「結果として戦争になった」have grave consequence (「重大な結果をもたらず」※戦争の婉曲表現)とか、

あと形容詞だが「天候不順の結果の食糧危機」food shortage consequent on bad water とか、

そんな例文ばかりである。

どうやら consequenceは、結果の深刻性を感じてほしい的なニュアンスのようだ。

なお桐原4500および旺文社1900みても、そういうニュアンス説明は無い。



取得・獲得

acquire


acquire は、(技術・知識などを)(努力して)「得る」の意味。(東京書籍4500など)

典型的な例文で、

acquire a new skill 「新しいスキルを身につける」

がある(東京書籍4500。旺文社1400にも近い例文)。


「外国語を習得する」acquire foreign languages

という例文もよくある。(桐原4500。センチュリー英和aquireの項目)


辞書にはよくaquireの用法で「(知識などを)身につける」とあるが、しかし語学のようなレベルの「知識」である。


acquire には「習得」以外の用法もあって、

努力して大金や土地などを「獲得する」ことも acquire というが、単語集には例文がないので、説明を省略。桐原の単語集に「(努力して)獲得する」とだけ説明してあって、技術の習得の話をしてないのは、土地などの獲得を意識したものだろう。


「異国風」

exotic


形容詞 exotic (イグザティック)は、通例では、欧米人の目からみて「異国風」という意味であり(旺文社)、けっして単に異国風なだけでなく、加えて、めずらしくて面白かったり興味をひかれる性質のことである(ジーニアス、センチュリー)。

具体的にいうと、日本国内で言うなら、京都などの寺社は exotic だろう(特に出典は無い)。日本に存在していても、東京の高層ビル群などは exotic には写らないだろう。


日本語でもローマ字読みで「エキゾチック」と言う。日本でも、よく文学評論とか芸術評論とかで使われる単語なので、覚えておきたい。もっとも日本で「エキゾチック」と言う場合、東南アジアや中東やアフリカなどの観光的な光景なので、英語とは微妙にニュアンスが違うが。

さて英語では、動物や植物が「外来種」や「外国産」などの場合も exotic という。農産物だけでなく、言葉が外国由来の場合も exotic という。

旺文社の単語集で、動物園の例で exotic と言っているのは、そういうニュアンスもあるだろう。

桐原と東京書籍の単語集では、exotic が見当たらない。


辞書によると、「外国の」・「外国人」という意味もあるとのこと。言葉が外国由来の場合も exotic というので、それと関連づけて「外国人」なども覚えよう。


広さ

broad, vast


broad は、幅が「広い」。

典型的な例文が 「(道幅の)広い通り」 a broad street である(東京書籍4500および桐原4500)。

幅広い知識 a broad knowledge とか(ジーニアス)、「幅広い趣味」 a broad range of hobby とか(東京書籍4500)のように、物体以外の知的興味の広範さにもbroadを使う。

インターネットのブロードバンド broadband のブロードと同じ単語(東京書籍4500)。


vastは、面積が「広大な」である(東京書籍4500)。だが実際はセンチュリー英和では、ビル(建築物)や宇宙などもvastだとする例文を提示している。


broad の対義語は narrow 「狭い」。


体積が大きいのは huge 「巨大な」。(桐原4500。ジーニアス英和)


なお、「体積」は英語で volume である(旺文社1400、桐原4500)。volumeの意味は、「体積。容積。音のボリューム。本などの一巻。」の意味である。

turn the volume up で「音のボリュームを上げる」である(旺文社、東京)。

「音量を下げる」なら turn the volume down である(東京)。

コンテナの「容積」とかも、volume である(旺文社)。 the volume of the container 「コンテナの容積」である。


科学や工業などの「容積」「体積」でなくとも、たとえば「交通量」the volume of the traffic とか(東京書籍)、「ごみの量」the volume of garbage とかにも volume は使われる。


娯楽

amuse , entertain

センチュリー英和によれば amuse は笑わせる事などのような意味での「楽しませる」。

entertain は、知的な面白さに重点がある。

entertain でよくある例文が、話や音楽で聴衆を楽しませる系の例文(東京書籍4500およびセンチュリー英和)。

たとえば entertain the audience で「聴衆を楽しませる」(東京書籍)。


また、熟語 entertain A with B で「AをBで楽しませる」。

センチュリー英和によれば Now let me entertain you with music. で「それでは音楽でお楽しみください」。

entertain には、自宅で客を「もてなす」の意味もある。

よくある例文が、ホームパーティなどで友人をもてなす系。

entertain their friends at their home 「友人をパーティでもてなす」(東京書籍)

entertain our friends at a party 「自宅で友人をもてなす」(旺文社1400)


ただし、実際の例文を見ると、あまり違いは明確ではない。

名詞形のamusement もentertainment も、それぞれ「娯楽」の意味で使われる。


殺害

murder , kill

murder (マーダー)は「殺害する」の意味の動詞、および名詞としての用法では「殺人」一般の意味である。「殺人犯」はスペルが murderer (マーダラー)であり、スペルが微妙に違う。混同しないように。

「殺人未遂」は an attempt murder である(東京4500)。

「殺人事件」は a case of murder である。

なお、attempt は、困難なことを「試みる」という意味の動詞および名詞(東京書籍)。ジーニアスは、入念な計画と実施の必要な試みが attempt だと説明している。

名詞としての attempt は「試み」などと訳す。


典型的な例文で、

attempt to escape 「逃げようと試みる」

がある(東京書籍3000、桐原4500)。


脱走計画だとかそんなのだけでなく、ジーニアスいわく、エベレスト登頂の「試み」でも attempt とのこと。


90年代、かつて英語単語集に「massacre」(マサカ)という「大虐殺する」の意味の単語がよく載っていが、現代の単語州には無い。「まさか、人を殺すとは!?」という語呂合わせでよく紹介されてたものである。昔の単語集には、ちょくちょくコラム的にゴロ合わせなどが紹介されていた。

英和辞典(ジーニアス、センチュリー)で確認したところ、massacre に「大虐殺」の意味はあるが、一個人の「殺害する」のような意味は紹介されていない。語呂が不正確である。


しかし、近年に「虐殺」でよく目にするのは genocide である。ルワンダ虐殺とか、歴史的に名前が残っている事件の虐殺は genocide が普通であろう。検定教科書でもルワンダの虐殺について genocide という表記を行っている[40]

kill や killerとの違いは、killは人間以外のものにも使う。人だけでなく、動物や植物、虫、植物なども、それらを殺したり、あるいはそれらに殺されたりする場合に、killである。

たとえば「魚を殺す」 kill fish である(東京書籍1800)。

それどころか、交通事故などで「死ぬ」場合も kill である。

be killed in ~(戦争や事故など)で「~で死ぬ」の意味。典型的な例文が「大勢の人がその戦争で死んだ。」 Many people are killed in the war. である。(桐原3000と旺文社1200に似た例文あり)

killer については単語集にはないが、名詞として「殺人犯」や「殺すもの」の意味のほかにも、形容詞として「致命的な」の意味もあり、たとえば「致死的な病気」 a killer disease などの例文が典型的。



奪う・盗むなど

奪う

deprive


wikiオリジナルの例文だが、

The war deprived the children of the liberty. 「戦争が子供たちから自由を奪った。」

のように言う。


桐原4500に「戦争が、この子供たちからふつうの家庭生活を奪った。」 The war deprived these children of a normal home life.

とある。

旺文社1900では「軍隊が国民から自由を奪った。」 The military deprived the citizen of their liberty.

である。、

自由は別にliberty でなく freedom でもよく、たとえば東京書籍4500では、

「多くの子供たちが自由を奪われている」 A lot of children are deprived their freedom.

とある。

熟語 be deprived of~ で「~を奪われている」である(東京書籍4500)。

また、deprive A(人) of B で「A(人)からBを奪う」である(旺文社1900。桐原4500)。


盗む

rob , steal

動詞 rob は、ふつう、強盗とか 引ったくり とかスリに使う。スリかと思われる例文については、たとえば旺文社1900にある(電車で女性から財布を奪う例文)。

rob A(人) of B で「A(人)からBを奪う」である(桐原4500。東京書籍4500)。


東京書籍に典型的な例文「彼らは銀行強盗をした。」 They robbed the bank.

である。

派生語として、「強盗」 robber がある。「強盗事件」は robbery である(桐原4500。東京書籍4500)。


スペルの似ている rid という名詞・動詞があるが、「取り除く」の意味である。 熟語で get rid of ~ で「~を取り除く」である。


rob と rid は意味がまったく違うので、混同しないように注意。


なお、こっそりと者を盗む「泥棒」はthief (シーフ)である(桐原4500)。桐原3000を読めば、こっそり盗む者がthief であるし、ジーニアス英和の thief の項目にもそう書いてある。

なお、複数形は thieves である。ナイフの複数形の活用と同様。さすがにthiefの複数形を筆記で入試に出すのは瑣末すぎるので出題されないだろうが、まあ参考に。

こっそり「盗む」は steal である。桐原3000を読めば、stealの意味は「こっそりと」盗む、と書いてある。


なお、スペルの似ているsteel は「鋼」(はがね)。

さて、「盗む」stealの活用は、 steal - stole (過去形)- stolen (過去分詞)

である。

東京書籍4500の例文「泥棒が私のコンピュータを盗んだ。」 A thief stole my computer.

が典型的な例文であろう。

主語が被害者の場合、have ~ stolen になり、「~を盗まれる」の意味である。


典型的な例文

「私は自転車を盗まれた。」 I had my bicycle stolen.

がある。東京書籍4500と旺文社1400に、ほぼ同じ例文がある。


腕時計が盗まれるのも典型的で、センチュリー英和の桐原3000がそうであり、

「私は腕時計を盗まれた。」 I had my watch stolen.

である。


なお、ジーニアスにあるが、バーグラー burglar は「押し込みの夜盗」。センチュリ-によると、burglar は「(押し入り)強盗」。さすがにここまでは入試に出ないだろう。念のため桐原4500・5500と東京書籍4500を読んだが、もちろんバーグラー burglar は無い。


気づく

notice, realize, recognize, perceive


「きびしい」

harsh, strict, severe, rigid


realize は、和訳では「気づく」などと訳される場合もあるが、どちらかというと realize の意味は「認識を改める」である。

典型的な例文で、「彼は自身の過ちに気づいた。」 He realized his mistake.

みたいなのがある。

いっぽう、notice は単に、物事が目について「気づいた」という意味である。

なお、realize は英国では realise である。


なお、realize には(計画や夢などを)「実現する」という、まったく別の意味の用法もある。

たとえば「私の夢を実現する」なら realize my dream である(東京書籍4500)。あるいは realize my ambition である(旺文社1900)。


リアリティ reality という単語があるが、日本では小説や英語など創作物などの迫真性などのことをいうが、英語でもそのような創作物の評価における reality の用法はあるが(センチュリー英和で確認)、しかしもっと一般に「警官は彼が述べたことが真実かどうか疑った。」のような文章における「真実性」にも reality が使われる(センチュリー永和で確認)。

reality はけっして創作物に限った表現ではない。

旺文社1900では reality の意味を「現実(性)」としている。 実際、ジーニアス英和を確認すれば、そういう用法もあり、「人生のきびしい現実」みたいな例文でrality をジーニアスは使っている。

旺文社1900にも、harsh の項目で、a harsh reality 「厳しい現実」を紹介している。

なお、real と true の違いで、

true は主に話が「本当の」という意味で使う(東京書籍3000)。

いっぽう、real には、材質などが「本物の」という意味がある。

だから、real money 「本物のお金」とか、real diamond (本物のダイアモンド)などで使われる。


harsh「きびしい」(発音は「ハーシュ」)も、単語集に普通に書いてある。

気候が「きびしい」とか、批判や対応が「きびしい」などのことを harsh という。

東京書籍4500に a harsh winter 「寒さのきびしい冬」という例文がある。

旺文社1900に、harsh environment 「きびしい環境」と言う例文がある。

(桐原4500語レベルではなく、)桐原3000いわく、天候の場合は severe(シビア) でも「きびしい」を表現できる。東京書籍4500で確認したところ、批判の過酷な場合の「きびしい」でも severe を使うこともある。

harsh と severe のニュアンスの違いについては、特に書かれていない。


なお、規則などが厳格で「きびしい」と言いたい場合は strict である。


strict には、説明などが「厳密な」の意味もある。高校の分詞構文の単元で、

「厳密に言えば」 strictly speaking,

などを習うだろう。


ほか、形容詞 rigid (リジッド)でも「厳格な」を言える。単語集(旺文社1900、東京書籍4500、桐原5500)には、この厳格の用例が書いてある。

だが、それよりも物理学の「剛体」が rigid body として覚えたほうがいい。ジーニアスに、rigid は「剛体の」だと書いてある。

単に、「変形しづらい」みたいな意味での「固い」「堅い」のような意味が rigid である。

ジーニアスには、「変形しやすい」flexible の対義語であると紹介している。

規則の融通がきかないのが rigid だと、ジーニアスに書いてある。そういう意味である。

ほか、rigid には「顔がこわばった」「手足がこわばった」などの意味もある。

なお、rigid は発音注意の単語(旺文社)。

ほか、名詞形 rigidity 「厳格」「硬直」などの意味がある(旺文社、桐原5500、ジーニアス、センチュリー)。桐原だと「硬直」の意味が書いてないが、ジーニアスとセンチュリーの rigidity にしっかりと「硬直」が書いてある。


頑固オヤジみたいに「頑固な」「頑固である」と言いたい場合は stubborn (スタボーン)である(桐原、旺文社)。東京書籍は紹介してない。単語集にはないが、辞書で典型的な、「断固とした拒否(拒絶)」a stubborn refusal がある(ジーニアス、センチュリー)。そのほか、stubborn には軍隊などの(または軍隊などへの)抵抗が「不屈(ふくつ)の」という意味もある(ジーニアス)。


(厳格ではなく)「厳粛な」と言いたい場合は solemn だが(桐原5500)、あまり平易な例文が無い。

法律的な宣誓などが厳粛なことや、音楽などが荘厳なことまで、 solemn で表現できる(ジ-ニアス、センチュリー)。

「誓う」という意味の動詞 pledges(プレッジ)も、単なる約束 promise とは違い、厳粛 solemn に約束することであり、たとえば外交などの約束で使われる(旺文社1900の例文もそう、ジー二アスにもそういう例文あり)。その他、公約などで pledge 「約束する」を使う。または名詞として pledge には「公約」の意味もある。


※ ほか、批評が低評価で「厳しい」は damning (ダムニング)だが(センチュリー)、範囲外。


さて、virtual の話題。

ジーニアスを見れば、「仮想現実」 a virtual reality などの例文もある。

旺文社1900を見ると virtualの項目で、副詞 virtually 「事実上の」などもあるが、例文はない。東京書籍4500および桐原4500には例文は無い。桐原5500に副詞 virtually の例文あり、早大の過去問。

なお、桐原5500のviatually の項目いわく、「実質的には(≒practically)」「ほとんど(≒almost, as good as)」である。

念のため桐原3000および東京書籍3000を見たが、virtual などの紹介なし。


余談だが、昨今、日本の芸能界では「リアリティ・ショー」などが問題になっているが、しかし英和辞典で見ると該当する単語は reality TV である(ジーニアス英和、センチュリー英和、の両方で確認)。


recognize は「気づく」などと訳される場合もあるが、どちらかというとrecognizeは「見分けがつく」という意味である。


「足音でジムだと気づいた」とか(ジーニアス英和)、「帽子でジェーンだと気づいた」(センチュリー英和)とか、そういうのがrecgnizeである。


センチュリーから例文を抜粋すると、

I recognized Jane by ~ で、「~でジェーンだと気づいた」

のようになる。


一応、recognize には、新政権の「承認」などの意味もある。

辞書によくあるのは、新政権やイスラエルなどが周辺諸国から承認 recognize を拒まれるという内容の例文。


自分の間違いを認めたり認めないのも recognize である。

ジーニアスの例文では間違いを認め、

「彼は自分の間違いを認めた」He recognized that he was wrong.

である。

センチュリーの例文では間違いを認めず、

「彼は自分の間違いをどうしても認めようとしなかった。」 He wouldn't recognize his mistake.

である。


桐原4500ではrecognize を「認識する」、旺文社1900ではrecognizeを「識別する」とあるが、上述のようなそういう意味である。


perceive 「気づく」について。

名詞形 perception が「知覚」の意味である。この名詞形を覚えるべきである。

「知覚」とは、たとえば桐原のperceive の例文に「ネコは色を知覚することができない」とあるように、そういう意味である。

旺文社と東京書籍は「気づく」の意味の perceive 例文を紹介しているが、桐原は「知覚する」の perceive 例文を紹介するスタンスである。

perception については「認識」の意味もあり、桐原・旺文社にも書いてあるが、しかし「知覚」を覚えれば連想できるだろう。一方、認識から知覚を連想するのは難しいだろう。東京書籍では、perceptionの「認識」は紹介しておらず、「知覚」だけしか紹介していない。このように、知覚のほうが、この語 perception の本質であろう。


  • cognitive 「認知の」


cognitive という形容詞があり、旺文社では「認知の」と紹介され、東京書籍では「認識の」「認知の」と紹介されるが、しかし辞書を見ても説明が少なく、よく分からない。桐原に至っては、cognitiveを紹介していない(桐原5500,桐原4500,桐原3000で確認)。 東京書籍でも、巻末で解説なしで、単語と例文だけの紹介である。しかし、旺文社1900での番号は 279/1900 と、かなり前半のほうである。


旺文社1900いわく「脳の認知機能」 the cognitive function of the brain

東京書籍4500いわく「認知能力」cognitive ability

らしい。

どうやら、cognitive は心理学または脳科学などの専門用語っぽいニュアンスのようだが、しかし英和辞典では確認できなかった(ジーニアス英和とセンチュリー英和を見た上で)。

旺文社いわく、「軽度認知障害」が、mild cognitive impairment (MCI)とのこと。


過酷な

terrible, severe, harsh

ひどい terrible, awful


terrible (テリブル)は翻訳の都合でときには「過酷な」と訳される場合もあるが(ジーニアス)、たとえば暑さがterribleなら「過酷な暑さ」と訳される場合もあるが、

しかし、very bad くらいが terrible のニュアンスである(ジーニアス)。

なので、 terrible は(程度が)「ひどい」と覚えるべきである。

実際、東京書籍4500も桐原3000も、 terrible の意味を「ひどい」としている。

東京書籍3000は「ひどい体験」をterrible な体験としている(著作権のため、本ページでは「体験」は和訳せず)。

こういうふうに使う。

ほか、副詞 terribly は、

たとえば

「とても疲れたよ」 I'm terribly tired.

のように(ジーニアスに同じ例文)、強調するのに使う。

実はよい方向を強調するのにも terribly は使う(ジーニアス、センチュリー)。 (著作権のため、本ページでは例文は紹介せず)


terrible は語そのものにveryのような強調の意味を含むので、terribleをveryで修飾できない。

同様に、delicious(とてもおいしい)、enormous(とても大きい)、huge(巨大な)、marvelous(すばらしい)、terrible(ひどい)、tremendous(ものすごい)、などの形容詞はveryでは修飾できない。これらの語を修飾するには、reallyやcompletelyなどを使う

名詞形 terror (テラー)は「恐怖」「テロ行為」という意味がある。

なので、terrible には「恐怖の」という意味もあるが、この場合は horrible (ホリブル)で表現するほうが誤解のおそれなく無難だろう。

名詞 territory (テリトリー)「領土」「なわばり」も覚えておきたい(桐原4500、東京書籍4500)。三省堂 CROWN I を見ると、もう高校1年で territory を教えている。動物などの「なわばり」も territory で表せる。

なお、「国境」は単に border で通じる。 American border みたいに、国名の形容詞のあとに border を言えば、それでアメリカ国境の意味になる。


severe と harsh は他の節で紹介したので省略。

「過酷な」と言いたい場合、まずは severe (シビア)の使用を検討するのがよいだろう。


痛みが「ひどい」場合は severe を使うほうが無難だろう。

a severe pain 「ひどい痛み」(ジーニアス和英)

である。


形容詞 awful (オーフル)「ひどい」は、悪い意味だけでなく、よい意味でも使われる(センチュリーで確認)。桐原3000語レベル、東京書籍4500語レベル。

よって、awful は terrible とほぼ同じ意味。

もともと名詞 awe が「畏敬」(いけい)の意味である。

だが、awful は、なんだか口語的に「ひどい」「すごい」「おそろしい」みたいな意味になってしまっている。


全体の

whole,total



思う

think, suppose


think は「思う」と中学で習うが、辞書で調べてみると、意外とthinkは確信の度合いが高い。

センチュリー英和なども解説しているが、「推測する」といいたい場合は、think ではなく suppose を使うのが適切である。

つまり、「推測する」は suppose である。

推測よりも、やや確信の度合いが高い程度の場合に think を使うのが適切である。

名詞 supposition で「仮定」の意味。


まったく意味の違う用法だが、熟語 be supposed to do で、「~(do)することになっている」の意味。

よくある例文は、「彼は7時にここに来ることになっていた。」の類。

He was supposed to come here at 7 o'clock.

である。だが、この過去形での「was supposed 」の文は、実際には彼は7時に来なかったことを含意している(ジーニアス英和より)。東京書籍4500に似たような例文があるが、しかし東京書籍4500では含意の件には触れていない。

センチュリー英和によると、be supposed to do は、「(慣習や法律などによって)...するものと考えられている。」とあるので、表面的な言い回しこそ控えめだが、実際の意図はやや強制的・義務的な主張のニュアンスが高そうである。

否定形 be not supposed to do にいたっては「~してはいけない」の意味である(東京書籍4500)。


証明・証拠

証明・証拠 proof ,demonstration

evidence 証拠

役所などの証明書 certificate

(裁判所などで)証言する testify (※高校必修範囲外だと思ったら、三省堂 CROWN I にあった)


proof には、「証明」「証拠」の2つの意味があるが、なるべく「証明」のほうで覚えるべきである。

なぜなら、数学の「証明」のことを proof というからである(ジーニアスで確認)。

私たちは、高校卒業後もなるべく教育レベルの高い外国人の英文を読むべきであろう。そして教育レベルの高い人ならば、外国の中学高校の数学は習得しているはずなので、よって外国人の彼らには証明を proof という習慣がついているはずである。外国の中学高校レベルの数学の用語も知らない頭の悪い外国人の英文なぞ、読むに値しない。

なお、動詞 prove は「証明する」の意味である。


evidence が、証拠のひとつひとつのことである。ジーニアスによれば、proofは「evidence を積み重ねた最終的な証拠」のことであるとされる。

だが、それよりも、proofは「証明」であると覚える方がよいだろう。

また、少なくとも日本の学問の世界では、個々の実験事実や個別の統計のような、個々の証拠のことは evidence というのが普通である。英語でどういうのか知らないが。

桐原の単語集にあるが、裁判などの「証拠」も「証言」も evidence である。英語では、「証言」と「証拠」を分けずに evidence という。

単語集にはないが、どうしても発言による「証言」であることを強調したい場合は verbal evidence という(ジーニアス英和で確認)。


ジーニアス英和辞典で確認すれば、「証人」すらも evidence である。


prove to be ~ で「~だと分かる。」「~となる。」「~と判明する。」である。

辞書の例文が、事業などが prove to be a success 「成功となる」またはprove to be successful 「成功となる」である(ジーニアスとセンチュリーの両方)。東京書籍4500の例文もこの類。

桐原4500だけ He was proved to be innocent 「彼は無実だと判明した」である。

旺文社1900には、 prove to be ~ の例文は無い。


実はデモンストレーション demonstration 「証明」の意味がある。

一般的には、英語では、行動によって意志を表したり、あるいは、たとえば新製品の実演販売みたいに実演などによって説明すること等を demonstration という。

集団などのデモ行進も、同じ demonstration である。

センチュリーの例文だが、戦争反対のデモなら demonstration against the war である。

一般に、demonstration against ~で「~反対のデモ」である。

だから東京書籍にある「新空港に反対するデモ」なら

demonstration against the new airport

である。

能力の証明なども demonstrate であり、東京書籍に紹介されている。

旺文社1900でしか説明していないが、感情をあらわにすることも demonstrate である。だが、感情のデモは例文もないので、深入りする必要はないだろう。


動詞形は demonstrate である。

ジーニアス和英を見ると、実はdemonstraite やdemonstration には「論証する」などの意味もあり、旺文社1900が紹介しているが、しかし桐原も東京書籍も「論証する」の意味は紹介していない。

センチュリーは、証明についてのdemonstration の意味は、論証ではなく「実証する」であると説明している。

ジーニアスの例文を見ると、「哲学的論理」の論証の例文である。

demonstrate が「論証する」と言っても、どうやら、数学のような論証ではないようだ。


仮定や論理的思考など


仮定する assume, suppose

当然と思う assume

仮定 assumption, supposition

推測 supposition

「推論する」 infer


仮説 hypothesis


動詞 assume は、「仮定する」「想定する」「決め付ける」などの意味。

共通するニュアンスは、ジーニアスいわく、明確な証拠がなくても想定すること。

名詞形が assumption である。


assume that ~ で「~だと思い込む」(桐原)または「~を当然のことだと思う」(旺文社)である。

たとえば、旺文社の例文「私たちは日本の列車がいつも定刻どおりに運行することを当然と思う」が assume that の例である。


ジーイアスによると、三段論法の「前提」などで、assumption が使われるとのこと。

このため論理的な議論ではassume や assumption が使われると思われるので、覚えておきたい単語である。


しかし、suppose にも「仮定する」の意味がある。

だが名詞形 supposition が「推測」の意味である。なので、suppose はどちらかというと「推測する」のニュアンスが強い。

桐原の単語集にはsuppose は「推測する」の意味しか書いてないが(東京書籍に至っては「思う」しかない)、しかしセンチュリーを見ればsupposeの意味として「推測する」のほかにも「仮定する」も書いてあるのが実態である。なお、旺文社1900でだけ、例文なしで「仮定する」の意味も紹介してえる。


「仮説」と「仮定」は違う。

「仮定」とは、たとえば「仮に○○だとしたら、□□は××になるはずだ」の前半「仮に○○だとしたら」のこと。仮に定めるので「仮定」というわけである。

一方、「仮説」とは、「~の原因は、□□が××だからだ。なぜならば(以下略)」という原因をとなえる主張のうち、まだ真実かどうかの評価が確定してない主張のこと。

「仮説」は英語で hypothesis である。


なので「仮説」は証明あるいは検証するためのものである。

「仮説を証明する」は prove a hypothesis である(旺文社、ジーニアス)。


ただし、実際には派生的に hypothesis でも「仮定」の意味もある(ジーニアス、センチュリー出確認)。

だが、単語集では hypothesis の「仮定」の用法は紹介されていない。あまり知的な用法だとは思われていないのだろう。「仮定」を言いたいなら assumption で済むし、高度な学問をするなら「仮定」と「仮説」は分離すべきであるし。


infer という動詞があり、事実や根拠などをもとに「推論する」という単語である。

infer that ◯◯(文節) from ~ で「~を根拠に◯◯だと推論する」という意味である。

桐原5500も旺文社も、infer の例文では from で根拠を提示している。


そもそも日本語の「推論する」というのは、事実や根拠をもとに推理・推測することだと、広辞苑(1992年)にも書いてある。

広辞苑の例文にも「事実から推論する。」とある。


ともかく、このように「推論」は根拠とともに使うべき単語である。

infer で推論する内容は、べつに学問的な内容である必要はなく、たとえば「彼女の沈黙から怒っているのだと察した」とか(ジーニアス)、そういうのでも構わない。

infer にはこのほか、「暗示する」(= imply )という単語もあるが、imply という「暗示する」の意味の単語で代用できるので、説明を省略する。


名詞形は inference 「推論」「推理」であり(旺文社)、推論するという行為(旺文社、ジーニアス)または推論の結果によって得られた結論のことを言う(センチュリー)。

by inference で「推論によって」(旺文社)、「推測によって」(センチュリー)である。


扱う

deal with ~, treat


treat は普通、厚遇する「扱う」の場合に使う。つまり、treatは「厚遇する」である。

ただし、和訳の都合で、「厚遇する」だと表現が硬くなる場合によく「扱う」と訳される。

だが、「扱う」で覚えてしまうと類似語とのニュアンスの違いが覚えづらくなってしまうので、treat は「厚遇する」で覚えよう。

治療の場合にも treat を使う。


dea with ~は、「~を処理する」「~を契約する」などの意味である。

典型的な例文が「苦情を処理する」 deal with complaints である(東京書籍4500。旺文社1900)。

ジーニアスで確認したところ、 deal with にも厚遇の用法もあるが、本ページでは触れないとする。


deal は「分配する」「配る」の意味である(東京書籍4500でも紹介)。

トランプなどの札を「配る」のが dealである。

だからトランプの札を配る人をディーラー dealer とも言う。


deal には「商取引」の意味もある。だから、ある種の商品の「販売人」「販売業者」のことを dealer とも言う。桐原4500が「販売業者」としている。ジーニアスは「販売人」。


同じスペル deal で 「量」の意味がある。

a good deal of ~ で「かなり多量の~」である(桐原4500)。

a great deal of ~ で「かなり多量の~」である(桐原4500)。東京書籍4500では、 a great deal of ~ で「非常にたくさんの~」としており、数えられない名詞に用いるとしている。

桐原の例文では、 a good deal of snow 「かなり多量の雪」、東京書籍の例文では a great deal of time 「たくさんの時間」、と訳している。


分配・配分

distribute, deal

食料や出版物などを分配する場合、普通は distribute を使う(東京書籍4500)。東京書籍では「出版物」では「印刷物」としているが(例文でリーフレット leaflet を想定)、しかしトランプの札も印刷物であるので、このページでは「出版物」と表現した。

典型的な例文が

distribute food to the ~で「~に食料を配る」である。

辞書によっては「金を配る」場合もあり、その場合は

distribute money to the poor 「まずしい人に金を配る」である。(センチュリーを参考)

「子供たちにリーフレットを配る」なら、 distribute leaflets to the children となろうか(wikiオリジナル。東京書籍およびジーニアスの例文を参考に組み合わせ)。

東京書籍4500だけでなくセンチュリー英和でもリーフレット leaflets を配る例文である。


単語集にはないが、電気屋などで買えるテレビ信号などの分配器をよくよく見ると、ディストリビューターと言ったりしている。実際、ジーニアスで分配器 distributor である。

単語集にはないが、数学でいう確率分布などの「分布」も distribution である。しかし高校生に「確率分布」と言って通じづらい。

ジーニアスによれば、生物学などでの植物の「分布」も distribution である。高校生は植物のほうが覚えやすいだろう。


deal については「扱う」の項目で説明したとおり。トランプの札などを配ったりするのが deal である。



比例

ratio, rate, proportion

3:2とか 4:7 とか、とにかく個別の比や比率のことは ratio (レイショウ)という。

そういった個別の比ではなく、たとえば数学で「AとBとは比例関係にある」のような「比例関係にある」のことを形容詞で proportional と言う。

名詞 proportion は比例関係。


そういうのではなく、たとえば利子率など何かの比率のことは rate (レイト)という。

なお、利子率や金利は interest rate という。ここでいうinterest は、「興味」の interest と同じスペル。

桐原4500によると、「失業率」は the unemployment rate である。

東京書籍4500によると、「出生率」は the birth rate である。


proportion には、全体の中で占める「割合」という意味もある。

桐原4500および旺文社1400に熟語 at any rate 「とにかく」が紹介されているが、例文は無い。


実際には ratio にも比例関係の意味があったり、proportion で個別の比に言及することもあるが、ニュアンス的には上記の感じのはず。


例文は省略。著作権的な問題をクリアできそうな典型的な例文が見つからなかったので、読者が単語集などで読者が自身で調べてほしい。


  • 合理的

rational,


「合理的な」は英語で rational である。これ単独だと覚えづらいが、実は比率 ratio と冒頭のスペルが同じだし、発音も「レイショウ」と「レショナル」でほぼ同じである。

なお、数学の「有理数」も rational number であり、同じスペルの rational である。

だからか和訳も気をきかしてか、有「理」数となっているわけであろう。(ここら辺の話題は、数学英語の専門書に書いてある、有名な話である。)明治時代あたりの数学者に感謝しよう。

そして、「有理数」とは、整数の比例で表される数のことである。(数学的な厳密性は置いておく。)

つまり欧米人の数学のできる人は、「合理的な」=「整数の比例の」が同じ単語であると認識しているわけである。

こうやって考えると、「比例」ratioさえ知っておけば、そこから「合理的」 rational も普通に覚えられる。

なお、「非合理な」は irrational である。

さて、rational でよくある例文は、「合理的な決断」a rational decision である。東京書籍4500と桐原4500の両方に、「合理的な決断」 a rational decision が書かれている。


ついでに、「自然数」は a natural number である。単語集には「自然数」は書かれていないが。

「実数」は a real number である。

「自然数」も「実数」も、英語または対応するドイツ語あたりを、日本語に直訳しただけである。


なお、「論理的な」は logical (ロジカル)である。「論理」が logic なので、それから覚えよう。


reasonable (リースナブル)と言う形容詞には、「理にかなった」という意味があるが、しかし「値段が手ごろな」という意味もあるので、使いどころが難しそうである。


出席

attend, present


形容詞 present は、「出席している」の意味もあるが、名詞形 presence に「存在感」の意味がある。

attend が、会議や授業などに「出席する」である。

典型的な例文が、attend the meeting 「会議に出席する」である(センチュリー、東京書籍4500)。

だが、attend school で、毎日規則的に「学校に通っている」の意味である(センチュリー、東京書籍4500)。


学校や教会に規則的に通うのは attend を使う。「教会に通う」の例文なら attend church である(センチュリー)。


授業の出席のattendの例文が、辞書でも単語集でも見つからない。

授業の出席については、present を使うのが安全だろう。

なので、辞書にはないが、どちらかというとattend は、出席するために「~に出ている」の意味ぐらいで解釈したほうがよいかもしれない。

名詞 attention が「注意」の意味である。attention が「注意」なのも、「注意を向かわせる」みたいな意味ぐらいで解釈したほうが、出席の「~に出ている」くらい

旺文社1900いわく、pay attention to ~で「~に注意を払う」である(なお、ここでのtoは(不定詞ではなく)前置詞の用法)。桐原によれば、attend to ~ともいう(toは前置詞としての用法)。

あまり attend と present の概念の違いがハッキリしていない。実務の際は、勤務先の業界の慣習などに任せて使い分けのが良いだろう。



寄付

donate, contribute

単語集を見てたら、「勘弁してほしいなあ」とあきれたが、contributeには「寄付」の意味もあるが、現代のIT社会では普通はcontributeは「貢献する」の意味である。

「寄付する」はdonateである。

しかも、単語集には、contributeの項目を見ても、donateについては書いてない。donateの項目を見ても、contributeについては書いてない。


たとえばwebサーバなどのよく使われるOSのLinux(リナックス)の場合、寄付以外にも多くの協力活動があって(テストに参加するとか)、そういう諸々の協力活動の全体のことを contribute と言っているのが普通である。

そして、その協力活動の中のひとつに寄付もあって、その寄付が donate という言い回しである。

実際、debian(デビアン) というLinuxの一種のwebサイトはそうである[41]

ページ"Contribute: How you can help Debian"の中に、下記のようにいくつも項目があって、

Contribute: How you can help Debian
    Coding and Maintaining Packages
    Testing and Bug Squashing
    Writing Documentation and Tagging Packages
    Translating and Localizing
    Helping other Users
    Organizing Events
    Donate Money, Hardware, or Bandwidth
    Use Debian
    How your Organization can support Debian

その項目のひとつとして"Donate Money, Hardware, or Bandwidth"があるという構成である。


もっとも、wikipediaのサーバを動かしているOSはDebianではなく Ubuntu(ウブントゥ)というイギリス製OSであるのだが、このUbunutの本家イギリス語版のwebサイトのページで寄付のページには contribute と書いてあるので[42]、contributeで寄付を意味しても間違いではない。


よく、医療で「血液ドナー」とか何かの提供者のことをドナーdonorというが(旺文社1900)、これもdonateの派生である。

なお、donor の発音はドウナーである。旺文社1900では発音の注意をしている。

なお、ジーニアスとセンチュリーで確認したところ、blood donor とは単なる「献血者」のこと。クルマの「献血車」にあらず。

ジーニアス英和によれば、ドナーカード donor card も英語でそのまま通じる。


なお、桐原3000の donor 項目いわく、「血液バンク」は a blood bank とのこと(桐原3000)。


なお、名詞形は donation 「寄付」である。

単語集によると、make a donation で「寄付する」である(東京書籍、桐原)。

make a donation to our school で「学校に寄付する」。

make a donation to church で「教会に寄付する」


donate で使う場合、ジーニアス英和に donate a money to Red cross 「赤十字に寄付する」という例文があった。

debianのサイトでも donate a money と言っているように、普通は 「donate a 金または金額」のパターンである。

実際、センチュリー英和では donate $1,000 to a charity 「慈善事業に千ドル寄付する」である。


contribute で金銭を寄付する場合でも同様、 「contribute 金額 to 相手」のパターンである(桐原、東京書籍)。

contributeの単語集が金額の例ばかりであるが、センチュリーによれば a money で寄付してもいい。

センチュリーいわく contribute a lot of money to church 「教会に多額の寄付をする」である。


contribute には、なにか望ましくないことの「一因になる」という意味もあり、たとえば「二酸化炭素は温暖化の一因になる」とか(旺文社)、「砂糖は虫歯の一因になる」とか(センチュリー)、「喫煙がガンの一因になる」とか(ジーニアス)。

良いことの一因になった場合にもcontributeを使うが、ただし和訳の際、普通は「寄与した」と訳すだろう。


闘争と努力 struggle, strive

努力する endeavor ,

不和と摩擦

strife, friction, conflict

紛争 strife, dispute

口論 quarrel, dispute

意見を戦わす dispute, tackle


「努力する」には、struggle と strive と endeavor があるが、高校生はまず struggle を覚えるのが良い。

strive だと、後述のように闘争の意味合いに解釈される可能性がある。


実際、単語集でも、struggle を先に紹介しており、strive はかなり後半で紹介する。


動詞 struggle は「もがく」「あがく」などの意味だが、「努力する」「奮闘する」のような意味もある。

病気や苦痛などから逃れるために「戦う」のような意味もある。


struggle to ~(動詞) で、「~するために努力する」である(東京書籍)。

struggle with ~ で「~と闘う」である。


struggle for ~で「~を求めて闘う」である。ジーニアスによれば、struggle for independence で「独立を求めて闘う」。旺文社によればstruggle for equal right で「平等権を求めて闘う」

名詞も struggle であり、「闘い」「努力」の意味である。

だが、生存競争を a struggle for existence という(旺文社1900にあり。ジーニアス、センチュリーで確認)。

あまり使い分け方ははっきりしないので、慣習に合わせるしかない。

単語集にはないが、権力闘争は a power struggle といったり(ジーニアス)、a struggle for power という(センチュリー)。


endeavor (エンデバー)は動詞で「~しようと努力する」、名詞では「(真剣で継続的な)努力」の意味だが(ジーニアス、センチュリー)、なぜか単語集には、あまり積極的に紹介されてない。endeavor は東京書籍では巻末おくりだし、桐原では5500おくりである。

アメリカの宇宙船の名前でエンデバーというのが昔あったので、特に悪い意味は無いだろう。

しかし、なぜだか、単語集はあまりエンデバーという単語を紹介していない。


動詞として使うときは endeavor to ~(動詞) 「~しようと努力する」

である(東京書籍、桐原、ジーニアス、センチュリー)。


strive という単語があり、これも「努力する」や「闘う」の意味である。桐原だと闘争の意味が書いてないが、東京書籍にきちんとstriveの「奮闘する」が書かれている。

これは比喩的な奮闘ではなく、後述するように名詞形で実際の戦争を扱う。

strive for ~で「~を目指して努力する」または「~を求めて努力する」の意味である。

旺文社1900には動詞 strive の項に、派生の名詞形 strife がスペルと和訳「争い」「不和」だけ紹介されている。

他の単語集には名詞形が書かれていないが、strive には実は派生の名詞形が2つあり、striving と strife である。

辞書にも、strife と strive の関係が書いてないが、明らかにstrife と strive はお互いに派生であろう。少なくとも旺文社1900は 名詞 strife は 動詞 strive の派生だという見解である。辞書のほうが頭悪い。

striving が「努力」の意味。 strife は「紛争」や「不和」など、ぶっそうな意味である。

辞書によると、政治闘争は a political strife である(ジーニアス、センチュリー)。

しかし、ジーニアスによれば、民族紛争などは conflict を使う場合もある。

山川出版の英語版・詳説世界史では自衛隊PKO派遣先の、いわば「紛争地帯」に相当する場所を conflict zone と言っている[43]

一方、センチュリーだと、「その二国間には紛争がある。」There is strife between the two countries.

とある。

ジーニアスによれば、家族紛争を a family strife という。

dispute には、「紛争」「口論」「議論」「意義を唱える」などの広い意味がある(桐原)。「意義を唱える」は旺文社の解釈。

「議論」を訳す場合でも、「議論を戦わす」のように(東京書籍、センチュリー)、意見の対立に主眼が置かれている。センチュリーにいたっては、感情的な対立があるとのニュアンスがあるとまで述べている。

だからか労働争議を a labor dispute ともいう(ジーニアス、センチュリー)。


いっぽう、単に意見や議論を戦わせるだけなら、動詞 tackle である(センチュリー、桐原)。ジーニアスにいたっては、tackle の意味で「戦う」の言葉は使わず、tackle は意見を「論じ合う」だとしている。

センチュリーは、「賃上げ(on a raise)をボスにかけあう」を動詞 tackle としている。文脈は違うが、旺文社でも「予算」がどうのこうのと、tackle で金を話をしている。

動詞としては tackle には「問題に取り組む」という用法もある(桐原、東京)。

典型的な例文は、

tackle the problem 「その問題に取り組む」

である(桐原、東京書籍)。

なお、tackle は、ラグビーなどの名詞「タックル」、動詞「タックルする」と同じ単語でもある。


肉体的な単なる「闘い」「闘う」は fight とか battle で良いだろう。


「不和」については friction 「摩擦」を使うも言い換えもある。物理学の「摩擦」 friction と同じ単語である。

「静止摩擦」は static friction である(旺文社1900の static 項目)。ジーニアス・センチュリーのstatic 項目では見つからなかったが、たしかに静止摩擦は static friction だたはずである。

なお、「静電気」は static electricity である(旺文社1900、ジーニアス static 項目、センチュリー static 項目)。


さて、friction の話題に戻る。東京書籍4500と桐原4500・5500には、friction が載っていない。旺文社1900にだけ friction がある。

外交の「不和」には、friction を使える(ジーニアス、センチュリー)。というか、英語で「貿易摩擦」を trade friction と言う(旺文社)。ジーニアス英和やセンチュリー英和で貿易摩擦を確認したかったが、見つからなかった。辞書でfriction で調べてもtradeで調べても、ジーニアスとセンチュリーでは見当たらない。

和英のほうでジーニアス和英を調べると、「貿易摩擦」は trade friction または trade conflict というとのこと。

外交の不和で strife を使うと戦争の恐れの高い不和だと誤解されかねないだろうから、貿易摩擦のようなお金の問題では friction で十分だろう。


さて、努力について、 effort という名詞があるが、しかしこれは名詞である。

なのでeffortで「努力する」と言いたい場合、東京書籍やジーニアスによれば make an effort のようになる。意外と難しい。

effort to ~(動詞)で「~するための努力」である。

東京書籍にあるが、make a great effort 「大変な努力をする」のように、great などの形容詞がつくこともある。


傾向 tendency, trend, inclination

流れ current , flow

「傾向がある」 tend(動詞), inclined (形容詞),

ミスなど好ましくないことをする傾向がある be liable to ~

その他、好ましくない傾向がある be prone to ~


センチュリー英和を見ると、trend と tendency の違いが説明されている。


tendencyは、たとえばセンチュリーにある「赤ん坊は空腹になると泣くものだ」とか「弱い母音は消失する傾向がある」のように、本来的に、何かのおきる傾向のあること。

trend は「流行」や現在の「趨勢」(すうせい)や「風潮」などの傾向。ジーニアスを見れば「趨勢」や「風潮」の意味も書いてある。

なお、衣服の流行は fashion である(東京書籍3000、桐原3000)。一応、ジーニアスには、衣服だけでなく文学や芸術の流行も fashion ということもあると書いてあるが、しかしセンチュリーは採用していない。

なお、mode も衣服の「流行」の意味であるが、現代では廃れている表現だとジーニアスはいっているし、桐原と東京書籍の単語集に mode は無い。

しかし、旺文社1900にmode があり、「方式」「形態」などの意味である。後述の「携帯」の誤字ではなく、確かに旺文社1900のmodeの項目に「形態」と書いてある。

旺文社1900の単語集は入試準拠なので、おそらく教科書にはないが入試によくある表現なのだろう。総数1900のうちの844番目にmodeがあった。

旺文社1900のいうmode関連の派生表現のひとつで、携帯電話の「マナーモード」は silent mode である。


ほか、物理学の弦の振動などの「モード」もこの単語だったと思うが、辞書には無いので不明(ジーニアスとセンチュリーの両方とも確認したが見つからなかった)。


さて、tendency の話題に戻る。

さきほど trend は「趨勢」や「風潮」だと言ったが、だがジーニアスによると、現在の株価の傾向などで(トレンド trend ではなく) tendency を用いている例文もあり、実際には使い分けは明確ではない。


tendency の動詞形は tend であり、「傾向がある」の意味。というか、動詞 tend の名詞形が tendency である。

tendの意味も、本来的に "~をする傾向がある" という意味での「傾向がある」である。

tend to ~(動詞)「~する傾向がある」の形でよく使われる。


ほかにも、 tendに「世話をする」という意味もあるが、だがこれは、名詞 tender「やさしさ」の動詞形だとみなすべきだろう。

ややこしいことに、動詞 tender は「提出する」「支払う」の意味である。だが単語集に動詞 tender がないので、無視しよう。


一方、trendについて。

センチュリーによれば、「新しい流行」 a new trend とか使う。

東京書籍に the current trend 「現在の流行」という例文もある。

東京書籍によれば、「最近は小型車が売れている」的な意味の流行も trend である。

また、旺文社によれば、「最近は高齢者には運転をやめさせるのが傾向である」というのも trend である。

旺文社の例文を考えれば、和訳が「傾向」であろうが、内容が最近の風潮なので、trendを使うのが正しいわけだ。


形容詞 trendy 「流行の先端を行く」の意味である。


  • 「流れ」

current, flow

flow は「流れる」と言う意味の動詞だが、名詞では川などの「流れ」を言う。

current は、「流れている」という意味の形容詞だが、名詞では「海流」や「電流」などの「流れ」も言う。


川も海流も同じ水の流れなのに、なぜか使い分けをするのである。

東京書籍3000でも桐原3000でも、flowの例文で、川の流れを扱っているので、そういう単語だと納得してもらうしかない。

英語というのは、あまり論理的ではなく、慣習などで使い分けが決まっている部分もある。


東京書籍に書いてあるが、気体の流れも液体の流れも flow である。

普通科高校では習わないが、工業高校などで流量計などの機器を扱う際、その流量計を英語で「フローメータ」などという。また、その計器で測定する流れのことは普通は「フロー」flow と読んでいる。

風の流れや川の流れという言い方ではなく、わざわざ「気体」「液体」と東京書籍が言ってるのは、たぶん、そういう流量計などを見越しての表記だろう。

実際、ジーニアスを見てると、「液体・気体の流出量(流入量)」という意味もかかれている。東京書籍はおそらく英和辞典のflowのこういう意味を参考にしたと思われる。

さらっと「流量計」と言ってしまったが、流体力学では流出量も流入量も区別せず、まとめて「流量」(りゅうりょう)と呼び、それ(つまり「流量」)を flow と言うのである。

実際、ジーニアスでは、たとえば人口の「流入」もflow であるし、センチュリーでは(石油らしき)ガロン単位の液体の「流出」もflow である。

そのほか、お金の「流れ」については、経済学ではカレントもフローもどちらとも使う表現なので、深入りしない。

さらに混乱させるが、discharge 「解放する」・「釈放する」、「解雇する」「解任する」の意味の単語(東京書籍の巻末)にも、実は「流れる」の意味がある(ジーニアス)。「アマゾン川が大西洋に注いでいる」という例文で、discharge を使っており、ここでは flow into と同じだと、ジーニアスは言っている。

煙などの排出も discharge であり、いったい流出なのか流入なのか、はっきりしない。

専門用語などで flow と区別したい場合、discharge を使うこともある。

だから、たとえば流体力学で、理論値と実測値との違いの比率のことを discharge coefficient といい、よく「流量係数」とか「流量係数」とか言う。分野によって和訳が違うので、和訳は気にしなくていい。証拠に英語版ウィキペディアの記事 en:w:discharge coefficient (流出係数)があります。

あと、discharge には名詞の用法もある(ジーニアス)。東京書籍には動詞の用法「解放する」以下略しか書いてない。


そんなことよりも、「解放」「釈放」の意味を、液体の排出などと関連づけて覚えよう。なんか解き放たれて自由に動ける的なイメージが discharge である。

なお、日本でも、よく、解雇や解任のことを、比喩的に「自由の身」みたいとか「長い夏休み」みたいに言います。なので、そこから派生的に、discharge の複数の意味を把握できます。

洋の東西を問わず、人間の言語センスは似たようなもんです。(あるいは、もしかしたら日本人が英語discharge を真似たのかもしれません。)


「頭脳流出」は a brain drain という(旺文社1900、ジーニアス、センチュリー)。ややダジャレっぽい語感もするので真に受けるわけにはいかないが、drainの基本的な意味は「流出する」である。(なお、このように brain には「脳」の意味のほかにも「頭脳」の意味もある(桐原3000)。)

だが drain には、体力などを「消耗させる」という意味もある(旺文社、ジーニアス、センチュリー)。

drain my strength 「体力を消耗させる」

である(センチュリー。ジーニアスに似た例文)。


体力が流出していくイメージか。

台所の「排水口」とかも名詞 drain である。屋内の下水などに向かって流出させる側の台所の排水口が drain である。

その他、排水管が drain である(ジーニアス)。


  • 傾向 tend, inclined

まず、tend は動詞。

inclined (インクラインド)は形容詞。

なので

be inclined to ~(動詞) で「~する傾向がある」

のように使う。inclined to do を使いたい場合、be動詞が必要。


一方、tend は動詞なので、be動詞なしで、

tend to ~(動詞) 「~する傾向がある」

である。名詞形はtendency 「傾向」である。


実は動詞 incline (インクライン)「傾ける」という単語があって、「傾ける」「その気にさせる」の意味である(東京書籍)。

坂(slope)などの物理的な「傾き」やその角度なども 名詞 incline である(ジーニアス)。

桐原は inclined などは紹介していない(桐原4500および桐原5500を確認)。

単語集にはないが、「話を聞こうと耳を傾ける」incline my ear to ~ 、みたいな表現にも incline を使う(センチュリー)。というか、おそらくこの英語表現が先にあって、それに合わせて日本で「傾聴」みたいな表現が生まれた可能性。

また、このように incline には、好意などによって、「関心を向ける」のような意味もある。

このためか、名詞形 inclination (インクリネイション)には「傾向」の意味のほかにも、「好み」の意味もある(旺文社)。

ただし、必ずしも inclination は「好み」とは限らず、たとえば「彼は太りやすい」のような体質や(ジーニアス)、「この車は横滑りしやすい」とか(センチュリー)、そのほか性質や、性向なども inclination である(ジーニアス)。

どちらにせよ、とりあえず inclination の中心的な意味は「傾向」だと覚えておけば問題ないだろう。

単語集にはないが、坂や屋根などの物理的な「傾き」やその傾斜の角度なども inclination という(ジーニアス、センチュリー)。


liable (ライアブル)は、好ましくないことをする傾向や、好ましくない状態になりがちな傾向のある場合に使う(ジーニアス、センチュリーで確認)。なお旺文社では発音注意している。

和訳では liable は単に「~しがちである」と訳す場合があるが(桐原4500、旺文社1900)、「好ましくないことをする傾向」だという条件をしっかりと理解しておこう。、


be liable to ~(動詞の原型)で「~(ミスなどの行動)をしがちである」

のように訳す。

ほか、典型的な例文

be liable to illness 「病気にかかりがちである」(旺文社、ジーニアス)

がある。なおこの場合、to が不定詞ではなく名詞に対する前置詞に変わっている。


なお、「ミスをする」make a mistake

または

make mistakes

である。なお、桐原3000およびジーニアスでは、make a mistake 「間違える」と訳している。

なので、ともかく

be liable to make mistakes 「ミスをする傾向がある」

である(旺文社)。


形容詞 prone (プロウン)は、望ましくないことについて「~の傾向がある」の意味(ジーニアス、センチュリー)。

病気になりやすいとか、怒りやすいとか、そういうのも prone を使える。例文は辞書を見て(著作権の都合)。

単語集には、なぜか、望ましくないことに使う前提が書かれていない(旺文社、東京書籍の巻末)。

だが、辞書には前提が書かれている。

単語集にある典型的な例文は、

be prone to error 「間違いを起こしやすい」

である(旺文社、東京書籍の巻末)。


to は前置詞でもよく、動名詞 to でもよい。つまり、prone to の後ろにくるのは、名詞 でも 動詞の原型 でも良い。

earthquake-prone 「事故多発地域」の意味である(センチュリー、旺文社)。


mistake と error

ジーニアスによると、

mistake は不注意や勘違いによる間違い。

error は、計算の誤りや、裁判の誤審など。

・・・とのこと。


また、センチュリーいわく

「不注意な間違いをする」make a careless mistake

とのこと。

だから mistake は、「勘違い」とか(ジーニアス)、「誤解」「思い違い」とかで(ジーニアス、センチュリー)覚えたほうがいいかもしれない。

mistake を「誤り」「間違い」と訳しても間違いではない(ジーニアス、センチュリー)。そういう訳がジーニアスにもセンチュリーにもある。


現在の

current , present, modern


current は、形容詞「現在の」が入試ではよく出るが、しかし名詞では「流れ」の意味である。

海流とか電流とかの流れにcurrentを使う。

東京書籍およびジーニアスが紹介しているが、「暖流」は a warm current である。

ついでにジーニアスが紹介している「寒流」は a cold current である。


current は、まず名詞「流れ」を覚えるべきであり、形容詞「現在の」はその派生として覚えるのが良いだろう。

ジーニアスで調べた語源でも、「走っている」→「流れている」→「現在通用している」というような意味の変遷らしい。


さて、current 関連の名詞として、単語集にはないが、電流の直流 D.C. とは direct current の略である。

交流 A.C. も Alternating current である(ジーニアスで確認)。


通貨はcurency (カレンシー)である。


単語集にはないが、国際的に安全な通貨のことを経済学ではハードカレンシーといい hard currency と書く。)

「現在の」を意味する形容詞には、current のほかにも present がある。

present は、たとえば英文法の「現在形」や「現在進行形」などの「現在」も present である。

「現在」のpresent と 「贈り物」の present とスペルも発音も同じである。また、「出席している」の形容詞 present と同じ単語である。


present と current のニュアンスの違いは、辞書では特に言及されてないが、current には「流通」や「通用」のような意味合いもあるというところだろうか。


  • 現代

modern と contemporary


なお、modern は、「近代の」「現代の」という意味であり、歴史的なニュアンスで使う。

modern も単語集にあるので、覚えよう。


単語集にないが、たとえば「近代文学」modern literature のように(センチュリーで確認)。なお、「現代」はmodern times という。


桐原4500にあるが、(科目名ではない意味での)「現代社会」は、modern society である。

動詞 modernize は「近代化する」「現代化する」の意味である(東京書籍4500および桐原4500)。


しかし、contemporary という単語も存在し「現代の」という意味であり、しかも、旺文社いわく「現代日本文学」は contemporary Japanese literature である。

東京書籍4500いわく、contemporary と modern の違いは単に、芸術様式の話題では contemporaryが「現代の」の意味で使われるとのこと。

だからか、東京書籍・桐原・旺文社の3つともすべてに単語 contemporary art 「現代美術」がある。


その他、contemporary には「同時代の」と言う意味もあり、東京書籍いわく、「ピカソとダリは同時代の人」という内容で、語法 be contemporary with ~ を使っている。


  • temporary

temporary は「一時的な」の意味の形容詞。

典型的な例文が

「一時的な仕事」 a temporary job

である(東京書籍、旺文社)。

なお、ジーニアスとセンチュリーでは、同じ a temporary job を「臨時の仕事」と訳している。

対義語は permanent である。

つまり、

temporary ⇔ permanent

である。

なお、いわゆる「アルバイト」は、英語で part-time job である(ジーニアス和英「アルバイト」で確認)。side job ともいう(ジーニアス和英)。

日本語の「パート主婦」のような、勤務時間の短い意味合いは、英語のpart time jobには無い。

そもそもアルバイトはドイツ語に由来する言い回しだし、しかもドイツ語では「仕事」という意味らしい(本書は英語の教科書なのでドイツ語には深入りしない)。


「永久歯」を permanent teeth という(ジーニアス、東京書籍)。

東京書籍いわく、「終身雇用」を a permanent job というとの事だが、しかしジーニアス英和やセンチュリー英和では確認できなかった。



強制

force, enforce, compel , oblige

義務

duty


辞書によくあるcompel の典型的な例文が「病気のため仕方なく~せざるを得なかった」的な例文。こういうときにcompelを使うようである。

辞書によると、compel はforce よりも意味が弱く、oblige (オブライジ)よりも意味が強い、


普通、oblige (オブライジ)は「義務づける」と訳す。

単語集にはないが、思想の用語で「高貴たる者の義務と責任」と言う(英語ではなく)フランス語で noblesse oblige ノブレス・オブリジュ という単語があり、社会的エリートが兼ね備えるべき義務感のことを言う。



さて、英語では、名詞形 obligation が「義務」の意味。センチュリー英和で確認したが、法律的な「義務」も、道徳的な「義務」も obligation である。


桐原4500では obligationの意味に「義理」を加えて、「義務」「義理」がobligation だとしている。

旺文社1900では、 obligationの意味に「責任」を加えて、「義務」「責任」がobligation だとしている。まあ、「高貴なる者の義務と責任」が世界各国エリートの基礎教養なので、知的な英文ではそういうニュアンスで obligation が使われることも多いのだろう。

東京書籍4500 には、oblige の紹介は無い。

force は「強制する」の意味。

さて、「軍隊」「武力」も force である。

軍隊によって「~が強制された」という場合、どうすればいいのだろうか?

桐原4500では、force「強制する」の例文での「軍隊」を troop という単語で表現して、forceの同音意義語の問題をうまく回避している。

桐原の例文が「政府軍が反乱軍に降伏することを強制した。」と言う例文である。

なお「政府軍」は the government troops である。

反乱軍は the rebels である。「降伏すること」は to surrender である。


troop とか rebel とか、索引に無い単語ばかりである。


enforce は、強制一般の意味もあるが、法律によって強制する、というニュアンスがあり、例文もそういうのが多い。だがラグビーでエンフォースという用語がある。ラグビーの説明はしたくないので説明は省略。

センチュリーの英語によると、警察が市民に法を強制したりするのが enforce である。

桐原4500によると、法律を施行するのが enforce である。警官が法律を守らせる場合も、the police enforces the law のように、目的語は法律になる。

旺文社1900および東京書籍4500にも、似たような警官と法律の enforce 例文がある。


こういう事情もあってか、旺文社は1900はenforceの意味を「施行する」「実施する」としている。

桐原は、enforceの意味を「施行する」「遵守させる」としている。


なお、死刑執行で誰かを「処刑する」のは英語で execute (イクセキュート)である。

「死刑執行」「処刑」は execution である(桐原5500で「死刑執行」、旺文社1900)。

execute には、計画・命令などを実行したり、仕事を「成し遂げる」などの意味もある(ジーニアス、センチュリー)。ジーニアスによると「最後までやる」が原義のほうの意味とのこと。

処刑の意味は、処刑で「片付ける」的なニュアンスだろうか(特に言及されてはいない)。

summary execution で「即決処刑」である(ジーニアス)。 要約を意味する単語 summary には、形容詞として「略式の」という意味もある。


計画などの実行で使われるといっても、ただし、こういう固い語なので、技術の必要な難しい計画などの実行で使われるのが普通である(ジーニアス)。

また、このことからか、企業の重役のことをエグゼクティブ executive ともいう(旺文社、桐原5500)。executive には名詞「重役」の意味のほか、形容詞「経営上の」「行政杖の」などの意味もある(旺文社、桐原5500、ジーニアス、センチュリー)。

さて、「義務」「強制」概念の話にもどる。

義務教育も法律で強制されているが、しかし旺文社の例文によると、義務教育には oblige を使っている。

センチュリーを読んでたら、未成年の子供が起こした事故の弁償も oblige である。

桐原だと「大臣は半年に一度、報告書を提出することを義務づけられていた。」の義務づけが was obliged to send in a report である。

まあ、大臣はエリートだからだろう。

センチュリーで「世論の批判のため引退を余儀なくされた」の「余儀なく」もoblige である。まあ政治家という、国家権力者の一員たるものの義務と責任的な意味合いだろう。

しかし東京書籍4500は、compel の例文で「世論が大臣を辞職に追い込んだ。」を 使っており、センチュリーに反している。 まあ、とくに統一的な用法は無いのだろう。

なお桐原は、「その法律が雇い主に、(※ 社員の)健康保険を掛けることを強いる」をcompel としている。「(※ )」内はwikiでの追記。

単語集にはないが辞書によくある典型的な例文が、病気で「~を余儀なくされる」をcompelで表現することである。

センチュリー風に He was compelled by illness to ~なら「彼は病気で~を余儀なくされた」である。

ジーニアス風に His illness compelled him to ~ なら、直訳すれば「病気が彼に~することを余儀なくさせた」だが、無生物主語の和訳が高校の授業で嫌われるので、「彼は病気で」と訳す。英文学とかだと無生物の主語とか普通にあると思うし、普通の日本語でも文学・文芸でなくとも「病気が彼に~を余儀なくさせた」とか通じると思うし、なのに、かたくなに無生物主語の和訳を認めない高校英語教師や塾講師などはどういう了見なのだろうか。理解しがたい。


ジーニアスは、本人の納得の上で余儀なくされる場合を oblige といい、そうでない場合つまり「本人の意思に反してさせる場合はforce や make を用いる」としている。

しかし、ジーニアスの例文では、税金を払う義務も oblige としている。

判断基準が不明である。

やはり、高貴たる者の義務と責任を基準に考えるのが良いだろう。


  • 義務

duty, obligation

「義務」「義理」は英語で duty である。ジーニアスで確認したところ「義理」の意味もある。


on duty で「勤務時間中で」。

off duty で「勤務時間外で」


duty は、職務上の義務でも使われるが、道徳的な義務でも使われる。

その他、duty に「関税」の意味あり。桐原4500によれば、「ワインの関税」 duty on wine である。「免税店」は duty-off shop である。

obligation との違いとして、ジーニアスは obligation は「外的な事情から生じる義務」としているが、どうだろうか。ノブレス・オブリジとか、そうではないと思うが。


そう覚えるよりも do one's(myなど) duty で「~の義務を果たす」などの慣用表現で覚えるほうがよいと思う。なお、東京書籍4500と旺文社1900に、例文中に do one's duty がある。

obligation にはそういう平易な慣用表現は無いと思うので。



「分類する」

sort, classify

「分類する」の使い分けは、あまりハッキリしない。

単語集の例文などを見ると、どうやら書店や図書館などで書籍を「分類する」は classify を使っているようだ。

旺文社では「本は作家の名前によって分類されている。」 The books are classified according to the author's name.

東京書籍では「本はテーマによって分類されている。」 The books are classified according to subject.

である。

ジーニアスでも、受動形でなく能動形でだが図書館での本の分類に classify を用いている。


なお、(英和ではなく和英辞典の)ジーニアス和英によると、ごみの「分別」は separate である。


sort には名詞で「種類」という意味もあり、ほぼ、「種類」の意味での kind と似た意味である。

a kind of ~ 「~の一種」の代わりに、a sort of ~ で「~の一種」と言う場合もある。

しかし、別の用法で sort of で「多少の」「いくらかの」という意味もあるので、文脈から判断すること。

class には「等級」と言う意味もあるので、「等級づけをする」なら classify のほうが望ましいだろう。


余談だが、classify には「機密の」の意味があって、旺文社1900で document を見ると、

leak classified document 「機密文書を漏洩する」

という例文もある。

動詞 leak は、液体や秘密などが「漏れる」とか「漏らす」の意味。東京書籍と桐原の3000語レベルにも4500語レベルにも書いてない。桐原5500に書いてある。 桐原5500の例文は秘密を「漏らす」ほうの内容。

なお、文書ではなく情報の「機密情報」については旺文社 leak を見ると、 a secret information と言っている。

桐原4500では、「機密情報」を confidential information と言っている(桐原4500のmake関係の熟語のmake use of ~ の項目)。


2010年にWikiリークという、各国政府などの機密情報をネット公開する海外サイトが世界的に話題になったからか、単語集では leak の例文が機密の漏洩ばかり。だが、もちろん液体などが漏れる場合にも普通に leak は使われる。

なお、wikibooksなど当wikiプロジェクトは、wikiリークとは全く別の組織。「wiki」とはソフト名の一種なので、まったく別の組織でも、wikiソフトを使っていると組織名がwikiなんとかと、似たような名称になることもある。

なおleakの名詞形は leakage であり、「漏れ」「漏出」「漏洩」の意味(旺文社1900)。だが、単語 leak 自体でも名詞の意味もあり、同じような「漏れ」という意味(桐原5500)。


「秘密」については、secret や classify の他に、confidence (カーンフィデンス)という単語もある。


だが、このconfidence は意味が「信頼」「自信」「確信」「秘密」と幅広い。

「信頼」と「自信」と「確信」については和訳でも同じ「信」の文字があるから、まあ連想できるとして(信頼の対象が自己になれば「自信」。「確信」とは、信じている自分への自信。など)、問題は「秘密」である。

信頼しあっている間柄での秘密、的なイメージで覚えるのが良いだろう。


形容詞 confidential の意味なら「内密の」というのがセンチュリー和英にもある。

だが、名詞の「秘密」のことを「内密」とは言わないので、confidence は「秘密」と訳すしかない。辞書もそうなっている。

ジーニアスによれば、「秘密文書」は confidential documents とのこと。



確認

check, confirm , confident

check が「チェックする」である。


英語のチェック check はいろんな意味で使われ、意外と難しいので、日本語でそのまま「チェックする」と意味を覚えてしまうのが良い。東京書籍1800の単語集を見ても、checkの意味の説明で「チェックする」とそのまま書いてある。

check は「確認する」ことにも使われるし、確認したことを証拠に残すためのチェックマーク( ✓ )の記述にも使われるし、「点検する」ことにも使われるし、「照合する」にも使われるし、チェスの王手(いわゆるチェックメイト)にも使われる。このように意外と難しいからか、桐原4500では4500レベルとしてcheckを紹介している。

confirm が「確認する」「身元を証明する」である。(東京書籍4500)


チェックについては、チェックリスト check list が英語にもあることを知るべきだろうか。


工場労働など屋内での社会人の点検業務では、可能なかぎり、忘れのないように点検内容を一覧表の list リストにして、それにチェックマーク( ✓ )を入れることで漏らさずにチェックをするという方法がある。

なお、チェックマークを入れるための視覚欄(大きめな □ )のことを、チェックボックス check box といい、これも英語にある(ジーニアスで確認)。

こういうチェックリストやチェックボックスの存在を知っていれば、check の「点検する」や「照合する」の意味も覚えやすいだろう。 語学の勉強というのは、こういうふうに英語以外のビジネス知識なども必要なのである。

checkを「チェックする」と覚えればいいと言ったものの、ただし上述のチェックボックスやチェックリストのように、仕事でも知的な仕事なら check という英語は使うので、覚えておく必要があるだろう。


桐原4500では、「医者が患者の血圧を調べる」という内容の例文でチェック check を使っている。check はそういう専門性の高い用途にも耐えうる単語でもある。

ほか、小切手も check といい、同じスペルだが、説明を省略する。ホテルなどのチェックイン check in , チェックアウト check out も同じ単語だが、説明を省略する。


IT系でも、よく会員制webサイトの登録画面などで説明書きを読んだか確認するためのチェックボックスが、海外サイトではよく使われる。


社会人になって就職するなどして、品質検査の方法などを習っていないので、あまり「チェックとは何か?」とか深入りしても、埒(らち)が あかない。


confirm は、高校生には馴染みがないかもしれないが、IT系では意外とよく、会員制webサイトのパスワード登録の画面などとして、海外サイトではよく使われる。

身元証明の典型的な例文で、誰々の「身元を証明する」という例文があり、

たとえば東京書籍4500では

「彼女の身元を証明する」confirm her identity

がある。

旺文社の例文を少し改造して(「郵便局員が私の身元を確認した」という内容)、「彼が私の身元を確認した」なら He confirmed my identity

となるだろう。


「裏づける」の典型な例文が、裁判などでの「新たな証拠が彼の話を裏づけた」であり、東京書籍によれば、

「新たな証拠が彼の話を裏づけた」 The new evidence confirmed his story. である。

桐原4500にも、現在完了形であるが、ほぼ同じ英文がある。


confirm の名詞形は confirmation である。旺文社1900にだけ紹介されている(桐原4500と東京書籍4500はconfirmationを紹介していない)。


confident については、別の項目で説明した。confidence は意味が「信頼」「自信」「確信」「秘密」と幅広い。 単語集に共通の例文が見当たらないので、辞書などを購入して読んでほしい。


  • 検査

なお、和英辞典で「検査」を見ると、testやinspectなど色々な単語がある。

testはどちらかというと「試験」である。

血液検査が blood test であり、聴力検査が hearing test だし、日本語では「検査」でも英語では test だったりする場合もある。

「テスト」と聞いて、日本の学校の学力試験しか思いつかないのなら、改めよう。英語では普通に、医療や工業などの検査でも test は使われるからである。


inspect は、査察官や検閲官をinsepector と言うので、そういうニュアンスもあるので、検閲・査察のニュアンスが強く、日本の「検査」には1対1には対応しない。

東京書籍と桐原の単語集には inspect がないので、気にしなくていい。米英の行政の事情を知らないと inspector などは理解できないだろう。日本の高校生には不要な知識であろう。inspector という、そういう高校で習わない行政用語があるという事だけを知っておけば十分だろう。

なお、実は旺文社1900に inspect と inspector がある。inspector には「検査官」の意味のほか、「警部」の意味もあるとのこと。

だが、そもそも、英語の文脈においける「警部」とは何かという問題がある。ジーニアスでinspectorを見ると、米では「警視正」、英では「警部」とのこと。まあ、警察組織の現場職での上のほうの人、ぐらいの意味だろうか。


なお、「捜査員」は investigator である。これだけだと難しそうだが、米国のFBIこと「連邦捜査局」が the Federal Bureau Investigation である(旺文社)。

「捜査する」は investigate である。

典型的な例文が

「警察がその殺人事件を捜査している。」 The police are investigating the murder.

である(桐原、ジーニアス)。

なお、federal (フェデラル)は形容詞としては「連邦の」という意味であり、名詞としては「連邦」の意味である(ジー二アス)。


もうひとつの典型的な例文が、

「警察がその自動車事故の原因を調査している。」 The police are investigating the cause of the car accident.

である(東京書籍、センチュリー)。事故なので、捜査ではなく「調査」。東京書籍でも「調査」になっているし、センチュリーでは「調べている」としている。


なお、「探偵」と「刑事」は detective である。英語では、「探偵」と「刑事」が同じ単語なのである。

動詞 detect の意味は、東京書籍いわく、何か見つけづらいものを「探知」「発見する」などの意味である。センチュリーいわく、隠されているものや悪事などを見つける場合に使うことが多いとのこと。


単語集にはないが、「探知機」が detector である(ジーニアスで確認できる)。ジーニアスいわく、金属探知機は a metal detector である。

この例のように、 detect で発見するのは別に犯罪事件の犯人でなくてもよく、たとえば桐原の例文では病院でのガン(癌) cancer を「発見する」ことを detect としている。

センチュリーいわく「ガス漏れを見つける」は detect a gas leak である。


センチュリーいわく、嘘を見破るのも detect である。東京書籍いわく、「スパイを見破る」は detect a spy とのこと。


locate という「位置する」と言う意味の動詞がある。名詞形 location が「位置」 の意味である。

この locate には、なにかの場所を「突き止める」という意味もある。

東京書籍が detect の単語の次に、locateの例文で「アジトを突き止める」を紹介しているが、著作権の都合があるので本ページでは紹介しない。

なお、アジトは a safe house である(東京書籍)。またアジトとは、犯罪組織や反乱組織などの「隠れ家」のこと。


なお、「隠れる」は hide である。

太陽が雲に「隠れる」みたいな平和的な「隠れる」も、犯人が「隠れる」も、 hide である(センチュリーで確認)。

「太陽が雲に隠れる」 The sun is hidden by clouds

である(ジーニアスとセンチュリーに、ほぼ同じ例文)。

なお、「隠れ家」「隠れ場所」には、hide-out という言い方もある(ジーニアスいわく「隠れ場所」)。旺文社では hide-out を「隠れ家」「潜伏場所」と紹介。

hide の活用は

hide - hid - hidden/hid

である。


さて、conceal という、「隠す」という意味の単語があり、物や秘密を「隠す」場合に使われる。

辞書を見た限り、conceal には、人が隠れるような用法はない。

単語集を見ると、conceal の例文で、感情を「隠す」ような例文もあれば(旺文社)、爆弾が「隠されていた」という例文もある(桐原)。


隠された秘密を「暴く」のは

reveal や uncover がある。


暴露(ばくろ)

reveal, uncover, disclose


reveal は、意図的に秘密を暴いた場合のほかにも、不注意などで秘密が漏れた場合にも用いる。旺文社の例文も秘密が漏れた場合である。

名詞形 revelation である。

よくある例文は、

「真相を明らかにする」 reveal the truth

である(東京書籍に和訳・英文とも同じ文。センチュリーでは「真相を漏らす」と訳)。


そのほか、単語集にはないが、物理的に隠れているなどして見えなかったものが見えるよう現れる事も reveal というが、単語集にないので無視する。


なお、光や危険などに「暴露する」ことは expose である(桐原)。

暴露(ばくろ)は「ばくろ」と読む。「ぼうろ」(×)ではない。


disclose

意図的に秘密を暴いたり、あるいは自分や自組織の秘密を公表したりする場合は、 disclose のほうが適切かもしれない。

固い言い回しなので、暴露や公表や自白などの対象となる秘密は、たとえばセンチュリーでは「彼はスパイであったこと」だとか、「その男の正体」だとか、 あるいはジーニアスでは「真実を新聞に暴露する」とか、なんかそんな感じの秘密ばかりである。


名詞形「公開」「暴露」は disclosure である。

「情報公開」は disclosure of information である(ジーニアス、旺文社)。

東京書籍4500および桐原4500には disclose が無い。


uncover

「真相を明らかにする」 uncover the truth

のように使う(東京書籍)。桐原4500には例文なし。東京書籍は巻末おくりなので、解説なし。

uncover の語源は、見れば分かると思うが「カバーを取る」である(ジーニアスで確認)。

なので、単語集にはないが、容器などの「フタを取る」も uncover である(ジーニアス、センチュリーで確認)。

そして単語集(旺文社)にあるが、遺跡などを発掘するのも uncover である(旺文社)。遺跡を埋めている土などをフタに見立てて覚えよう。



不安

anxiety, alarm

恐怖 fear、 horror


警報 alarm

警戒 alert

警告 warning, caution


旺文社1900によると、alarm の出題番号が549 で、alarm が「不安」「恐れ」を第一義で紹介されており、anxiety (「不安」「心配」)の形容詞 anxious の583番よりも alarm のほうが早い。

勘弁してほしい。

まずalarm は普通、警報器のことである。実際、東京書籍3000では、alarm は「警報器」「目覚まし時計」の意味でしか紹介していない。

桐原4500ですら、「驚き」「恐怖」の意味を紹介しているが、しかしalarmの第一義はあくまで「警報(器)」というのが桐原のスタンスである。


とはいえ、旺文社は大学入試の出題順に紹介しているだけである。つまり、日本の大学入試がロクでもないのだろう。

なお、ジーニアスによると、alarm の第一義は「驚き」「恐怖」である。なお、語源はイタリア語の「武器を取れ」all'armeである。

なるほど、alarm アラームの語尾 -arm が「武器」 arm と同じわけである。

現代では、普通、「驚いた」は be surprised at などを使うだろう。

どうしても「驚き」「恐怖」の意味で使いたいなら、死の恐怖のある文脈で使うと、頭良さそうに見えると思う。

ジーニアスの例文でも、「シカは驚いて逃げていった」の例文で in alarm という用法を使っている。狩人や肉食動物などによる死の恐怖を感じたシカ的な用法。

しかし、ジーニアスによれば、恐怖の意味での alarm は「fear より固い語」である。


fear (フィエア)は「恐怖」「不安」である。まずfear は「恐怖」で覚えよう。4500語レベルではなく、桐原3000と旺文社1400にfearはある。あと東京書籍4500。

典型的な例文が、「高所恐怖症です」であり、ジーニアスと東京書籍にそういう例文がある。

I have a fear of heights. 「私は高所恐怖症だ。」

である。

単語集にはないが、辞書によくある例文が「恐怖で顔が真っ青になる」であり、

turn pale with fear 「恐怖で顔が真っ青になる」

である。センチュリーが pale (ぺイル)である。

ジーニアスだと、white を使い、

turn white with fear 「恐怖で顔が真っ青になる」

である。

なお、形容詞 fearful で「恐ろしい」「恐れている」の意味。


なお、horror で、戦場での死の恐怖も表現できる。日本語の「ホラー」のような幽霊やら悪魔などのオカルト限定のような制限は無い。


fear とスペルの似ている fare(フェア) は「運賃」「なりゆき」であり、意味がまったく違う。

ほか、スポーツの「フェアプレーの精神」などの意味の「フェア」は fair であり、スペルがまったく違う。なお、この形容詞 fairは「公平な」の意味である(桐原4500など)。


商店の安売りなどの「フェア」は、「お祭り」という意味の 名詞 fair であり、フェアプレーの単語とは同音異義語である(桐原4500)。ジーニアスによると、英語以外の言語に feria (フェリア?)という「祭日」を意味する単語があるらしい。商店の安売りの他、ジーニアスによれば「博覧会」や「見本市」も fair である。


米国の外交問題についての専門雑誌で「Foreign Affairs」というのがあるが、affair (アフェアー)とは「出来事」「関心ごと」の意味である。affair は別に恐怖とは関係ない。「Foreign Affairs」は戦争の話題が多い雑誌だが、しかし雑誌名は「恐怖」とは全く関係ないので誤解しないよう。


なお、ジーニアス和英の affair の項目によると、「時事問題」は current affairs である。

「浮気」とか「不倫」とかも affair と言う。恋愛雑誌やらで時々「アフェア」とか言う単語があるのは、この意味だろう。

なお、「外交」を一言でいうと diplomacy (ディプロウマシ)である(桐原4500など)。「外交官」が diplomat である。形容詞 diplomatic は「外交の」である。


さて、「警報器」alarm の典型的な例文が

「火災警報器」 a fire alarm

である。これは東京書籍も桐原も紹介している。


なお、スペルの似ているアラート alert は、alert は名詞では「警報」「警戒」の意味だが、形容詞では「警戒している」の意味がある。(桐原5500、旺文社1900)

また、形容詞でalert は「油断しない」の意味もある(東京書籍4500)。


単語集の「警戒している」の例文では、よく警察官や兵士などの警戒が出てくる。

警察官の場合なら、

The police officer is alert ・・・

で、「警察官は警戒している」の意味になる。

つまり、

~(人) be alert

の語順になる。


warning は「警告」である。翻訳の都合で「警報」と訳したほうが自然な場合もあるが、warning の意味としてまず第一に覚えるべきは「警告」である。

東京書籍で「洪水」 flood を見ると、「洪水警報」 flood warning がある。辞書 warning では確認できなかったが(ジーニアスとセンチュリーで、warningとfloodの両方を確認)、しかしセンチュリーいわく「空襲警報」が air-raid warning なので、たぶん洪水警報も合っているのだろう。

warn は「警告する」であり、医師が患者に「酒を飲みすぎないように警告する」とか(センチュリー)、嵐の接近を警告するとか(センチュリーとか)、そういうニュアンスである。

warn ◯◯(人) of ~ で「◯◯(人)に~を警告する」である。

記法を変えれば、

warn A of B 「BについてAに警告する」

です(桐原、旺文社、東京書籍)。


東京書籍が紹介していますが、

warn me of the enemy 「敵がいるぞと私に警告する」

です。

なお桐原は、喫煙の危険性(risk)を警告する例文です。ジーニアスは、旅路か何かの危険(danger )を警告する例文です。危険という概念で統一的に説明できそうですが、直接的に言い回しを覚えたほうが早いでしょう。


of はよく「~の」と中学で教わりますが、それだと意味が通りません。

さて、inform 「(情報などを)知らせる」という単語にも、

inform A of B 「BについてAに知らせる」

という語法があります。

桐原が

inform him of the result 「彼に結果を知らせる」

のような例文を紹介しています。


なお、典型例の言い回しは、

Please inform me of the change in ~ 「~の変更を私に知らせてくれ」

です(旺文社、センチュリー)。


ともかく、warn A of B は inform A of B と関連づけて覚えましょう。

桐原がそういう覚え方を進めています(warn と inform を同一ページで教えている)。

ただし、東京書籍のようなcrisis (危機)など関連語の紹介は、桐原では同一ページにないですが。どの単語集も、一長一短です。

なお、東京書籍3000には、なんと inform の項目がありません。information はあるのですが。

なお、information は数えられない名詞なので複数形が無いので、「2つの情報」は two pieces of information と表す。「ひとつの情報」は a piece of information です(東京書籍3000)。


桐原は、remind A of B(思い出させる) や convince A of B(納得させる、確信させる) や inform A of B と warn A of B や suspect A of B (疑う)などをまとめて、

「関連の of」という概念を提唱しています。


ただ、そう解釈しなくても、

このうち、「警告する」warn と「思い出させる」remind も情報提供の一種ですので、

「情報提供の of 」とでも言える概念で、

remind A of B と inform A of B と warn A of B をまとめられます。


だとすると、暗記するのは残りの

convince A of B (Bを納得/確信させる)と suspect A of B (B(容疑など)の疑いをかける)だけに減らせます。


このうち、 convince は、他人に何かの納得をさせる際に、説得などの情報提供が行われるでしょうから、広い意味での「情報提供の of 」と言えるかもしれません。暗記の負担がこれで減ります。

だとすると、残りは suspect A of B 「AにBの疑いをかける」です。

この場合、なんの情報提供もしていません。

また、of B の部分は形容詞的な意味です。

made of ~ で、「~を材料に作る」とかの意味であり、完成品を一目で見て材料が分かるなら made of です。

材料が、完成品を一目みてもわからない場合は made from ~ です。


この suspect A of B と made of B の共通する「of B」で、「性質の of」とかの概念を考えてもいいかもしれません(英語学でどうかは知りません。自己責任で)。

ほか、英文法で、「It is 形容詞 of 人」と「It is 形容詞 for 人」の使い分けなどがあります。人の性質を言う場合は「of 人」です。これから類推する方法もあるかもしれません。


まあ、最終的には suspect A of B 「AにBの疑いをかける」を直接的に覚えるしかありません。


warn ◯◯(人) against ~ing で「◯◯(人)に~しないように警告する」である。

たとえば、よくある例文が、「彼は道路を横断しないように私に警告した」(ジーニアス)あるいは川を渡らないように私に警告した(東京書籍)、であり、

He warned me of against crossing the river. 「彼は川を渡らないように私に警告した」

である。


動詞および名詞の caution は、動詞としては、たとえば医者などが肝硬変の患者に「酒を飲むな」と注意・警告するときの「注意する」「警告する」が caution である(桐原5500)。東京書籍4500の例文も、薬の取扱いの注意を caution としている例文。

ただし、辞書では、警察などの警告・注意もcautionである。このため、warningとの区別は、なかなか難しい。

ジーニアスが言うには、cautionのほうがwarningよりも軽いとのこと。


形容詞 anxious (アンクシャス)は「心配している」「不安に思っている」である。


be anxious about ~ で「~を心配している」である。

He is anxious about ~ なら「彼は~を心配している」である。

よくある例文が、「彼は試験の結果を心配している」であり、東京書籍とジーニアスにそれに似た例文がある、

He was anxious about the result of exam. 「彼は試験の結果を心配している。」

となろう。(wikiオリジナル)

ジーニアスだと、母親視点の「息子のテスト」だが、まあこういう例文がよくる。


be anxious for ~ は「~を切望している」である。

桐原の「新しいコピー機が欲しくてたまらない」なら be anxious for new copy machine である。

ジーニアスだと(私は)「新しいコンピュータが欲しかった」なので、

I was anxious for a new computer. 「新しいコンピュータが欲しかった。」(※ ジーニアスanxious例文から引用)

である。


名詞形 anxiety で「不安」「心配」「切望」である。東京書籍4500には「切望」が書いてないが、しかし桐原4500と旺文社1900には切望が書いてある。

なお、 eager (イーガー) は「熱望している」である。切望 anxious とは、ややニュアンスが違う。


武器・兵器

weapon, arm


大量破壊兵器は weapons of mass destruction であり、略称は WMD である(桐原4500、旺文社1900、ジー二アス)。

また、核兵器は nuclear weapons である(桐原4500、旺文社1900、東京書籍、ジー二アス)。

だいたい、arms だと、「腕」(うで)と まぎらわしい。

兵器には、なるべく weapon を使うのが無難だろう。

なお、動植物の角(つの)や爪(つめ)や刺(とげ)なども、weapon である(ジー二アス)。

weapon は、日本では「兵器」と訳される場合が多いが、しかし英語では weapon は広く攻撃のための道具を表す用語である。


単語集にはないが、山川の英語版・世界史にあった単語で、

rearmament が「再軍備」である(ジーニアス)。ナチスによるドイツの「再軍備」みたいな文脈で rearmament を使える。

ほか、disarmament が「軍縮」である。啓林館 Vision Quest I(P.111) が「軍縮」disarmament を紹介しています。


なお、名詞 army は「陸軍」「軍隊」の意味です(桐原3000、旺文社1400(緑)、東京書籍4500)。

「海軍」は navy (ネイビー)です(東京書籍、桐原)。

「空軍」は air force です(東京書籍、桐原)。

「軍事の」は military です(東京書籍、桐原)。


陸軍と海軍も空軍もまとめて「軍隊」と言いたい場合、army だと陸軍とまぎらわしいので、military force という場合もあります(東京書籍)。

ただし、「軍事力」も military force です(桐原)。

このため、翻訳などの際は、文脈にあわせて、うまく訳してください。


軍「隊」との混同を嫌ってか、単語を power を使って「軍事力」は military power という用法もある(ジーニアス military、センチュリー power)。

ほか、「軍隊」を the armed forces と言ってもいい(桐原、forces )


「兵士」は soldier (ソルジャー)です(東京書籍、桐原)。

東京書籍いわく、さらに「将校」(しょうこう)は officer (オフィサー)です。


とはいえ、「将校」(しょうこう)と言っても、何のことだか分からないのが普通の高校生でしょう。

軍隊の上層部や、将来的にそうなる見込みの高い軍隊の大学を出た軍人や、あるいは同程度に一定以上の階級の高い指揮官のことを、将校と言います。

最下級の階級である兵士は当然、将校ではないです。

「兵士長」とか「軍曹」とかの現場の下の方の中間管理職も、ふつうは将校とは言わないです。ただし、文脈によっては、「軍曹」なども将校という場合があるかもしれません。

『「将校」という単語くらい知っとけや。日本史の勉強すれば出てくるんだからさ~』というのが、東京書籍の心のさけびでしょうか。

戦後の自衛隊ではあまり「将校」とは聞かなくなりましたが、海外の軍隊の説明だと今でも使います。

戦前でも、よく二・二六事件とかで「青年将校」がどうのこうの、という解説を読みます。こういう英語を知っていると、英語力だけでなく日本史などの知識も披露できて、頭よさそうに見えます。


桐原いわく「兵役」(へいえき)は military service です。

「英語を勉強するなら、こんくらい知っておけや」という桐原の心のさけびです。

まず、諸外国でもヨーロッパなどで今でも徴兵制、つまり兵役があります。2020年代でも、スイス、オーストリアは徴兵制があります。


ここでいう service とは、公共の下僕のような意味もあるかと思います。

たとえば「召使い」は英語で servant (サーバント)ですが、なんと単語集に書いていません。

桐原の単語周いわく、serve は「仕える」とか「提供する」とかの意味です(桐原4500)。

今ではネットのサーバー server とか、派生の名詞が使われています(ジーニアス、センチュリー)。


ただし、ネットの情報提供については、「プロバイダー業者」などというように provide が「(情報などを)提供する」の意味で好んで使われる場合もあります(桐原)。

交通インフラや電力インフラなどの公共インフラなどの提供も service です(ジーニアス)。慈善事業も service です(センチュリー)。

「兵役」(へいえき)は military service を覚えるときも、そういうのと関連づけて覚えましょう。


安売り・特売

フェア、セール、バザール

sale のみ高校英語


商店の安売りなどの「フェア」は、「お祭り」という意味の fair であり、フェアプレーの単語とは同音異義語である。ジーニアスによると、英語以外の言語に feria (フェリア?)という「祭日」を意味する単語があるらしい。商店の安売りの他、ジーニアスによれば「博覧会」や「見本市」も fair である。

なお、セールは英語でも sale で「安売り」(桐原3000、東京書籍3000)や「特売」(旺文社1200)や「バーゲンセール」(東京書籍3000)の意味がある。sell とは別に、sale (セール)「販売」という単語がある(東京書籍3000、桐原3000)。

なお、セールスポイントは英語で selling point である(旺文社1200(黄色)、ジー二アスで確認)。

セールスポイントは和製英語。


なお、単語集にはないが、セールスマン(販売員)は英語でも salesman であるが、男女平等の観点から salesperson という表現が米英では好まれるだろう(ジー二アス)。

salesman は、外交販売員(日本でいう「セールスマン」)にも使われるが、英語では単なる店員も salesman で表せる。

複数形 sales で「売り上げ高」の意味もある(桐原3000)。なお桐原では「売上高」3文字ではなく「売り上げ高」5文字の表記。


単語集にはないだろうが、バザーとの違いについて触れる。

ジーニアスによると、英語の bazaar は、慈善などの目的のために特別に催される市場である。だから教会などがバザーするわけである。しかし、イランなど中東の商店街のことも bazaar である。英語の単なる「雑貨屋」のことも bazaar という。

バザーを「安売り祭り」みたいな意味で使うのは、どうやら和製のようだ。

啓林館 Vision quest( P.62 )で、ディスカウント discount 「値引き」、バーゲン bargain 「お買い得品」などが紹介されていました。


必要不可欠


不可欠な

essential, vital, indispensable


必要な

necessary

搾る squeeze, extract


搾取する squeeze, exploit


桐原4500に vital の意味は「生命の」とあるので、まずこれで覚えよう。

また桐原4500いわく、vitality の意味は「生命力」である。

入試では vital の他の意味の「不可欠だ」「活気のある」などが問われるかも知れないが、まずはvitalの単語のイメージが生命力であることをつかもう。

vial → 「生命に必要」→「不可欠」という連想、

および

vital → 「生命力にあふれる」→「活気のある」という連想、

で覚えれば、暗鬼の負担が減るだろう。


旺文社1900の例文で、「防衛戦略が国家の安全保障にとって不可欠だ」という例文で「不可欠」を vital としている例文がある。

これだって、「国家の生存に必要」→「国防に不可欠」みたいなイメージで把握できるだろう。


なお、桐原4500は「自転車が生活に不可欠」で不可欠がvital、東京書籍4500は「外国語が教育に不可欠」で不可欠がvital、という内容。

ともかく、vital は「活気のある」という意味もあるが、「生命の」とか「不可欠な」のような意味もある。

別の単語の話をする。

もし、単に「活気のある」「元気はつらつな」と言いたい場合は、形容詞 vigorous (ビゴラス)という単語でも一応は表現できる。東京書籍は「活発な」「力強い」と紹介しており、「活発な運動」 vigorous exercise という例文がある(東京書籍4500巻末)。ただ、辞書で 名詞形 vigor (ビガー)や 形容詞 vigorous の用例を見ると、「激しい(スポーツなどの)運動」とか「猛烈な抗議」とか、やや意味合いが強い用例も多いので、注意が必要であろう。

Z会のTOEIC対策本では、同じ vigorous exercise という単語を、「激しい運動がもとで、疲労で倒れた」という内容の文章で用いている[44]

このように、vigorous exercise は、いい意味でも悪い意味でも使う。

肉体的に元気のあるだけでなく、精神的にも「精力的な」という表現でも vigorous が使える。


なお、「猛烈な抗議」などの猛烈でも vigorous あるいは名詞形 vigor を使う(ジーニアス、センチュリー)。

protest a plan with vigor 「計画に猛反対する」(センチュリー)

make a vigorous protest 「猛烈な抗議をする」(ジーニアス)

である。


essential は「不可欠な」という意味。

だが、「エッセンシャル・オイル」essential oil という芳香性の油を考えれば分かるように、なんだか抽出物みたいなイメージ。


名詞形 essence 「本質」「エキス」で覚えるほうが理解しやすいだろう。

(なお、名詞 extract にも「エキス」「抽出物」「抜粋」の意味がある。extract は動詞として「抽出する」の意味もある。(東京書籍が動詞を紹介。旺文社は名詞も紹介。桐原は紹介せず)。動詞と名詞とで発音が異なる。名詞は エキストラクト。動詞は イクストラクト。「抽出」「摘出」の行為自体は extraction という名詞である(旺文社)。)


あるいは、「必須アミノ酸」が essential amino acid である(ジーニアスで確認)。

抽出ついでに言うと、abstract も「抽出」という意味(桐原4500巻末)。abstract には「抽象的な」の意味もあるが、まずは抽出の意味で覚えよう。というか日本語でも、「抽象的」の「抽」の文字は、「抽出」の「抽」の字である。なお、冒頭のab-は、ここでは分離を意味する接頭辞。absent「欠席の」のabとabstractのabは同じ意味(桐原4500)。


エッセンシャルの話に戻ると、たとえば、生物学書の『キャンベル エッセンシャル生物学』 "Campbell Essential Biology" という500ページ以上ありそうな分厚い生物学書がある。(なお、amazon米国版では何故かこの本が18歳以上が購入禁止なのでリンクは紹介しない。)

エッセンシャルというのは、そういう感じの意味。

桐原では、「食事は不可欠だ」みたいな例文でも essential を使っている。

なお、「食事」は英語で meal (ミール)である(essential の文に合うかどうかは知らない)。

食事しないと死ぬので、生命維持の観点では vital でもあるが、しかしそういう死を防ぐためのものでも essential で言い表す場合もある。


さて、単語集によくある例文が、「~は健康に欠かせない」 be essential for good health  であり、東京書籍と桐原がそうである。

東京書籍だと「運動は健康に欠かせない」、桐原だと「食事は健康に欠かせない」的な内容である。

運動 exercise なら、

Exercise is essential for good health. 「運動は健康に欠かせない。」(東京書籍4500より引用)

である。

「搾る」の extract を squeezeのニュアンスの違いについて。

extract は「抽出する」が第一の意味のようなものである。

-tract が「引っ張る」という意味でもあることから想像できるように(センチュリー)、extractは、目的物を、自分の方向に向かってこさせるイメージである。

だからextractで果汁を「しぼる」のは、その手段にすぎない。

だから、濃縮エキスの抽出のような、搾るだけでは不可能なことも、extract なら出来る。

ほか、薬品などを使って何かの成分を抽出するのも extract である(ジーニアスで確認)。

ほか、歯科医が歯を抜くのも extract である(センチュリー、ジーニアス)。



パソコンのファイルの圧縮・展開でいう「展開」も extract です。

いっぽう、extract には「抜粋する」の意味や、抜粋して「要約する」という意味もあります(センチュリー)。

抜粋すると情報量が減るのに、圧縮ファイルを展開すると情報量は増えます。

妙に感じるかもしれません。

しかし辞書でextract を調べると、秘密などの情報を「聞き出す」「暴き出す」のような意味もあります(センチュリー)。圧縮していて読み取れない情報を「暴き出す」ようなイメージでしょうか。

もっとも、最近のパソコンでは、オペレーティングシステムが高度なので、圧縮されたままでも読み取りのできる場合もありますが。


逆に、圧縮・展開の「圧縮」は compress です。

日本でも、機械などの空気圧縮機でいうコンプレッサーなどの外来語で有名です(ただし、高校生には目にする機会(チャンス)がないかもしれません)。しかし意外なことに単語衆にはcompressはありません。

高校・中学でIT教育が必履修になるなどしてもう年月も経ってますので、どうせあと10年か20年したら「圧縮」・「展開」などIT用語も英単語に加わるでしょうから、先手を打って、このページにまとめておきます(ならないとしても、もしその場合は実務では役立たずなので未来の高校英語の単語衆に価値ないので、価値ない単語集に従う必要ないです。私たちが目指すべきは、大学合格する英単語ではなく、仕事で使える英単語です。仕事を無視した英単語学習をしても最終的に淘汰されるだけの弱肉強食です)。

英語だと、たとえばジーニアスでは、自動車エンジンにおける空気の圧縮のことを compress で表現しています。


なお、空調機のエアコンの「コン」はコンディショナーの略ですので、混同しないように。


センチュリーを見ると、コンピュータ用語のファイル圧縮も compress だと書いてあります(センチュリー、ジーニアス)。

ほか、綿(わた、めん)などを圧縮して小さくするのも compress です(センチュリー)。


ややこしいことに、compress にも、話を「要約する」という意味があります(センチュリー、ジーニアス)。


いまどき、「要約」はsummary でしょうから、compress は綿やファイルなどを「小さくする」(つまり圧縮)の意味で覚えるのが良いと思います。

まとめると、

ファイルの「圧縮」は compress です。

ファイルの「展開」は extract です。


さて、「しぼる」の話題にもどります。

squeeze は、にぎるように力を内側に押し付けるイメージである。だから squeeze で、資金を「圧迫する」なども表現できる。

では、具体的に extract と squeeze のニュアンスの違いを見ていこう。


「エキス」や「抽出する」のextract について。

extract juice from a orange で「オレンジからジュースをしぼり出す」「オレンジの果汁を搾る(しぼる)」

の意味(センチュリーや旺文社)。

文脈によっては、oranges ではなく an orange でも構わない。ジーニアスでは、レモンの複数形 lemons から果汁を搾り取っている。


「搾る」は、squeeze もある。

果物などをしぼって果汁をとるのが典型的で、

squeeze a lemon 「レモンをしぼる」

が典型的(センチュリー、旺文社)。

果汁を明示したい場合

「オレンジから果汁をしぼる」squeeze juice from an orange と言える(東京書籍4500の巻末。ジーニアスだと lemon で似た例文)。

squeeze lemon juice on ~(食品など) で「レモン果汁を~にかける」である(桐原4500、ジーニアスに似た例文)。


「労働者をしぼりとる」「労働者を搾取する」のような表現でも、squeeze を使える(桐原5500、センチュリー)。

なお、いわゆる「ブラック企業」のような会社(労働者を低賃金で長時間働かせる工場など)は、英語では sweatshop (スウェトシャプ)といい、「搾取工場」などと訳される(旺文社1900)。sweat (スウェト)は「汗」という意味の名詞である(桐原4500)。東京書籍4500は sweat および sweatshop を紹介せず。

なお、動詞 exploit 「搾取する」である(旺文社1400(緑)、桐原4500)。

典型的な例文が、

exploit one's workers 「労働者を搾取する」

であろう(ジー二アス、東京書籍、旺文社に似た例文)。

ほか、exploit には、たとえば地熱発電や自然資源などといった資源などを「開発する」の意味や(旺文社1400、桐原4500)、機会などを「利用する」という意味もある(東京書籍4500)。


家計のやりくりなど、なんらかの資金のやりくりなどで、お金をなんとか「絞り出す」というのにもsqueeze は使える(センチュリー)。

ただし、ほかの意味で squeeze には予算などを「圧迫(あっぱく)する」という意味もある(ジーニアス、センチュリー)。

資金のやりくりと、資金の圧迫では、ほぼ逆の意味になるので、読解のさいには文脈からどちらなのかを読み取ろう。

squeeze には「押し入る」「押し込む」や、人ごみや席などへの「割り込む」「割り込ませる」という意味もあり(センチュリーが押し入りと割り込み。ジーニアスは割り込み のみ)、旺文社が「押し入る」を紹介している。「圧迫する」から「押し入る」などを連想しよう。


indispensable 「不可欠な」は桐原5500巻末や旺文社1900本文と東京書籍4500巻末が紹介しているが、これを直接に覚えるよりも前に、まず、銀行などの「現金支払い機」dispenser (ディスペンサー)を覚えよう(ジーニアスで銀行の「現金支払い機が dispenser だと確認)。

動詞 dispense は、「分配する」とか、機械が「出す」という意味である(ジーニアス、センチュリー)。

なので、コーヒーなどの自動販売機も dispenser である(センチュリー)。

で、形容詞 dispensable は「それほど必要ではない」「なくても済む」の意味である。

「自分はなくても済むので(dispensable なので)、他人に分配できる(dispense できる)」→「分配する機械がデイスペンサー」とでも、こじつけて覚えよう。


で、in- はここでは否定の接頭辞なので、 indispensable 「必要なので分配するわけにはいかない」→「つまり、必要不可欠」→単に「必要不可欠」と言えば済む

のように indispensable を覚えるのが、関連の語彙も覚えられて一石二鳥だろう。


旺文社1900だけ、indispensable の項目で、派生語の dispense 「分配する」「施す」「~なしで済ませる」を紹介している。

桐原5500は、indispensable の類義語で、essential や integral を紹介している。


be indispensable for ~(ないと困る物) 「~は必要不可欠である」

のように使う(旺文社1900、東京書籍4500)が、文脈によっては for でなく別の前置詞や接続詞の場合もある(桐原4500)。



要約

summary, brief


summary (サマリー)が「要約」の一般的な語でしょう(特に出典は無い)。

要約のまとめ方や業界によって、outline (アウトライン)や brief (ブリーフ)など、別の言い回しのほうが好まれる場合もあります。


「要約する」の意味が、extract 、compress 、summarize などの単語があります。要約のことを summary (サマリー)と言います。サマリーの動詞形が summarize (サマライズ)です。

ほか、brief も、名詞では「簡潔な説明」の意味、動詞では(読みやすいように手短かに簡略化された説明にする、という意味での)「要約する」の意味です。 桐原4500が brief を「要約」の意味で紹介しています(桐原4500)。

in brief 「手短かに」

の意味です(桐原、旺文社)。


また、

keep it brief 「手短かにする」

です(東京書籍、旺文社)。it の部分は、必要に応じて適した目的語に変えます。


名詞形 briefing は、「簡潔な説明」の意味もありますいが、「事前の打ち合わせ」の意味でも使われます(旺文社)。

compress と extract は、現代ではコンピュータ上の処理で使うし、現代の商業の著作物の大半はパソコンで作られているので、やや使用の歳には注意が必要かもしれません。

summarize のほうがいいかもしれません。


一方、 summarize もまた、辞書や単語集では「要約」を名詞 summary と簡単に言いますが(桐原4500、旺文社1900)、実はサマリー summary と日本語の「要約」は微妙に違います。

英語では、1~2行ていどの短文で短くまとめることを summary と言うこともよくあります。brief だと「記者会見」など別の意味に誤解されるからか、本来なら "brief" というべき単なる1~2行ていどの事実報告でも英米では summary でそういう1行程度の事実報告を言い表す場合もあります。

brief だと、たとえば press briefing が「報道向け説明会」で使われたり(ジー二アス)、briefing session が「定例記者会見」だったり(ジー二アス)、ややニュアンスが「要約」とは異なります。全体像を理解しやすくするよりも、brief は短時間に発表することがニュアンスにあります。

summary execution で「即決処刑」である(ジーニアス)。 要約を意味する単語 summary には、形容詞として「略式の」という意味もある。execution は「処刑」の意味です。

この例のように、summary は日本の「要約」とは、ややニュアンスが違う場合もある。


さて、米英の外交官の著作した回顧録(かいころく)の出版物で読んだのですが、

外交官は、定期的に サマリー summary という1~3行ていどの事実関係の報告を本国によく送るするらしいです。

日本語では、新聞やテレビのニュースにおける「短信」(たんしん)が短いので、近いでしょうか。

大使館の職員でもありますから記者会見(ブリーフィング)とは区別する必要もあるでしょうから、brief ではなく summary でそういう短いを言うのも合理的でしょう。

なお、「回顧録」(かいころく)は英語で memoir (メモワール)です(旺文社1900、ジー二アス)。単語集では、旺文社1900にのみあり、受験英語としてではなく英検準1級対策として紹介されている語です。桐原4500・5500および東京書籍4500にはありません。

外交官とか、この手の報告では、分析は極力交えず、事実だけを報告します。分析は、別途、本国のほうで行ってもらうのです。こうすることで、外交官は情報収集にのみ専念できます。

外交官は滞在先が友好国とは限りませんし、(自国以外との)紛争当事国などの場合もあります。もし友好国でない場合、もしかしたら滞在先の警察や軍隊によって通信が盗聴されたりしているかもしれません。そういう環境で、あまり分析を外交官側で行うべきではないでしょう。


なので、ともかく summary のほか、日本語には「要約」の他に適切な表現があまりないので、summary の訳は「要約」で通じますし、辞書や単語衆にも「要約」だと書いていますし、「まとめ」でも構いません(旺文社)。

「要約」のほか、ジーニアスには「概略」や「大要」、センチュリーには「概要」や「大略」なども書いてありますが、しかし上述のように、1~2行ていどに縮めて報告する書類形式というビジネスなど実務での背景がありますので、いちばん短い感じのしそうな「要約」が無難な表現でしょう。

実際、単語集にも、名詞 summary は「要約」で紹介されています。


これから紹介するのは高校範囲外の単語ですが、英語では、1行要約ではなくて、せいぜい5~8行くらいの文章で要点を列挙して書いたのは outline (アウトライン)などと言います(※高校の範囲外)。

アウトラインを書く場合も、できえば箇条書きにするなどして(ジーにアス)、全体構造を見やすくする必要があります。

ジー二アスには行数の条件は書いてないですが、普通、箇条書きされた説明は、長くて5~8行ていどのものでしょう。1行の箇条書きとか意味不明ですし、100行の箇条書きとか論外です。

ジーニアスいわく、そういう箇条書きされたものが本来のアウトラインとのことです。ジーニアスでは「概略」「概説」、センチュリーでは「概要」「あらまし」を outline 訳にしています。

outline の訳語を覚えるよりも、『箇条書きする等して手短かにまとめたものを「アウトライン」という』と覚えたほうが応用が利くでしょう。

仕事の報告での情報のやりとりなどで、もし1行要約だと短すぎて情報不足なときに、アウトラインによる報告が役立ちます。そういう使い分けをするのが大事です。

もしかしたら英米人のなかには、そういう使い分けをしない人もいるかもしれませんが、そういう人はレポートの書き方を知らない人であり、つまり知的レベルの低い人なので、相手する必要はないです。


まとめると、summary が「要約」の一般的な語だとみなせるでしょう。

要約のまとめ方や業界によって、outline や brief など、専用の言い回しのほうが好まれる場合もあります。



重要 crucial, important

決定的な crucial , decisive


4500語レベルの単語集に crucial (クルーシャル)と言う単語があって「決定的な」「主要な」という意味である。

だが、decisive という「決定的な」の意味の単語がある。(東京書籍4500に単語だけ紹介されている。旺文社1900の巻末の章に、単語だけ「決定的な」「断固とした」と意味が紹介されている。桐原4500にはない。桐原5500にある。)

ジーニアスいわく、「決戦」は a decisive battle である。

ジーニアスの例文では、decisiveは「将来を決定する」という意味もあると説明している。


東京書籍4500の crucial 項目の例文で、「そのオーディションに合格することは私の将来にとって決定的な意味をもっている」とある。


ジーニアスでcrucialを見たら、「重要である」という意味であり、例文が「我々が決勝戦に勝つには、彼の支えが重要である。」の「とても重要である」が crucial である。なお、「決勝戦」はその項目を見る限りは the final match である。


crucial の意味で、桐原と東京書籍には「決定的な」と書いてあるが、正直、decisiveのような断固とした気迫が足りない。「決戦」で負けると死ぬが、オーディションで負けたり「決勝戦」で負けても死ぬわけでもあるまい。

あまり論理的ではないが、decisive は、おそらくスペルが同じく"d"から始まる determination 「決心」「決意」の影響を受けてきたのだろうか。

動詞 decide と動詞 determine の違いについては、別セクションで語る予定。


crucial の意味は「非常に重要な」(桐原)で十分だろう。旺文社1900に至っては、「決定的な」の意味は紹介せず、crucial では「重要な」として紹介していない。

まあ、important よりかは重要度が高いつもりのニュアンスでしかないだろう。

旺文社1900では「書類を確認する際は注意することが重要である。」でcrucial を用いている。

桐原4500では「国際貿易はこの国の発展に非常に重要だ。」で crucial を用いている。

まあ、センチュリーcrucial の例文にあるように「彼のホームランは我々の勝利を決定的にした。」でcrucial を用いているように、命をかけるほどでもない野球の試合でも決定的な瞬間はあると思うので、そういう場合は crucial を使うのも良いだろう。

桐原5500にcrucial で「命にかかわる」の意味を紹介しているが、しかしジーニアス英和およびセンチュリー英和では確認できなかった。

そもそも vital という「生命維持に必要な」の意味の形容詞がある(センチュリーで確認)。


そもそも「重要」という概念自体、言葉の割には、vital のような生命への必要不可欠さが足りない。



外国の

alien, foreign


米国の外交問題についての専門雑誌で「Foreign Affairs」というのがあるが、affair (アフェアー)とは「出来事」「関心ごと」の意味である。affair は別に恐怖とは関係ない。「Foreign Affairs」は戦争の話題が多い雑誌だが、しかし雑誌名は「恐怖」とは全く関係ないので誤解しないよう。

「Foreign Affairs」は直訳すれば「外交の関心事」みたいな意味の雑誌名であろう。


なお、日本の「外務省」も英語版ホームページでは Ministry of foreign affairs である[45]

海外旅行とか海外出張とかでは必要な単語のひとつなので、頭の片隅に入れておこう。

ministry とはイギリス英語で省庁のこと。ただしアメリカでは、省庁を department と呼んでいる。

つまり日本政府は、「省庁」についてはイギリス英語を採用。

デパートなんて百貨店っぽい。なお百貨店は英語で department store である。

なおイギリスでも、新設の省庁については department を用いることもあると、ジーニアスは説明している。

さて、「省庁」の呼び名には、あまり深入りしてほしくない。

それより重要なのは、「大臣」 minister である。


大臣のことを minister という。単語集では「大臣」minister の項目に書いてあるが、「外務大臣」は foreign minister である。


今の単語集にはあまり書いてないが、昔はよく「総理大臣」は英語で the prime minister だと高校で習ったものである。いちおう、東京書籍の例文中に「総理大臣」the prime minister がある。桐原には書いてない。

説明の都合上、先に「省庁」 ministry を紹介したが、覚えるなら先に「大臣」minister から覚えたほうが良い。

語源としても、ラテン語で「従者」とかのことをミニステルと言うので、先に「大臣」→「省庁」の順番で単語ができたと考えるほうが合理的である。ジーニアスにも、ラテン語とは買いてないが、「召使い」がminister の語源だと書いてある。


prime については、主要という意味での「第一の」という意味である。センチュリーにある訳語だが、「第一位の」というのがニュアンスに近いだろう。

primeの語源はもともと、カトリックの日課の「最初の」礼拝のこと(ジーニアスで確認)。 primeはこういう意味なので、単に一番目であるだけでなく、さらに重要性の高いものに使われるというニュアンスがある。


ただし、実際の用例では、国家一番や世界一番でなくとも、たとえば肉が美味しい場合でも「極上の肉一切れ」 a prime cut of meat という風にも使う(ジーニアスで確認)。センチュリーにも似た例文がある。

「全盛期」、「絶頂期」という意味もあり、 in prime of his life(またはcareer) 「彼の人生(またはキャリア)の全盛期」みたいにも使う。


「全盛期」には、ほかに短い類義語が無さそうである。和英辞典で「全盛」を見ると、prime のほかに pride とか summer があるが、しかし英和でそれらの項目を確認しても、ニュアンスが違う。pride のほうは、pride of place という語句で「最高位」「最上位」という意味だし、summer は人生における「壮年」などの比喩でしかない。


名詞 foreigner は「外国人」 である。ただ、英語ではこの言い方は差別的な意味合いがあるとのこと。桐原3000いわく、なるべく、たとえば「カナダ人」 Canadian など具体的に言うべきとのこと。


alien

alien (発音: エイリアン)は「宇宙人」という意味があるので、なんとなく、あまりよくないイメージを読者は持ちがちかもしれないが、しかしジーニアスで確認すると、法律上の用語で「外国の」「異国の」という用法がある。

センチュリーによると、市民権をもたない外国人のことを alien と言うとのこと。

alien は、名詞も形容詞も同じスペルの alien である。

名詞 alien は「外国人」「宇宙人」の意味。

形容詞 alien は「外国の」「外国人の」の意味と、「異質の」「なじみがない」の意味。

よくある例文が「その習慣には、なじみがない」で、習慣 custom に alien で「なじみがない」という内容の英文を東京書籍とジーニアスで見かけた。


語法は、

~(習慣など) is alien to □□(人々)

で、

「~(習慣)は□□(の人々)には、なじみがない」の意味。

たとえば、 alien to us なら「私たちにとって、なじみのない」という意味(ジーニアスおよび桐原)。


国内の

domestic, internal (※範囲外)


「国内総生産」GDPは gross domestic product のことである。domestic violence は「家庭内暴力」である。


「国内の」という意味での domestic が、「外国の」 foreign の対義語である。

domestic ⇔ foreign


さて、 「国内の」 を意味する形容詞 internal は、「国内問題」というとき internal affairs という(ジーニアス、センチュリーで確認)。

なお、数学の図形の幾何学の、「内角」も internal angle である(ジーニアスで確認)。


internal には医療などで「内服の」や「体内の」などの意味もあるが、共通の例文が確認できなかったので、説明を省略する。

なお外角は external angle または exterior angleである(ジーニアス和英で確認。英和にはない。和英)。

なお、「幾何学」は geometry (ジオメトリー)である(旺文社1900)。なお「地理学」はgeography (ジオグラフィー)である(桐原4500、東京書籍4500)。「地形」や「地勢」などもgeography である(東京書籍)。

geo- (ジオ)というのは「地球の」とか「地理の」という意味だが(ジーニアス)、幾何学にも使う。おそらく、古代のヨーロッパでは幾何学の知識を活用して、地図などを作成していたのだろう。

「ユークリッド幾何学」は英語で Euclidean geometry である(旺文社1900、)。「ユークリッド幾何学」というのは、日本では中学の数学で、図形の証明として習う、あの理論の体系のこと。「タレスの定理」とか「中心円の定理」とか、あそこら辺が「ユークリッド幾何学」。紀元前のギリシアの数学者エウクレイデスの名前にちなんで、英語読みでユークリッドになる。

なお、X-Y座標を使って計算する座標幾何学は、ユークリッドではなく「デカルト幾何学」という別の理論体系。デカルトは中世フランスの数学者。デカルトあたりが、座標幾何学の理論を整備しはじめたので。


さて、形容詞 interior は「内部の」という意味の形容詞だが(ジーニアス)、しかし普通は家や自動車の内壁に対して interior を使う(ジーニアス)。

ジーニアス英和の interior によると、幾何学の「内角」を interior angle で表してもいいとのこと。旺文社1900も東京書籍4500も、建築物の「室内の壁」を the interior walls としている。なお、東京書籍は「内部の壁」と和訳。


生産量

output, production

「生産」を意味する production に、「生産高」の意味もある(ジーニアス)。なお、単語集では、prodcution の「生産高」の意味までは説明していない(東京4500、桐原4500、旺文社1900を確認)。

increase production で 「生産量を増やす」である(ジーニアス)。センチュリーでも、文章は違って完了形などになるが、「映画製作が減少」という内容の文で production を生産量の意味で使っている。


より平易に output でも「生産高」を言える(旺文社、ジーニアス)。

工場などの生産高から(ジーニアス)、芸術などの産物まで(センチュリー)、output で表現していい。


production や produce には、「大量生産」のようなニュアンスがある(東京書籍)。

なお「大量生産」は mass production である(センチュリー)。

なお、テレビ番組や音楽作品などの生産から、その生産された作品なども production である(ジーニアス)。


output の対義語は input である。

つまり

input ⇔ output

である。

input で、名詞としtrは、仕事や活動などへの資材や労働力などの「投入量」、コンピュータへの「入力」を意味する。また動詞としては、「投入する」や「入力する」の意味である(ジーニアス、センチュリー)。

旺文社の単語集には、inputに投入量の意味がないが、しかし辞書で「投入量」を確認できる。

同様に、対義語のoutput は、仕事や活動などの「生産高」や、コンピュータからの「出力」である。動詞としても同様に「産出する」(ジーニアス)や「結果を出す」(センチュリー)や「出力する」である。

input には、仕事・活動などへの援助としての情報提供やアイディア提供などの意味もある(ジーニアス、センチュリー)。

東京書籍や桐原の単語集には input や output が見当たらなかった。だがこれからのIT時代、必要になる単語であるので、ぜひとも意味を理解しておきたい単語である。



「外国」と「海外」

外国へ abroad

海外へ overseas


「外国に」「外国へ」は abroad であり、副詞である。

「海外に」「海外へ」は overseas であり、副詞である。

overseas は字ヅラだけ見れば、海を越えて外国に行くことだが、アメリカでは実際にはヨーロッパへ行くことに使われる事が多い(ジーニアス)。

travel overseas で「海外へ旅行する」である(旺文社)。

travel abroad で「外国へ旅行する」であるが、東京書籍では「海外へ旅行する」と訳している。

from overseas で「海外から」である(旺文社)。


abroad の典型的な例文が、

「私は外国へ(一度も)行ったことがない。」 I have never been abroad.

である(東京書籍、桐原)。東京書籍と桐原で、同じ英文。桐原のほうには和訳で「一度も」がある。



結果

result, outcome, consequence


桐原4500と東京書籍4500の後半にoutcomeの単語の紹介があるが、良書とも解説を諦めている。

単に 結果のことを result だけでなく outcomeとも言うと、知っておくしかない。

consequenseは、単に「結果」を、固い言い回しにしただけであるが、東京書籍4500によると、「通例望ましく結果にconsequenceを用いる」とこのこと。

センチュリーと東京書籍に「深刻な結果」 a serious consequence と言う例文がある。

副詞 consequently は「その結果として」「したがって」の意味。


考え

concept, notion ,ほか(idea, thought ,など色々ある)


concept は、たとえば相対性理論の考えだとか、割と抽象的なことに使う。桐原4500いわく、「アインシュタインの相対性理論の概念」は Einstein's concept of relativity である。


notion は、そこまで抽象的でなく、たとえば人生観(ジーニアス)とか宗教観(センチュリー)とか。


ジーニアスでは「人生は航海だという考え」の「考え」を notion としている。


旺文社だと「概念」と言ってるが、無視していい。

概念というより「観念」だろう。

あるいは「観念」という用語をしらない高校生に向けて「概念」と書いたのかもしれないが、そんな底学力層のことは読者は気にしなくていい。


その他、ジーニアスで「意見」、センチュリーで「意向」だと言ってるが、両辞書で説明が一致しないので無視する。


「規範」と「基準」


規範 code

基準 normal

(学校などの)規律、しつけ discipline

普通 normal, ordinary


codeには「規範」「暗号」「法典」などの意味がある。


まず、codeの規範について。

ドレスコード dress code は「服装規程」のことである。「ドレスコード」「服装規程」とは、たとえばクラシック音楽コンサートホールとかの上流階級っぽい施設に入場しようとするとき、どんなに金を持っていても、もし服装が短パンとかジーパンとかだと入場を断られることがある。

成人男性の場合なら、背広とかのフォーマル formal な服装とかでないと、そういう場所には入場できないのである。そういうのをドレスコードと言う。


商業施設に限らず、たとえば冠婚葬祭(かんこん そうさい)とかの行事でも、その内容に見合った服装が求められる。


旺文社1900の例文が例文としてドレスコードを紹介しており、まさに大学進学を目指す階級にふさわしく、とても良い。


ドレスコードの場合、codeは訳では「規則」や「規程」ではあるが、マナー的なニュアンスもある。

ジーニアスで確認したが「不文律」 code of silence という単語がある。

「行動規範」 は a code of conduct である。

ここら辺の表現が、上流階級に求められるマナー的な code であろうか。

その他、ビジネスライク名表現だが、「業務規程」 code of practice というのもある。


マナー以外にも code は使い、「民法」は the civil code , 「刑法」は the criminal code である。

だが、「lawで十分じゃん?」と思ったのか、東京書籍4500ではcodeの項目を見ても「暗号」しか紹介していない。なお、桐原4500の例文が、アメリカの各州の刑法 criminal code の違いの話題(いわゆる「州法」)。

おそらく東京書籍は、マナーの話をしたいなら manner で済むだろう、という発想だろう。なお、manner も英語であり、東京書籍4500にもmannerが書いてある。


「暗号」については、典型的な例文が

「暗号を解く」 break a code

である(東京書籍4500, 桐原4500)。


normal (ノーマル)は、日常的には「普通の」「平均的な」という意味である。

だが、学問としては、労働などの「基準量」の意味を覚えておきたい。

日本では最近はすたれた言い回しだが、「ノルマ」という、たとえば1日あたりの、しなければならない労働の最低量として「ノルマ」という語があった。

単語集にはないが、辞書で normal の意味に、数学の「直角の」という意味もある。おそらく、古代ギリシア人あたりが、角度の基準として直角(90度)を採用したのだろう。


なお、数値的な「平均の」を言いたいなら、 average である。形容詞「平均の」も名詞「平均」も average である。桐原4500では、normal のページといっしょにaverage も書いてある。

normal の対義語 abnormal は「異常の」「異常な」の意味である。

逆に考えれば、normal の意味は、「通常の」「正常の」でもある。桐原のnormal に「正常な」が書いてある。東京書籍の副詞 normally に「通常は」が書いてある。


ordinary 「ふつうの」「平凡な」は、よく「生活」と結びついて、ordinary life 「ふつうの生活」(東京書籍の訳)または「平凡な生活」(桐原の訳)

ordinary はこのように、並外れた部分がないというニュアンスがある。

逆に対義語の extraordinary は、「並外れた」の意味である。

「異常気象」は extraordinary weather である(東京書籍、ジーニアス)。

単語集にはないが、「臨時国会」も an extraordinary Diet session (ジーニアス)あるいは an extraordinary session of Diet (センチュリー)のように言えることも、覚えておきたい。なお、Diet とは、日本の「国会」のこと。外国の国会の呼び名は違っている場合も多いので、外国の国会のことを言いたい際には、その国ごとの呼び方を調べること。


そのほか、ルールに従わせるための統制や、そのための訓練のことなどを、 discipline という。

子供の「しつけ」や、学校の規律などが discipline である。

ジーニアスいわく 「学校の規律」 school discipline である。

また、センチュリーいわく「学校での規律」は discipline in school である。


子育てや教育にかぎらず、たとえば行政などの「金融統制」は financial discipline である(ジーニアス)。

そのほか、単語週では旺文社1900しか紹介していないが、大学での「学科」や「学問分野」のことも discipline という。辞書には普通に「学科」も「学問分野」も書いてある(ジーニアスで確認)。なお、実は旺文社では「学問分野」しか書いてないが、説明の都合で段落冒頭では「学科」も加えて紹介した。


通訳と翻訳

「通訳する」「解釈する」 interpret

「翻訳する」 translate


「通訳」とは、普通、口頭での翻訳のこと。


だから翻訳サイトの「グーグル翻訳」も、べつに口頭でのやりとりではないので、英語では google translate なわけである。

「通訳者」は interpreter である。

「同時通訳」は simultaneous interpretation である(旺文社 simultaneous、ジーニアス、センチュリー)。

simultaneous は「サイマルテイニアス」と読む。シミュ~とは読まない。


名詞形の「通訳」「解釈」は interpretation である(旺文社)。

東京書籍と桐原だと「解釈」の意味しか紹介していないが、しかし上述のように「同時通訳」でも interpretation は使われるので、「通訳」の意味も覚えるべきだろう。


なお、数学の「連立方程式」は simultaneous equation である(ジーニアス)。

simultaneous の部分が「連立」である。 「方程式」は equation である。


翻訳者は translator である。


変化

alter, transform, change


transform は、単に change より堅い語。つまり transform は動詞「変化する」または名詞「変化」の意味。

-formが「形づくる」という意味なので、昆虫の「変態」などの外見的な形状についての用例が多いが、しかし実際の用例では、外見とは関係ない変化でもtransformが使われていることもある。たとえばジーニアスの例文「結婚後、彼は別人のようになった。」でも transformを使う有様である。桐原の例文でも、「その映画が、彼女を無名の生徒から大スターへと一変させた。」をtransformで紹介している。

なお、旺文社にもあるが、 transform A into B で「AをBに変化させる」である。

だから旺文社にある「太陽エネルギーを電気に変える」なら、 transform the sun's energy into electricity である。

先ほど紹介したジーニアス例文の「別人のようになった」も、 be transformed into another man である(文全体は著作権のため紹介せず。辞書を買って読もう)。


ジーニアスによれば、オタマジャクシの蛙への「変態」も、名詞形 transformation である。(スペルが所々難しいので、英文は紹介しない。)


社会を変化させたり、社会が変化することも、transform であり、ジーニアスでは「民主化への移行」を transformation としている。東京書籍の例文でも、「社会を変革する」 transform society である。

なお、単語集にはないが、トランスフォーマー transformer とは、電気の「変圧器」のこと。


alter

alter (発音「オールター」)というのは、原義的には「部分的に変わる」という意味である。だが実際の用例では、部分的でないのに変わっている用例もよくあり、あまり定かではない。

とりあえず、よくある例文が、「計画を変更する」alter one's plan である。センチュリーと桐原に、似た例文がある。

だが、alterの単語そのものよりも、派生語の alternative を覚えるべき。

桐原と東京書籍の単語集では、alterの項目とは別に、alternativeの項目がある。


alternative は形容詞としては「代替の」の意味であり、名詞としては「選択肢」の意味である。

ジーニアスによれば、「代案」も名詞 alternative でいうこともあるらしい。また、東京書籍では、 alternative plan を「代案」としている。


ジーニアスによると、本来は alternative などは2つの選択肢のものに使うという説があるらしく、そのため3つ以上のものに使うのを嫌がる人もいるらしい。 しかしセンチュリーによると、実際には3つ以上の選択肢にもalternativeなどが使われているとのこと。

なお、東京書籍4500では「2つの選択肢」two alternative と妥協している。

東京書籍およびセンチュリーいわく「代替エネルギー」は alternative energy である。

なお、桐原いわく、「代替エネルギー源」は alternative source of energy とのこと。

このほか、派生の名詞で、オールターーション alternation およびオールターーション alteration があり、それぞれ別の意味であるので、混同しないように注意。どういう意味かは説明しない。旺文社がオールターレーションを説明しており、桐原がオールタネートを説明している。東京書籍は説明していない。


魅了

charm, fascinate, attract


魅力的な

attractive, magnetic


charm は「魅了する」である。

しばしば受身形で使われ、

be charmed by ~で「~に魅了される」である(東京書籍4500および旺文社1900)。


charm は、語源が「魔法をかける」であるので、まるで魔法のように「魅了する」というイメージの単語である。もっとも、charmの単語を使うさいに実際に魔法をかけている場面な必要はない。

なお、charm で「魔法をかける」という意味もあり、魔法をかけられた相手は別に魅了される必要はなく、たとえば眠りの魔法をかけられて眠る場合でも charm というと、センチュリー英和は述べている。

「お守り」も charm である。

なお、単語集にはないが、「アミュレット」 amulet と charm の違いは、amulet は「魔除け」とのこと。

charm は、魔除けでなくとも、たとえば幸運を呼ぶ「お守り」などでもいい。

だから、旺文社1900およびジーニアスで紹介しているが、「幸運のお守り」を good-luck charm ともいう。ジーニアスによると、単に lucky charm でも「幸運のお守り」である。


魔除けでないのに「お守り」という和訳が妙だが(悪魔以外の何から守るのか?)、ほかに適切な日本語が無いので「お守り」という表現で我慢してもらいたい。


桐原3000および桐原4500にcharmはない。東京書籍4500にcharmがある。


attract は、たとえば遊園地やショーなどに名詞形 attraction アトラクションが使われる。


attract はもともと「引き付ける」という意味である。車のトラクターなども、同じ語源。

attractが「引き付ける」なので、魅了以外にも、「大声で目を引きつける」ような場面でも attract が使われる。

東京書籍とセンチュリーにある例文だが、

「注意を引く」attract attention

である。


人気(にんき)などで「人目を引く」意味での魅了するのも attract である。コンサートとか博覧会とか。

性的な魅力で「引き付けられる」のも attract という。


昆虫などが花に引き付けられたり(センチュリー)、アリが砂糖に引き付けられるのも(ジーニアス)、 attract である。

東京書籍とセンチュリーにある例文だが、

「花はハチを引き付ける」 The flower attracts a bee.

である。


磁石 magnet の形容詞 magnetic は、「磁石の」という意味だが、比喩的・派生的に、形容詞 magnetic には人格が「魅力的な」という意味もある(東京書籍、旺文社)。なお、容貌の美しさで人を惹きつける場合は attractive を使う(ジーニアス)。

「魅力的な人格」 a magnetic personality

である(センチュリー、ジーニアス、旺文社)。

性格・人格をあらわす単語には、personality のほかにも character があるが、しかし magnetic を使う場合はどの辞書でも personality を使っている。

なお、「魅力的な人」は a magnetic person

である。

「磁力」は magnetic force である(旺文社、センチュリー)。

「磁場」は magnetic field である(東京書籍、ジーニアス)。


単語集にはないが、磁石が鉄を引き付けるのも、attract である。

典型的な例文が、

A magnet attract iron. 「磁石は鉄を引き付ける。」

である(センチュリーの英文をそのまま。ジーニアスにも似た例文がある)。

なお、英語に tract という動詞は無い。名詞で tract という単語はあるが、別の意味である。英語の tract は、土地の「広がり」だとか、「消化管」とか、全く別の意味である。

もし英語で、綱(つな)などを「引く」といいたい場合、pull や draw などを使うことになるだろう。


fascinate は、辞書を見た限り、音楽や文芸などの芸術で、「魅了する」という意味。

しかしセンチュリーの例文では、宝石で「魅了」されるのも fascinate である。


しばしば受身形で使われ、

be fascinate by(または with) ~で「~に魅了される」である(東京書籍4500および旺文社1900および桐原4500)。旺文社1900にwithとbyが両方とも書いてある。東京書籍では by だけ。桐原はwithしか書いてない。



「誘惑」

魅惑 attract, fascinate

誘惑 temptation, lure


英語では、「誘惑」は「魅惑」とは区別する必要がある。

東京書籍と旺文社の単語集に tempt という単語がある。東京書籍が tempt を「誘惑する」という意味で紹介している。 なお旺文社は「その気にさせる」「引きつける」と紹介。

旺文社の単語集では名詞 temptation テンプテーションを単語だけ紹介している。

辞書で temptation を見ると、悪への「誘惑」でよく使われ、盗みへの誘惑だとか、賄賂で誘惑だとか、そういう意味である。ジーニアスやセンチュリーによると、キリスト教では、悪魔の誘惑も temptation というらしい。なお動詞は tempt である。ジーニアス和英で「誘惑」を調べると、temptation が最初にある。なお、ジーニアス和英ではtemptation, seduction, allurement, snare , がこの順序で掲載されている。

こういう事情があるので、 attract や fascinate を和訳する際は、「誘惑」と訳すのは避けるのが安全だろう

旺文社が「誘惑に負ける」 yield to temptation を紹介している。

おそらくだが、本来なら負けるべきでないのが望ましいというニュアンスがあるのだろう。


なおジーニアスを見ると、動詞 tempt は悪に「誘う」の意味のほかにも、食欲などを「そそる」の意味もある。ジーニアスでは「ケーキをもうひとつ召し上がりませんか?」みたいな気楽な会話でも tempt を使っている。

東京書籍でも、「デザートを食べたいという誘惑にかられた」で be tempted to have dessert としている。


lure は動詞としては「誘惑する」、名詞としては「魅力」「おとり」「疑似餌」の意味。桐原5500でlureを紹介している。

魚釣りのルアーと同じ単語。

動詞 lure は、だまして「誘惑する」という意味が強く(センチュリー)、「誘惑する」の意味のほか、「おびきよせる」「誘い込む」などの意味もある。

ただし、名詞 lure のほうは、ジーニアスの例文を見る限り、「だます」というニュアンスは低そうである。


日本では知られていない政治家ですが、アメリカの20世紀前半の政治家アール・ウオーレン(en:w:Earl Warren)の発言で、

“The temptation to imitate totalitarian security methods is a subtle temptation that must be resisted day by day, for it will be with us as long as totalitarianism itself.” - Earl Warren

という有名な一節があります。

全体主義の(totalitarian)国防の方法を真似しよう(imitate)という誘惑(temptation)は、日々(day by day)、抵抗しなければならない、微妙な(subtle)誘惑です。(※ for 以下は省略)

temptation や subtle など、高校英語が2つも学べる、お得な例文です。

東京書籍4500に、subtle「微妙な」と書いてあります。


工業と製造業

産業 industry

製造業 manufacture


「勤勉な」 industrious, diligent, hardworking

「産業の」 industrial

まじめな earnest


manufacture は、「製造業」の意味である。

語源を見ると、manu- というのは手を表すので、一見すると手作業で何かをする産業全般に使えそうだが、しかしジーニアス和英で確認したところ、普通は製造業に使う表現だとのこと。それどころか、辞書の解説および東京書籍の例文では、機械での大量生産で manufacture を用いるとのこと。

manufacture には動詞の意味もあり、工場などで「製造する」の意味である。

桐原は名詞 manufacture、東京書籍と旺文社は動詞 manufacture を紹介しているので、勉強は両方ともしておきたい。

なお、「製造業者」のことは、別単語で manufacturer という。語尾に r が付いているので注意。


一方、industry は、たとえば、ホテル産業や銀行業などのサービス産業を service industries という。

東京書籍では、「観光産業」を the tourist industry と紹介している。


センチュリーによると、自動車産業を a car industry という。


ジーニアスやセンチュリーに書いてあるが、「重工業」を heavy industry といい、「軽工業」 を light industry という。

訳語の都合で「工業」と訳す場合もあるが、一般的には「産業」といわれるものは industry である傾向が高い


industry には、「産業」の意味のほか、「勤勉」という意味もある。むしろ語源的には、「勤勉」のほうが近い可能性もある(ジーニアスで確認)。

形容詞形は、意味によって形が変わる。

「産業の」は industrial である。

「勤勉な」は industrious である。


「勤勉な」は、たとえば「その学生たちは勤勉だった。」 the students were industrious. のように使う。


アクセント注意の単語であり、名詞 industry は、冒頭「イ」i-にアクセントがある。

一方、形容詞には industrial も industrious も、-dust- の「ダ」の部分にアクセントがある。


名詞「勤勉」を平易な単語で言い換えたいなら、 hard work とも言える(桐原industrious でも紹介している。ジーニアスにも書いてある)。


  • diligent

「勤勉な」の類義語として diligent というのもある。単語集では旺文社1900にしかindousriousとの類義語だと書いてないが、しかしセンチュリーで diligent を調べれば、hardworking より「固い語」だと書いてあるので、同じく hardworking より固い語である industrious との類義語だと分かる


違いは、diligent は、特定のことに対してだけ勤勉または念入りになることである。

なので、(仕事などに)「精を出す」などと訳されることもある。


だが、実際には、たとえば桐原の例文だが「トムはとても勤勉な学生だ。」のように、

Tom is a very diligent student.

のようにも使われる。

なお、名詞「勤勉」は diligence である。


このような、industrious と diligent とのニュアンスの違いのため、果たして対義語「怠惰な」lazy はどちらの対義語かという問題がある。

桐原およびセンチュリーではdiligentの項目で、lazy は diligent の対義語と紹介している。

ジーニアスでは、diligent の項目を見ても lazy については紹介せず。

語法 be lazy to ~ で「彼は怠け者なので、~しない」である。

典型的な例文が「彼女は怠け者なので、掃除しない」であり、東京書籍とジーニアスに似た例文があり、

She is too lazy to clean her room. 「彼女は怠け者で、自分の部屋の掃除をしない。」

である(ジーニアスと同じ文。東京書籍はこれが弟に変わっただけである)。

to 不定詞を使わずとも、 He is lazy. 「彼が怠けている」のようにlazy単独で用いてもいい(桐原3000で確認)。


形容詞 earnest は、よく「真剣な」「まじめ(真面目)な」「熱心な」と訳される(旺文社1900、桐原4500)。

しかし、

She is an earnest student. 「彼女はまじめな学生だ。」(ジーニアス)

のように使ってもよく、実質的に勤勉の意味でもあろう。


桐原は、「トムはとても勤勉な学生だ」という例文で diligent を使っている。


なお、

She is earnest. 「彼女はまじめだ。」

のように、名詞をともなわずに使ってもいい。


「真面目な努力」 earnest effort

のように使ってもいい(旺文社、センチュリー)。

努力を「勤勉」というのも妙なので、そういう理由でもあってか「まじめな」と訳されるのだろう。

また、earnest には、熱心さのニュアンスがある場合もある(ジーニアス、センチュリー)。


東京書籍1800・3000・4500には earnest が見当たらない。



怠惰(たいだ)

lazy, idle


idle (アイドル)は和訳の都合で「怠惰な」と訳されることもあるし、そういう用法もあるが(ジーニアス)、基本的には仕事がなくて暇な状態のことである(センチュリー lazy )。なので、idle は「暇な」という意味で覚えたほうがよい(センチュリーの第一項の意味の2番目がそうである)。


idle には、仕事がないなどの機械や工場などが稼働していない、という意味もある。典型的な例文が、

an idle machine 「遊んでいる機械」

である(ジーニアス、センチュリー)。ここでいう「遊んでいる」とはもちろん、稼働中ではない、という意味である。

「遊休」という表現もあるが、「有休」と紛らわしいのが難点である。

ともかく、このように、稼働していない、のような意味がある。

実際、ジーニアスは、この意味での「稼働していない」 idle の対義語として working をあげている。

ジーニアスいわく、対義語として

idle ↔ working, busy

とのこと。

また、スポーツ選手などが試合がない状態も idle である(ジーニアス)。

労働者が不況などで仕事がない状態も、よく idle で説明される(旺文社1400 緑、 ジーニアス)。

be idle during the depression 「不況で仕事がない」

などの例文が典型的である。

これが lazy との違いである。lazy は基本、単に怠惰なだけである。ジーニアスは、「怠惰な」の意味でなら、idle よりも lazy のほうが普通だと述べている。

いっぽう、lazy (レイジー)は、仕事が嫌いで怠けている状態である(センチュリー lazy )。

よって、「怠惰」は lazy で覚えるのがよいだろう。

このためか、「勤勉(きんべん)な」diligent(ディリジェント) の対義語は、 lazy である(桐原4500)。


ただし、名詞形 idleness は「怠惰」の意味である(旺文社、センチュリー)。

これは、ことわざで

Idleness is the root of evil. 「怠惰は諸悪の根源だ。」(ジーニアス)

というのがあるのが原因だろう。

一応、辞書的には、idleness にも「仕事のないこと」などの「怠惰」以外の意味もあるが、しかし上述のことわざを意識すると、なかなか仕事がないだけの状態として idleness は使いづらい場合もあるだろう。


医者

医者 doctor, physician

内科医 physician

物理学者 physicist

外科医 surgeon

歯科医 dentist


physician はアメリカ英語である。アメリカ英語であることは旺文社1900にも書いてあるし、ジーニアスにも書いてある。

アメリカでは、「医者」あるいは「内科医」のことを physician とも言う。

「物理学者」 physicist とはスペルの異なる単語であるので、区別せよ。


「かかりつけ医師」を personal physician と言うと東京書籍は述べているが、しかし英和辞典では確認したところ、ジーニアス英和でもセンチュリー英和でも確認できなかった。

それどころか(英和ではなく和英の)ジーニアス和英で「かかりつけ」を確認したら family doctor 「かかりつけの医者」とまで書かれている。


イギリス英語でも古くは physician で「医者」を表した。

なお、イギリスで「内科医」をどういうかと言うと、ジーニアス和英「ないか」(内科)で確認したところ、 a doctor of internal medicine である。

桐原4500には、medicine の項目で「薬」の意味のほかに「内科」の意味もあると紹介している。ジーニアス英和でもmedicla の項目で「内科の」という意味が確認できる。

東京書籍が言及しているが、 physical には「身体の」という意味もある。

よくスポーツ評論などで「フィジカル」などと言うのは、こういう意味もある。

「外科医」は surgeon である。「外科手術」は surgery である。形容詞「外科の」「外科医の」は surgical である。


medicine は、医薬などの「薬」。

drug は、普通の「薬」の意味もあるが、しかし麻薬などの「薬」でもよく使われる。

いわゆる、薬品販売店の「ドラッグストア」は英語でも drugstore である(東京書籍3000で確認)。 drugstore はアメリカ英語です(ジー二アス、センチュリー)。しかし米英共通の言い回しが無いので、drugstore で覚えれば十分です。 pharmacy (ファーマシー)という言い回しは病院付属の薬局とかで好まれる場合があります(ジー二アス)。

啓林館 Vision quest,(P.62 )で pharmacy が drugstore とともに紹介されていました。

イギリス英語での「薬局」の言い回しが、「chemist's」 という妙な言い回しなので、どの単語集も紹介していません。


東京書籍4500にはdrugはない。東京書籍3000にdrugがある。桐原では桐原4500にdrugがある。


動詞「引っぱる」 drag とは別の単語。


client (弁護士など専門職への)依頼人。会計士や建築士などへの依頼人。

audience (映画・コンサートなどの)観客

spectator スポーツの試合などの観客。見物人

passenger (乗り物の)乗客。旅客

customer 商店などの客。取引先

guest ホテルの宿泊客。式などの招待客。パーティなどの招待客。番組の特別出演者、ゲスト。


主人 host, master


「客」の類義語については、桐原4500が分かりやすい。上記の一覧も、ほぼ桐原4500の内容を写したものである。


なお、エージェント agent は「代理人」。「代理店」は agency である。とはいえ「代理店」と言っても高校生にはイメージしづらいから具体例を言うと、旅行代理店や広告代理店などがある。

東京書籍とジーニアスで確認できるが、「旅行代理店」は a travel agency である。

同様に、東京書籍・ジーニアスなどで確認したところ「広告代理店」は an advertising agency である。なお、桐原にはない。


ほか、法律用語の「代理人」で attorney (アトーニー)というのがあるが(桐原5500、旺文社1900)、法律知識もないのに深入りしてもしかたないので(しかもアメリカ法)、説明を省略。attorney は「弁護士」という意味もある(桐原5500、旺文社1900)。


そんな単語よりも、スペクタクル spectacle を覚えたい。

spectacle とは「壮観」(旺文社1900およびジーニアスとセンチュリーで確認)とか「美景」(ジーニアス)の意味である。なお、桐原と東京書籍にはない。

よく日本では映画とかの宣伝で「スペクタクル!」とか言うが、正しくは派生名詞 spectacular (スペクタキュラー)であり「超大作」の意味である(ジーニアスで確認)。

-spect- (スペクト)というのは、「見る」という意味である。

だから観客 spectator も、見物客のようなニュアンスである。

ほかの名詞の例なら、たとえば、prospect が「見通し」である。

単語集にはないが、査察官や検閲官をinsepector と言うが、inspect は「検査」「検閲」などと訳されるが、つまり inspect は「詳しく見る」というニュアンスである。


「常連客」は a regular customer である(東京書籍3000および桐原4500)。

典型的な例文が、「彼は私の店の常連客だ。」であり、

He is a regular customer of my store. 「彼は私の店の常連客だ。」

である。


host (ホスト)は、パーティなどの客(guest)をもてなす「主人」「主催者」の意味。

つまり、host と guest はそういうセット。


いっぽう、雇い主に対する「主人」は master (マスター)という別の単語であるが(桐原3000、旺文社1900巻末)、やや古風な表現である。

今日では、chief とか head とか boss とか(ジーニアス和英「主人」)、言い換えされること多いだろう。


「達人」を意味する master と同じ単語である(桐原)。

東京書籍4500では、master は名詞としては「達人」「名人」の意味でしか紹介していない。

master は名詞では「名人」「達人」だが、動詞としては「習得する」の意味になる。

a master of English で「英語の達人」、

master English で「英語を習得する」

のようになる。


みる人

spectator スポーツの試合などの観客。見物人

witness 目撃者・証人

証拠 evidence

(※範囲外) 監視人・看護者 watcher


「目撃者」や「証人」のことを witness という。 wit- とは、機知に富むことを「ウィット」と言うが、英語でも wit という単語があり、同じ意味である。

witness には動詞で「目撃する」「証言する」の意味もある(桐原4500、旺文社1900)

辞書によくある典型的な例文は、

「私は証人として裁判に呼ばれた。」 I was called as a witness at the trail.

である(センチュリー、ジーニアスに似た例文)。


ただし、単語集にある例文は、「目撃者」の例文ばかりである。

単語集にはない単語ですが、 eyewitness でも「目撃者」です。


動詞 testify (ティステイファイ)は「証言する」である(旺文社1900巻末、ジーニアス、センチュリー)。名詞 testimony (ティスティモウニー)は「証言」である。

testify には(法廷で)「証言する」「証明する」だけの意味しかないので、法律分野に専門的な英文では、なるべくこれを使うのがよいだろう。


watcher は単語集にはないが、watch は「注意してじっと見続ける」という意味なので(桐原3000)、したがって watcher も何らかの目的で見続けている人のことなので、なにかの監視人や、寝ずに看病している人に使う(ジーニアスで意味を確認)。


spectator については「客」の項目で解説済みなので、説明を省略する。


裁判

judge (裁判官が)判決する、(競技・コンテストで審判が)判定する、判断する

judgement (裁判官による)判決、判断

trial 裁判・公判、試験、試運転

court 裁判所、法廷

courtroom 法廷
courthouse 裁判所
桐原4500に「courtroom 裁判所」とあるが、誤記だろう。念のため、辞書で courtroom 「法廷」などを確認してある。等経書籍4500および旺文社1900には courtroom などはない。「裁判所」のcourt と球技のコート court は同じ単語(桐原5500)。

accused 被告人、被告


suit, lawsuit 訴訟

立法 legislation

司法の judicial


武力に訴える resort to force

上級裁判所に訴える appeal

懇願 beg . appeal

刑 sentence


trial は、動詞 try「試す」の名詞形である。

試運転は、自動車の場合、

put a car to trial

という(ジーニアス)。車だけでなく、機械をためしに動かすことも、日本語でも「試運転」といい、英語でも put a machine to trial である(センチュリー)。


trial には「裁判」「公判」の意味もある。なお、「公判」とは、公開の法廷で行われる、裁判官と原告・被告が法廷であらそうアレであり、いわゆる日常語でいう「裁判」である。

実は法律用語の「裁判」と、日常語の「裁判」とが、意味が違っている。日本のいくつかの法律では「裁判」とは、裁判官による判決、のような意味で使っている場合もある。

しかし trial はそういう意味ではなく、原告による訴訟の提起から、法廷での争いを経て、裁判官による判決で終わるまでの、一連の出来事、またはそのうちの法廷での争いのことを trial と言っている。

on trial で「裁判中の」という意味である(桐原)。ただし辞書では確認できなかった。

on trial for ~で「~の罪での裁判の」という意味である(旺文社)。ただし辞書では確認できなかった。


judge は、まず裁判官などの「判決」などの意味を覚えてもらいたい。

そのほか、「見かけで人を判断すべきではない。」 You should never judge people by ~(見かけ)

といい(桐原、センチュリー)、また

「成績だけで子供を判断してはいけない。」とかを Don't judge only ~(成績)

でいう(東京書籍)。

センチュリーによれば、「外見」は appearance である。judge a person by appearances で「外見で人を判断する」である(センチュリーではアピアランスの最後は複数形)。

桐原によれば、「容姿」はlooks である。You should never judge people by their looks で「人を容姿で判断すべきではない」である(桐原より引用)。


イギリス英語とアメリカ英語で、

イギリス judgement

アメリカ judgment

という違いがある。

イギリスだと、judg- と -ment の間に eがある


競技などの「審判員」について、judge のほかにも、単語集にはない単語だが umpire(アンパイア) や referee(レフェリー) という単語がある。

しかし、umpire は野球、バドミントン、テニス、クリケット、など、審判が固定位置にいる一部のスポーツに限られた呼び方である。

referee は、サッカー、バスケットボール、ボクシング、レスリング、ラグビーなど、審判が動き回る競技における、審判のことである。

このように、特定のスポーツでしか通用しない単語なためか、単語集には umpire も referee も書かれていない。

競技ごとに確認するのが面倒なら、「審判員」については judgeを使うのが無難である。


動詞 accuse は「告発する」「告訴する」の意味。

なので、派生の名詞 accused は「被告人」の意味である(旺文社が紹介)。

be accused of B で「Bの罪で告発される。」

なお、ここでの accused は過去分詞である。


たとえば、東京書籍いわく、スパイの罪なら

He was accused of spying. 「彼はスパイの罪で告発された。」

である。

桐原いわく、殺人罪なら、


He has been accused of murder. 「彼はスパイの罪で告発された。」

である。

名詞 accusation は「告発」・「非難」の意味の名詞。


「弁護する」は defend で言える(東京書籍)。

日本でも実は法律用語では、法廷での原告側と被告側との闘争のことをまとめて「攻撃防御」と言う。

「攻撃」は、相手側の落ち度を攻める主張である。

「防御」は、自分側の主張の正当性の主張である。

防御に関する限り、日本の法律用語と英語が、だいたい同じである。

法廷での「攻撃」をどういうかは知らない。


defendant は「被告」「被告人」の意味である(ジーニアスで確認)。旺文社では「被告」とだけしている。

対義語は plaintiff 「原告」である(ジーニアス、センチュリー)。単語集では桐原5500のみ plaintiff を紹介。

つまり

(被告・被告人)defendant ⇔ plaintiff (原告)

である。


「訴訟」「告訴」は suit である。衣服などのスーツなどと同じスペルと発音。

bring a suit against ~ で「~に対する訴訟を起こす」である(ジーニアス、東京書籍)。

sue という動詞もあるが、単語集では旺文社しか紹介していない。東京書籍・桐原は sue を照会せず。

ほか、旺文社1900の file の項目に紹介されているが、

file a suit against~ で「~相手に訴訟を起こす」

である(旺文社1900、ジー二アス、センチュリー、Z会TOEIC本)。file (ファイル)という動詞がある。

たとえば

file a suit against her 「彼女相手に訴訟を起こす」

となる。

なお、動詞 suit は「適する」「好都合である」の意味である。動詞 suit に訴訟の意味は無い(ジーにアス、センチュリーで確認)。

「武力に訴える」「暴力に訴える」「力に訴える」は、動詞 resort (リゾート)を使い、 resort to force という。センチュリーが「力に訴える」と表記している。

resort は、よくない手段に「訴える」という意味である(東京4500、旺文社1900)。桐原の単語集では見当たらない。


resort to ~(名詞)で「~に訴える」の意味である。

観光などのリゾート地をあらわす名詞 resort と、動詞 resort は同じスペルかつ同じ発音である。

ジーニアスいわく、resort の原義は「再び(re)出かける(sort)」である。どうもリゾート観光地のほうが、原義に近そうである。


「暴力に訴える」なら resort to violence でも言える(センチュリー)。

「武力に訴える」なら resort to arms でも言える(ジーニアス)。


「最後の手段として」 as a last resort

である(旺文社、ジーニアス)。


「立法」 legislation は、桐原5500と旺文社1900にしか書いてない。東京書籍4500にはない。

legislative body で「立法府」である(桐原5500、ジーニアス)。

legislation には集合的に「法律」の意味もあり(旺文社、ジーニアス)、旺文社1900にはそれが紹介されているが、しかし普通は law 「法律」と言えば済むだろう。


「司法の」 judicial は桐原5500にある。

judicial body で「立法府」である(桐原5500、ジーニアス)。


名詞形は justice (ジャスティス)だが、意味が「裁判」「公正」「正義」と幅広い(桐原5500、旺文社1900)。旺文社に「正義」の意味あり。

「正義」という意味での justice は、司法にかぎらず「正義」一般を意味する。


appeal (アピール)は、日本語でもよく「観客にアピールする」とか言うが、英語の appeal には上級の裁判所に「訴える」という意味もある(センチュリー、ジーニアス)。

日本語とは、やや意味が違うので、注意必要である

英語の appeal には、「懇願(こんがん)する」のような意味があり、これが幾つかの辞書では第一の意味である(ジーニアス、センチュリー)。 また、基本的には援助(help は aid)などを求めるのに appeal を使う。

たとえば

appeal to me for help 「私に援助を求める」

のように使う(ジーニアス。桐原は meの代わりにgovernment)。

だから appeal で訴える相手は、辞書の例文では、裁判官 や 学校の先生 だったりする。

なお単語集では、桐原4500と旺文社1900が、農家 farmer による政府 government に対する訴え appeal である。

つまり、

The farmers have appealed to government for ~(要望) 「政府に~を訴えた」

である。


ただし実際には、「武力に訴える」でも appeal は使われる(桐原、センチュリー)。

appeal to arms 「武力に訴える」

のように(センチュリー)。


上述のように appeal の「懇願する」は、なんか発言権としての「要望」のようなニュアンスがある。

そういうのを言いたい場合ではなく、もっと請う(こう)ように「懇願する」場合には、beg (ベッグ)を使う。

典型的な例文は、辞書にないが単語集によくあるのは、

「彼はチャンスをもう一度だけと私に懇願した。」He begged me for one last chance.

のような文章である(旺文社1200。東京書籍3000に似た例文)。

ジーニアスによるとbegには「乞食をする」のような意味もある。センチュリーはbegには「物ごいをする」の意味があると言っている。なので使用には注意が必要かと。 ややあいまいな表現にはなるが、ask などを使って言い換えるのも一つの手(ジーニアス)。

また、だから名詞 beggar で「乞食」の意味である(旺文社1400)。

なお、 beg の活用は

beg - begged - begged

である(桐原3300)。

あれこれとbegを説明したが、東京書籍3000では巻末送りになっている単語なので、あまり詳しく暗記する必要は無い。


sentence (センテンス)は文法用語では「文章」の意味だが、法律用語では「判決」の意味もある。

そして sentence (センテンス)には、「刑」という意味もある。

He received a three-year sentence 「彼は懲役3年の刑を受けた。」(旺文社3000、桐原4500)

He was sentence to death. 「彼は死刑の判決を受けた。」(東京書籍、啓林館(検定教科書) ELEMENT II )

のように使う。


penalty (ペナルティ)「刑罰」「処罰」が、なんと高校の範囲外。桐原に fine 「罰金」の項目に類義語として penalty が書いてある。



罪と罰

punish 罰する

guilty 有罪の

crime 犯罪

commit 犯罪をする

punish A(人) for B(理由) 「A を Bの理由で罰する」


punishment 「処罰」「刑罰」「罰」

東京書籍は「罰」。桐原は「処罰」。旺文社は「処罰」「刑罰」。

punish の罰は、べつに法廷や警察の処罰にかぎらず、学校などで教師が生徒を処罰するのでも punish を使う。東京書籍や桐原や旺文社の例文が、学校での処罰。


「犯罪」、(法律上の)「罪」 crime


「罪」の意味での crime は、法律上の「罪」のこと。


「宗教上の罪」sin

なお、宗教上・道徳上の「罪」については sin (発音は「シン」)という別の単語がある(旺文社1400巻末の類義語)。

最近の一般の単語集には sin はないが、昔の単語集には書かれていたりするので、知識人層の大人は知っいる単語なので、教養として sin も知っておこう。


「犯人」「犯罪の」 criminal

criminal には、形容詞「犯罪の」のほかにも、名詞「犯人」の意味もある。


桐原・旺文社いわく

commit a crime 「犯罪を犯す」


「犯罪行為」は東京書籍いわく criminal activity であり、センチュリーいわく criminal act である。


東京書籍の言い回しのほうが(つまり criminal activity という言い方)、誤解のおそれが少なく安全だろう。

というのも、 act という単語は、「法律」の意味でも使われるからである。



なお、「委員会」 committee の冒頭部分とスペルは同じである。だが、意味が明らかに違うので、事実上、まったく別の単語であるとみなすほうが良いだろう。

なお「委員会」「委任」は commission ともいう。「犯行」も commission である(桐原)。

語源からすると、ジーニアスいわく、commit の古い意味が「ゆだねる」らしいので、むしろ「委員会」や、後述の「約束」や「献身」のほうが語源に近い。「犯罪する」のほうが、語源から離れた、奇妙な意味である。

commit には、「約束する」や受身形で「献身する」の意味もある。

be committed to ~ で「~に献身する」の意味である(旺文社)。

「約束」「献身」は名詞 commitment である(桐原)。


thief 「どろぼう」「空き巣」

thieves 「どろぼう」thiefの複数形

theft 「盗み」


動詞 steal 「盗む」の名詞形 stealing でもよい。


guilty 「罪の」「有罪の」

guilt 「罪を犯していること」


東京書籍いわく

「~にBの罪で判決を下す」 find ~(人) guilty of B(罪状)

たとえば「裁判官は殺人の罪でその男に有罪判決を下す」なら(東京書籍、ジーニアス)、

The judge find the man guilty of murder.

である。

ここでの judge は名詞で「裁判官」のこと。


旺文社いわく、

「~を無実だと判決を下す」find ~(人) innocent of B(罪状)


対義語

innocent 「無罪の」

innocence 「無罪」

guilty ⇔ incorrect

guilt ⇔ innocence


guiltyに「罪悪感」の意味もある。

feel guilty about ~ で「~に罪悪感をいだいている」


たとえば

T feel guilty about ~ 「~のことで私は罪悪感をいだいている。」

のように使う。(東京書籍、センチュリー)


They were proven guilty. 「彼らが有罪だと立証された。」(桐原)

He was proven guilty of murder. 「彼の殺人罪が立証された。」(センチュリー)


献身する

devote, dedicate,

おそらく、devote (ディボウト)が、「献身する」の一般的な語。 東京書籍4500でも、devote は本編で最初のほうに紹介しているのに、dedicate (デディケイト)は巻末おくりである。

桐原にいたっては、そもそも桐原4500にdedicate が無い。

サッカーの練習に身をささげるみたいな、たぶん趣味的なことから、センチュリーいわく「初等教育に身をささげる」みたいなのまで、devote で表現できる。

なお、ジー二アスでは dedicate で「英語教育に専念した」というのがあるので、教育に献身するのは devote でも dedicate でもどちらでも平気だろう。

devote はあるが、とくに再帰代名詞をともなって

devote oneself to ~(名詞) 「~に専念する」

という用法もある(ジーニアス、文法参考書など)。


devote について、東京書籍いわく、ギターを一生懸命に練習したとか(ギターに身をささげる)、ジー二アスいわくサッカーを一生懸命に練習したとか(サッカーに身をささげる)は、devote を使う。


語法として、

devote ~(自分の時間など) to 〇〇 で「~を〇〇に捧げる」

の意味である(東京書籍4500、桐原4500、旺文社1900)。


名詞 devotion で「献身」の意味である(東京、桐原、旺文社1900)。


語法として、

dedicate ~(自分の時間など) to 〇〇 で「~を〇〇に捧げる」

の意味である(東京書籍4500、旺文社1900)。


dedicate one's life to ~(福祉など) で「~に一生をささげる」「~に人生をささげる」

の意味(東京書籍、ジー二アス)。

たとえば

She dedicate her life to ~ 「彼女は~(福祉など)に一生をささげた」

のように使う。


追求と追跡

pursue 追求

chase 追跡

trace, track


pursue は「追求する」だが、死後となどのキャリアを「積む」という意味もある。

chase は、警察などが、逃げようとする犯人を捕まえるために「追跡する」のに、よく使われる。

典型的な例文が

「警察は背任を追跡した。」The police chased the criminal.

である(旺文社、桐原)。


trace を使った言い回しとして、

vanish without a trace 「跡形もなく消える」

があります(ジーニアス vanish、東京書籍4500の項目 vanish)。


もしかしたら track でも足跡以外の痕跡なども表現できるのかもしれません。ですが、痕跡を言うならもうtraceで十分でしょう。

trackは足跡やタイヤの跡と、あと運動場のトラックぐらいに使うのが合理的でしょう。


ほか、trace は、形跡などを「たどる」という意味で追跡すること。

このため、派生的に、trace にも「足跡」の意味の用法もあります(東京書籍)。なので、区別は track との難しいです。

なので、「vanish without a trace」のように言い回しごと覚えるしかありません。


ほか、track は、形跡を記録するという意味。

trace について、単語集にはないが、食品や農産物の生産履歴の追跡可能性のことをトレーサビリティ traceability という(ジー二アス)。

管理職に必要な知識であり、昨今の高校教育では、おそらく社会科の公民の政経科目などでも習うので、トレーサビリティ traceability を覚えること。

また、文房具などに売っている透明紙のトレーシングペーパーは、英語でも tracing paper である。

下に写したい手本の画像のかかれた紙を置き、その上にトレーシングペーパーを置いて、鉛筆などでなぞって写すのにトレーシングペーパーは使う。

また、この使い方から、絵や図面を書き写すのは trace を使うのが普通だろう(特に出典は無い)。

ほか、化学など理系の物質形の学問で、分子や物体などがどこに移動したかを測定できるようにする目印のことをトレーサー tracer という(ジー二アス)。

おそらく、放射性同位体とかの類かと(特に確認していない)。


仕事と労働

労働 labor

仕事 job, work


labor の意味は「労働」であるが、とくに「肉体労働」や、あるいは「きつい労働」を言う場合が多い。

経営者ではなく従業員階級という意味での「労働者」という意味でも labor は使われる。


アメリカ英語では、labor である。イギリス英語では labour である。

単語集にはアメリカ英語 labor のほうで書いてある。


なお、経営者のことを「資本家」とも言う。

「資本家」は英語で capital である(ジーニアス、センチュリーで確認)。

「資本家と労働者」を capital and labor という(ジーニアスのlabor の項目、センチュリーのcapitalの項目で確認)。

「資本家と労働者」のことを management and labor とも言う(ジーニアスおよび東京書籍で確認)。

日本語では、資本家と経営者をまとめて「労使」(ろうし)とも言う。


理科などの「実験室」 laboratory の語源が「労働」labor である(ジーニアスおよびセンチュリーで確認)。なので、スペルを覚えるときは、実験室の冒頭と同じと覚えればいい。この点ではアメリカ英語 labor のほうが合理的である。

米英の「労働省」のような名前の官庁でも、 labor と言う名称を使っている。イギリスの「労働省」の場合、 the Ministry of Labour である。

日本の「厚生労働省」は英訳が長いので紹介したくない。

labor は名詞「労働」のほかにも、動詞「労働する」もあるが、単語集では動詞の例文はなく、動詞の意味の紹介だけである。


labor自体に肉体労働的なニュアンスがあるが、特に「肉体労働」であることを確実に説明したい場合、「肉体労働」manual labor という表現もある(旺文社、桐原、ジーニアス、センチュリーの manual の項目)。

だが、「手仕事」 manual labor でもある(桐原)。

manual には「手動式の」という意味もある。単語集にはないが、a manual control で「手動制御」の意味である(センチュリー manual の英文と和文。ジーニアスにも同じ英文)。

名詞 manual が「手引書」という意味でもある。


さて、手を使わない肉体労働とか、どう表現すればいいのだろうか。たとえば、やたらと足を使う労働とか。

あるいは、手引書を確認しながら行う肉体労働とか、どうしようか。

ジーニアスで manual を調べたところ、physical labor でも「肉体労働」という意味である。


job

job は、「パートタイム仕事」 part-time job などの単語もあるが(東京書籍3000、ジーニアス英和の part-time の項目)、べつに job の使い道はパートだけではない。ジーニアスによれば、秘書の仕事でも job である。

「仕事を得る」「就職する」take a job とかで使う。

「仕事をやめる」は quit a job である。

ここでいう仕事は、給料を得るための「働き口」という意味である。

なのでjob には、「賃仕事」という意味もある(センチュリー、ジーニアスで確認)。


job と business の違いとしては、job のほうが口語的。

あとは上述の take a job など、いくつかの慣用表現の違いか。

ほか、business は普通、営利目的の「仕事」にだけ使う(ジーニアスで確認)。


work

学習としては、workは、動詞「働く」という意味が基本である。そこから、名詞「仕事」としての work の用法もあると派生できる。

そのほか、動詞 work には機械などが「機能する」という意味もある(桐原4500)。

名詞 work には、「作品」の意味もある(桐原4500)。

日本では芸術作品はアートワークというが、しかしジーニアスを見ると art of works である。また、「作品」の意味では複数形 works になる事も多い。

単語集にはないが、worksには「業績」の意味もある。


運搬

convey, carry

輸送用の乗り物などで「運搬する」ことを convey という(ジーニアスで「運搬」の意味を確認。旺文社も「運搬する」で紹介)。なお桐原はconveyは「輸送する」であると表現している。

この単語だけ聞くと難しそうだが、派生語がベルト・コンベヤーなどの「コンベヤー」 conveyor である。まず、コンベヤーを覚えよう。

センチュリーいわく、carry と convey のニュアンスの違いは、単に carry を固く言った表現が convey だとのことである。また、センチュリーいわく、convey はとくに乗り物で運ぶことを強調しているとのこと。


convey には、感情やメッセージや思想などを「伝える」の意味もあり、単語集にはこちらの意味と例文が書いてある。また、辞書でもこちらの意味を先に紹介している(ジーニアスとセンチュリーで確認)。

convey feelings 「気持ちを伝える」(センチュリーを改変)

convey emotions 「感情を伝える」(旺文社1900を改変)

convey a message 「メッセージを伝える」(東京書籍4500の例文をそのまま)

などのように使う。


なお、単語集にはないが、スペルの似ている convoy (コンボイ)は、動詞としては、軍隊・軍艦などが「護衛する」・「護送する」のこと。名詞としては、convoy は「護衛」・「護送」である。ほか、ある種の大型輸送トラックのことを convoy とも言う(ジーニアスで確認)。


communicate との違いとして、 communicate はどちらかと言うと情報や見解や知識やなどを、口頭や文通などで「伝える」と言う意味である(「見解」はジーニアスにあり)。

ほか、単語集にはないが、「病気をうつす」という意味が、 carry にも convey にも communicate にもある。convey の病気の意味についてはジーニアス英和に書いてある(センチュリーにはない)。


保証

assurance, guarantee


製品などの保証書 guarantee

役所の証明書 certificate


assurance は、約束などに裏付けされた「保証」。

guarantee は、契約違反時などは金などを受け取れる「保証」。なお一般に、不良品などの場合は、金の代わりに同等の新品などを受け取れる場合もある。


で、本当に保証をしているならば、契約違反などの際には金を払えるはずであるので、金を払う気のない assurance の価値が疑われるわけである。


なので、辞書では assurance を「保証」と書いているが、実際はニュアンスが違う。

辞書にはないが、工場などでの不良品の防止のための「品質管理」の業務のことを quality Assurance といい、よく「QA」と省略する。

不良品が出ると、企業側からすれば guarantee のための金を払うので余計な出費になるので、不良品を未然に防止するために assurance をするのである。

英文学はどうだか知らないが、工場労働ではこうである。


なので、借金などの「保証人」は guarantor である(東京書籍)。「保証人」とは、借金の際に、債務者がもし夜逃げしたり破産したりして金を払わない場合に、かわりに金を払う人のことが「保証人」である。

「保証書」も guarantee である(旺文社)。

そういう意味での「保証期間中」も under guarantee である(東京書籍、旺文社)。

だから「~は保証期間中である」は ~(isなど) be under guarantee である(ジーニアス)。


名詞 certificate は、出生証明書や結婚証明書や死亡証明書などの「証明書」のこと。スペルが動詞っぽいが、certificate は基本的に名詞である。

「出生証明書」は a birth certificate である(ジーニアス、旺文社、センチュリー)。「死亡証明書」は a death certificate である。

ほか、教員免許(センチュリー)などの仕事の免許状などを与えることも certificate である。

動詞としての certificate は、上述のような「証明書を与える」という意味。

動詞 certify は、上述のような証明書が、◯◯を「証明する」という意味で、 certify that ~ という決まり文句で「~を証明する」とその証明書類に書かれることが普通である。

旺文社の単語集にしか書いてない単語だが(東京書籍4500と桐原5500にはない)、しかし証明書の申請や発行や提出は、欧米での仕事で確実に使われる表現だろうから、ぜひ certificate は覚えてもらいたい。

インターネットのサーバー証明書や公開鍵暗号の証明書なども certificate を使った言い回しなので、この単語を覚えておこう。


assure は、一節には sure 「確実な」から派生した単語なので、「確信させる」が原義だという説もある(ジーニアス)。また、-sure には古くは「安心」という意味があるという説もある(センチュリー)。

ジーニアスのassureの派生に「安心」がどうこう言ってるのは、おそらくソレを意識しただけの説明。


assure には、「確信する」や「確かめる」なの意味もある。


insurance は「保険」という意味の名詞。 insure は「保険をかける」という意味の動詞。

「生命保険」は life insurance である(桐原、ジーニアス、センチュリー)。「健康保険」は health insurance である(東京書籍、センチュリー)。


桐原5500にwarrant という単語がある。

warrant は、商品の「保証書」の意味もあるが、この意味では guarantee のほうが普通だとセンチュリーは言っている。どちらかというと warrant の意味は「令状」「逮捕令状」「倉荷証券(※商業の専門的な証券のひとつ)」「委任状」「許可証」「新株引受権」のような意味であり、つまり warrant は何かの権限や権利のあること証明する証明書の類である。

さて、派生語の unwarranted 「公認されていない」 が東大の英文に出題とのこと(桐原5500)。

warrant には「妥当だとする」の意味もあり、この意味で同志社大に出題されたと、桐原5500は言っている。

辞書には、ジーニアスにもセンチュリーにも、warrant の項目では、まずは「令状」などの意味を先に紹介している。

日本の国公立大の入試の英文とは、こういうものだと、指摘をしておこう。


穀物

穀物 grain

小麦 wheat

小麦粉 flour


「穀物」(こくもつ)とは、米や小麦などのこと。一般に、食べて炭水化物をとるための農産物が、穀物である。


なお、桐原いわく、「大麦」は barley である。oat は「カラス麦」。

いちいち大麦とかカラス麦とか覚えるのが面倒なので、受験生としては、不正確だが wheat で大麦も小麦も押し通すのが良いだろう。センチュリーいわく、ライ麦は rye であるとのこと。


wheatの典型的な例文は、単語集にはないが、

「小麦をひいて小麦粉にする」 grind wheat into flour

である(センチュリー、ジーニアスで、同じ英文)。


「小麦畑」は a field of wheat である(東京書籍、センチュリー)。


「小麦粉」 flour の発音と、「花」 flower の発音は同じ(桐)。


魂と霊魂 soul, spirit

幽霊の出る haunted


soul は spirit よりも宗教的な色彩が強い(ジーニアス)。

つまり、soulのほうが宗教的。

しかし、soulもspirit もどちらとも、宗教以外にも、「精神」や「情熱」や「気迫」みたいな意味でも使う。

ジーニアスいわく、soulは「精神」の用法では、mind や heart とほぼ同じ意味とのこと。

soulの発音は、「足の裏」sole と同じ発音(桐原、旺文社)。


単語集にもある典型的な例文

「死者の魂のために祈る」 pray for the souls of the dead

(センチュリー、東京書籍)。「死者の冥福(めいふく)を祈る」ともいう(ジーニアス、東京書籍)。


単語集では旺文社にしかないが、辞書でよくある例文で、

「霊魂の不滅を信じる。」 believe the immortality of the soul.

などが辞書で典型的である(ジーニアスとセンチュリーで同じ例文)。

つまり、「霊魂の不滅」 the immortality of the soul である(旺文社)。

immortality は構造はイン・モ-タリティだが発音は「イモーダリティ」と読み、「不滅」の意味。


単語集にはないが、「精神」と言う意味では典型的な例文として、

He put one's heart and soul into the work. 「彼はその作品に全身全霊で打ち込んだ。」

などが辞書で典型的である(ジーニアスとセンチュリーでほぼ同じ例文)。


ほか、形容詞「幽霊の出る」は形容詞 haunted (ホーンテッド)である(旺文社1900)。

動詞「(幽霊が)出没する」は haunt である(桐原5500)。

東京書籍4500 に haunt などは無い。

出没する「幽霊」は、たとえば ghost など(桐原5500 のhaunt の例文)。

a haunted house で「幽霊屋敷」(旺文社)または「お化け屋敷」(センチュリー)である。ジーニアスには無い。


勇気のある

brave, courage

戦士 brave

勇気 courage


臆病な cowardly, timid


brave 「勇敢な」と courage 「勇気のある」は、ほぼ同じ意味(ジーニアスで確認)。

courage のほうが固い言い回し。

brave のほうが、危険のある行為に立ち向かうさまに使われる場合が多い。

このためか、「勇敢な兵士」を言う場合は a brave soldier のように brave でいうのが自然だろう(センチュリー)。

旺文社では「勇敢な兵士」 a brave fighter である。


だが、そうでない用法の場合もあり、その場合は区別がつかない。

たとえば桐原では「あの人たち全員の前で話をするとは、君は勇敢だった。」という文章で brave を用いている。

逆に courage は「彼は勇気を持って病気に立ち向かった。」という文章である。

また、単語集にはないが、名詞 brave には、勇気の意味はない。名詞 brave は、北米先住民の「戦士」の意味である。

名詞 courage が「勇気」の意味である。

動詞 encourage は「勇気づける」「励ます」の意味である。

encourage ○○(人) to ~(動詞) で「○○(人)に~するように強くすすめる」


「勇敢な」brave の対義語は「臆病(おくびょう)な」cowardly という形容詞である。単語集で cowardly を調べてみると、東京書籍でも桐原でも旺文社でも、どの単語集でも「おくびょう」とルビを振っている。

cowardly は副詞ではなく、形容詞である。

念のために結果だけ言うと、cowardly は「臆病な」という意味の形容詞である(ジーニアス、センチュリー、旺文社、東京書籍)。

なお、-ly をはぶいた coward は「臆病もの」という意味の名詞である。なお、桐原では名詞形 coward を「ひきょう者」と平仮名で表記。文法参考書では文英堂『インスパイア』が否定表現の単元で coward という単語を使っている(『INSPIRE総合英語 三訂版』、荻野敏 ほか3名 著、2012(※月日の情報は無し)、P457)。

名詞形 coward (発音「カウワード」)は「臆病者」「卑怯者」の意味である(桐原、ジーニアス、センチュリー)。

形容詞 coward の発音は「カウワード」である。発音注意の単語として、桐原4500には注意が書いてある。東京書籍の単語集だと対義語としての紹介なので発音が載っていない。旺文社だと巻末なので、発音が載っていない。形容詞 cowardly の発音も同様に「カウワードリー」である(ジーニアスで確認)。

なお、アメリカ童話『オズの魔法使い』(The wizard of Oz)の「臆病なライオン」は coward (=臆病な)なライオン(東京書籍『All Abroad! I』検定教科書)。

cowardly には、「臆病な」の意味のほかにも、「卑怯(ひきょう)な」という意味もある。


timid (ティミッド)には「臆病な」「内気な」の意味がある(旺文社)。よく、小さな子供が人見知りをして知らない大人をこわがる様子に、timid を使う(旺文社1900、センチュリーの例文)。

東京書籍4500および桐原4500・5500は timid を紹介していない。辞書を見ても、特に共通の言い回しはなく、著作権的に紹介しづらいので、省略する。


本物の

genuine , real, authentic

偽者の fake, false


形容詞 genuine という単語があり、形容詞 real の類語ではあるが、若干のニュアンスの違いがある。

美術品などの「本物」は、好んで genuine を使い、たとえば

「本物のピカソの絵」 a genuine Picasso

のように使う(東京書籍、センチュリー、旺文社)。なおセンチュリーではピカソではなくラファエロ。旺文社はルノワール。

そのほか、カバンなどが本革(ほんがわ)のことを genuine leather という(桐原、旺文社)。


ジーニアスだが、「本人の署名」 a genuine signature である。

対義語は fake や false など(桐原)。


旺文社1900と桐原5500が、genuine の類義語として authentic を紹介している。

authentic は、作者による作品であることを保証している。一方、材質などは authentic では保証しないのが普通。

使い方もほぼ同じ。

(ジーニアスいわく)「本物のピカソの絵」 an authentic Picasso

(センチュリーいわく)「本物のゴヤの作品」an authentic Goya

(センチュリ-いわく)「本人の署名」an authentic signature

である。



偽造する(※高校英語の範囲外)

文書や貨幣を偽造する forge

芸術作品を偽造する、仮病 fake

文書を偽造する falsify


文書や貨幣などを「偽造する」は forge をつかう(センチュリー、ジーニアス)。なお、旺文社1900に forge という単語がある(旺文社1900)。

典型的な例文は、

forge a passport 「パスポートを偽造する」

である(旺文社、センチュリー)。


fake でも「偽造する」の意味があるのだが(センチュリー、ジーニアス)、用例を見る限り、芸術作品を「偽造する」の場合が多い。

東京書籍4500では、「偽者」の意味で名詞 fake が出ている。桐原4500では、false の派生語でfake が「本物でない」として出ている。

つまり、動詞 fake は、高校英語としては、ほぼ範囲外である。


さて、動詞 fake について

ほか「仮病をつかう」 fake illness

という言い回しがある(センチュリー、ジーニアス)。


なお、鍛冶屋などの「鍛造(たんぞう)する」も forge である。

名詞形 forgery は「偽造品」「模造品」の意味のみ(旺文社、ジーニアス、センチュリー)。


falsify はふつう、文書を「偽造する」のことをいう(ジー二アス、センチュリー)。

旺文社1900いわく、英検準1級で出る範囲とのこと。


文書の偽造にしか使えないfalsify よりも、文書と貨幣に使える「偽造する」 forge を使うほうが無難だろう。

その他、falsify には、「事実を曲げて伝える」の意味もある(ジー二アス、センチュリー)。

動詞 distort (ディストート)は、物体などを歪めるという意味だが、派生的に「事実を歪めて伝える」という意味もある(旺文社1900、東京書籍4500巻末)。

物理学などで、光の像をゆがんだりすることを distortion (ディストーション)という。

物理学や機械工学などで「ねじり」や「ねじり力」のことを torsion (トーション)という(センチュリー)。このように distortion が torsion の否定語ではなく類義語であることに注意したい(センチュリー)。


保つ

maintain, preserve,

(※ 説明省略)retain

守る protect

思想などの保守 conservative


preserve はよく、史跡や森林などを「保存する」という意味に使われる。じっさい、東京書籍の例文は史跡の「保護」だし、桐原の例文は自然環境の「保護」である。


protect は森林「保護」にも使われるが、protectは破壊から守るというニュアンスが強い。

ただし、ジーニアスで確認したところ、preserve でも野生動物を「守る」という意味でも使われる。あまり使い分けは明確ではない。


maintain は、機械などを「保守する」や「整備する」の意味でもよく使われる。東京書籍でオートバイの整備を maintain で説明。

アパートの手入れも maintain であると、ジーニアスとセンチュリーが言っている。

This apartment house is well maintained. 「このアパートは手入れがよく行き届いている。」

である(ジーニアスより引用。センチュリーにも似た文章)。


機械だけでなく、平和や法秩序などを維持するのにも maintain が使われる。東京書籍は法秩序(law and order)の維持。センチュリーが世界平和(world peace)の維持。

また名詞形 maintenance でセンチュリーが法秩序の維持。


家族などを「扶養する」もmaintain である。なおsupport でも「扶養する」になる(ジーニアス)。旺文社にもmaintainの「養う」が書いてある(意味のみ。例文なし)。桐原にも「扶養する」が書いてある(意味のみ)。

単語集にはないが、自動車の速度を「維持する」もmaintainである。


retain という単語があり「保つ」の意味があるが、説明が難しい。桐原はretainを紹介していない。


conservative 「保守の」は、思想などが保守的であることについて、よく使われる。

しかし、名詞 conservation は、自然保護や資源保護などに使われる。

動植物などの「保護区」は、conservation area であると、桐原およびジーニアスが言う。

単語集には conserve を「保存する」としか書いてないが(東京書籍)、辞書で調べれば動詞 conserve は、環境や資源などを「保存する」の意味である。旺文社も、環境・資源を「保護する」のが conserve だと言っている。

ほか、単語集は述べていないが、果物を砂糖漬けにして(いわゆるジャムにして)「保存する」ことも conserve という。


動詞 reserve は、ホテルの部屋や座席などを「予約する」の意味や、そのほか「保留する」「留保する」などの意味であるが、同じスペルの名詞 reserve には動物などの「保護区」の意味がある。


予備

reserve, spare


予約

reserve, appointment


そのほか、名詞 reserve の「予備」や「予備金」や「予備軍」の意味がある。

なお、ホテルの「予約」や「予約席」は reservation である。


なお、病院・美容院などの「予約」は appointment である。ただし、「予約」の意味を覚えるのではなく、appoint は「面会の約束」の意味があることを覚えるべきである。医者または美容師など対人サービスを受けるための約束を取り付けるという意味で、派生的に「予約」になると理解すれば、暗記の負担が減る。

have appointment with ~(人)で「~と会う約束をしている」の意味である。

I have an appointment with him tomorrow. 「あす、彼と会う約束をしている。」

である。

なお「病院」は英語で hospital である。

形容詞 spare でも、部屋や鍵などの「予備の」「スペアの」「余分の」の意味がある。

そのほか、動詞 spare には、時間を「割く」という意味がある。

spare w few minutes 「少しだけ時間を割く」

である。


典型的な例文が、

「(私のために)少しお時間を割いていただけますか?」Can you spare me a few minutes?

である(桐原に同じ例文。東京書籍に似た例文。なお和訳は東京書籍より)。

なお、桐原は上記英文の和訳を「少し私に時間をさいてくれませんか。」としている。

このように、和訳は多少は幅があってもいい。


凝視する

gaze, stare, contemplate

くらやみとかで見る peer

gaze at, stare at, peer at, contemplate


「凝視」(ぎょうし)とは「見つづける」ことだが、一口に「見つづける」と言っても、日本語でも、不良が「ジロジロと見ているんじゃねえ!」という場合の見続けられる行為の印象と、一方で恋愛小説とかで「恋人どうしが見つめ合っている」と言うような場合の見続けられる行為とでは、印象も違えば言い回しも違う。

英語でも、gaze と stare がそういう関係である。

stare は普通、あまりよくない印象の場合に使う。

一方、 gaze は、興味などで見続ける場合に使う。


ただし、見ている側は特に悪意はなくても、見られている側が不快に思う場合もあるので、そういう場合に gaze か stare なのかは、判断は難しい。

とりあえず、私たちは問題を単純化して、見ている側が悪意や不信感で見ているなら、見られている側もそう受け取って不快に感じるという、単純な世界観を想定しよう(現実世界はそうではないが、ここでは英語学習のために我々は単純な世界観・人間観で済ますことにする)。


物思いにボーッと見ている場合でも、あるいは興味をもって見ている場合でも、gazeでは特に区別はしない。

たとえば、東京書籍では gaze で、恋人同士が見つめあう表現を gaze、旺文社では物思いに海を見続けている表現を gaze にしている。

見ている側の気分は明らかに違うが、しかしこういう場合、どちらとも gaze である。

一般に、喜びや感動などで見ている場合は gaze であるとされる。


stare の典型的な例文は

「私をじろじろ見ないで。」 Don't stare me.

である(東京書籍、ジーニアス。ジーニアスでは和文が少し違う)。


ただし実際には、ジーニアスいわく、 stare でも、「見送る」とか、「ウィンドーの中の人形を驚きの目で見た」などでも使う。


おそらく英米人の側でも、たぶんあまり stare と gaze の使い分けは厳密ではないのだろう。所詮、言葉は生き物である。

日本人としては、読解なら文脈からstareとgazeの意味を判断するしかないし、英作文なら実務では勤務先などの用例に合わせて使い分けるしかない。


見ている側が感動してみていても、見られている側が好奇の目で見られると受け取って不快に思う場合もあるかもしれない。

だから前後の文脈や、業界の慣習などから、判断せざるを得ないだろう。

辞書を見ても、特にそういう区別がつきづらい場合については、言及されていない。


gaze でものを見るときの英文では、

gaze at it 「それを見る」


のように、前置詞 at をつける。into や on や upon などの場合もある。


覚えるのは一見すると大変そうだが、しかし中学英語のlookの語法の look at ~ 「~を見る」と同様だと覚えればいい。

しょせん、英語を話している英米人にとっては、彼らの国の子供などでも英語を使えるように、あまり記憶しないでも使えるような語法が生き残っている。

なお、stare は、at なしでも言えるが、しかし stare at ~「~をじっと見る」 のように言ってもいい(桐原)。

結局、gaze も stare も、look at ~と同様に、gaze at ~、stare at ~と覚えれば済むように出来ており、このため米英人の子供でも気楽に使えるようになっている。


stare のあとが代名詞(him や her など)の場合は、例文を見ると at が省略されているのが多い(旺文社、ジーニアス)。だが、辞書でそういう規則を説明しているわけでもない。

まあ、 おそらくは stare at him などと言っても通じるだろう。

実際、センチュリーでは、He stared at me. 「彼は私をじろじろ見た」のような文型で例文がある(heではなくthe stranger だが、スペルが似ていて紛らわしいので、wikiではheに変更した)。

逆に gaze のほうも、実は at を使わずに gaze the boy「その少年を見つめる」のように言ってもいい(センチュリー)。


gaze のあとが、at か into か on かなどは、文脈にもよるだろうから、入試には出ないだろう。

出るとしたら、off とか down みたいな、look のあとには通常は来ない前置詞を選ばせない類の問題だろうか。

なお、stare のあとには、通常は into や on はつけない(桐原)。stare に前置詞をつけるとしたら、at である。


動詞 contemplate 「熟考する」には、「じっと見つめる」「凝視する」という意味もある(桐原5500)。桐原5500だと掲載スペースの都合からか、見る意味では「じっと見つめる」が書いておらず「凝視する」だけだが、しかし実際は後述の例文のように、割と軽い意味で使われるので「じっと見つめる」「じっくり見つめる」などと和訳したほうが適切な場合も多いだろう。

なお、contemplate のうしろには、at などの前置詞はつけない。辞書で確認しても、at などをつける用法は見当たらない。

contemplate the water 「水をじっと見ている」(センチュリー)とか contemplate the star 「星をじっと眺める」(ジーニアス)のように、前置詞をつかわずに直接的に書く。

前置詞をつけない理由の覚え方は、言語学的に真面目に考えるよりも、推測になるが、contemplate はもとから発音が長いのに、さらに後ろに at とか into とか付けて発音を長くしたくない、という発音の手間的な都合だろうとでも考えれば、受験対策としては十分だろう。

また、文章で書く場合でも、contemplate がただでさえ固めの言葉なので使用条件で悩むのに、さらに「 at をつかうべきか?それとも on か?」とか悩みたくない、という都合かと。


動詞 peer は、暗闇とかで、見づらいものを、見ようとして、「じっと見る」という意味。単語集では旺文社だけが紹介。

この peer は多義語であり、名詞 peerは「同等の人」「同僚」「仲間」や「貴族」という意味がある。東京書籍が巻末で「仲間」peerを紹介。

前置詞については、stare at や gaze atなどと同様に、peer at ~ や peer into ~ のように言う(ジーニアス、センチュリー)。

動詞 peer の場合、前置詞抜きの用法は、辞書では見つからなかった。

覚えるのが一見すると大変そうだが、しかし peer には名詞の意味もあるので、前置詞 at や into があることで名詞との区別がしやすいという利点がある。

だから、いっそ peer at という一組の単語として覚えてしまおう。こうすれば、名詞 peer 「同僚」「仲間」との混同で悩まなくて済む。

ただし、peer には「見つめる」の意味のほかにも、「現れる」の意味があり、その場合は文脈によっては例えば peer over ~ 「~の上に現れる」のように言う場合もあるので(センチュリー)、文脈次第。ただし、peer の「現れる」の用法は、ジーニアスには書いていないので、かなりマイナーな用法であると思われる。


予想や予期など

forecast, predict, anticipate, expect


forecast は、天気予報に使われる。センチュリーいわく、天気予報の場合、翌日~数週間程度の予報で使う。

predict は、天気予報の場合でも、たとえば「数ヶ月後の気候は◯◯だろう」ぐらいの予想では使う(センチュリー)。


予報のほか、根拠などをもとに予想をするのにも forecast や predict を使う。


ただし実際には、predictでも明日の天気を予想したりするのにも使われる(ジーニアス)。


よくforecasttは「予想」「予報」、predictは「予言」などといわれるが、しかし辞書を見ても、predictでもforecastでも予想をしたいしえいて、あまり差は明確ではない。

このように、英米の慣習的なニュアンスの差になるので、本ページでは深入りしない。


anticipate には、楽しいことに「期待して待つ」、トラブルなどに「備えて待つ」のような意味がある。anticipate が「予期する」みたいに訳される事もある。


単語集にはないが、

We all are anticipating ~ で「~を楽しみに待っています。」

のように慣用的に使われる。


楽しいことを待つのと、トラブルなどにそなえるのは、まったく感情が違うので、結果的に意味が幅広い。

このほか、anticipateには「先取りする」「先手を打つ」「給料などを先取りして金を使う」などの意味がある。

桐原では、巻末の接頭辞の章以外では anticipate を紹介していない。

旺文社と東京書籍が anticipate を紹介している。


名詞形 anticipation は、単語集では東京書籍は「予期」の意味であり、旺文社は「予期」「期待」の意味。


expect は、楽しいことや良い結果などを「期待する」の意味で習うかもしれないが、その意味のほかにも、良い結果か悪い結果にかからわず結果を「予期する」という意味もある。

このため、「予期する」の意味では anticipate と expect は類義語でもある(ジーニアスで確認)。

expect ◯◯(人) to ~(動詞)で「◯◯(人)が~するだろうと思う」である。

典型的な例文は、

「彼は私が土曜日も働くだろうと思っている。」 He expects me to work on Saturday.

である(桐原とジーニアスに似た例文)。


なお、expectで楽しい事を期待する場合、高い確率で起きるだろうとexpectでは思っている。一方、hope は、そんなに確率が高いとは思っていない(センチュリー)。


対義語 unexpected は「思いがけない」「不意の」の意味(旺文社)。


一般的な「期待」「予期」は expectation である。

数学・統計用語の「期待値」や各種の「予測値」は expectancy という別の単語である(桐原、ジーニアス)。expectancy は「見込み」の意味の単語でもある(東京書籍)。

「不意の客」 an unexpected guest である(旺文社、ジーニアス)。


運命と運勢

fortune 運勢・幸運

運命 fate, destiny, lot,

fate 通常は悲劇的な「運命」

doom おそろしい「運命」、破滅

destiny 使命ある「運命」


fortune は、「運がいい」とかいうときの「運」のことである。東京書籍は fortune は「運勢」だと言っている。

fortune には、「幸運」や「財産」などの意味もある。


fate は、悲劇的な「運命」をいう場合によく使う。形容詞 fatal が「命取りの」「致命的な」という意味である。桐原の fate が「命取りの」という訳あり。


慣用表現で

「運命のいたずらで」 by twist of fate

という表現がある(東京書籍、ジーニアス)。


東京書籍は destiny を紹介せず。桐原が紹介している。

「運命」destiny は、「目的地」 destination の派生語。

センチュリーいわく、destiny は使命感を強調した「運命」。

ジーニアス destiny を見ても、あまり説明が多くない。


doom という単語があり、桐原5500および旺文社で紹介されている。

doom は、おそろしい「運命」で使う(センチュリー)。

doom は、特に、キリスト教の「最後の審判」などでも使う(ジーニアスで確認)。このように、doomは、かなり悲劇的または、とても厳しい運命のことを使うニュアンスがある。

doom の例で単語集によくあるのは、死ぬという「運命」や、失敗するという「運命」など、である。

単語集にはないが、doom には、死の婉曲表現としての「運命」の意味もある。「運命を迎える」(=死ぬ)とか、「運命を迎えさせる」(死なす、殺す)などにも doom と使った表現が使われる。


lot (ラート)にも「運命」の意味がある(桐原4500、ジーニアス、センチュリー)。東京書籍3000・4500と旺文社1400・1900は紹介していない。

中学で習った a lot of 「たくさんの」の lot と同じ単語である。

さて、日本でよく「商品のロット」みたいに言うが、しかし辞書で確認したところ、「(商品・競売品などの)一山・一組」という意味はあるが、しかし同じ生産時期で同じ型番などの商品群などの意味は無い。


辞書を見ると、さらにlotには「くじ」の意味があることも書いてあるが(ジーニアス、センチュリー)、単語集には無い。

語源的には、もともと、折った木の小枝を、くじに使ったことが、lotの色々な意味の起源(ジーニアス)。


なお、頻度順をうたう旺文社1200・1400・1900の3冊は、そもそもlotの項目が無い。よって、中学で習う a lot of 「たくさんの」の意味以外では、入試には出ていないのが実状なのだろう。

このような実態を反映してか、東京書籍も1800語・3000語・4500語の3冊とも、lot を紹介していない。

紹介しているのは桐原4500だけである。


ほか、lot には土地などの「区画」の意味もあり、

a parking lot 「駐車場」

の意味(桐原、センチュリー、ジーニアス)。


lot はスペルが簡単なので、なんとなく口語的に思われるかもしれないが、しかし辞書を見ても、特に口語とは書かれていない。

また、lot は、やや運命の偶然性を強調する語としての「運命」である(センチュリー、ジーニアス)。どうやら、lot は一般的な「運命」という概念ではないようだ。

「運命」という概念については、一般的な語が(あるのかもしれないが、)高校の単語集の範囲では見つからない。


致命的な fatal, mortal


mortal (モータル)は、よく、

Man is mortal. 「人間はいつかは死ぬもの。」

のような言い回しで使う(センチュリー。ジーニアスにもmanではなくweだが似た例文)。


あと、この言い回しから、man には「人間」の意味があることが分かる。

Police man を police officer とか言い換えて喜んでいるアメリカ人の知能の参考になる。


mortal wound で「致命傷」である(センチュリー、桐原5500)。

単語集にはないが、

a mortal combat で「死闘」である(ジーニアス、センチュリー)。

ジーニアスいわく、 a mortal battle でもよいとの事だが、せっかく mortal という、やや固めの表現を使うのだから、「闘い」のほうも battle よりも combat と固めの表現で統一したほうが良いだろう。

ジーニアスでも、まず mortal combat を基準に紹介している。


ほか、単語集にはないが、

mortal enemy で、「生かしておけない敵」

である(ジーニアス、センチュリー)。


「死に際」(しにぎわ)とか「臨終」(りんじゅう)とかの意味で、 mortal hour ともいうが(ジーニアス)、それだったらセンチュリーの the mortal moment のほうがより文学的な表現だろう。

ラテン語で「メメント・モリ」(memento mori)という表現があって、「人はいつか死ぬことを忘れるな」のような意味である。

ここでいう「メメント」とは「忘れるな」の意味である。英語でいうメモリー memory 的な語にすぎない。

だがモーメントと発音が似ているので、mortal moment のほうがラテン語とか詳しそうで頭良さそうに見えるだろう。

なお、名詞 moment は「瞬間」「少しの間」などの意味(桐原4500、東京書籍3000)。

for a moment で「少しの間」「一瞬の間」などの意味(桐原4500「少しの間」、旺文社1400「一瞬の間」)。文脈に合わせて判断。


fatal については、fate や doom など「運命」のセクションで解説済みなので、このセクションでは省略。


悲劇など

tragedy, misery

「悲劇」 tragedy は、訳語にも「劇」とあるとおり、演劇の用語でもある。

たとえばギリシャ悲劇は greek tragedy である。

対義語は「喜劇」 comedy である。


劇や芝居だけでなく、とても悲しい出来事にも tragedy は使われる。

日本語でも、「悲劇的な事件」とか言う場合、べつに演劇のことではなく、単に、とても悲しい出来事という意味合いである。

もともと劇の用語だからか、センチュリーの例文だと、戦争の悲劇だとか、社会的な飢餓の悲劇だとか、わかりやすい悲惨さに使っている。

桐原では、tragedy の和訳として、「悲劇」に加えて「惨事」も紹介している。

戦争とか大地震とかは、演劇になりやすい、わかりやすい惨事。なので、まず「悲劇」という意味で tragedy は覚えるのが良いだろう。「惨事」はその派生的な意味にすぎない。

ジーニアスだと、地震で家族が死んだとかがtragedy の例。


なお、災害などの「惨事」は disaster である。disaster には、悲しいとかのニュアンスはない。

形容詞 disastrous を「災害の」「悲惨な」とか訳す。和訳の都合で「悲」の文字が入っているが、悲しさよりも、被害の規模を強調しているのが disaster 系の単語である。


自然災害などの「大災害」などが disaster の中心的な意味である。disasterは、「災害」や「惨事」などの意味をあらわす一般的な用語(センチュリー)。

一般的でない「惨事」は catastrophe や calamity が用いられる。


航空機事故の惨状などにも、よく disaster が用いられ、 an air disaster 「航空機事故」という(センチュリー、ジーニアス)。


misery (ミザリ)はどちらというと「みじめさ」という意味であり、個々人の貧窮(ひんきゅう)や窮乏(きゅうぼう)、孤独や病苦などに使う。

センチュリーが「貧窮」。ジーニアスが「窮乏」。

生活などの「みじめさ」が misery である(ジーニアス)。

センチュリーは気持ちの「みじめさ」もあると言っているが、生活のみじめさから推測できるだろう。

あるいは、生活のみじめさに対する、自己のみじめさを痛切に感じさせられる感情のことが misery であるとも言えるかもしれない。


形容詞「みじめな」はmiserable (ミゼラブル)である。

フランス文学だが、「ああ無情」などと訳される『レ・ミゼラブル』という作品の題名を知っていると、理解しやすいだろう。


ただし、miserable は「気が滅入る」くらいのニュアンスでも使われることもある。

単語集にあるmiserable は、和訳は「みじめな」だが、実際には「気が滅入る」のニュアンスである。東京書籍と桐原がそれ。

桐原が、風邪をひいて「みじめ」なのを miserable と言っているが、せいぜい気が滅入るぐらいだろう。



惨事・大災害

disaster, catastrophe, calamity


東京書籍は、 巻末でのみ形容詞 catastrophic を紹介。桐原4500および桐原5500では紹介せず。

catastrophic は「壊滅的な」の意味(ジーニアス、東京書籍)。


桐原5500がcalamity を「大災害」「惨事」として紹介し、ハリケーンを例にしている。東京書籍および桐原4500と旺文社は calamity を紹介せず。

ジーニアスによると、calamity は、大地震や洪水などの大災害、失明・失聴などの災難、そのほか苦難。センチュリーいわく、calamity は catastrophe より軽く、また、精神的な被害を強調しているとのこと。

桐原5500のdisaster では、被災者への国際援助が必要なレベルの大災害を disaster としている。

「被災地」は a disaster area である(旺文社、センチュリー、ジーニアス)。


crisis 「危機」は、危険がさしせまっている「重大局面」。



崩壊

建物などが崩壊する、他 collapse

崩壊・故障・停電 breakdown

自動車などがぶつかって壊れる crash

(※範囲外)システムの崩壊 implode

人が倒れる fall, collapse

木や建物が倒れる fall

建物が崩壊する collapse


collapse はそもそも動詞。名詞の用法もあるが、他単語の区別のために、まずは collapse は動詞の用法を覚えよう。

また、collapse は、建物などが崩壊すること。

人が卒倒(そっとう)などで物理的に「倒れる」という意味もある(東京書籍)。

このように、collapse は物理的に、倒れ落ちること。

派生的に、collapse でも、事業の失敗とか、株価の暴落とか、人間の衰弱とかも言えるが(ジーニアス)、まずは基本の物理的に「崩壊する」の意味を覚えよう。ジーニアスでも、建築物の崩壊 や 人の卒倒 などの意味を第一に紹介している。


単語集にはないが、家具などで折りたためるものについて「折りたたむ」をcollapse とも言うが(ジーニアス、センチュリー)、まぎらわしい。家屋の崩壊を意味する動詞で、家具の折りたたみを表現するとか、英米人はどういう言語センスをしているのか。


動詞 fall 「落ちる」には、「倒れる」という意味もあり、人や木や建物が倒れるのに使える(東京3000、桐原4500 while P.402)。


さて、breakdown は名詞である。breakdown に動詞の用法はない。

桐原と東京書籍に breakdown は無い。

なので、とりあえず英作文では「崩壊」には collapse を当てておけば、まあカタコトの英語かもしれないが、通じるだろう。


さて、breakdown を辞書で見ると、ジーニアスでもセンチュリーでも、まず先に、「崩壊」ではなく(機会などの)「故障」で紹介している。

センチュリーに書いてないが、breakdown には「停電」の意味もある(ジーニアス)。原発問題などで電力問題のある昨今、覚えておきたい表現である。

辞書でよくある breakdown 関連の例文が

「家庭崩壊」 family breakdown

である(ジーニアス、センチュリー)。


機会が停電はなく故障している場合、 熟語で形容詞的に out of order という言い方もある。

be out of order 「故障している」

である(桐原3000)。


そのほか、桐原5500 が「侵食する」 erosion (エロージョン)を「崩壊する」の意味で紹介しているが、覚えなくていいだろう。

なぜなら、普通、エロージョンは、川岸や土壌など土地の「浸食」(しんしょく)とかの意味で使う。東京書籍4500も旺文社1900も、土壌の浸食の意味である。

また、単語集にも辞書にもない知識だが、化学とか材料科学とかで

erosion (エロージョン) 力学的な力によって削りとられていく「浸食」・「摩耗」

corrosion (コロージョン) サビなどの「腐食」

のように区別する専門用語がある。

また、センチュリーによると、土壌の浸食だけでなく、それによる土砂の流出も erosion というようである(センチュリー)。

なお、辞書では、erosion は、さびなどの「腐食」も含んだ、「浸食」一般の表現である(センチュリー)。ジーニアス erosion では確認できず。

「崩壊」なんて collapse で言えるだろう。

動詞「浸食する」は erode である(桐原5500、旺文社1900)。桐原も旺文社も、erode は例文なしで、単語の紹介のみである。


動詞 crash (クラッシュ)は自動車が衝突して壊れたり、飛行機が衝突して壊れるときの動詞。

なので、建物が老朽化などで朽ちていた場合には使えない。

辞書によると、crash には「大きな音を立てて壊れる」という意味もある。ほか、雷鳴などが鳴り響くのも crash という(ジー二アス、センチュリー)。

そもそも、crash の語源が、衝突したときの音である。つまり擬音語(ジー二アス、センチュリー)。


旺文社1900および東京書籍3000は、音を立てて壊れるの意味を採用していない。

桐原が、「激しい音を立てて壊れる」の意味を crash の第三の意味として採用している。

単語集では旺文社だけ紹介しているが、英語では、 crush 「押しつぶす」という真ん中の文字が a でなく u になった単語もある。

(※範囲外)経済制裁などで経済システムが崩壊する場合は implode を使う。たとえば経済制裁でロシアの経済が「崩壊しつつある」などと言う場合、 imploding などを使う。


速い・早い

主に速度が「速い」 speedy, fast,

人の動作が速い quick


prompt, immediate

swift

焦る haste


immediately (対応などが)「即座に」の意味。

副詞 immediately は、対応などが「即座に」「すぐに」「ただちに」という意味である。

だが形容詞 immediate は、少しニュアンスが違う。

たとえば例文 the immediate future 「近い将来」という意味である。このように、形容詞 immediate はそれほど即時ではない。

また、「当面の」という意味もある。

語源をみると、「無い im 」+「間(media メディア的な語)」なので、「間をおかずに」という感じの語源である。だが実際には、「近いうち」とかの意味もあり、あまり語源とおりではない。


対応などが「即座の」「即時の」と言いたい場合、prompt が近い。


rapid は、速度などが「速い」こと。

川の流れの速さによく rapid が使われる。

辞書によくある典型的な例文は、

a rapid river 「急流」(ジーニアス)または「流れの早い川」(センチュリー)

である。

また、

「仕事の速い人」a rapid worker

も典型的(センチュリー「仕事の速い人」、ジーニアス「敏速に仕事をする人」)。


単語集にはないが、「レム睡眠」の「レム」が rapid eye movement 「急速眼球運動」のことである。高校の保健体育や生物学でレム睡眠を習うかどうか微妙ではあるが、一応、紹介しておく。


列車の「急行の」は 形容詞 express である。

「急行列車」 an express train

という。東京書籍4500に例文も書いてあり、高校範囲である。(桐原は意味紹介だけ。)


東京書籍の検定教科書『All abroad! I 』いわく、 rapid train でも「急行列車」とのこと[46]


感情などを「表明する」express と、同じスペル、同じ発音の単語である。「表明する」については説明を省略。

なお、高速道路は expressway である(東京書籍4500)。


対義語は「各駅停車」 local である。東京書籍に local も例文つきで掲載されている。

「各駅停車の列車」は the local train である(東京書籍4500)。

なお、localには「地元の」「現地の」という意味もある。

英語の local に田舎の意味はない(東京書籍4500)。なので、日本語の「ローカル」(田舎を意味している)とは意味が違う。


「地元ニュース」は local news である(ジーニアス)。「地元の新聞紙」は local newspaper である。

resident (レジデント)「住民」という単語がある。

これと合わせて、 local resident 「地元住民」という用語も典型的なので覚えたい(桐原4500、東京書籍4500)。


その他、「速い」・「早い」ことを表す形容詞には、fast, quick ,speedy など、色々とある。

speedy は、スペルを一見すると速度っぽいが、しかし、仕事などが速い場合でも speedy を使える(ジーニアスで確認)。


形容詞 speedy は東京書籍3000 にも書いてある、高校教育の範囲内の単語である。

形容詞 speedy は、乗り物の速さにも使えるし(東京書籍3000で確認)、仕事などの速さにも使える(センチュリーで確認)。ジーニアスだと、病気の回復の速いことを a sppedy recovery としている。 speedy は便利な形容詞であるので、英作文などで「速い」をつかうとき、speedy を使えば、たぶん切り抜けられるだろう。実際、だから3000語レベルで紹介しているのだろう。(rapid は4500語レベル。)


副詞ではない。

副詞は speedily であり、「早く」「速やかに」の意味(センチュリーで確認)。


名詞 speed は、物体の速さのことである(東京書籍3000)。だが、形容詞 speedyは、ジーニアスにもあるように、動作の速さに用いてもいい。

speed には動詞で「速度を上げる」の意味もあり、通常 speed up と前置詞upを付けて使う。


fast には形容詞「速い」がある。

「どのくらい速い?」と聞きたい場合は、How fast ~ と形容詞で聞くのが良いだろう。


物理学の「速度」は velocity という。

velocity は、物理学では方向を持った速度のこと(桐原5500で確認)。

つまり、東に時速50km/hと、西に時速50km/h とは、異なるものとして考えるのが、物理的な速度 velocity の発想。


単語集にはないが典型的な例文は、

「秒速300kmで」 at a velocity of 300 meters per second

である(センチュリー、ジーニアス)。


しかしジーニアス speed で確認したところ、「時速24マイル」を at an average speed of 24 miles per hour

と言う。

結局、speed でも時速とか言えそうである。

average はなくてもよく(センチュリー)、たとえばセンチュリーでは「時速50マイルで運転する」を drive at a speed of 50 miles an hour としている。

だが、英語では、そういう方向を考えずに、単に speed の固い言い換え表現として velocity を使うこともある。


形容詞 swift は、fast や quick よりも、やや形式ばった言い方(センチュリー)。

しかし裏を返せば、fast などの口語的な表現に近いという意味でもある。

単に素早いだけでなく、滑らかさもあるときに使うことが多い(センチュリー)。

だが、単語集やジーニアスなどの例文を見てみると、滑らかさを感じられない例文もあるので、あまり使い分けは明確ではない。

東京書籍4500はswift を巻末おくりにしており、桐原は桐原5500での紹介だし、あまりニュアンスに深入りの必要はない。

副詞 swiftly の訳は文脈に合わせて、「素早く」「迅速に」「ただちに」など、うまく合わせて翻訳する。形容詞 swift も同様。

具体例は、東京書籍は「煙がたちまち広がった」を swiftly としているし、旺文社は「被害者の救出は素早い行動を必要とする」をswift で表している。


なお、単に「滑らか」であることを形容したい場合は smooth (スムーズ)という形容詞がある。発音注意である。外来語「スムーズ」と同様にと読む。 smooth で、動きの滑らかさも、手触りなどの滑らかさも、両方とも表現できる。

haste 「急ぐこと」という意味もあるが、「焦ること」という意味もある名詞である。

形容詞は hasty であり、「急いだ」「軽率な」の意味である(旺文社1900の巻末)。


地方

provincial, rural


rural は、「いなか」であるが、田園のようなニュアンスがある。

センチュリーによると、いなかの、のどかで楽しい側面を強調するときに使うのが rural とのこと。

対義語は urban である。

つまり

(いなかの)rural ⇔ urban (都市の・都会の)

である。

「地方の」は形容詞 provincial である。

名詞 province には、「地方」と、カナダの「州」の意味がある(桐原5500、旺文社1900)。桐原の例文はカナダの州についての文のみ。東京書籍は名詞 province を巻末で紹介しているが、カナダの「州」の意味で紹介している。

東京書籍および桐原は形容詞 provincial を紹介せず。

辞書で provincial を見ると、ジーニアスいわく「田舎くさい」とか「偏狭な」という意味もある。


情熱 passion, enthusiasm

熱意 keen, enthusiastic ,

熱望 eager,


収入 income, (会社などの収入)revenue


名詞 passion は、感情などの高ぶりという意味での「情熱」で、よく喜怒哀楽などに使われるが、派生的に「熱意」などの意味もある。だがまずは、感情の高ぶりとしての「情熱」で、passion を覚えるのが良いだろう。理由は、後述。

passion の対象の感情は、怒りや愛情なども含む。


東京書籍は passion を紹介せず。桐原と旺文社が紹介。

「受身の」を意味する passive と語源は同じ。

つまり、昔のヨーロッパ人は、感情を受動的なものだと考えたのだろう、という事が、よく評論などで言われる(ただし辞書には書いていない)。

こういう背景があるので、暗記するには passion は感情の高ぶりとしての「情熱」として覚えるほうが楽だろう。

なお、「受動喫煙」が英語で passive smoking である(旺文社、ジーニアス)。

ちなみに smoke は「煙」の意味の名詞だが、「喫煙する」という意味の動詞でもある。smokeは東京書籍3000語レベルで(つまり高校の中級)、桐原でも3000語レベル。旺文社では1200語の奴(高1向けのいちばん低レベルの奴)。

「禁煙」は smoke-free であるが(東京書籍3000)、掲示などでは「禁煙」は No smoking ともいう(桐原3000)。

なおアメリカでは公共の場では原則として禁煙である(桐原)。

 
私有地の立入禁止
 
立入禁止の標識
 
感電の警告標識
 
注意のテープ

標識や掲示で覚えたほうがいいのは、とりあえず、「危険」Danger とか、「立ち入り禁止」Keep out または Keep off 、「警告」Warning 、「注意」Caution 、などでしょうか。

「故障」Out of Order も、機械の不急した現代では、必要かもしれません。そういう標識もあります。

Keep out は単語集でも、東京書籍4500の単語 property の例文に書いてあります。

"Private Property : Keep Out" 「私有地: 立ち入り禁止」

と例文があります。

画面の左側の画像のように、実際に米英にそういう掲示はよくあります。


終戦直後の文部省著作の英語教科書だと、こういった標識の英語も教えていました。

終戦後の当時、GHQ占領下の日本の東京には英語の標識も多く、こういう標識を読めるようにする教育の需要があったのです。 結果的に、戦時中から時事的に軍事の話題を扱っていたこともあり、戦後になってその時事枠に占領軍関係の実用英語が入ったことになります。


名詞 enthusiasm は、仕事や勉学などの「熱意」や、スポーツなどのファンであることの意味。

形容詞 enthusiastic は、仕事や勉学などの「熱意のある」や、スポーツなどの「大ファン」のような意味。


be enthusiastic about ~ で「~に熱中する」

たとえば

「彼女は~に熱中している」She is enthusiastic about ~

のように使う(東京書籍、ジーニアス)。


fanatic との違いとして、fanatic は特定の宗教や政治などの熱狂的な支持者のこと。よく fanatic は「狂信的な」とも訳される。

「~(人)の仕事への熱意」 enthusiasm for one's work

である(桐原、センチュリー)。


「熱中して」 with enthusiasm



keen は、下記の熟語で、「熱心である」の意味があるが、主にイギリス英語である。


東京書籍いわく、「熱血教師」なら a keen teacher である。

センチュリーいわく、「熱心な生徒」なら a keen student である。

be keen on ~(名詞または動名詞)

で「~に熱心である」

である(ジーニアス、旺文社の単語紹介)。


be keen to ~(動詞) で「~することに熱心だ」

の意味(旺文社の例文、ジーニアス)。


keen には寒さや痛みなどが「激しい」という意味もあり、

「激痛」a keen pain

である(東京書籍、センチュリー)。

「肌を刺すような寒さ」 a keen cold

である(センチュリー。ジーニアスには似た例文)。


keen には、感覚などが「鋭敏な」という意味もあり、

すぐれた観察眼という意味での「鋭い目」 a keen eye という表現がある。

「持つ」の動詞 have と組み合わせて

have a keen eye for ~(発見の得意な分野など) 「~に鋭い目をもつ」

という表現がある(桐原、ジーニアス)。


なんとなく、刺すような痛みと「鋭敏」が語感が刃物のようなイメージがありそうだと思いがちかもだが、しかし原義を辞書で調べてみると、keen の原義は「勇敢な、賢い」であり(センチュリー、ジーニアス)、刃物は関係ない。


イヌの嗅覚の鋭敏さには 形容詞 acute (アキュート)も使える。ジーニアスいわく、感覚の鋭敏な意味では acute は keen と同意語とのこと。だが acute は、病気などが「急性の」で覚えたほうが良い(医学の用語で使うので)。急性心不全とか急性アルコール中毒とかいうときの「急性」が acute である。

旺文社1900がacuteの「急性の」の意味を紹介している。桐原4500は「鋭い」「先のとがった」「激しい」としか紹介していない。

accute には、「深刻な水不足」や「深刻な技術者不足」のように、「深刻な~不足」でもよく使われる。だが、ジーニアスいわく、severe と同義語とのこと。

やはりacute は「急性の」で覚えるのが良いだろう。

なお対義語の「慢性の」は chronic (発音は「クラニック」または「クラーニック」)である(ジーニアス acute、東京書籍4500巻末)。

典型的な例文は

「持病」「慢性疾患」(慢性の病気) a chronic disease

である(旺文社1900、東京書籍4500)。旺文社に「慢性疾患」と言う訳あり。


「持病」は chronic illness ともいう(東京書籍4500巻末 chronic,ジーニアス )。

単語集にはないが、「年代記」 chronicle (クラニクル、クラーニクル)というスペルの似た単語がある。なお、辞書をみたが、「慢性の」chronic と「年代記」 chronicle の関係は特になにも言及されていない。

慢性も年代記もどちらとも、長い期間にかかわるようなイメージが共通しているかと。


なお、「5周年 記念」のような「記念日」は anniversary である。形容詞 annual はもともとは「毎年の」「年一回の」というような意味だが(桐原5500)、しかし5周年とか10周年とか毎年でない記念日にも anniversary を用いていい(桐原5500、旺文社、ジーニアス例文は10周年。センチュリー例文は20周年。)。なお、東京書籍で「年収」an annual income とのこと(ジーニアスで確認)。東京書籍4500に anniversary は無い。

なお、国・自治体の「歳入」や、会社などの「総利益」などは、revenue という。

要するに、帳簿などに書かれるような一定期間の利益額のことが revenue であろう。(しかし、辞書には帳簿がどうのこうのという話は無い)

しかし、センチュリーは、経費などを差し引かない「粗利益」(あらりえき)のことを言うなら gross income でも言える(センチュリー revenue)、と述べている。

センチュリーは会社でなく「個人」の収入でも revenue を使えるとしているが、しかしジーニアスはその説は採用せず、ジーニアスは「国」「自治体」の歳入と「会社」の収入とだけとしている。


形容詞 eager は「熱望して」「熱心な」の意味。

be eager to ~(不定詞) で、「しきりに~したがっている」の意味。


eager は、切手収集マニアのような趣味にも使っていいし(ジーニアス)、 「しきりにミュージカルを見に行きたい」のような趣味にも使えるし(旺文社)、「外国に行きたい」にも使えるし(センチュリー)、 「勉強したい」「勉強熱心だ」のような表現にも使っていい(桐原、)。


たとえば、「彼は外国に行きたいがっている」なら

He is eager to go abroad.

である(センチュリーの英文を改変)。


桐原いわく、「勉強したがっている」 be eager to learn

である(抜粋)。

ジーニアスいわく、「彼女は非常に勉強熱心だ」 She is very eager in her studies.

である(引用)。


信頼

faith, trust, confidence

信念 belief

確信 (事実にもとづくなら)conviction, (事実にもとづかないなら)confidence

方針・信条 policy


faith と trust の基本的な意味は、ほぼ同じ(東京書籍の見解)。

faith には、「信仰心」という意味もある。

trust には、財産などの「信託」(法律用語)や、「委託」「保管」という意味もある。


辞書では、「理屈を越えた信頼」が faith の基本的な意味だと書いてある。

だが用例を見ると、「政治家を信用していない」とかを faith をもってないと説明したり(ジーニアス)、国家間の信用がないことをその国家のあいだにfaithがないと説明していたりして(ジーニアス)、まあ、理屈で説明できそうな用例ばかりである。


have a faith in ~で「~を信頼している」である。

I have a faith in him. 「私は彼を信頼している」

みたいに、割と気軽に使われる(ジーニアスと東京書籍に似た例文)。


どうやら、信仰心という意味があるからといって、けっして faith に信頼の強さのようなニュアンスはないようだ。

なお、faith in God で「神への信仰」である(東京書籍、ジーニアス)。

have faith in God で「神を信仰している」である(東京書籍)。


faith の語源をジーニアスで調べても、原義が「信頼、信用」としか書いてないので、どうしようもない。

なお、trust の原義は「堅固」である(ジーニアス)。

trust のほうに、財産の信託の意味があるから、じゃあ契約の信用というニュアンスでもあるのかといえば、そうではない。ジーニアスを見ると、「直感的な信頼」が trust だと言う。

まったく、faith の「理屈を越えた信頼」と、trust の「直感的な信頼」との違いが、不明確なものである。直感は理屈では説明しづらいから直感なのであって。


trust の「委託」「信託」「保管」については、相手を信頼しているからその相手に財産などの保管を委託できる、とでも理解しておけば十分だろう。


名詞 trust に信仰心はないが、しかし動詞 trust で「神を信じている」と言うのは可能であり、実際にセンチュリーの英文がそうである。

センチュリーの引用で、

I have a trust that God will protect me. 「神が私を守ってくれると信じている」

である。


confidence にも「信頼」や「自信」などの意味がある。

だが、confidence の意味は「機密の」で覚えたほうが良いだろう。

ほかのセクションでも説明しているかもしれないが、ジーニアスによれば、「秘密文書」は confidential documents とのこと。

confidence は、こういう感じの、かなり固い言い回しである(特に出典は無い)。


believe の名詞形belief は「信じること」である(ジーニアス、センチュリー)。

桐原3000の単語集には「信念」「信じること」とあり、たしかに「信念」の用法もあるが、もっと幅広く信じること一般に belief は使われる。

たとえばジーニアスいわく「悪魔の存在を信じる」のような例でも belief は使える。このように、とくに信頼関係はなくてもいい。

もちろん、信頼関係に belief を用いてもいい(ジーニアス、センチュリ-)。辞書でも2番目か3番目の意味で「信頼」の意味で belief を紹介している。

ジーニアスいわく、trust や faith と同じ意味でも belief は使われるとのこと。センチュリーはそう説明していない。


conviction という名詞があり(桐原4500)、「事実にもとづく確信」という意味である。翻訳の都合で「信念」と訳される場合もある。

confidence だと、「事実にもどつかない確信」という意味である。

このため、conviction や confidence では一般的な「信念」という概念には対応しない。そもそも一般的な「確信」という概念にすら対応しておらず、事実にもとづくか否かのこだわりがある。


このため、単なる「信念」には、belief を使わざるを得ないだろう。そう考えれば、桐原3000のように belief を「信念」の意味で紹介するのにも一理ある。


名詞 policy は、単語集では政府・政党などの「政策」や会社などの「方針」あるが、ジーニアスで確認すれば policy には別の用法で個人などの「信条」という意味もあるとしているが、しかしセンチュリーはそれに異を唱えているようで、policy は信条ではなく「得策」だと思ってるような「やり方」だとのこと。

センチュリーいわく、「物を現金で買うのが私の主義です。」とか「上役を敬意を持って遇するのが得策だ。」という例文で policy を用いており、どうやら打算的な行動指針のような何からしい。

policy の個人適用には、こういう見解の相違があるので、よって単語集には「政策」「方針」しか紹介されないのも納得。

policy の典型的な語句は、

「政府の政策」 the government's policy

である(東京書籍3000、旺文社1400緑)。

センチュリーいわく、

government policy 「政府の政策」

と書いてもいい。

単語集では特に明示はされていないが、語法として、

the government's policy on food で「食料に関する政府の政策」(旺文社)、

the government's policy on education で「教育に関する政府の政策」(東京)、

のように、the government's policy on ~ で「~に関する政府の政策」


ほか、

「外交政策」a foreign policy

もよくある(東京3000)。



なお単語集には無い単語だが、motto は、標語とかスロ-ガン(slogan)とかの似た意味だが(ジーニアス)、単語集にはない。

単語集には motto も slogan も無い。文科省はリスニング重視などで使える英語への改革を自称しているが、モットーもスローガンも知らない英語教育が使える見解なのでしょうか。


卓越

形容詞「卓越した」 excellent ,prominent


動詞 excel は、能力などが「卓越する」、能力などで相手に「勝る」の意味である。

これとは別に、動詞 exceed の意味は「超過する」である。exceed には、優越など好評価の意味は無い。


excellent は、「すばらしい」や「優秀な」の意味である。

応答などで、

「すばらしい!」 "excellent !"

のようにexcellent 単独で用いることもある(センチュリー、ジーニアス)。


得意な行為をあらわすのに「~するのが得意」 be excellent at ~(動名詞)

である(センチュリー、旺文社)。


たとえば水泳が得意なら、

be excellent at swimming

である(センチュリー)。


熟語 be good at ~

と関連づけて覚えよう。


単語集には書いてないが、

得意分野などを言う場合は、

be excellent in ~(分野)

である。

典型的な例文が「英語が得意」で、

「英語が得意」 be excellent in English

である。(センチュリー、ジーニアス)


なお、強調したい場合でも、比較や最上級にはしない(センチュリー、ジーニアス)。

どうしても強調したい場合、 quite , really, absolutely などの副詞を用いる(ジーニアス)。


prominent も「優越した」「卓越した」の意味であるが、prominent には「目立つ」、周囲よりも「飛び抜けている」という意味がある。

太陽の紅炎をプロミネンス prominence というが、それも天文学者の観測で、太陽の輪郭から炎が飛び出していて目立ったからである。


なお、prominent の名詞形がprominence であり、「卓越」「目立つこと」などの意味である。

excellent と prominent の意味の違いに注目するなら、prominent には「目立つ」という意味およびニュアンスがある。

prominent の単語中の -mine- が「突き出る」という意味である。 pro- は「前へ」の意味である。なので、前に突き出ていて目立っている、が、原義である(旺文社)。

なお、東京書籍は prominent を紹介せず。


また、目立っていると意味からか、prominent には「著名な」という意味もある(桐原5500)。ジーニアスでは、名詞形 prominence のほうに、「著名」の意味がある。

典型的な例文は、たとえば

「著名な作家」 prominent writer

である(センチュリー。桐原に似た例文)。


卓越した人材は、組織のなかでは重要な役割を与えられるだろう。だからか、prominent には「重要な」という意味もある。

典型的な例文は、

「重要な役割を演じる。」play a prominent part.

である(センチュリー、ジーニアス)。


「演じる」とあるが、べつに演劇をしているわけではなく、仕事などで重要な任務をこなすことを「重要な役割を演じる」という(ジーニアス)。

ジーニアスいわくpart の代わりに role を使ってもよく、つまり

「重要な役割を演じる。」play a prominent role

でもいい(ジーニアス)。

role には演劇などの「役」の意味もあるので、ますます「演じる」感が増した言い回しである。

というか、仕事などの「役割」と、演劇の「配役」「役」は、同じ名詞 role という単語である。なお、実は part にも演劇の「役」という意味がある(東京書籍)。


role で覚えてもらいたいのは、実際の演劇のほかにも、たとえば「第二次世界大戦の後、アメリカは国際社会で重要な役割を果たすようになった」というような表現でも role を使うことです。

山川『英文詳説世界史』にある表現ですが、

play a crucial role [47]「(社会などで)重要な役割を演じる」

です。

東京書籍などにも、この意味での role の紹介はありますが、山川がいちばん分かりやすい。

crucial は「重要な」という意味です。

crucial と role が一緒に覚えられて重要な慣用句でしょう。

なお旺文社1900oおよび桐原4500だと、play a important role 「重要な役割を果たす」です。



演劇などで「~の役をこなす」のも、似た熟語であり、たとえば『ロミオとジュリエット』でロミオ役を演じるなら

play the role of Romeo

である(東京書籍、センチュリー)。


また、仕事の役割を「こなす」のも、劇の配役を「演じる」のも、同じ動詞 play である(ジーニアスのroleより)。

ニュアンスは少し変わるが、「重要な」はもっと平易な言い回しで important でも良く(センチュリーの role )、

play an important role

でもいい(センチュリー、旺文社)。


熟語 play an important role in ~ で「~にいて重要な役割を果たす」

の意味である(桐原、旺文社)。


role model とは、手本のような意味での「理想的人物像」という意味である(センチュリー)。

旺文社にある単語だが、role-playing とは、もともと心理学や語学教育などの用語で「役割演義」というもの(センチュリー)だが、心理学・語学などの業界では「ロールプレイ」でも通じる(東京書籍)。英文ではハイフンを入れるほうが標準的で、辞書ではハイフンありで載っている(ジーニアス、センチュリー)。

単語集にはないが、テレビゲーム用語の role-playing game もジーニアス英和に載っている。つまり、けっして和製英語ではない。)


人格・性格 character, personality

国民性 national character, nationality

愛国心 nationality, patriotism


character も personality も、同義語で、「人格」「性格」の意味だが、若干、いくつかの用例が慣用的に違う。

「国民性」という場合は、 national character である。

なお、nationality という単語でも「国民性」「愛国心」を表せる(旺文社、ジーニアス、センチュリー)。

なお「愛国心」patriotism である(桐原5500、ジーニアス、センチュリー)。「愛国者」 Patriot である。アメリカ軍のミサイルで1990年代に「パトリオット」というのがあって、日本のテレビでもパトリオット・ミサイルと呼ばれて、よく報道されていた。ジーニアスにもミサイルのパトリオットが載っている。


小説や劇や映画などの登場人物も character である(東京書籍)。


character には文字の意味もある。たとえば「漢字」は the Chinese character ともいう。一方、アルファベットなどの表音文字はレター letter という(東京書籍)。


また、若干、personality のほうが、個人的なニュアンスがある。

形容詞 personal が「個人的な」「私的な」という意味である(東京書籍、旺文社)。

たとえば

a personal opinion 「個人的な意見」(東京書籍4500、桐原3000)

なお、opinion (オピニョン)に発音注意。option (オプション)と混同しないように。

日本語ではよく「オピニオン」と言われるが、英語的には実は opinion の発音はオピニョンである(東京書籍3000)。東京書籍3000では発音記号にカタカナが併記されているのだが、「オピニョン」と堂々と書いてある。ただまあ、早口で「オピニオン」と発音すればオピニョンっぽく聞こえなくもない。

単語集にはないが、TV業界の有名人のことを a TV personality という(旺文社)。TVタレントとは言わない(ジーニアス)。つまり「TVタレント」は和製。

人の「個性」を言う場合、personality を使う(桐原)。

character にも物事の「特質」という訳がある(ジーニアス、東京書籍(「特色」))。


単語集にはないが、日本語でも「人格者」という言葉で、人格の高潔な人をあらわすが、実は英語の character にも「人格の高潔な人」の意味がある(ジーニアス、センチュリー)。

たとえば、学校教育などによる「人格形成」は、 character building (センチュリー)、または building character (ジーニアス)、である。


だが、ジーニアスには、さらに別の用法で、「人格の変な人」でも character が使われるとも紹介している(ジーニアス)。さしづめ、もし日本語風に言うなら、括弧つきで『人格』者だと隠語・婉曲風に言うような感じだろうか。『「人格が素晴らしい」とは一言も言ってない』的な。


単語集にはないが、文法参考書いわく、文頭の

Personally, ~

で「個人的な意見だが、~」の意味。


characteristic で形容詞としては「特徴的な」「特有の」などの意味だが、なんと名詞としてcharasteristic には「特徴」「特性」などの意味もある(旺文社、桐原)。

語法として、 characteristic of ~(名詞)で「~の特徴」である。

たとえば、センチュリーいわく「6月の特徴」(6月は June)とか、ジーニアスいわく「アメリカ合衆国の特徴」(アメリカ合衆国はthe United states of America)とかを、characteristic of ~ で言える。


単語集や辞書にはない話題だが、ラテン語で演劇につかう仮面のことを「ペルソナ」という。一見すると英語の勉強に役立ちそうな知識だが、しかし残念ながら小説中の登場人物は英語では「キャラクター」であるし、一方でテレビの芸能人は「パーソナリティー」だったりして、不統一的であるし、あまりラテン語の影響がなさそうである。

仕方なく、実際の英語の事例を覚えるしかない。

なお「残念ながら、」は英語では、文頭で"Unfortunately, "という決まり文句(※たぶん範囲外)。


ほかの話題としては、心理学におけるユング心理学で「ペルソナ」の理論というのがあるのだが、しかし学校教育における「人格形勢」という割と児童心理学っぽい話題は キャラクタービルディング であるし、やはり、まったくラテン語が参考にならない。

英単語 personality のスペルを覚える手段としてしか、ラテン語「ペルソナ」の知識は役立たない。


personal とスペルの名詞 personnel は「職員」「隊員」とかの意味の集合名詞(旺文社1900)。


たとえば、どっかの野戦病院とかで医療系の隊員とかをまとめて medical personnel とか言えるので、いちいち医師か看護師かそれ以外かとか気にしなくていいので便利。

軍関係の隊員なら military personnel とか。

桐原と東京書籍は personnel を紹介せず。

そのほか、一般の事務所とかで、自社の課(か)や会社全体の職員とかをまとめて言いたい場合も personnel で言える(辞書に書いてあるのはコレ)。集合名詞だからか、課単位とか社単位とかで使うのが辞書的には普通。


弱い

fragile, frail ,vulnerable

形容詞 fragile (フラジル)には、体質が「虚弱な」という意味もある。だが現代では、fragile は、ガラスなどが割れやすい事を表現するのに用いられる。

そして、宅配などで、「割れ物注意」の意味のシールに "Fragile" などと書いてあるのが普通である。文法参考書の文英堂インスパイアで無生物主語の単元に、"Fragile"のラベルの例文があった。なお、インスパイアではFragileを「割れ物」と和訳している。

単語集にもある用例も、コップなどが「割れやすい」という内容である。


比喩的に桐原5500が「人類は文化に依存しているので、もろい」という例文で fragile を用いている。


ガラスや陶器などセラミック系の材料は、硬いが、衝撃などや強い力に弱い。

べつにガラスや陶器などは、材質として弱いわけではない。家庭内にも、食器などで多くの陶器があるだろう。

しかし、割れないように取扱いに気を使う必要はある。


そういうニュアンスを、「人類は文化に依存しているので、もろい」という表現でも汲み取ろう。

fragile (フラジル、フラジャル)は発音注意。後半は、ジャイルではない。


体質や心などが虚弱なことは形容詞 frail という。weak を堅苦しくした表現が frail である。

基本的な意味は weak と同じである。

「虚弱体質」は a frail constitution である(センチュリー、ジーニアス)。

派生名詞として、意志の「弱さ」 frailty がある。


シェイクスピアの『マクベス』の一節の台詞「もろき者よ、汝(なんじ)は女」は

Frailty, the name is woman. 「もろき者よ、汝(なんじ)の名は女」

である(センチュリー、ジーニアス)。


形容詞 vulnerable は、陣地などの場所が物理的な攻撃を受けやすい位置にいるなどで「弱い」という意味、または人物が批判などの攻撃に「弱い」という意味(センチュリー、ジーニアス)。

単語集では、コンピュータのセキュリティが弱いという表現で vulnerable を桐原も旺文社も用いているが、しかし辞書では確認できず、ジーニアスでもセンチュリーでも見つからなかった。

なお、東京書籍はこの単語を紹介せず。


be vulnerable to ~(動詞) で「~に弱い」の意味。

典型的な例文は、

(陣地などが)「攻撃に弱い」 be vulnerable to attack

である。


単語集・辞書にはないが、コンピュータのセキュリティーの弱さを表現する際、普通に weak を使う。

無料OSの一種の Linux でも、英語でOSインストールをすると、パスワード登録などでもし "AAAAA" とかの手抜きのパスワードを登録しようとすると、"weak"などと表示されるOSをよく見かける。


形容詞 secure (セキュア)は、攻撃などの危害に対して備えがあって「安全な」という意味であり(ジーニアス)、よく砦(とりで)が secure という例文がある。

コンピュータのサーバーにも、ハッキング対策などの万全なサーバーに対して secure を使う(ジ-ニアス)。

名詞形 security は「安全」「軽微」などの意味。

secure には、「確保する」という意味もあり、obtainとの違いは、secure だと、一般的には確保しづらいものを確保する、という意味である。

山川の英語版世界史に、P239に、近代において産業革命によって勃興した大英帝国が世界市場を確保 secure した、という内容の英文がある、。



企業・会社

company, corporation,

(大)事業 enterprise

新規事業 venture

法人 incorporation


同僚 peer, colleague


仲間 fellow, companion,


corporation は「(大)企業」という意味。

company に比べて corporation は規模が大きい(東京書籍3000)。

なお、company の語源は「一緒に com」+「パンを食べる人 pany」という意味(ジーニアス)。

これ自体は雑多な知識だが、しかし名詞 companion (コンパニオン)「仲間」を理解するヒントになるので、パンを食べるという語源も覚えよう。

companion 「仲間」は、普通の「仲間」の意味のほかにも、ペットや愛読書など、人生をともに過ごす的なものにも使う(東京書籍)。女性ホステスの意味はない。

日本だと、なんか飲み屋の接待女性みたいなのをコンパニオンというが、しかし英語 companion にそういう意味は無い(東京書籍)。単なる和製。

桐原いわく、「(彼の)飼い犬が彼の仲間だ」みたいな文章でイヌが彼の companion とのこと(桐原4500)。コンパニオンはこういうふうに使う。

ジーニアスの辞書にある女性コンパニオンは、介護ヘルパーのことなので、日本の接待のアレとは意味が違う。

旅や仕事などで単に同行することになった人物にも companion を使う(センチュリー)。ペットや愛読書などにも companion を使う(東京書籍、センチュリー)。

ともかく、companion 「仲間」である。


fellow には、仲間の意味のほかにも、「運のいい奴だ」とか「のんきな奴だ」のような「やつ」の意味がある。

なお「運のいい奴」は a lucky fellow である(東京書籍)。

fellow の語源は「家畜(fe)を置くもの」という意味である。

スペルの似た動詞 follow (ついていく)とは関係ない。


典型的な例文は

「彼はいいやつだ。」 He is a good fellow.

である(東京書籍、ジーニアス)。


単語集にはないが、同じ学校の仲間を fellow at school という(ジーニアス、センチュリー)。

欧米で大学の特別研究員をフェローというが、それも上述と同じ単語 fellow である(桐原)。


colleague は職場の「同僚」。なお、coworker でも「同僚」の意味になる。


enterprise (発音「エンタープライズ」)は「大事業」。

会社のことではないので、「大企業に就職したい」みたいなことをいいたい場合には、 want to get a job at enterprise (×)とは言えない(ジーニアス)とのこと。

「大企業に就職したい」は want to get a job at big company という(ジーニアス)。

ただし、「多国籍企業」は multinational enterprise であると、ジーニアス multinational の項目に書いてある。なお、旺文社も「多国籍企業」multinational enterprise を紹介している。ジーニアスの言っていることが矛盾しているので、まあ判断は読者に任せる。辞書を鵜呑みにしてはいけない。あくまで参考程度。

ジーニアスによると「中小企業」をenterprise でいう用例もあるようだし、桐原は農業などでも「事業」なら enterprise だとしている。

ただ、例文が少なくて、よくわからないので、当ページでは保留。


なお、「起業家」・「事業家」は名詞 entrepreneur (「アーントレプレナー」)である(旺文社1900)。桐原5500と東京書籍4500には、この単語がない。


名詞 venture は、現代ではビジネスの「新事業」の意味で使われる(ジーニアスの見解)。

ventureには「冒険」という意味もあるが、類義語の adventure との区別が難しい。

adventure が、ビジネスかどうかにかかわらず、刺激的な「冒険」のこと(ジーニアス、センチュリー)。

venture は、生命の危険、または資金の危険のリスクがあるというニュアンスがある(ジーニアス、センチュリー、旺文社)。

動詞 venture もあり、上記のようなリスクを承知で「思い切って~する」のような意味(単語集では旺文社、桐原5500)。


動詞 incorporate には、団体が「合併する」という意味もある。

なお、名詞形 incorporation では、アメリカでは単に「会社」の意味で使われる(ジーニアス)。

このためか、動詞 incorporate には、「会社を設立する」という意味もある(東京書籍4500 巻末)。

incorporate には、製品や書類に「~を組み入れる」という意味もある。


形容詞 incorporated は米国英語で「有限責任の」という意味であり Inc. などと略すが(ジーニアス、センチュリー)、しかし日本の有限会社とはニュアンスが違う。ジーニアスの例文だと、大企業のUSスチール(US steel) も Inc. である。

なお、イギリスでいうリミテッドカンパニー Ltd. のこと。


肥満

fat, overweight, obese, plump


形容詞 fat は、「太った」という意味だが、直接的な表現なので失礼であるとすることから、太った人間に対しては「体重超過の」 overweight を使うのが良いとされる。

典型的な例文は

「太った猫」a fat cat

である(東京書籍3000、桐原3000)。

また fat は名詞としては「脂肪」の意味である。


また、get fat で「太る」の意味である。

たとえば

My dog have got fat. 「私の(家の)イヌは太った」

である(単語集を参考にオリジナル。東京書籍で現在完了形。桐原でイヌ)。


また、「やせる」は lose fat とも言える(東京)。


形容詞 fat の対義語は形容詞 thin 「やせた」である(東京書籍)。

しかし、slim (スリム)でもよいだろう。slim もれっきとした英語の形容詞であり、「ほっそりした」の意味である。

英語 smart (スマート)は機転が利いて「賢明な」「頭がいい」「利口な」のような意味であり、clever とほぼ類義語である(東京書籍4500)。体型については smart は使わない(桐原3000 smart)。

なお、thin には、濃度などが「うすい」などの意味もある。


obese は、医学などにおける「肥満」という意味であり、しばしば不健康な「肥満」というニュアンスがある。

名詞形は「肥満」obesity である(旺文社、桐原)。


「肥満によって糖尿病のリスクが(以下略)」みたいな話を医学的にする場合、obese を使う。単語集の例文でもそうである。


旺文社の単語集には、plumpを「ぽっちゃりした」と紹介している。obese の項目で関連語として plump を旺文社は紹介している。

なお国語時点によると、「ぽっちゃり」とは、広辞苑(1992年 第4版)や三省堂明解国語時点(2020年 第8版)などによると、小太りな人をかわいらしいと受け取って表現した形容で、普通は女性の形容に使い、たとえば「ぽっちゃりとした美人」のように使う[48][49]

センチュリーでplumpを確認したところ、こちらも女の子の例文であり、

a plump girl 「丸ぽちゃの女の子」

である。

ジーニアスによると、女性のほか、赤ん坊の健康的な太り方を言うにも plump が用いられるとのこと。

そのほか、果実が肉付きがよくて丸々とした様子なども plump ということがある、とジーニアスは述べている。

なお、桐原と東京書籍の単語集には plump が見当たらなかった。


神聖

holy, sacred


センチュリーは、holy(ホウリー) と sacred(セイクリッド) との使い分けのさいの基本的イメージの区別をあきらめている。

ジーニアスは、一応は、sacred は人為的権威により聖別されたものに使うと言っている。

だが実際に用例を見ると、たとえば聖書に holy bible と言ったり(ジーニアスで、Holyの派生名詞にある)、 聖典を a sacred book と言ったり(センチュリー)、聖書を sacred writing といったり(ジーニアス)、区別はあいまいである。


sacred には、約束などが厳粛で破ることができない、という意味もある。


「不可侵の権利」 a sacred right

という用語がある(旺文社、センチュリー)。


大日本帝国憲法の『神聖にして侵すべからず』は、おそらくは sacred の訳語を参考にしたのだろう。

日本での政治評論や歴史評論などで、明治天皇制はキリスト教を参考にしたという言説が昔からよくある(少なくとも1990年代には評論家・小室直樹の著書で見かけた言説である)。


インドの聖牛は sacred cow である(センチュリー、ジーニアス)。このように、ヒンドゥー教の聖牛にも sacred を使う(東京書籍)。

sacred の発音は「セイクリッド」である。サクリッドではない。

「いけにえ」「犠牲(ぎせい)」のことを名詞 sacrifice (サクリファイス)という。

sacred と sacrifice の発音とを混同しないよう。


sacred も sacrifice も語源はだいたい同じで、sacr- が「聖なる」のような意味である。

なお、宗教的な「儀式」は ritual である。べつにいけにえを捧げる必要はなく、たとえば旺文社の例文だと、古代エジプトではスポーツが死者を敬うための儀式(ritual)だったとのこと。

宗教的でない儀式は ceremony (セレモニー)であり、ceremony は「式典」などとも訳される。

ただし実際には「習慣的行為」「慣例」なども ritual という(桐原5500に「慣例」あり、旺文社1900)。


特に ritual を宗教的な意味で使っていることを強調したい場合、

「宗教的儀式」 a religious ritual

ということもある(東京書籍4500、ジーニアス)。 sacrifice の「犠牲」はべつに宗教的である必要はなく、たとえば「母親がみずからの命を犠牲にして子供を救った」みたいな文章でも sacrifice を使える(東京書籍)。

他人のために犠牲になる必要もなく、たとえば「私は、自分の自主性を犠牲にしたくない」のような自己本位でも sacrifice を使える(桐原)。


sacrifice は名詞「犠牲」の意味のほかにも、動詞として「犠牲にする」の意味もある。


形容詞 divine は「神による」「神にささげる」なので、ニュアンスが違う。

名詞 divinity は「神性」。神聖ではなく「神性」。


牛(ウシ)

ox 動物学的な「ウシ」

cow 一般的な「ウシ」。乳牛。

bull 雄牛(オスうし、おうし)。とくに去勢していない雄牛

cattle ウシの集団


cow は一般的なウシの意味もある。だが、乳牛のことを cow という用法もある。雌ウシのことを cow ということもある(桐原、ジーニアス、センチュリー)。

一方、ox には、労役などの目的でのウシのイメージがある。

だからか、ox でオスウシのことを言う場合もある。

なお、ox の複数形は oxen である。child「子供」の複数形が children なのと同種の変化。


なお、アメリカ開拓時代や西部劇のカウボーイ cowboy が乗っている動物は馬(ウマ)。

牧牛などを牧草地から別の牧草に移動させるために、馬に乗って、牧牛(カウ)を追い回すから、カウボーイ。


cattle (カトル)はウシの集団。集合的に複数あつかいする。

なので、a cattle は不可(旺文社)。 cattles も不可(旺文社)。

典型的な例文は、

He raises cattle. 「彼は(牧場などで)ウシを飼育している。」

である(旺文社1900、東京書籍4500)。

なお、「牧場」は名詞 farm である(ジーニアス和英)。farm で「農場」も「牧場」も表せる。東京書籍3000および旺文社1200ではfarmは「農場」と紹介している。

farm 以外にも牧場を表す単語はあるが、高校の範囲を越えるので本書では紹介しない。


握る

grip, grasp


grip と grasp は意味はだいたい同じ。

センチュリーは、grasp の項目で、gripとの意味の違いの説明をあきらめて放置している。

ジーニアスは、gripの項目で、「graspよりも強意的」

としている。しかし実際には、

grip も grasp も、ともに「ロープを握る」などの例文で使われるので、区別は難しい。


なお、

grip 版「ロープを握る」 grip the rope

grasp 版「ロープを握る」 grasp the rope

である。

旺文社が grip を紹介している。東京書籍と桐原では、grip が見当たらない。


grip も grasp も、「理解する」という意味での「把握する」という用法もあるし、支配するという意味もある(「掌握」のような)。

grasp the meaning 「意味を理解する」

である(東京書籍、旺文社)。


違いは、grip には「握力」という意味もある。

また、テニスのラケットなどスポーツ用具などの「握りかた」や、刀の「握りかた」もgrip である。

いくつかの機器の「取っ手」も grip ともいう。だが分野によっては、ハンドル handle ともいう。

ドアの取っ手は handle である(ジーニアス、桐原4500)。

grasp the handle of the door 「ドアの取っ手を握る」

である(桐原)。


自動車のハンドルは steering wheel という(桐原4500、ジーニアス)。

単語集にはないが、自転車(足こぎの二輪車のほう)の取っ手は handlebar (ハンドル・バー)という。


さて、grip について。

タイヤの接地力は grip である。


そのほか、恐怖(terror または fear )を主語にして「~(人)が恐怖にとらわれた」を

Terror gripped ~

あるいは

Fear gripped ~

のように言う(ジーニアスが fear, センチュリーが terror)。


嫉妬

envy, jealousy

envy は動詞としては「嫉妬する」「うらやむ」「ねたむ」の意味が基本。

東京書籍3000に名詞 envy だが「嫉妬」の意味が書いてある。


キリスト教の七つの大罪のひとつが嫉妬 envy で名詞形だが、高校生としては名詞で覚えてしまうとジェラシーとの区別が難しくなるので、まずenvyは動詞で覚えよう。


envyは何も宗教的に断罪されるような強くて敵対的な嫉妬だけでなく、「羨望(せんぼう)の的(まと)」だとか「アメリカ旅行なんて、うらやましいね!」ぐらいの褒めるような感じでも使われるのをセンチュリーの例文で確認。

なお、旺文社1400(中級)に envy の「羨望の的」の意味も書いてある。


envy A for B で「AのBをうらやむ」の意味。だが、旺文社以外は紹介していない。よって、特に暗記の必要はないかと。


形容詞 jealous は「ねたんだ」、ジーニアスいわく「嫉妬深い」、センチュリー恋人や夫婦どうしなどで「やきもち焼きの」という意味。


マイナスの意味で使う場合、jealous のほうが envious よりも嫉妬のなかの憎悪の気持ちが強い。


ジェラシー jealousy とは、名詞で、「嫉妬」「ねたみ」の意味。

envy は高校英語では3000語レベル。桐原3000とか東京書籍4500にある。割と中級の単語。

一方、jealous は東京書籍4500レベルかつ、旺文社1900レベル。ジェラシーのほうが上級。スペルが長くて難しいからか。

桐原はジェラシーを紹介せず。


なお、七つの大罪は下記のとおり。


傲慢 pride プライド (高校単語)
強欲 greed グリード (高校単語)
嫉妬 envy エンヴィー (高校単語)
憤怒 wrath ラース
色欲 lust ラスト
暴食 gluttony グラトニー
怠惰 sloth スロース


greed は桐原5500に「貪欲」として載っており、「投資家たちの利益に対する貪欲さ」として載っている。

また、旺文社1900では「強欲」としてgreedを紹介であり、こちらもお金に対する強欲。

greed for money で「金銭欲」と、旺文社は例文中で訳している。

桐原でも greed for profit なので、つまり

greed for ~ で「~に対する貪欲さ」みたいな意味。

pride は東京書籍4500および桐原4500で、形容詞 proud の関連語として、名詞 pride「誇り」が載っている。

take pride in ~ で「~を誇りに思う」である(桐原)。

しかし be proud of ~ で「~を誇りに思っている」なので、あまり違いがない。


のこりの憤怒、色欲、暴食、怠惰は、単語集では見つからなかった。


尊敬

respect, esteem

感心する admire

褒める praise

「他動詞 + A for B」 praise, blame, admire, criticize

それぞれ respectively ,each


決定的で欠かすことのできない crucial , critical

決定的に重大な crucial ,decisive (※ 別セクションで説明)


動詞 esteem (イスティーム)は旺文社1900にしか書いてない。

桐原4500と桐原5500、および東京書籍3000と東京書籍4500には、esteem が見当たらなかった。

なお、旺文社1900および桐原5500が「自尊心」self-esteem と紹介しているが、ジーニアス英和とセンチュリー英和では見当たらない。


ジーニアスいわく、esteem のほうが respect よりも固い語。

センチュリーいわく、esteem のほうが respect よりも敬愛の気持ちが強いとのこと。ただ「敬愛が強い」とは一体どういう意味なのか。

辞書をみても、respect と esteem のあまり違いはハッキリしない。

respect の用例では、ジーニアスによると、人間を尊敬するほかにも、交通法規などの制度を「尊重する」・「重視する」ような意味で respect するといった用法もある。


なお、対義語はたとえば名詞 contempt「軽蔑」(けいべつ)などがある(旺文社1900、ジ-二アス contempt )。旺文社にしかない。東京書籍と桐原にはない。

あまり一般的に使えそうな例文がない。桐原などが紹介しないのも妥当。


動詞 admire (アドマイア)は、人物そのものではなく、「彼の勇気に感心したよ」とか「彼の業績に感心したよ」のように、ふつう、人の業績や能力などを賞賛する場合に用いる。

桐原4500の例文も、「彼が成し遂げたこと」という業績への感心である。


単に「感心」「感嘆」だの admire の和訳を覚えるだけでは不十分である。そうではなく、業績・能力などを褒める、と覚えよう。


admire A for B で「BのことでAに感心する」である(東京書籍)。

典型的な例文は

admire him for ~ 「~のことで彼に感心する」

である(桐原、ジ-ニアス、旺文社)。

たとえば、彼の勇気に感心するなら、

admire his courage 「彼の勇気に感心する」(センチュリー、ジーニアス)

または

admire him for his courage 「彼の勇気に感心する」(ジーニアス)

のように使う。


派生語は、形容詞 admirable(アドミラブル)「賞賛すべき」「見事な」 や名詞 admiration (アドミレーション)「賞賛」などがある。

admirable の使い方も、辞書で確認したかぎり、人物本人を形容するのではなく、人物の行為や業績を形容している(ジーニアス、センチュリー)。


praise (プレイズ)は、感嘆の意味合いはうすく、単に「賞賛する」という意味で使う。

よくある例文が、親を子をほめることを praise するという例文(ジーニアス、センチュリー、旺文社)。

ただし、それとは別の用法で、神を褒め称えるという文脈でも praise という単語を使う。

admire と同様、praise でも勇気や功績などを賞賛してもいい(ジーニアス、東京書籍)。

このため、admire と praise の意味の違いは不明瞭である。

praise も語法で、

praise A for B 「BのことでAを褒める」

という語法がある(ジーニアス、東京、桐原)。


主語が感動してるかどうよりも、とりあえず主語の人が目的語の人を賞賛している、という事実を説明しているのが praise である。

主語が感動してるかどうかは、文章の読み手には知るよしも無い。


ほか、文法知識として重要なこととして、前置詞 for には理由を表す用法もある、という事です。標準的な文法参考書に for の理由の用法も書いてあります。桐原が、「他動詞 + A for B」というパターンで、praise や下記 blaze などをまとめて紹介しています。

中学ではforの訳を「のために」と表すので、なんとなく誰かの利益のための意味かと思いがちですが、しかし違います。


praise や admire といった賞賛・感嘆などの友好的なイメージの動詞だけでなく、

blame「~のせいにする」や criticize「批判する」などの敵対的なイメージの動詞でも for で理由を表します。

つまり、ひとつひとつ語法を書くと(東京書籍4500では一つ一つ語法を書いています)、

blame A for B 「BをAのせいにする」

be criticize for A 「Aのことで非難される」(東京書籍)

criticize A(人) for B 「A(人)をBのことで批判する」(桐原)

などです。

ただしblame は

blame B for A 「BをAのせいにする」

という語法もあります(東京書籍)。


典型的な例文は

blame him for the accident 「その事故を彼のせいにする」(旺文社、桐原、東京書籍)


なお、criticize はイギリス英語では criticise である(桐原)。単語集では非イギリス英語のほうの criticize を紹介しており、つまり英語発祥地だろうが、発音が分かりづらいイギリス英語は国際的には嫌がられるという事。


さて、criticize の名詞形は criticism (クリティシズム)「批判」であり(桐原)、「批評」「非難」である(東京書籍)。

裏を返すと、blame と praise の名詞形は、そのままである。

つまり、名詞 blame は「非難」の意味。

名詞 praise は「賞賛」の意味。


動詞 punish(パニッシュ)「罰する」 も

punish A(人) for B で「BのことでA(人)を罰する」(桐原)

である。


名詞形は punishment (パニッシュメント)「処罰」である。

「感謝する」thank A(人) for B は「BのことでA(人)に感謝する」である。

中学生あたりに for の理由の用法を説明するなら、thank が適切だろう。


形容詞 critical (クリティカル)は、criticism などの形容詞だろうと東京書籍は紹介しているが、しかし旺文社は crisis の形容詞だと紹介している。ジーニアスは両方の派生を紹介している。じつは東京書籍も、 criticize とは別のページで critical を「重要な」の意味でも紹介しています。


つまり、critical には「批評の」「批判的な」といった意味もあるし(東京書籍)、「危機的な」「決定的に重要な」という意味もある(旺文社)。

ほか、物理学・化学などでいう「臨界」(りんかい)は、英語では critical で表される(ジーニアス)。

また、スケジュール管理の技法で、 クリティカル・パス分析 critical pass というのがある(ジーニアス)。

桐原は4500は critical を紹介せず。桐原5500で criticism の派生語として critical を紹介しているが、例文は無し。

割と重要な単語だと思うが、掲載単語数には限りがある。


よく criticize の末尾 -cize を -size(×) にするミスがあるが、しかし暗記のさいに形容詞 critical から派生させて覚えれば、このミスは減るだろう。


よく「決定的な」と訳されるが(ジーニアス)、その意味は「決定的に重要な」という意味です(センチュリー)。東京書籍は誤解をさけるためか、critical を「重要な」という意味で紹介しています。

さらにいうと、critical でいう「決定的な」とは、ニュアンス的には「もしそれが無いと、成り立たなくなってしまう(目的が果たせずにクラッシュまたはクライシスしてしまう的な結果になってしまう)」という位に重要だという意味で使われます(特に出典は無い)。少なくとも理系では。

実際、クリティカル・パス分析のアイデアも、スケジュール管理に影響を与えている工程を探り出して重点的に労働資源を当てるために、具体的にスケジュール各部の必要日数などを調べたり計算したりして日数などを見積もっていく手法です。


また高校範囲外ですが、IT用語で「ミッション・クリティカル」mission critical とは「それが欠けると業務の遂行に致命的な悪影響が出るほど重要である」という意味であり、[50]、またそのため派生的に、極めて高い耐障害性が要求されるシステムのことも「ミッション・クリティカル」と言います[51]

よく、社会インフラなどのITシステムや、銀行など金融機関の基幹システムで、「ミッション・クリティカル」なシステムであるとか形容されたり、あるいは「ミッション・クリティカルな仕事が要求される」などと言います。


これらの社会インフラなどのITシステムは、ほぼ365日稼働していることが多いので、そのような長い日数の連続稼働をできるシステムだとも言われる事もありますが、あくまでそれは語源的には派生的な意味です。


crucial (クルーシャル)「決定的な」「決定的に重要な」という単語もある。

crucial のほうは、機械の事故時などの危機対応はあまり強調していない。少なくとも、IT業界では「クルーシャル」とは、まず聞かない。

機械の危機管理よりも、成果の意義や、重要性を強調したい表現が crucial であろう。

ほかのセクションで説明したが、「彼のホームランが勝利に決定的だった」のような意義を強調する例文で、crucial が用いられている。


なんというか、crucial には、admire 「賞賛する」 や admirable「感嘆すべき」のようなニュアンスがありそうである。つまり、crucial は、影響力が大きいので「重視すべき」であり、「実際に重要である」というような感じの意味がありそうだ。ただし、文脈によっては、そうでない場合もある。旺文社の「書類を確認すること」が crucial である、の例文を、そこまで考えるのは、さすがに考えすぎだろう。

なので、折衷(せっちゅう)的に、次のような東京書籍の解釈が落とし所だろう。

東京書籍は、crucial は「影響力が非常に大きい」という意味での「決定的な」という意味だとしている。

crucial のほうにも、「欠かすことのできない」 という意味もある(ジーニアス)。

critical が、実際にそれが欠けたり故障したりすると、現実的に重大トラブルが起きる可能性が高いのに対して、

crucial は、そういうのは強調していない。

crucial と decisive との違いについては、別のセクションで説明してあるはずなので、本セクションでは省略する。


副詞 respectively 「それぞれの」という単語も覚えたい(桐原、旺文社)。respectively の品詞は、辞書で確認したかぎり、副詞だけである(ジーニアス)。

なお、初等的に each 「(形容詞)それぞれの」「(代名詞)それぞれ」「(副詞)それぞれ」でも言える(ジーニアス、センチュリー)。

each other 「お互いに」という代名詞的につかう熟語があるが、each単独では「それぞれの」「それぞれ」という意味である。


grave, tomb

葬式 funeral


tomb (トゥーム)は grave よりも改まった語。

そのためか、普通の「墓」は grave を使う。

tomb は旺文社1900にしか書いてない。

桐原4500・5500と東京書籍4500にはtomb は見当たらない。grave はある。


tomb だけで墓石の意味もあるが、特に石の部分を強調したい場合、 tombstone という言い方もある。しかし普通の墓石のある墓でも grave を使って良いだろう。旺文社1900に tombstone 「墓石」がある。)。

なお、「共同墓地」は graveyard である(旺文社1900。ジーニアスで確認)。

単語集にも辞書にも、 visit a grave で「墓参り」の意味である。日米英の普通の人の墓には墓石(tombstone)があるだろうが、それでも墓参りには grave を使う。


tomb と grave のニュアンスの違いは、宗教にからんでくるので、入試には、あまり出ないだろう。


「葬式に参列する」は attend the funeral である(東京書籍、桐原)。

「埋葬する」は 動詞 bury である。「埋葬」は burial である。

以下、入試には出ないだろうが、参考までに辞書などで調査した結果を述べる。

実は、共同墓地には cemetery という言い方もある。単語集にはなく、入試には出ないだろう。(実は東京書籍4500および桐原4500の bury「埋葬する」の項目の例文に cemetery がある。)

bury ~(死者) in ◯◯(墓地)で「~を◯◯に埋葬する」

である(東京書籍、桐原)。


bury ~(死者) in the cemetery で「~を墓地に埋葬する」

である(東京書籍、桐原)。

ジーニアス cemetery いわく、教会に隣接する共同墓地は churchyard である。

近年のアメリカでは共同墓地を memorial park ともいうとのこと。メモリアルパークは和製英語ではなかった。


一方で、「納骨堂」や「霊廟」(れいびょう)は tomb で表せる(ジーニアス、センチュリー)。

だが、和英辞典で「霊廟」を調べると mausoleum (モウソリーアム)という単語が出てくる。英和のほうでジーニアスでmousoleum を調べると、「壮大な墓」「霊廟」「陵」とのこと。

形式的には名称などが「霊廟」の建物でも、壮大でなければ、英語ではまあ単なる納骨堂あつかいだろうか。

逆に、屋外でもあっても、仁徳天皇陵みたいなのは英語では霊廟あつかいだろうか。


tomb のような同音異義語は混乱のもとなので、国王の専用の墓などあれば mausoleum を使いたいものである。

国王の墓とその霊廟などは、tomb でよい(センチュリー)。


ジーニアス和英「納骨」によると、「地下納骨堂」は repository とのことだが、しかし英和で repository を見ても「収納場所」としか書いていない。誤訳だろうか。

そもそも、何を収納するかは repository には決まりはない。実際、インターネット上ではソフトウェアの集積場所を repository と呼んでいる。まさかソフトウェアの墓場なわけあるまい。

なお、「地上納骨堂」は charnel (チャーンル)とのこと。

ジーニアス英和によると catacomb (カタコーム)が「地下埋葬所」である。


tomb (トゥーム)は発音注意。

一般に、末尾の -mb の b は発音しない。

climb (クライム)「登る」。

comb (コーム) 「くし」(髪の毛をとかすヤツのほう)。

bomb (ボム)「爆弾」

などと同様。

"from the cradle to the grave" で、イギリスの社会福祉のスローガン「ゆりかごから墓場まで」である(旺文社1400)。

(※ 範囲外 ) なお、「絨毯(じゅうたん)爆撃」は carpet bombing である。「bomb」は「爆撃する」という動詞でもあるので、名詞的に使うときは動名詞 bombing にする。


原因や誘因

cause, induce


説得

induce, persuade, argue,


催促 urge


記憶や感情などを「呼び起こす」 evoke, stir

怒らせる provoke,

少し怒らせる annoy

いらいらさせる irritate


~するように誘導する induce

~案内という意味での「誘導する」 navigate


感情・興味などを「喚起する」 arouse


induce は「引き起こす」や「説得する」などの意味である(旺文社)。

桐原には書いていない。東京書籍4500では書いてあるが巻末おくり。


induce の「引き起こす」の用法が、cause とはどう違うかと言うと、辞書を見ても特に違いは書いてない。

「説得する」の用法が、persuade とはどう違うかというと、ジーニアスいわく、persuade のほうがより積極的に説き伏せるという意味とのこと。

persuade は、単に説得するだけでなく、実際に行動させることまで含むのが普通(センチュリー、桐原)。


だから persuaded him into going は、けっして単に「彼を行くように説得した」だけでなく、「彼を説得して行かせた」という意味が普通(センチュリー)。

persuaded him to go でも同じ意味になり、つまり「彼を説得して行かせた」の意味である(動詞は違うが、東京書籍および桐原が persuade to do を紹介)。


東京書籍のほうは、induce は「人をその気持ちにさせる」という意味だと言っている。

induce ◯◯(人) to ~(動詞)で「◯◯(人)に~するようにすすめる」の意味(センチュリー、東京書籍)。


ジーニアスいわく、物理学の電気回路の電気誘導の「誘導」が、この induce の派生の名詞 induction 「誘導」である。

なお、単語集にはないが、電気回路のインダクタンスは英語で inductance である(ジーニアス)。高校の物理2でインダクタンスを案らウので、まだ習ってなければ放置でいい。


さて、ジーニアスの例文などを見る限り,犯行の動機などは、induce を使うらしい。

べつに犯罪的なことだけでなく、「眠気を引き起こす」なども induce を使うとのこと。だがジーニアスに例文がない。


navigate は、人を案内したり連れていくなどの意味での「誘導する」である(旺文社、ジーニアス)。

induce とは意味がまったく違うので、混同しないように。

なお、桐原と東京書籍には書いていない。センチュリーの項目 navigate には「誘導する」の意味が書いていない。

navy 「海軍」の語に近いことを意識しよう。navigate は、船や飛行機を「操縦する」という意味がある(センチュリー、ジーニアス、旺文社)。

だから名詞形 navigation は、「航海」「航行」「誘導」などの意味がある(ジーニアス)。旺文社には「誘導」の意味が書いてない。

また、navigator は「航海士」の意味がある。


犯行動機ではない、「英語を勉強しよう」みたいな「動機」は motivation (モチベイション)である。しかし motive だけでも名詞として「動機」になる(旺文社1900)。

なお、「動機づける」は motivate という別のスペルの単語である。

なお、犯行の「動機」にmotive を使っても構わない(東京書籍4500、センチュリー)。

the motive for the crime 「犯行の動機」

である(東京書籍4500、センチュリー)。


urge (アージ)は「強く勧める」(東京書籍4500)とあるが、ジーニアスによれば(~するように)「催促する」「強く迫る」である。

桐原4500によると、urge 人 to ~ で「<人>に~するように強く促す」である。東京書籍4500でも同様、urge (A) to ・・・ で「・・・するよう強く勧める」である。


argue は、どっちかというと「議論で説得する」である。理由をあげて説得するのが argue だと、東京書籍は言っている。

ジーニアスを見ると、いちおう、argue にも「説得する」の用法があるのだが、しかし他の用法で「言い争う」とか、相手のいうことに耳を貸さずに「主張する」みたいな用法もあり非友好的な議論で使う場合もあるので、あまり説得の意味では用いないほうが良いだろう。

ジーニアスいわく、友好的に議論する場合は discuss を使うとのこと。


argue や persuade は、単語集には比較的によく前半のほうに書いてあるが、正直いって、「説得」に使うには意味がキツすぎる。

induce が単語集では後半の紹介になったり紹介されていなかったりするが、induce を使う方が良いのかもしれない。


evoke は、記憶や感情などを「呼び起こす」という意味(桐原5500、旺文社1900)。名詞形は evocation 「喚起」で(旺文社で単語のみ)、記憶や感情などの喚起のこと(センチュリー)。東京書籍に evoke はない。

provoke は「怒らせる」「扇動する」であるが、笑いなどその他の感情を引き起こすという意味もある(桐原5500、東京書籍4500 巻末)。

笑いを引き起こすのと怒らせるのでは、結果が正反対なので、使用には注意が必要な単語である。


evoke で笑いを誘う場合、 ジーニアスいわく evoke a laughter である。なお、桐原5500いわく動詞 elicit が類義語とのこと。

provoke で笑いを誘う場合、東京書籍およびジーニアスいわく provoke laughter である。


provoke で誰かを怒らせる場合、provoke him 「彼を怒らせる」のように使う(ジーニアス、センチュリー)。

特に怒らせる相手を指定しない表現なら、 provoke anger 「怒りを引き起こす」のように表現してもいい(桐原5500、センチュリー)。

provoke には「挑発する」の意味もある(旺文社、センチュリー)。名詞形は provpcation で「挑発」「扇動」の意味で(センチュリー、旺文社)、普通は怒りの感情を引き起こすのにだけ使う(センチュリー、ジーニアス)。


stir (ステーアー)にも、記憶などを「呼び起こす」の意味がある。

なお、自動車ハンドルの steering wheel のsteer とは違う単語である。混同しないように。

stir は、スプーンなどでコーヒーを「かき回す」という意味である。

典型的な例文が、まさにコーヒーをかき回す例文で、

「彼はスプーンでコーヒーをかき回した。」 He stirred his coffee with a spoon.

である(桐原4500、旺文社1499(緑)にそれぞれ似た例文)。

東京書籍は紹介せず(東京1800・3000・4500)。

受験英語としては、stir はややマニアックであり、東京書籍は紹介していない。


なお、steer は「操縦する」という意味です(東京書籍4500、旺文社1900)。なお桐原は紹介していない。

典型的な例文として、

「船を操縦する」 steering the boat

があります(東京書籍4500、旺文社1900)。


ボートというと、日本では手漕ぎのアレですが、しかし英語では boat は大型の船(ship)から手漕ぎの舟(rowboat)までを一般的に表す名詞です(ジー二アス boat)。


英米ではもしかしたら evoke よりも stir のほうが口語的で使用頻度が高いのかもしれないが、しかし日本の高校生としては、 evoke のほうが provoke と関連づけて語彙(ごい)が増えるので、なるべく evoke と provoke を優先的に勉強しよう。なお、東京書籍は evoke も紹介していない。


不快な行動を繰り返すなどして他人を「いらいらさせる」は irritate である(東京書籍4500 で「繰り返し」条件あり、旺文社1900)。桐原4500と桐原5500では、irritate が見当たらない。

ほか annoy は受け身形で「腹が立つ」の意味もある。センチュリーいわく、annoy は、irritate よりも怒り具合が軽い。

つまり

少し怒っている・少し怒らせる = annoy

そこそこ怒っている・そこそこ怒らせる = irritate

のような違いがある。


日本語の「いらいらさせる」に irritate の発音が近いことから軽々しく使いがちかもしれないが、しかし、irritate はなかなか怒っているという、怒りの強度がけっして低くないことには注意する必要があろう。

名詞形 irritation は「いらだち」「いら立ち」の意味(東京書籍4500、旺文社1900)。

さて、annoy は

I am annoyed with ~ で「~に腹が立つ」のように使う。

旺文社いわく、能動形では「悩ます」の意味があるというが、辞書では確認できなかった(ジーニアス、センチュリー)。

「怒る」は形容詞 angry が基本であるが、「気の狂ったような」mad でも怒っていることを表現できる(東京書籍4500)。


arouse は、喜怒哀楽や好奇心など、どんな感情でも、感情を「喚起(かんき)する」のを表現できるので、覚えたい。

なお、「喚起」(かんき)の漢字に注意。換気扇などの「換気」ではないし、部首が口偏か手偏かの違いもある。

桐原にはない。旺文社1900および東京書籍4500にarouse がある。

たとえば、

~(主語) arouse my interest in him 「~(主語)が、私の彼への興味を引き立てる」

のように使う(ジーニアス、東京書籍)。

「目覚めさせる」の意味もあるが、そっちは awake で十分だろう。実際、ジーニアスには、「目覚めさせる」の意味では arouse と awake は同義語だと書いてある。

名詞形は arousal だが、「目覚めること」という意味のほか(旺文社、ジーニアスなど)、性的興奮などの意味がある(ジーニアス、センチュリー)。東京書籍は名詞形を紹介していない。桐原はarouse自体を紹介していない。


輝く

shine. glow

まず、grow「育つ」 と glow「輝く」はべつの単語。

shine が一般的な「輝く」である。


glow は、夕焼けや、ホタルの輝き、加熱されて赤熱した鉄の輝きなどに使う。


なお「夕焼け」は the (sun's) evening glow である(ジーニアス、センチュリー)。

「ホタルが闇のなかで光を放っている」 The fireflies glows in the dark.

である(ジーニアス、センチュリー。まったく同じ例文)。


また glow は、光は放っていないが、風呂上りのほてりの赤らみや(ジーニアス)、スポーツしたあとの赤らみにも使う。

東京と書籍は、暗闇で(たぶんネコの)目が光るのに glow を用いている。

東京書籍は、巻末おくり。桐原では、桐原5500で紹介される。

頬の紅潮なども glow である。

桐原5500では、恥ずかしさで頬が紅潮した場合も glow である。


flush は、興奮・怒り・風邪の熱(ジーニアスで確認)などで顔を「紅潮させる」、あるいは顔が「紅潮する」である(旺文社、ジーニアス)。

旺文社は恥ずかしさで顔が紅潮するのも flush という見解だが、しかしジーニアスは恥ずかしさによる紅潮の場合は blush を使うべきだと言っている。


flush には光などが赤く輝くという意味もあるが、しかしflash 「光がきらめく」と紛らわしい。光では flush は使わないのが安全だろう。

トイレの水を流すのが flush でもあるが(センチュリー、旺文社)、なぜこれが flush なのか意味不明である。

flush the toilet で「トイレの水を流す」

である(センチュリー、旺文社)。

ジーニアスによると、トイレにかぎらず水で不用物を洗い流したりするのも flush である。さらには、水でなくとも、たとえば栄養のいい食事などで毒素を体外に排出するのも flush とのこと。

単語集にはないが、トランプのフラッシュも flush である(センチュリー、ジーニアス)。

単語集にはないが、トリなどを急に飛び立たせることも flush である(センチュリー、ジーニアス)。


dim は「薄暗い」。


礼儀

丁寧・ 礼儀正しい polite (基本的に形容詞)

丁寧さ・礼儀正しさ courtesy (基本的に名詞)


辞書をみても、特に違いが載っていない。


また、旺文社1900にしか courtesy (発音は「コーテシー」)が載っていない。

よって、特に深入りする必要は無いかと。

なお polite は「ポライト」と発音。

名詞 politeness でも「礼儀正しさ」を言える(東京書籍)。


なお、polite の対義語は、 rude (ルード)「無作法な」または impolite である(東京書籍4500)。


つまり

「礼儀正しい」 polite ⇔ rude, impolite 「無作法な」

である。


熟した

mature, ripe ,

東京書籍は ripe を紹介せず。桐原4500と旺文社1900は ripe を紹介。

桐原4500・東京書籍4500・旺文社1900は mature (マチュア)を紹介。

なお、mature は発音注意(桐原、旺文社)。たぶん、高校生に nature 「自然」あたりと混同されやすいのだろう。


基本的に同じ意味。

  • 共通点

東京書籍の単語集には mature は「<人・動物・精神が>成熟した」とあるが、だがジーニアスでは果実の熟している様子にも mature が使われるとのこと。

ripe を使う場合、

「熟した果実」 ripe fruit

とのこと(旺文社、センチュリー)。

mature を使う場合、

「熟した果実」 mature fruit

とのこと(ジーニアス、センチュリー)。


食品(チーズや酒など)の熟成は、mature も ripe も両方とも使う。

動詞「熟す」は ripen とのこと(旺文社、センチュリー)。


人物の中高年には、ripe も mature も両方とも使える。


  • 相違点

「年齢の割には大人びている」と言う場合、

be mature for one's age

を使う(旺文社、ジーニアス)。

age の代わりに years でも良い(センチュリー)。つまり、

be mature for one's years

を使う(旺文社、ジーニアス)。


たとえば「彼は年齢の割に大人びている」なら

He is mature for his age .

である。


以下、単語集には説明がないので、暗記の必要は低いが、参考に。

英語のことわざで「早熟れの早腐り」 Soon ripe, soon rotten.

というのがある。


mature は、考えや計画などが「熟した」、「熟慮した結果の」。

ripe は、機会が「熟した」。


なお、「熟考する」には、consider や、そのほか contemplate という単語がある(東京書籍4500、旺文社)。contemplate の名詞形 contemplation 「熟考」である。


保険や手形など債権の「満期の」は mature である。

「成熟」「満期」は maturity である(旺文社、ジーニアス)。


さて、単にパスポートなどの「期限が切れる」は expire (イクスパイアー)という(旺文社1900)。東京書籍4500と桐原4500・5500にはexpireがない。

証明書の「期限切れ」のことを、けっして「満期」とは言わない。


本ページでは別のセクションで guarantee などの証明書をあつかっているが、guarantee の「期限が切れる」も expire である(センチュリー)。

なお、辞書にはないが、ネットの各種のセキュリティ証明書などの期限切れも expire でいう。


名詞形は expiration (アメリカ英語)および expiry (イギリス英語)である(ジーニアス、センチュリー)。

証明書などの「有効期限」および食品の「賞味期限」は expiration date または expiry date である(旺文社、ジーニアス)。


いっぽう、証明書などが、期限切れなどをしてなくて有効な証明書であるという意味での「有効な」は、形容詞 valid が一般的だろう(東京書籍4500巻末。桐原に似た例文)。

ネットでも、サーバー関係などで各種の妥当性検証の文脈で valid という文字列を見かける。


熟考する consider, contemplate , meditate

瞑想する meditate, contemplate


まず、「~を熟考する」の基本的な単語は consider である。

contemplate は、「~を熟考する」を意味する固い言い回しである(ジーニアス)。

桐原5500と旺文社1900がcontempkate を紹介している。

逆に、もっと柔らかく言いたいなあ、think deeply 「じっくり考える」という言い回しもある(和英ジーニアス)。


辞書で contemplate を見たら、「凝視する」という意味もあるし(桐原5500でも紹介)、単語集にはないが「瞑想する」という意味もある。

meditate 「瞑想する」は、単語集では桐原5500にある。旺文社および東京書籍にはない。

meditate on ~ で「~を熟慮する」でもある(桐原5500)。

熟慮の意味の mediate にしろ contemplate にしろ、ともかく「瞑想する」を意味する単語には、「~を熟慮する」の意味もあることを覚えておけば、英語の読会では困らないだろう。

英作文の場合は、think deeply か consider で切り抜けよう。



妊娠と母

妊婦 maternity

妊娠 pregnant

母 mother, maternal

父方の paternal

ママ mummy

子犬 puppy


休日・休暇 holiday, vacation, leave


ラテン語で母親のことを mater (マーテル)と言う。

英語 maternity は「母性」という意味だが、形容詞的に「妊産婦のための」という意味もある(センチュリー)。旺文社は maternity を「産科病棟」としているが、飛躍しすぎだろう。

妊婦用の服を「マタニティ・ドレス」 a maternity dress とか言うし(ジーニアス、センチュリー)、産院は maternity hospital である(ジーニアス)。

なお、「母性」は motherhood とも言える。

なお、「母性愛」は単に mother love である(ジーニアス)。


母性本能は mother instinct とのこと(桐原4500、東京書籍)。辞書で確認しようと思ったが、ジーニアスとセンチュリーでは見つからなかった。

ただし、maternal instinct 「母性本能」と書いてもいい(ジーニアス instinct, 東京4500巻末maternal)。

instinct (インスティンクト)とは、「本能」という意味の名詞。

医学的に「妊娠」そのものを言う場合は pregnancy (プレグナンシー)である(旺文社)。

形容詞 pregnant は「妊娠している」である(ジーニアス、センチュリー、旺文社)。


She is pregnant. 「彼女は妊娠している」

である(ジーニアス。センチュリーに似た例文)。


1990年代にあった受験参考書で、いまは高校参考書から撤退したが、1990年代のむかし予備校のトフル・ゼミナールが英語参考書を出していた時期があって、その参考書の冒頭で pregnancy が紹介されていた。難関大学の英語の勉強では語彙力が必要だという説明の例として、pregnancy という単語のある英語長文を例にしていた。当時、文脈または文法から高校必修でない難単語の意味を判断する読み方が受験英語で流行していたが、しかし難関大の出題傾向はそれでは解けず、語彙をふやさなければならない、という旨をトフル・ゼミナールは主張していた。

こういうわけなので、受験界隈では pregnancy は割な有名な単語でもある。なので、この単語を覚えよう。

なお、pregnant は今や、高校1年の三省堂 CROWN の検定教科書に書いてある[52]。土偶の話題。


単語集にはないが、pregnant には、派生的に「意味ありげな」とか「重大な意味をはらんでいる」などの用法もあるが、妊娠になぞらえた比喩だとして理解できるだろう。

そもそも日本語の『はらむ』(孕む・妊む)に「妊娠する」という意味があるし、「そのうち問題になりそうなものを含んでいる」という意味もある(三省堂の新明解国語で確認)。このように、日本語の理解が深いと、暗記の負担が経る。

なお、広辞苑(1992年版)を見ても,問題を「はらむ」の用法はなかった。

日本語の「はらむ」はその他、植物の穂(ほ)が出ようとして ふくらむ、という意味もあるし、古語の「はらむ」はこれである(広辞苑で、『蜻蛉日記』にこの「はらむ」があると書いてある)。

英語のページなので、古語には深入りしない。

ともかく、現代日本語の単語の意味は、明らかに英単語を真似ている。このことから、日本の古語だけを勉強しても英語はできるようにはならない。中学高校で英語を勉強する意義のひとつは、日本語を理解するためだ、というのは、少なくとも昭和戦後の昔からよく言われている言説である。


maternal はその他、親戚などで「母方(ははかた)の」という意味もある。

単語集のmaternalには「母方の」の意味の紹介はない。しかし「父の」paternal で、桐原5500に「父方の」という意味が紹介されている。なお、東京書籍4500と旺文社1900には paternal はない。

桐原5500の paternal の意味説明にはない情報だが、パターナリズム paternalism という、心理学や対人医療や心理カウンセリングなどでも使う専門用語を覚えておきたい。

医師などが、患者の医師を無視して、「患者のためになるから」という考えで、本来なら患者に決定させるべきことに対しても強く患者本人の行動に介入することを「パターナリズム」といい、よく評論などでは批判される。


「パターナリズム」さえ覚えれば、あとはパターナルなんていう、めったに使わない単語よりも、ペアレンタル parental 「親の」を覚えましょう。

一部のデジタル家電などに、「ペアレンタル・コントロール」 parental control という、設定によって家電などを保護者しか操作できないようにして、子供のいたずら等による事故をふせぐ機能があります。

いちいち親の操作とか訳さずとも、そのまま「ペアレンタル・コントロール」で通じますし、むしろカタカナでそう訳さないと通じません。なお、センチュリーの2017年版(第4版)の辞書にまだペアレンタル・コントロールは書いていません。(ジーニアスの最近のは持ってないので知りません。)

単語集では東京書籍4500しか、parental を紹介していません。なお、東京書籍の例文は、親の愛情がどうのこいうのという例文です。


なお、parental の発音はじつは「パレンタル」です。

parent の発音は「ペアレント」で合ってます。

「ペアレンタル」はまったく根拠のない発音でもなく、名詞形の発音を引きずっているので「ペアレンタル」は日本語なまりの英語と考えられなくもないですが、しかしまあ辞書的には「パレンタル」という発音になっています。


「産休」は maternity leave である(東京書籍4500 の項目 leave、ジーニアス)。これ自体は雑多な知識だが、だが名詞 maternity をここでも形容詞的に使っていることに注目したい。

形容詞 maternal はかなり使い道が限られる。

leave は、病気とか出産とかによる「休暇」(きゅうか)の意味であるか(東京書籍)、またはその他の理由で日にち単位で休むことである(センチュリー)。翻訳の都合で「休暇」と一言になっているが、けっして単なる休憩ではない。


なお、「病気休暇」は sick leave である(東京書籍4500 の項目 leave、ジーニアス)。

leave と「休日」 holiday との違いは、カレンダーで休日で定められてない日でも休める

ただし、辞書的には、カレンダーで定められた休日以外の個人的な都合で休んでいる日でも、イギリスでは holiday と言う。

しかし、イギリスのこの用法は不合理で、あまり褒められたものではないだろう。なぜなら holiday とはホーリー・デイつまり「聖なる日」のことである(ジーニアス)。

法定の休日は伝統的に定められた聖なる日だからホーリーデイなのに、個人的な都合で休んでいるのに使うのは、イギリスの頭が悪そうである。

アメリカは、ここら辺の使い分けが意外ときびしく、法律で定められた休日だけに holiday を使っている。


なお、特に深く考えずに「休日」や、あるいは単なる連休などの「休暇期間中」などをいいたい場合、アメリカ英語では vacation で言える。

イギリスでは、大学の休暇や法定の休廷日だけが vacation という意味不明な用法である。

当然、意味不明なのでイギリスですらこの用法は嫌われているのだろうか、ジーニアスいわく、最近はイギリスですらアメリカ式の用法で vacation を使うとのことである。

古いだけで分かりづらい言語・単語はこのように淘汰されていく。


職種によって、日にち単位の休暇に leave を使うか vacation を使うかが分かれている。このためか、東京書籍は有休などや長期休暇などを何というかは触れていない。

東京書籍の「産休」maternity leave とだけ触れるのは合理的だろう。もし産休をバケーションといったら、なんか学生の夏休みっぽくて不謹慎(ふきんしん)であろう。

なお、vacation の発音は、じつは「バケーション」でも「ベイケーション」でも、どちらでもいい(ジーニアス)。


ラテン語で「父」が pater パテルである。

ラテン語は聞きなれないだろうが、日本の戦国時代・安土桃山時代の宣教師こと「バテレン」がポルトガル語で「神父」 padre (パードレ)である。

なお、キリスト教カトリックでは「神父」は Father と言う。「神父」の場合、出だしは大文字で Father になる。

なお、旺文社1900のカトリックの男性「僧」 monk の項目に、おんなの「修道女」「尼」は nun だと書いてあるが、しかしジーニアスおよびセンチュリーで確認したところ「修道女」「尼」は sister でも通じるとのこと。

ここら辺の呼び方は、カトリックかプロテスタントかで違いもあるので、深入りしなくていい。そもそも「神父」と「僧」のなにがどう違うのかという、高校の範囲を越えた問題もある。教会内での階級によっても呼び名が違う。旺文社1900が priest (プリースト)を「聖職者」として紹介しているが、厳密には意味が違うので、深入りしなくていい。なお、東京書籍と桐原は priest を紹介せず。なお女性形は priestess (プリーステス)である(旺文社では紹介していない)。


なおジーニアスによるとイギリスでは看護師長も Sister とのこと。おそらくナイチンゲーム(イギリス人なので)あたりの影響か。米国では、看護師長は head nurse というとのこと(ジーニアス)。

「姉妹都市」は sister city (単数形の場合)および sister cities (複数形の場合)である(センチュリー、ジーニアス)。

ジーニアスによると、「姉妹都市」という言い方はじつはアメリカ英語とのこと。イギリス英語では twin towns のように言うとのこと。だが3つ以上の提携だと困るので、なるほど「姉妹都市」が日本では普及したわけだ。

「姉妹校」は sister school である。


ミイラのmummy と、ママ mummy は同じスペル(旺文社1900)。アメリカでは、ママのほうを mommy としており、スペルが違う。

puppy は「子犬」である。パパは関係ない。

なお「子猫」は kitten である。


邪悪な

evil, wicked

手品 magic, trick

いたずら trick , mischief


呪文と魔法と手品

魔法 magic, spell

呪文 spell

手品 magic, trick


evil (発音「イーブル」)は「邪悪な」とか、あるいは道徳的に「悪い」などを表す一般的な語。


evil は一般的な語であるが、「必要悪」 the necessary evil とか、それほど悪くないものを表せる。

邪悪といっても、べつに悪魔信仰とかとは限らず、たとえば

「科学者は邪悪な目的に科学を用いてはならない」

みたいな用法でも evil は用いられる(旺文社1400(中級・緑本)の例文が科学者のやつ)。

なお、bad は「よくない」 「悪い」ぐらいのイメージ


不等号にすると、

(よくない) bad < evil < wicked (かなり悪い)

ぐらいのイメージ(センチュリー)。


do evil で「悪事を働く」である(ジーニアス、センチュリー)。


「善悪」の概念は good (善)と evil (悪) を用いる(センチュリー、ジーニアス、東京書籍、旺文社)。

「善悪」 good and evil のように用いる(センチュリー、ジーニアス、東京書籍、旺文社)。文脈によって good or evil とする場合もある(ジーニアス)。

bad ではダメなのか疑問に思うが、また、bad の代わりに evil を使うのに good はそのままなのは疑問だが、ともかく英語はそうらしい。


wicked は、意図的に「悪い」という意味。犯罪者から、いたずら小僧にまで、wicked で表現できる(センチュリー、ジーニアスで確認)。

wicked はやや高校の範囲外の単語だが、一部の参考書(桐原4500のみ)に紹介されている。


wicked の語源は「魔法使い」を意味する wick という言葉である(ジーニアス、センチュリー)。辞書によると、魔法使いから、邪悪な魔法などを連想し、そのうち、意図的に「悪い」というような意味になったとのこと。

だからか、アメリカ童話『オズの魔法使い』(The wizard of Oz)に出てくる「悪い魔女」が the wicked witch である(ジーニアス、東京書籍『All Abroad! I』検定教科書)。

なお、桐原4500の例文が an evil wizard 「悪い魔法使い」である。桐原4500では、evil の項目で、類義語として wicked が存在することを紹介している。桐原5500にwicked の紹介は無い。

なお、『オズの魔法使い』作中のオズは男で、主人公の少女ドロシーとは別人の男性。

東京書籍の教科書に wicked はあるが、しかし東京書籍の単語集には wicked は無い。

なお、単語集にはないが、山川出版の英語版・世界史によると、「魔女狩り」は witch-hunt である。「魔女裁判」は witch trial である。

なお、magician (マジシャン)は「手品師」「魔法使い」の意味。東京書籍3000にはmagic の派生語magician に「手品師」とだけ書いてあるが、ジー二アスに「魔法使い」とも書いてある。

桐原4500で、巻末の接尾辞 -ian の紹介で magician は「奇術師」と紹介されている。なお桐原では、「歴史家」historian, 「歩行者」pedestrian, 「司書」librarian を一緒に紹介。


単語集では性別の限定される wizard や witch は紹介していない。勉強としては、広い意味で使える magician を優先すべきだろう。

なお、magic 「魔法」「手品」の意味である(東京書籍3000)。

「魔法」はふつう magic で言いますが(ジ-二アス)、名詞 wizardry (ウィザードリ)でも「魔法」になります(桐原 EMPOWER 2[53])。「手品」との区別を明確にしたい場合、便利な単語かもしれません。

語尾は -ry であることに注意してください。辞書に語尾 -ly の wizardly は存在しません。

なお、桐原の教科書では、ピーターラビットを短文で紹介、設問で『赤毛のアン』とハリー・ポッターを紹介しています。

ほか、桐原は検定教科書 EMPOWER 2 の P22の例文で、演劇の古典作品の『ハムレット』 Hamlet という単語を紹介。なお、東京書籍4500でも、単語 part (配役)の項目で、ハムレットが紹介されている。

どうもハムレットは高校英語で演劇を扱うさいの定番らしい。

明治時代ならともかく今どき大学で中世の英語を学ぶ意義はうすれているが、しかし教養としてシェークスピアの言い回しが近代以降の英語に大きな影響を与えた背景があるので、シェークスピアぐらいは知っておいてもらいたいのだろう。


trick (トリック)でも「手品」の意味がある。日本だと「トリック」は手品の「種」のような意味だが、英語 trick はそれ自体で「手品」の意味がある。

trick には、名詞として「(人をだますための)策略」「手品」「いたずら」などの意味があり、動詞として「だます」の意味がある(桐原、東京書籍)。

トランプの手品は card trick という(東京書籍、センチュリー)。

trick 「いたずら」というのは、日本では馴染みが薄いかもしれませんが、たとえばハロウィーンで trick or treat (トリック・オア・トリート)といって、おばけなどに仮装した子供が、よその家の大人に、お菓子などをねだるイベントが10月末ころにあります。


辞書などでは、 trick or treat の訳の紹介を避けていますが、日本の一般的な評論ではよく「trick」を「いたずら」と訳し、「いたずらをされたくなかったら、お菓子をよこせ」のような意味だとされています。

ただし、それだと treat の意味が分からないですが。

こういう事情もあってか、辞書では trick or treat の紹介を避けています。


「いたずら」は mischief (ミスチフ)とも言います(桐原5500)。

mischief は、割と必要性のある単語かもしれませんが、しかし入試では出づらいようです。桐原5500でも、例文を見ても、特に大学名などは紹介されていません。桐原の創作した例文のようです。

名詞 spell にも、動詞で「(単語などを)つづる」のほか、名詞ではまったく意味の違う「呪文」という意味があります(桐原4500,旺文社1900)。ジーニアスにも、spell は「まじないの文句」だと書いてあります。

なお、東京書籍は3冊とも spell を紹介していない。


なお、英単語などの「つづり」は、英語では spelling と言います(桐原、ジーニアス、センチュリー)。

「つづり」のことをspell とは言いません(ジーニアス)。

spell だけだと、動詞「つづる」の意味になります。


さて、呪文は「唱える」ものなので、だからたとえば、歌手のリサイタル recital などの単語の動詞形 recite を使って、recite a spell 「呪文を唱える」などという言い方もあります(ジーニアス)。

なお、よく

cast a spell 「呪文をかける」

という単語があります。(和訳の都合で「魔法をかける」と訳される。ジーニアスやセンチュリーでも cast a spell を「魔法をかける」と訳している。)

日本では、ニュースキャスターなどの外来語からの想像からか、キャストを「唱える」という意味だと思いがちかもしれませんが、しかし辞書を確認したところ、cast に「唱える」の意味はありません。cast にあるのは、視線や光などを「向ける」とか、網やサイコロなどを「投げる」とか、像などを「鋳造する」とか、芝居の配役、などの意味です。


cast a spell on ~(人) で「~(人)に呪文をかける」、「魔法で~を魅了する」

の意味です。

名詞 spell は天候などの「一期間」という意味もあります(桐原、ジーニアス、センチュリー)。桐原ではこっちを例文つきで紹介しています。例文は著作権的な都合でwikiではカット。

なお、ニュースについて、「放送する」を英語で broadcast という(桐原3000、東京4500、旺文社1400)。

broadcast は動詞としては、テレビ・ラジオを「放送する」であり、名詞としてはテレビ・ラジオの「放送」の意味である(桐原3000、東京4500、旺文社1400)。broadcaster で「アナウンサー」などの意味である(ジーニアス、センチュリー)。

過去形と過去分詞は、broadcastのままでも、broadcasted でも、どちらでもいい。

つまり

broadcast - broadcast -broadcast

でもいいし、

broadcast - broadcasted -broadcasted

でもいい(桐原3000)。

旺文社1400緑だと、 broadcast は巻末おくりで、英検2級によくでる単語になっている。英検には出るが、入試には出づらいのだろう。日本の大学入試はこういうものである。


さて、「悪霊」は an evil spirit である(東京書籍、)。


evil には「不吉な」という意味もあり、桐原4500でも意味のみ紹介されている。

やや宗教的だが、「凶眼」evil eye という、悪魔などに目で睨まれると自身の身に災難が起きるという迷信がある(ジーニアスとセンチュリーに evil eye が書かれている)。

なお、「迷信」は superstition (スーパースティション)という(旺文社1900、東京書籍4500)。桐原4500・5500では見つからなかった。


停止

stop, pause, halt


まず、「止まる」「停止」の一般的な語は stop である。

さて、halt は旺文社1900と桐原5500にある。東京書籍4500だと halt は巻末おくり。

さて、今はパソコンの電源を切るための操作をシャットダウンというが、昔、または一部の分野では、パソコンの終了操作のことを halt とも言った。

たとえば

「お使いパソコンの電源を切って再起動してください」 Please halt and reboot your computer.

みたいに使う(オリジナルの例文)。


東京書籍およびセンチュリーでは、停電による交通の停止のことを halt と言っている。

The accident halts the traffic. 「その事故は交通を停止させた。」

である。

これは、「交通システムの停止」だと解釈すれば、つまり halt は、動いていた「システムを停止させる」という意味だと解釈できる。


もっとも、ジーニアスいわく、単に、「halt は stopより も固い語」であるとのこと。

なお、「停電」は英語で the power failure である。


センチュリーいわく、「行進を止める」のも halt とのこと。

軍隊などが行進を止める号令も "Halt!" である(センチュリー)。


こういう英米の文化のためか、警官が市民に停止命令などを発するときも "Halt!" を使うことがある(ジーニアス)。

なお、"Freeze !" という、かなり強い停止命令もある(ジーニアス)。freeze は「凍結する」という意味の動詞である。警官の命令の Freeze は「動くと撃つぞ!」という強い命令(ジーニアス)。


さて、ジーニアスは議論を終了させるのも halt だといっているが、しかしセンチュリーは採用していない。


動詞 pause は「小休止する」「少し中断する」の意味(東京3000、旺文社1900)。桐原3000・4500には書いてない。

名詞 pause は「小休止」「少しの中断」の意味。

単語集にはないが、会話が少しとぎれたり(ジーニアス)、言葉にためらうときも(センチュリー) pause で表現する。

しかし、事故などで交通が止まったりすることは、言わないようである。辞書では、そういう例は pause の項目では見当たらない。

暗記としては、pause は、停止・中断よりも「小休止」で覚えるのが良いだろう。


freeze は、物理的に「こおる」のは当然、freeze である(旺文社1900、東京、桐原)。低温で「こおらせる」も freeze である(旺文社1900、東京、桐原)。

資金などの凍結も freeze である(旺文社1900、ジーニアス、センチュリー)。

活用は freeze - 過去形 froze - 過去分詞 frozen である。


過去分詞 frozen は形容詞的につかうこともあり、たとえば「冷凍食品」 frozen food などがある(桐原4500)。

警官の命令の Freeze は「動くと撃つぞ!」という強い命令(ジーニアス)。

1992年の w:日本人留学生射殺事件 での警官の警告命令が freeze であった。日本でも1992年の事件当時、マスコミでよく freeze の停止命令の意味が紹介された。一説には、発音の似ている「お願いします」 Please と被害者が聞き間違えた可能性もあるとも報道されていた。


投資と投機

speculate 投機する

invest 投資する


まず、日本語で「投機」(とうき)というのが、批判的に株取引などの金融市場の取引を言う表現。

日本では、株取引などで、株価など価格の変動による「利ざや」を目的に、株の売り買いをするのが「投機」だとよく言われる(三省堂『新明解国語辞典 第八版』。岩波書店『広辞苑 第4版』)。

なお、「利ざや」は英語で margin (マージン)である(旺文社1900)。

また、物価や株価や金利など相場の「変動」や、水面などの「波動」は fluctuate である(ジーニアス、センチュリー)。


マージンについて、大学で経済学を学ぶと、「限界代替率」(げんかい だいたいりつ)などとして形容詞 marginal を使った用語が最初のほうで出てくるので、margin には経済用語的・経営用語的な意味があるのも知っておこう。なお、経済学でいう限界~とは、投入するコストや労働力などに対する、その出力としての成果の比率のこと(厳密には違うが)で、要するに経済学的な入力と出力との比率のこと。

桐原5500と東京書籍4500には margin がない。

margin の意味は、本など印刷物の「余白」、「利ざや」である(旺文社)。


fluctuation について、桐原4500のみ、本文中で「変動」として例文ありで紹介している。旺文社1900には巻末に単語と意味だけある。東京書籍4500には fluctuation はない。例文は難しいので紹介を省略する。

なお株によって利益を得る方法は、上記の売却による利ざやのほかにも、株主に対して保有株数に比例した金額ぶんだけ会社から金を受け取れるという、配当金(はいとうきん)というのがある。

なお、「投資」は、株取引などの金融証券の売買のほかにも、たとえば企業の経営者が「設備投資」をするとかいうように、経営する会社の資本を増やすために所持金を出すという意味もある。

なお、スペルの似ている spectate は「見物する」。「見物客」spectator である。このことは頭の片すみに覚えてもらいたい(理由は後述)。


さて、投機の意味もあるほうの speculate は意味が幅広い。単語集では桐原5500、東京書籍4500、旺文社1900が speculate を紹介している。

結論から言うと、speculate の意味は「推測する」「熟考する」「投機する」である。

特に大した根拠なしに「推測する」(guessに近い)の意味がある一方で、まったく逆の「熟考する」の意味もある。

東京書籍4500は speculate を「あれこれ考える」としている。


なぜこういう逆の意味があるか、ジーニアスの考えによると、ヒントは「見物客」 spectator である。

「投機する」speculate の冒頭の spec- も同じ接頭辞であり、「投機する」speculate のもともとの意味は「観察する」ような意味だったのだろうというのが、ジーニアスの説である。

観察して考えた結果や思考法が適切なら「熟考する」になるし、そうでなくて観察して考えただけなら「推測する」と言われるわけである。


ただ、現代では投機のイメージからか、あまり「熟考する」の意味では使わないようである。実際、センチュリー英和で speculate(「投機する」)を見ても、「熟考する」は無い。


名詞形 speculation は「投機」・(株などの)「思惑買い」・「推測」・「熟考」・「空理空論」の意味(ジーニアスで確認。「熟考」以外はセンチュリーにもある)。

speculator は「相場師」「投機家」の意味。日本でも近年、スぺキュレーターという場合もある(ジーニアスでは片仮名でも紹介している)。


「腐敗する」

rot, decay


rot (ラト)と decay (ディケイ)の意味に違いはない。英語では rot のほうが一般的。

だが単語集では、桐原5500にしか rot がない。

decay は東京書籍4500巻末と、桐原5500と、旺文社1900にある。おそらくだが、rot が大半の単語集にないのは、decay のほうが下記のように「虫歯」にも使えて日本人に使いやすいだろうという配慮だろうか。

「虫歯」a decayed tooth

のように(桐原5500、センチュリー)、一部の表現では慣用的に decay を使う(桐原5500、旺文社1900)。

食品や死体の腐敗にかぎらず、建物の朽ちるようすや、制度などの退廃・劣化するようすまで、rot または decay でそれぞれ表現できる。


単語集にはないが、活用は rot - rotted - rotted と規則変化である(センチュリーで確認)。

だが、形容詞 rotten (「ロトン」)というのが存在しており、「腐った」という意味である。食品の腐敗から、道徳的な腐敗まで、いろいろと rotten で形容できる(ジーニアス、センチュリー)。

a rotten apple で「腐ったリンゴ」である(センチュリー)。

a rotten meat で「腐った肉」である(ジーニアス)。


汚染する

pollute と contaminate

辞書的な本来の用法では、pollute と contaminate には違いはなく、両方とも「汚す」「汚染する」の意味。

辞書にはない情報だが、半導体製造など精密な電子部品の製造では、生産歩留りを低下させる、肉眼では確認できないサイズの微小な異物の混入には contaminate を使うなど、業界によっては contaminate を使っている(出典は特定企業なので挙げないが、ネット検索で「半導体 コンタミ」など調べれば、いくらでも民間企業のホームページが出てくる)。

ジーニアスだけ、contaminate の意味に「不純にする」とあるが、ここでいう「不純」とは不純物の混入のこと。

そのほか、日本では、産業の知的財産の分野では、自身に使用権のない他社・他人の特許権や著作権などが、自社・自分の生産物に混入することも「コンタミ」と呼んでいる。「汚染」というより、混入によって品質低下をさせるようなニュアンスで、「コンタミ」が用いられる。

日本語の「コンタミ」は企業では上記のような使われ方もするが、だが英語では「自動車の排気ガスが空気を汚す」とかにもcontaminate を使っていいし(センチュリー)、「タンカーから流出した油が海を汚す」にも contaminate を使っていい(ジーニアスで確認。旺文社に似た例文)。

海上でのタンカーの石油流出の場合、

contaminate the sea 「海を汚染する」

のように使う(旺文社)。


細菌の汚染にもcontaminate を使ってよく、桐原5500に紹介されている京大過去問の例文が、バクテリア(bacteria)による井戸(the well)の水の汚染である。

単語集では、桐原5500と欧文社1900が contaminate を紹介している。東京書籍は紹介せず。

ジーニアスによると、「汚染血液」contaminated blood という単語も紹介されている。そういうニュアンス。


ほか、政治などの「汚職」や「買収」は corruption である(桐原4500、旺文社1900、東京書籍 巻末)。

形容詞 corrupt で、政府などが「腐敗した」、生活などの「堕落(だらく)した」の意味でもある(東京4500の巻末、ジーニアス、センチュリー)。


「寛容」tolerance とは何か

単語集や辞書によれば、名詞 tolerance は「寛容」だし、動詞 tolerate ~ は「~を寛容する」だが、では英文和訳における「寛容する」とは何かという問題がある。

つまり、類似概念の「許す」(allow など)とか、「我慢する」(endure など)とか、「受け入れる」(accept など)とかとは、「寛容」は何がどう違うのかという問題がある。

そういうのを無視して「寛容」tolerance とだけ和訳を覚えても、使えるようにならない。


高校生物の免疫の分野でいう「免疫寛容」(めんえき かんよう、 immune tolerance )が、半分だけ外来語にすれば免疫トレランス ( immune tolerance )である。 なお、「免疫」は英語で immune である。

免疫寛容については、普通に高校生物の教科書に買いてあるので、それを読め。

ほか、工業高校の機械科で習う、加工精度の「寸法公差」(すんぽう こうさ)が英語でトレランス tolerance である。


図面で寸法をたとえば10ミリとか指示しても、原子1個の違いもなくピッタリ同じ寸法の10ミリに作るのは人間には無理なので、よって、どの程度までなら寸法の誤差を許容できるかという指示が図面などの寸法の指定には必要である。そういう加工の許容差のことを「公差」という。

ジーニアスやセンチュリーの tolerance にも、「公差」が書いてある。


ほかの分野では、辞書によると、医療などにおける薬品などに対する「耐性」や「抵抗性」のことを tolerance という。抵抗では。寛容とは逆の意味のような気もするが、おそらく意味が転じたのだろうか。

こういうのを無視して「寛容」tolerance とだけ和訳を覚えても、近現代の英文学しか読めないし、そういう仕事だったらグローバル企業は英米人の母国語話者に依頼するので、和訳だけ暗記しても欧米での仕事はゲットしづらいだろう

理系の分野では、寛容というより、「許容」と考えたほうが良いかもしれない。

さて、東京書籍4500にtolerate の意味には「・・・を我慢する」とある。桐原5500には、tolerance の意味のひとつに「我慢」とある。

寛容な社会には、その社会の構成員の個々人には、我慢が必要なのである。たとえば、「言論の自由」のある寛容な社会には、自分を批判される言論にも我慢しなければならないというわけである。

寛容は我慢を伴うのは、高校生でも英単語集で tolerance を勉強すれば分かることである。

桐原5500は tolerance の基本的意味を「(宗教・人種などに対する)寛容さ」としている。しかし東京書籍は「彼は誤った日本語の使い方が我慢できない。」という例文でも tolerate を使っている。

なお、1689年にイギリスで信教の自由を認めた法令で Tolerance Act というのがある(ジーニアス)。おそらく桐原5500のは、それを意識した意味説明だろう。またなお1689年はイギリスで『権利の章典』が成立した年。高等学校世界史B/イギリス革命

いわゆる「名誉革命」の一部。

単に、なんとなく我慢するのではない。そこが、endure など他の動詞との違いであろう。

日本の昭和の戦後の高度経済成長時代に、自民党の時の首相の池田勇人(いけだ はやと)が「寛容と忍耐」をとなえたというが(共産党や社会党などとの対立を避けるべし、という文脈)高等学校日本史B/高度経済成長の日本、これはおそらくトレランスの和訳だろう。


領土・領域 territory , realm, area,

領土 land, realm

分野 domain, realm, field


国土とか私有地など、実在する場所的な意味での「領土」「領域」は territory で良い。

一般的に、物理的かつ場所的な意味での「領土」「領域」は territory で良いだろう。

realm (レルム)は、「王国」のような意味があるので、ややニュアンスが違う。

realm は発音注意で、「レルム」と読む(桐原5500、旺文社1900)。


学問の「分野」や、そのほか知識や文化などの「分野」のことは、 domain や field という。(桐原で realm の類義語として filed を確認)

realm は、「新しい領域を切り開く」みたいなニュアンスで、使われる。

よく、学問や思想(the thought)や芸術(the art)の分野を「切り開く」とか「領域を広げる」などの場合に realm が使われ(ジーニアスで「学問」を確認。センチュリーで「思想」や「芸術」)。

「空想の世界」もthe realms of fantasy とか(旺文社)、「想像の世界」も the realm of imagination とか(ジーニアス)、そういう使われかたをする。


domain は、古語では「領土」の意味もあったが(ジーニアス)、今日では territory など別の単語のほうが使われるだろう。

「科学の領域」the domain of science だとか(ジーニアス)、「医学の領域」the domain of medicine のように(センチュリー)、あるひとつの学問全体、または専門分野などの「領域」のようなニュアンスで domain が使われる。

インターネット用語で、ドメイン・ネーム domain name というのがある(旺文社、ジーニアス、センチュリー)。


land は、単語集では桐原3000および東京書籍3000にある。

ジーニアスでも確認したところ、たとえば「私有地」 the private land みたいに、割と普通にも使われる。

なお、「私有地」 estate (発音「イステート」)と一言で言い換えもできる。なお、estate には、「財産」という意味もある。real estate で「不動産」の意味(旺文社1900)。

estate は、親からの遺産や、子への相続などの文脈で、よく使われる(たとえば東京書籍4500および旺文社1900の例文が相続)。

旺文社は estate を発音注意としているが、東京と書籍はしていない。

日本でも、よく不動産会社などで「〇〇エステート」という表記を見かけるだろう。

estate には「地所」(じしょ)の意味もあるが(東京書籍4500、桐原4500)、そもそも「地所」と言われても何であるのか、高校生には分からない。


まとめると、estate の意味は「財産」「所有地」「地所」である(東京書籍4500 「所有地」。桐原4500)。

さて、land の話にもどる。ジーニアスでも確認したが文芸などでは「国」という意味でも land は使われる。なお、単にある「国」について言いたい場合、現代では a country を用いるほうが普通だとセンチュリーは言っている。

もしかしたら、国名でイングランドとかスコットランドとか接尾辞に「ランド」がつくので目にする以外は、なかなか見る機会はないかもしれない。


国のイメージで私有地などはイメージはわきづらいが、しかし land は私有地などでも可能である。

典型的な例文として

「土地の価格」 the price of the land

がある(桐原3000、ジーニアス)。


land は、海に対する「陸」の意味でもあり、海から「上陸する」などの文脈で、land が名詞「陸」および動詞「上陸する」の意味でも使われる(東京書籍3000)。

なお、空に対する「地上」には ground を使う場合と(東京書籍3000)、land を使う場合とがある。このため、動詞 land には「着陸する」の意味もある(桐原3000)。

だからよく、航空事故やハイジャックなどで不時着しそうな飛行機をなんとか着陸させようとする際に、「ソフト・ランディング」とか「ハード・ランディング」とか言う。ジーニアスで派生名詞 landing を見ると、a soft landing および a hard landing は書いてある(ジーニアス)。

株式市場などでの暴落・高騰や恐慌などパニック的な市場変化に対する対応などで、急激かつ短時間に強硬的に対応するのを「ハード・ランディング」などというし、逆に時間をかけたりして市場の反応をみつつショックの少ないように対応しようとするのを「ソフト・ランディング」という(経済学的には細かな定義は違うかもしれないが、英語の教科書なので深入りしない)。

ジーニアスで、英語でも、経済などでも soft landing や hard landing を使う。

なお、飛行機が「離陸する」は take off である(東京書籍3000)。

「風景」 landscape や、「雪景色」snowscape など、ついでに覚えておきたい(旺文社1900に landscape など)。

「地雷」mine は landmine とも言う(旺文社1900)。なお、「鉱山」を意味する mine と、「地雷」を意味する mine は、同じスペルで同じ発音(旺文社1900)。


財産

estate, property, fortune


property (プロパティ)には「財産」の意味もあるが、「所有権」の意味もある(旺文社1900巻末)。

なるべくpropertyは「所有権」で覚えよう。

「財産」なんぞ、estate(イステート) や fortune(フォーチュン) でも言える。


そのほか、パソコン用語で「プロパティ」などの用語があるが、説明を省略。



合体

integrate, synthesize

企業合併 merge

組み合わせる combine(コンバイン)


  • synthesize

化学合成するのは synthesize である(旺文社1900)。

なので旺文社1900では「合成する」で synthesize を紹介している。

形容詞は synthetic 「合成の」である。

東京書籍いわく、 synthetic chemicals 「合成化学製品」とのこと(東京書籍4500 巻末)。

単語集にはないが、音楽の電子音楽をつくるのに使ったりするシンセサイザーも英語で synthesizer である(ジーニアス、センチュリー)。たぶん音楽の教科書なら紹介があるのだろうか。

辞書をみても、特にintegrate ほかの類義語とは紹介していない。

  • integrate

単語集にはない説明だが、数学の微分積分の「積分」は integral (インテグラル)である。

よくある例文が、複数のアイデアの統合で、

integrate my ideas with ~(別アイデア)

みたいにして、「~の考えを私のアイデアと統合する」のように使う(センチュリー、旺文社)。

integrate 〇〇(アイデアA) with □□(別アイデア)

のように使う。

ジーニアスでは、ヨーロッパ連合 EU の統合を integrate で説明しているが、しかし Union だから unite ではないかという疑問がある。


「企業合併する」は merge である。なお、名詞形は merger である(桐原5500、旺文社1900)。

「M&A」(発音「エム・アンド・エー」)で「合併買収」を意味する、経済の専門用語である。日本でも新聞などで広く知られているので、merge も英単語として覚えておこう。

M&A は merger and acquisitions の略である(旺文社)。


なお、単語集にも辞書にもない、パソコン用語で merge は基本的な操作のひとつで使われている。いわゆるコピーペースト時の同じ名前のフォルダの「統合」でmergeを使う。

同じ名前のフォルダを上書きコピーする場合に、もとのフォルダ内にあったファイルを残したまま、新規ファイル側で追加されたファイルも「統合」できるが、この動作も、merge である。

たとえば、USBメモリ内にフォルダ名「新しいフォルダ」をつくって、そこにファイルをいくつか入れて、たとえば「aaa.txt」「bb.txt」を入れておく。

USBメモリでなく、パソコン側で、別に「新しいフォルダ」をつくっておき、そこに「cccc.txt」を入れる。


パソコン側の「新しいフォルダ」をマウスの右クリックでコピー選択して、それをUSBメモリに貼りつけると、フォルダ名が同じなので、フォルダが統合されて(merge されて)、 、つまりUSB側のフォルダに「cccc.txt」が追加される。

結果的に、 USBメモリ側のファイルの中身は、「aaa.txt」「bb.txt」「cccc.txt」の3つになる。

こういうのがmerge 。要するにフォルダの統合のこと。


combine (コンバイン)は、合体ではなく「組み合わせる」。

名詞形のcombination (コンビネーション)は「組み合わせ」の意味である

コンビネーションは、別に合体してひとつのものになるわけではなく、組んでいるのが人間どうしなら、たまたま一緒に行動していたりするだけである。

あとで用事が済んだら分かれるわけである。なので合体とは違う。


牢獄・監獄

prison ,jail


その牢獄が prison か jail なのか、アメリカ英語かイギリス英語かで違ったり、また拘置所か刑務所かで違うので、深入りしなくていい。

旺文社が jail を紹介している。

辞書で確認したところ、prison と jail の両方とも、それぞれ刑務所と拘置所の意味があるので、日本人には区別は難しい。


高校生としては、単に、prison と jail の2つの言い方があることだけを知っていればいい。

東京書籍には break out prison で「脱獄する」だが、しかしセンチュリーいわく break prison でも通じるとのこと。


「囚人」(しゅうじん)はprisoner である(東京書籍4500、桐原4500)。

prison のほうが、派生名詞 prisoner で「囚人」も言えるからか、桐原と東京書籍の単語集には prison のほうしか紹介していない。

go to prison で「入獄する」である(桐原)。

ほか、

be in prison 「刑務所に入っている」(旺文社、センチュリー)

たとえば

She is in prison. 「彼女は刑務所にいる。」

である。

なお、ジーニアスは be in prison を「服役中(拘留中)である」と和訳している。


poison, toxin


「毒」の一般的な単語は poison である(東京書籍1800、桐原4500、旺文社1400(緑本))。辞書では特に名言されてないが、poison を紹介している単語集のレベルや配置からそう考えるべきだろう。

poisonで、「毒」「毒薬」などから(ジーニアス、センチュリー)、さらには社会への「害毒」なども表現できる(センチュリーで確認)。

東京書籍1800に poison がある。初等的な単語として扱われている。


toxin (トキシン)は、たとえばフグ毒のテトラドトキシンのように、毒の成分の名前などで出てくる。

だから toxin は「毒素」という訳がふさわしい(ジーニアス、センチュリー)。

単語集にはテロラドトキシンは書いてないが、このように英語の理解には理科的な知識も必要である。

なお、フグ毒の成分のあれは「テトラド・トキシン」と発音する。けっしてテトラ・ドトキシン(×)ではないので注意。


単語集には形容詞 toxic 「有毒な」が書いてあるが(東京書籍4500、旺文社1900)、形容詞 poisonous 「有毒な」との区別が難しい。

だから名詞 toxin 「毒素」を基準に覚えるべきであろう。

単語集にはない語だが「毒物学」は toxicology である(ジーニアス、センチュリー)。

旺文社1900と東京書籍に toxic の意味で「有毒な」のほかにも「中毒性の」が紹介されているが、しかしジーニアスやセンチュリーでは確認できなかった。



驚かせる

surprise, astonish , startle

驚いた amazed ,surprised , astonished


まず、「驚かせる」の一般的な単語は surprise である。

surprise は意味が広く、たんに「びっくりさせる」から、「驚異的な~」「おどろくべき」みたいな形容でも surprising などが使われたりと、意外と意味が幅広い。

いっぽう、単に、「とても びっくりした」だけなのが startled (過去分詞)である。現在形だと startle になる。ただ、意味が強いので、かなり大きな出来事がないかぎり、 軽々しく startle を使うのは問題。

ジーニアスは、「彼女の急死の報に接して私はびっくりした。」という例文で startleを使っている。

センチュリーは、ほかの文で「仰天する」とか訳している。


be startled 「びっくりした」

のように、surprised などと同様に startle でも受け身形でびっくりしたことを表す。


astonish は、surprise よりも意味が強い。だが astonish の用法・用例は surprise とほぼ同じ。

be astonished 「驚いた」

である。


amazed も「驚いた」の意味である。

なお、スペルの似ている amused「楽しそうな」とは違う単語である。混同しないように。

amazing「すばらしい」の意味なのに、amazed「驚いた」と例外的な用法である。


ほかの感情系の単語はそうではなく

amusing「楽しい」→ amused「楽しそうな」

boring 「うんざりさせる」→「うんざりした」

disappointing「がっかりさせる」 → disappointed 「がっかりした」

exiting「興奮させる」→excited「興奮した」

interesting 「興味深い」→ interested 「興味を持った」

surprising「驚くべき」→surprised「驚いた」

tiring 「つかれさせる」→ tired 「疲れた」

である。

tired だけ例外的に感情とは限らないですが、上記のamuse からsrprised までの ~ing → ~ed の単語は基本的に感情にかかわる単語です。


文法事項だが、前置詞 to の用法で、

「(私が)失望したことに、」 To my dismay,

である。

To my ~ では、名詞形を使う。

だから、To my surprise, 「驚いたことに」とか、To my relief 「安堵したことに」のようになる。


fire, flame ,

特殊な強い火 blaze

停止する cease, suspend


「火」の意味での fire と flame の違いは不明。辞書を見ても、特に言及は無い。

fire には、単純な「火」のほかにも、火事の意味や、軍隊などの「射撃」命令の意味もある。

辞書を確認したかぎり(ジーニアス、センチュリー)、別に flame のほうが火力が高いとか低いとか、そういうのは無い。

fire と flame の両方とも、「情熱」や「熱情」などの意味もあるので(センチュリー、ジーニアス)、ふつうの日本人には、そこからは区別はつかない。


名詞 cease-fire で「停戦」の意味(東京書籍4500、ジ-二アス、センチュリー)。

cease (シース)は、しばらく続いていたものが「停止するの意味」である。このため、単なる停止とは違うので、stop とは違う。単に固い言い回しなだけではない。

cease は停戦のほか、工場などでの製品の生産中止などにも使われる(ジ-二アス、東京書籍)。


cease production 「生産を中止する」(ジ-二アス、東京書籍4500)

または

cease producing ~(製品) 「~の生産を中止する」(桐原4500)

ほか、cease to exist で、国や村などが「消滅する」の意味(旺文社、ジ-二アス)。

なお、「しばらく」は英語で for a while などがある。


なお、停学とか運転免許停止だとか、処罰的かつ法的な「停止」には、よく suspend が使われる。

suspend one's driver license 「~の(one's) 運転免許を停止する」(東京書籍、旺文社)


経済制裁による貿易停止とかも、suspend で良い。

処罰にかぎらず、鉄道や飛行機などが悪天候や他者の事故などで停止している場合も、 suspend が使える(ジ-二アス、センチュリー)。ジ-二アスでは、こちらのほうを第一の意味にしている。

こういった「停止」の意味の名詞形は suspension (サスペンション)である。


小説などのサスペンス作品も、語源は suspend である。サスペンス suspense の意味の変遷はおそらく、

停止されていた未解決 → 結果が分からない → ハラハラする → 不安になる

のような意味の変遷だろう。


旺文社1900に、英検準1級の単語として、blaze (ブレイズ)が書いてある。東京書籍4500および桐原4500・5500は blaze を紹介していない。

このように、英検の出題範囲と、大学入試との出題範囲とは異なる。英語の勉強では、自分の目的に適した教材を選ぼう。

ジー二アス・センチュリーによると、blaze とは flame よりも強い火のこと。ほか、強い光にも blaze を使うとのこと(ジー二アス、センチュリー)。

夕暮れ(ジー二アス)やカエデの紅葉(センチュリー)などで辺り一面が赤く染まって見えるような場合にも blaze を使う(ジー二アス、センチュリー)。


なお、動詞 fire には「解雇する」の意味もある(東京書籍3000、ジーニアス)。

受身形で

be fired from ~(会社など) 「~(会社など)を解雇される」

の意味である(東京書籍3000、ジーニアス)。

解雇の意味では東京書籍にしか書いていない。桐原3000は「発射する」までは書いてあるが、解雇はない。旺文社1200に至っては、火しかない。

しかし、啓林館の検定教科書 "Revised ELEMENT English Communication II" にある、スティーブ・ジョブス(米アップル創業者)の伝記に、解雇の fire が書いてある。



編集・編纂(へんさん)

edit ,compile


辞書を「編集する」場合、compile (コンパイル)で表す(ジーニアスで確認)。

compile a dictionary 「辞書を編集する」

である。桐原5500の例文も、辞書の編集である。


旺文社は音楽アルバムの編集をcompile で書いているが、どうなんだろう。

旺文社によると、

歌手のライブ録音 → 音楽アルバム

という変換の過程が compile らしい。


とりあえず、「編集」の一般的な語は edit だと思っておけば良いと思われる。


ほか、コンピュータに compile という単語があるが、意味が少し上記とは違うので、説明を省略。



割り当てる

assign, allocate


慣用的に、assign は仕事や課題そのものを割り当てるのに使い(桐原4500)、allocate は仕事またはその他の何らかの目的のために必要な予算などを割り当てるのに使うが(旺文社)、

しかし実はassign でも予算の割り当てをできる(センチュリーに部屋をあてがわれる例文あり)。

よって、入試には、これらの正誤判定問題は出ないだろう。


ただし、名詞形 assignment は、割り当てられる「任務」や「課題」のことである(旺文社、東京書籍)。東京書籍の訳が「任務」。

だから、普通、人間に仕事を割り当てるには、 assign を使う。

その証拠に、範囲外だが、名詞 assignee は、分担されるなどした各仕事のそれぞれの「担当者」のことである。もっともジー二アスにはその意味が書いてないが、しかしジー二アスが古いだけである。なおジー二アスには assignee は「権利・財産などの譲り受け人」と書いてある。

「担当者」の意味がウソだと思うなら、たとえば 海外のオープンソース・ソフトウェアのバグ報告サイト( Bugzilla (バグジラ)など)に確認しに見にいってみればいい。バグ一覧表で、報告されたモジュールの担当者の列の一番上に assignee と書いてある。

また、各バグの題名の列には summary と書いてあり、1~2行で報告者は、バグの内容をまとめている。英語 summary はこういうふう1~2行の要約にも使うので、日本語「要約」とはニュアンスが実は少し違う。


同様に、名詞形 allocation は、割り当てられる「配分」のことである(旺文社)。


普通、 assign ~(仕事) to 〇〇(人) で「〇〇(人)に~(仕事など)を割り当てる」


桐原4500・5500に allocate は無い。センチュリーのallocate には例文が無い。東京書籍4500は巻末でallocateを紹介。

市販の教材では、allocate は紹介の少ない単語である。


たとえばLinuxなどのOSのインストール要件に「ドライブに20GBの空き容量が必要」というソフトなら

20GB unallocated drive space

とか書いてあったりする。こういうふうに allocate は使う。

「まだWindows 用に割り当てていない空き容量がドライブに必要ですよ。」というニュアンスがある。いくらWinodws内で空き容量があろうが、そこはWindowsに割り当てされてしまっているので、Linuxのインストールには使えないというニュアンス。


迷路

maze, labyrinth

a maze of ~ で「迷路のように複雑な~」という意味(旺文社、ジーニアス)。

同様に

a labyrinth of ~ で「迷路のように複雑な~」という意味(ジーニアス)。


よって、スペル以外に区別のしようがない。


センチュリーで labyrinth を見ても、例文が無い。

ジーニアスで maze と labyrinth を見ても、特にニュアンスの違いは書かれていない。

よって、ほぼ maze と labyrinth は同義語だとみなせるだろう(ジーニアスmaze および旺文社 maze でも類義語としている)。


勝利

victory, triumph


名詞としての triumph (トライアムフ)は、「大勝利」「大成功」である(東京書籍4500、センチュリー)。

けっして、単に victory の固い言い回しなだけではない。

翻訳の都合で、triumph の訳が場合によっては単に「勝利」とだけ訳す場合もあるが(ジーニアスにそういう訳もある。また旺文社の訳が単に「勝利」)、しかしそれだと victory との区別を理解しづらくなる。

なので、まずtriumph は「大勝利」「大成功」と覚えるべきである。ジセンチュリーでも、基本的な意味は「大勝利」「大成功」だと説明している。

また、「(大)勝利の喜び」「(大)勝利感」などの意味もある。


triumph は動詞もあり、「勝利する」の意味である。(動詞 win の類義語。)

ジーニアスを見た限り、大勝かどうか分からない勝利でも triumph を使われている。

なので入試では、正誤問題は出ないだろう。

桐原5500で「勝利主義」triumphalism が紹介。victory とのニュアンスの違いについては、桐原のは参考にならない。


怖がる

afraid, frightened, scared


動詞 frighten で「怖がらせる」の意味。

afraid は be afraid of ~ 「~を怖がる」など、普通は SVC文型でのみ使う。


「おびえているネコ」は a frightened cat である(ジーニアス)。

an afraid cat (×)は不可。


名詞の修飾のために、形容詞をその名詞の直前で使う用法のことを「限定用法」という。

限定用法では、frightened を用いなければならない(ジーニアス)。


一方、

be frightened of ~ 「~を怖がる」

は可能である(桐原4500、)。


動詞 frighten のほうは、意味が一時的に「怖がらせる」の意味である。しかし形容詞的な過去分詞 frightened のほうは、習慣的に「イヌが怖い」のような例文もあるので(ジーニアス)、必ずしも一時的とは言えない。

センチュリーでも、「政府が税金を上げるのではないかと恐れている」という例文で frightened が使われており、一時的とは言いづらい。

ほか、名詞 fright で「恐怖」の意味(東京書籍、旺文社)。


東京書籍1800 では、「おびえた」を scared (スケアード)で教えています。

動詞 scare は「怖がらせる」の意味です。frighten や frightened よりも、 scare および scared のほうが口語的です(ジーニアス)。なので、scared を「びっくりした」と訳す場合もあります(桐原3000の例文、ジーニアス)。

実は1990年代には、scared は高校教育では基礎レベルでは教えていません。90年代の昔は afraid で高校英語を通していました。

もっとも、scared も be scared (+ of ~) でしか使えないです。現代の私たちは、さっさと frighten を覚えたほうが効率的です。

名詞を修飾する用法は、辞書で調べたかぎり、ないです(ジーニアス、センチュリーで確認)。

まあ、afraid は be afraid of でしか使えないので、教育が scared に置き換わったのでしょうか。


どうしてもscare を覚えるなら、単語集にはないですが、田畑にある「カカシ」 scarecrow (発音「スケアクロウ」)を覚えると頭良さそうに見えるかもしれません。

カカシで、カラス(crow、発音「クロウ」)などのトリをおどろかす(scare)から、英語でカカシをscarecrow というわけです。

なお、ネコ、ワシ、タカなどの鋭い「爪」はclaw ですし、発音は「クラー」です。混同しないように。


障害者

handicapped, disabled


障害者はもともと、17世紀にイギリスで生まれたゲーム hand in cap が語源で、

それから

handicapped (ハンディキャップド)

と呼ぶようにしていましたが(ジーニアスでも時期は書いてないが古いゲームが語源だと確認できる)、物乞いの帽子を使った動作(cap in hand)と勘違いするとのことから、ほかの言い回しになりました。


challenged や disabled などが提案され、現在は disabled が言い換えとしては主流のようです。少なくとも東京書籍3000では、challenged は、disable の項目の関連語の一部として紹介しているにすぎません。

桐原4500の単語集には challenged は見当たりませんが、名詞形 disability は見当たります。

なお、東京書籍3000 の disabled の項目に、challenged 「体の不自由な」(アメリカ英語)も書いてあります。東京書籍いわく、challenged はアメリカ英語とのことです。相対的に disabled はイギリス英語です(東京書籍3000)。


単語集 disabled には書いてない話題ですが、

もともと、

動詞 enable ~ 「~を可能にする」という単語があります。enable は「エネイブル」と読みます。

それの対義語が disable 「~を不可能にする」です。disable は「ディセイブル」と読みます。このようにenable と disable とは、対(つい)になっている語です。(単語衆には書いていないですが。)


なので、本来なら、たとえば機械などで「機械の設定を変えて、~の操作を不可能にする」とかでも disable は使います。実際、インターネット上にある未翻訳の海外フリーソフトなどを使うと、設定の切り替えページなどで、普通に enable や disable などがあります。

たとえば、

「リモートアクセスを無効にする(=そのパソコンをネットからはリモートアクセスできないようにする)」 disables remote access

みたいに使うわけです(wikiオリジナルの例文)。


逆に、機能を使用できる状態に設定するのが enable です。


一方、機能の使用を禁止する状態に設定するのが disable です。

センチュリーに、disablement の項目で「機械・システムなどの無作動」と書いてある(センチュリー)。

本来、語源どおりにdisable や派生の単語を考えれば、「できなくする」「できない」のような意味です。しかし辞書では、disability は、障害者の「障害」のことを言います。


そもそも、古くは crippled「手足などの不自由な」「ダメになった」という言い回しが差別的であると考えられ、それで handicapped になったのです。

さて、disabled も crippled も本来の意味は、口語的かどうかのニュアンスの違いはあれど、似たような意味です。

障害者を challenged という言い換えは、アメリカのマスコミなどが1990年代に喧伝したので、日本でもよく知られていますが、しかし日本での知名度の割には、実際には英米ではあまり普及していない言い回しのようです。

英米では、「障害者」を表す単語としては disabled のほうが普及しているようです。

ジーニアスいわく「障害年金」は disability pension です。旺文社1900いわく、「傷害保険」は disability insurance です。

単語集にも blind は載っています(東京書籍4500、旺文社1400(緑))。


また、上述の薬効テストで、用いられる偽薬(ぎやく)のことを placebo (プラシーボウ)と言うのですが、旺文社1900の単語集で placebo は紹介されています。


新薬などの病院での実験では、薬効テストにおいて対照実験のために、効果のないニセの薬も投与してみるのです。

医者はニセの薬だと知っていますが、投与される患者は知りません。

そのような薬効テスト目的でのニセの薬のことを日本では「プラシボ(またはプラセボ)」といい、英語でも placebo 「プラセーボウ」と言います。


また、新薬のテストや、その他の医療における各種の新式の治療法のテストは、最終的には病院の現場で、医師とともに実験をじっさいに行わなければなりません。

そういった、病院の現場でじっさいに行う実験のことを臨床実験(りんしょう じっけん)といい、英語では薬の臨床実験のことを the clinical trial と言います(旺文社、ジーニアス英和 clinical)。

薬以外の臨床実験は英語でどう言うのかは知りません。ジーニアス英和のclinical の項目には「(薬の)臨床実験 ~ trial」とだけ書いてあります。


高校生に有名な単語をあげれば、目の「盲点」(もうてん)は blind spot です(東京書籍4500)。

目隠しのブラインドは、英語でも blind です(旺文社1400、ジーニアス)。

アメリカ英語では window-shade あるいは単に shade とも言います(ジーニアス)。

なお、耳が身体障害などで不自由なのは deaf (デフ)です。deaf は発音注意です(旺文社1400)。デイーフではないです。


薬(medicine )の話ついでに、

「丸薬」「妊娠中絶薬」pill

「錠剤」tablet

「カプセル」capsule

「粉薬」powder

である。



きちんとした

neat, tidy


neat(ニート) も tidy(タイディ) も、両方とも身だしなみのいい服装や、整頓された部屋などに用いる。

このため、区別は難しい。

それどころか neat and tidy でセットで用いて「きちんとした」という意味で使われることも多い(桐原4500、センチュリー、ジーニアス)。

The room is neat and tidy. 「その部屋は整頓されている。」

のように用いる(桐原・センチュリーに似た例文)。


このようにセットで用いられることすらも多い単語なので、日本人としては、ことさらに neat と tidy を区別する必要は低いだろう。少なくとも大学受験レベルでは、区別の必要は無い。実際、桐原はセットで neat の項目に tidy も紹介しているし、東京書籍は巻末で neat だけ紹介するという巻末送りの扱いなほどである。


発音の似ているNEET(34歳未満の無職者)とは意味が違うので(旺文社1900)、区別のこと。


neat と tidy の相違点としては、


neat の場合、辞書を調べると、仕事の「手際のいい」という意味もある。

典型的な例文は

a neat job 「手際のいい仕事」

である(センチュリー、ジーニアス)。

このためか、neat には「見事な」という意味もある(旺文社)。


unfold 閉じてあったものを「広げる」

(※ 範囲外)展開 develop, extract


unfold という動詞があり、閉じてあったものを広げる、という意味である。

たとえば

unfold the map 「地図を広げる」

が典型的だろう(旺文社、東京書籍)。とじてあった、地図や手紙などを広げるのに、unfold を使う。

unfold the letter 「手紙を広げる」


旺文社には、これが「開く」で書いてある。

ジーニアスやセンチュリーでも、unfold の意味で「広げる」のほか「開く」でも書いてあるので、「開く」でも間違いない。

ただし、open とはニュアンスが違うので、注意しよう。

逆に、手紙や地図などを折りたたむのは fold である(ジーニアス、センチュリー)。


聞きなれない単語かもしれないが、しかし私たちはパソコンのフォルダー(folder)を知っている。このfoder も折りたたみ書類のような意味である。思い出そう。

unfold や fold で開いたり閉じたりするのは、手紙や地図などの読み物でなくともよく、服などを折りたたみでも fold を用いてよいし(センチュリー)、傘の折りたたみでもよいし(センチュリー)、布団を折りたたむのにも fold を使ってもいい(ジーニアス)。


さて、高校の範囲外ですが、辞書にはない用例ですが、算数などで習うサイコロの展開図は、development です。

数学で式の「展開」などを develop といいます(これはジーニアスなど辞書にあります)。

「先進国」は developed country です(桐原3000)。「発展途上国」は developing country です(桐原3000)。読者は、現在形 develop を基準に、過去に発展していて既に先進国だから過去分詞で developed country となるという語感をつかんでください。

しかし、「先進国」は advanced country だと、Z会『速読速聴・英単語 Core 1900』は言っています[54]

啓林館 Vision Quest I(P.111) が「先進国」は developing country あるいは advanced nation だと紹介しています。

なお、パソコンのファイルの圧縮・展開などでいう「展開」は extract です。食品などの濃縮物の意味の「エキス」の意味の extract と同じ単語です。


桐原4500および旺文社1400(緑本)によると「社会問題」 social problem とのことです。東京書籍では東京書籍3000に social があります。

ほか、「社会主義」socialism です(旺文社1400)。


パソコン用語など


パソコン用語など、現代では高校の範囲外でも、年月が経つと高校教育に降りてきますので、なるべく関連づけてパソコン用語なども覚えておきましょう。

実際、 E-mail や Internet などの単語は、すでに中学・高校の単語集にあったり、または検定教科書で見かけることすらあります。

例文として

send email 「Eメールを送る」

で通じます(桐原EMPOWER 2 ,P47)。

東京書籍1800によると、チャット chat、インターネット Internet、「オンラインの」online、ウェブサイト website 、というネット用語もありますし、

キーボード keyboard、マウス mouse などの入力機器もありますし、

プロジェクター projector、スキャナー scanner、デジタルカメラ digital camera、などの外部機器もありますし、

スマートフォン smartphone などの電話もあります。

なお、camera は発音「キャメラ」です。


旺文社1900によると、ツイッター twitter という単語すら紹介されています。特定企業のSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)の商標すら、大学入試の英単語の文中に出ているのが実状のようです。すでに検定教科書の桐原 EMPOWER 2 ,P46 で、SNSという単語を見かけました。

なお、SNS は Social Network Service の略です。

「SNSにメッセージを投稿する」も

英語で

post a message to SNS

で通じます(桐原EMPOWER 2 ,P20)。というか、そういうインターネット英語を和訳した結果、日本語でもネットに「投稿する」(= post )と言うように言うようになったのでしょう。

桐原3000によると、もうセンター試験でも既に、ウェブ上の「リンク」link とか、インターネットへの「アクセス」 access や、テキストデータなどの text や、セキュリティソフトなどの security や、暗証番号などのコード code などの単語も、出題されているとのことです。

メインメニューでの「オプション」 option などの単語もセンターにあるとのこと(桐原3000)。

コンピュータ知識は直接は入試に出なくても、こういうふうに狙われますので、これからの時代に必要になるだろう最新技術の単語は、きちんと勉強しておきましょう。


桐原3000によると、すでにセンター試験に「ログイン 」 log in が出ているようです。『センター試験スクリプトでチェック』という章に log in という単語があるので、たぶんセンター出題されたのだと思います。

会員制サイトなどに接続することを、「ログインする」と言います。「ログオンする」と言う場合もあります。

また、自分のパソコンにパスワードを設定している場合は、パソコンの電源を入れて立ち上げたときにパスワードを入力することも、「ログインする」・「ログオンする」などと言います。

これは英語でも

log in 「ログインする」

または

log on 「ログオンする」

です(桐原3000)。

中学校あたりの技術の授業で、「パスワード」という概念を習っているはずですので、授業をまじめに聞いていれば「ログイン」・「ログオン」などの用語も知っているはずです。


ほか、まだセンター試験・共通試験にないだろう単語ですが、

テレワーク teleworking

リモートアクセス remote access

なども、英語です(ジー二アスで確認)。


なお、テレビなどの操作のためのリモコン装置の「リモートコントール」 remote control も、英語です(ジー二アス、センチュリーで確認)。すでに2008年の段階で teleworking はジー二アス英和に存在しています。

テレビ電話などを用いたテレビ会議などの「遠隔会議」は teleconference (テレ・カンファレンス)などと言います(ジー二アスで確認)。

近年(2022年に記述)、検定教科書では、社会科の公民科目や地理科目のほうで、テレワーク・リモートワークなどの話題がちらほら紹介されています。なので先手を打って、テレワークなども英語であることを知っておきましょう。

流行語っぽくもあるので、もしかしたら細かい言い回しとかが将来的に少し変わる可能性もありうるので、細かなスペルまでは暗記する必要は低いでしょうが。


なお単語集では、 remote は「人里はなれた」の意味で4500語レベルあたりで紹介されています。山奥の村などが、市街地からは remote みたいな例文です。




洗う

wash, launder


まず、「洗う」(あらう)の一般的な単語は wash である。

wash で、洗面台などで手や顔を洗うことも言えるし、風呂で体を洗うことも言えるし、衣服を洗濯機で洗うことも言える(ジーニアス、センチュリー)。


launder (ロウンダー)は、名詞形では laundry (ローンドリー)だが、日本では有料の洗濯機のお店としての「コインランドリー」などの外来語で有名である。


名詞 laundry は「洗濯」「洗濯物」「クリーニング店、洗濯屋」と「資金洗浄」の意味である(ジーニアス、旺文社1900)。

旺文社1900が、launder を紹介している。東京書籍3000・4500と桐原3000・4500では launder では見つからない。


外来語では洗濯屋は「ランドリー」だが、英語の発音ではローンドリーである。

犯罪組織などによる「資金洗浄」をマネーロンダリングというが、それも同じlaundry 由来の単語をもちいた money laundering である(旺文社1900)。

なおジーニアスにもlaunder に資金洗浄の意味もあるとは書いているが、残念ながらマネーロンダリングの単語が確認できなかった。

ともかく、コインランドリーの「ランドリー」とマネーロンダリングの「ロンダリング」は、英語では同じ laundry という単語のことである。

こう覚えれば、記憶の負担が減る。日本語の表記に惑わされてはいけない。

launder は、衣服の洗浄、または資金の洗浄にしか使えない。

launder で辞書を見ても、手足の例文はない。


なお、「洗濯機」は washing machine である(ジーニアス)。


旺文社いわく、 do the laundry でも「洗濯する」を言えるとのこと(旺文社1900巻末)。


家電

すでにセンター試験などに

洗濯機 washing machine

冷蔵庫 refrigerator

電子レンジ microwave

が出でいるらしいです(桐原3000)。桐原3000『センター試験スクリプトでチェック』章


センター出題では「電子レンジ」は microwave ですが、本来は microwave oven です[55]

桐原5500いわく、"microwave" は本来、電磁波(electromagnetic wave)の一種の「マイクロ波」(microwave)のことです[56]


冷蔵庫は、けっして冷凍庫 freezer とは混同しないようにしましょう。

microwave は物理学の「マイクロ波」と同じ単語ですし、それがもとの意味です(ジー二アス)。きちんとジー二アス英和の microwave の項目に「マイクロ波」と書いてあるので、もとの意味から覚えましょう。そのほうが応用が利きます。

「電子レンジ」は電波周波数がマイクロ波あたりの周波数で加熱する調理器だから、英語では microwave と呼んでいるのです。



復讐する

revenge, avenge

単語集では旺文社1900しか revenge, avenge を紹介していない。


スポーツの「雪辱戦」(せつじょくせん)では、名詞または動詞として revenge を使う。日本でも、よくプロ格闘技などの試合で、雪辱戦のさいに「リベンジ」などという表現が使われることもあるだろう。

なお、revenge で動詞「復讐する」にもなるし、名詞「復讐」にもなる。


take revenge on ~(人)  「~(人)に復讐をする」

である(旺文社、ジーニアス、センチュリー)。


avenge は、正義のために「復讐する」とか(旺文社)、他人のために「復讐する」(センチュリー)のような意味合いが強い。

なお、avenge は動詞「復讐する」の意味のみ。辞書を調べたところ、avnenge に名詞はない(ジーニアス、センチュリー)。


奇妙な

strange, weird ,bizarre

関連語 odd 奇数の,

peculiar


「奇妙な」を意味する一般的な語は strange のはず(特に確認はしていない)。

weird (ウェアード)は、口語的に使われ(センチュリー)、「変な」「妙な」「わけの分からない」とかの意味で使われたり(センチュリー)、「風変わりな」「奇妙な」「気味の悪い」の意味でも使われる(ジーニアス)。


weird は、用法によっては、「気味の悪い」とか(ジーニアス)、「不気味な」「異様な」の意味もある(センチュリー)。

慣用句で

weird and wonderful 「奇妙きてれつな」

の意味(旺文社、ジーニアス)。

bizarre (ビザール)は、「風変わりな」「奇怪な」のような意味(ジーニアス、センチュリー)。

不気味とまではいかなくとも、ジーニアスにもセンチュリーにも bizarreに「奇怪な」という訳語もある。


「不気味」と「奇怪」のニュアンスの違いを高校生に問われることもないだろうし、受験対策としてはニュアンスには深入りの必要はないだろう。そもそも、これらの語を使われる対象自体が風変わりであったりして、ニュアンスはなかなか読み取りづらいだろうから、入試では深入りする必要はないだろう。

そもそも東京書籍4500は weird も bizarre も紹介していない。

なお、桐原5500は「変人」weirdo (ウィアードウ)を紹介している。

「変人」も、それを単語がいくつかあり、桐原5500によると、eccentric, weirdo などの単語があるとのこと。


odd (オッド)「奇妙な」という単語もあるが、日本人には使い分けが難しい。

ジー二アスには strange との違いが書いてあるが、しかしセンチュリーの例文とは見解が一致していないように見える。このため、本ページではジー二アス見解を紹介しない。

odd は数学の「奇数の」という意味もある(桐原4500・東京4500)。なお、「偶数の」は even である。

つまり

奇数 odd ⇔ even 偶数

である。

odd については、strange で済ませられる「奇妙」の意味よりも、数学で頻繁に使う「奇数」の意味のほうを覚えよう。桐原4500にも、「奇数」の意味も紹介されている(例文はないが)。

このページで何度も言うが、数学は米英でも大学入試に出題されていたり、大学で数学を習っていたりするので、中途半端な外国語よりも数学のほうが世界のエリートの共通語なのである。

odd 「奇妙の」の意味は、奇数 odd の語源だとして知っていれば十分であろう。

また、日本語でも「奇数」の「奇」の文字は、奇妙の「奇」の文字でもある。明治時代あたりに数学用語を和訳した人が、そこまで工夫してくれている。


peculiar (ペキュリアー)は、「独特の」という中立的な意味もあるが、それとは別に「一風変わった」「変な」の意味もある。

典型的な例文は

「変なにおい」 a peculiar smell

「一風変わったふるまい」 peculiar behavior

である(ジー二アス、センチュリー)。

東京書籍3000は「奇妙なふるまい」 peculiar way としている。

「独特の」の意味では、

「日本独特の習慣」 customs of peculiar to Japan

のように使う(ジー二アス。センチュリーに似た例文)。

桐原3000にあるのは、この「独特の」のほうである。


ほか、旺文社は「女性特有の病気」という表現の「特有の」を peculiar としている。

peculiar は医学などでも使えそうな単語である。

ジー二アスで peculiar の語源を調べても、家畜 → 個人財産 → 自分自身 → 固有 、と変遷が多く、暗記には役立ちづらそうである。


遅れる

late, delay, lag

延期する postpone


「遅れる」の初等的な言い回しは late (レイト)であろう。もし下記の説明がよく分からなければ、late で切り抜けよう。また英作文などは late で切り抜けよう。

動詞 delay はスケジュールの遅れに使う(東京書籍4500)。だが、形式的なスケジュールのほかにも、「ぐずぐずしないで、さっさとやりなさい」みたいに言う場合にも Don't delay ~ とか言うので(ジーニアスで確認)、 意外とlag との区別は難しい。


外国旅行などの「時差ぼけ」を jet lag という(旺文社、ジーニアスなど)。旅行にジェット飛行機を使うので。

なお、delay もlag も、名詞でも動詞でも使う。

lag は、「我が社の生産の遅れ」とか(ジーニアス)、「この国の社会福祉の遅れ」とかの文脈でも使われる(センチュリー)。

スケジュールの「延期」は delay を使うのが無難だろう。


ただし、電子回路の「遅延線路」は delay line という(ジーニアス)。辞書にはないので覚えなくてもいいが。

このように、実際には、実務の業界の慣習に合わせて使い分けるしかない。

なお、delay は形容詞ではない。形容詞は delayed である。


"delay" のスペルに形容詞は無いはず。

実際、

「遅れるな。」 Don't delay.

である(旺文社1200に同じ英文。ジーニアスに似た例文)。


スケジュールを「延期する」は動詞 postpone (ポウストポウン)である、

典型的な例文は

postpone the meeting until next Friday 「会議を次の金曜日に延期する」

である(東京書籍、旺文社、センチュリー)。

桐原は例文を紹介していない。put off の類義語として紹介している。

だが、put off を覚えるよりも postpone のほうが意味が明確なので、postpone を覚えよう。

delay による「延期する」の意味は、早くするべきことを延期するというニュアンスがある。よって、postpone とは違い、類義語にはならない。

「延期する」は postpone で覚えるのが無難だろう。


回転する

回転・ 自転・公転 revolve

自転 rotate, spin

involve, evolve


「回転する」の一般的な単語は revolve である。

revolve で自転か公転かに関係なく(ジーニアス、センチュリー)、「回転する」の意味で使える(辞書で確認)。

旺文社1900だと、revolution で「革命」のほか「公転」の意味だけ書いてあるが、実は「自転」も revolve や revolution などで表せると辞書に書いてある(ジーニアス、センチュリー)。

だが、自転であることを強調したい場合、rotate のほうが良い。センチュリーは、「自転する」ではrotate を使う方が良いと進めている。

spin でも自転を表せるが、しかし慣用的にコマの回転やボールの自転運動など小さいものの自転に spin が使われることが多い(たとえばジーニアスの例文など)。

spin a top 「こまを回す」

である(旺文社1900、センチュリー)。


このためか、地球の自転など惑星の自転では、慣用的に rotate を用いるほうが多い。(ただし旺文社1900のspin例文では地球の自転をspinで表現。)

ともかく、spin は、限定的に小さいものの自転運動にだけ使うのが無難だろう。

なお、活用は spin - 過去形 spun - 過去分詞 spun と不規則変化(旺文社、センチュリー)。ただし、古くは過去形をspanとも書いたらしい(ジーニアス)。

revolution は「回転」の意味のほか、「革命」や「大変革」の意味もある(桐原4500)。というか、単語集ではまず「革命」「大変革」の意味で紹介されている。


東京書籍4500のP72に、get involved 「巻き込まれる」があった。

辞書には involve (インボルブ)をみても何故か get involved が無いが、しかし確かにこの熟語は存在している。

東京書籍では、事件や事故などに「巻き込まれる」の意味しか紹介してない。

じつは他にも、よい意味で、巻き込まれる形で文化的な活動などに没頭するような形で積極的に「参加する」という意味もある。

ジーニアスを読むと、involve「参加する」の意味は一応は書いてある。


語源は、in(内側)+volve (回転)である。


involve には「含んでいる」の意味もあるが、それも内側に回転するイメージから「包んでいる」となり、さらに派生して「含んでいる」という変遷である。


evolve は「進化する」とか「発展する」とかの意味。


病気

「病気の~」「病気である」 sick,

「病気である」ill


流行病 epidemic , plague

世界的流行病 pandemic


感染症 infection, contagion


アメリカでは、ill のほうが、sick よりも固い語である(センチュリー、東京書籍)。

そのためか ill は、アメリカでは、sick より重い病気にかかっている事をあらわす(ジーニアスで確認)。

だが日本の大学入試は、アメリカ留学用の英語ではないので、気にしなくていい。入試にはsick との使い分けは出ないだろう。

実際、

fall ill 「病気になる」

という意味である(桐原4500、センチュリー)。

また「病気の人(=病気にかかっている人)」のように名詞を修飾する場合(「限定用法」という)は、sick を用いなければならない(桐原3000、ジーニアス)。

つまり

a sick man 「病気の人」「病人」

である。

つまり、ill man (×)は不可である(桐原3000、ジーニアス)。

つまり、sick のほうが便利である。

よく分からなければ、英作文などでは sick を使えばいい。

実際、sick は高校初級レベルであり、東京書籍1800や旺文社1200などの初級レベル単語集にある。

一方、ill は単語集では東京書籍は中級3000語レベル、旺文社は上級レベル(青本)である。


the sick または the ill だけでも「病人」の意味である(ジーニアス sick で the ill を確認。センチュリー ill で the ill を確認)。

名詞形 illness 「病気」の意味である(桐原、東京書籍)。

ill は比較の変化が

ill - worse -worst

であることにも注意したい(東京書籍3000)。


「吐き気がする」程度のことを sick という場合があったり(桐原3000)、feel sick で「吐き気がする」という意味もある(旺文社1200)。

ジーニアス和英辞典「はきけ」で調べたところ、ほかに平易な言い回しが無いので、sick 「吐き気」で覚えるのがよさそうである。nausea が「吐き気」を表すが、医学用語と考えるべきである。


plague (プレイグ)は「ペスト」の意味もあるが、本来の意味は「疾病」である。

旺文社1900の plague(プレイグ) の英文に「飢饉」famines (複数形)がある。

キリスト教のヨハネの黙示録(Apocalypse)に出てくる、破滅をもたらす四体の騎士の象徴するものが、それぞれ

支配(conquest)、戦争(war)、飢饉(famine)、病(plague)、

である。

なお、旺文社の和文は「疾病と飢饉が原因で数千人の人が亡くなった。」という文章。

plague はこういう文脈で使われるので、普通は、死亡率の高い伝染病を表す場合に、 plague を用いる。たとえばペストのような。


だからか、plague には「ペスト」という意味もある。


ほか近年(2019年ごろ)、海外の社会評論書で、戦争や疫病(えきびょう)などの経済への影響を語る評論書『暴力と不平等の人類史―戦争・革命・崩壊・疫病』(題名は和訳版)という世界的に売れた本があるので、plague や famine などの単語もおさえておきたい。

ただし、東京書籍4500と桐原4500では、「ペスト」の意味で plague を紹介している。


なお「栄養失調」は malnutrition である(旺文社 nutrition 、ジー二アス)。ジー二アスにも単語集にも例文なし。

wikiオリジナル例文をつくるなら

Many people suffer from malnutrition. 「多くの人々が栄養失調に苦しんでいる。」

のように使うだろうか。

なお、東京書籍いわく、「栄養不足」は poor nutrition とのことだが、しかしジーニアスとセンチュリーの nutrition の項目を調べて見つからなかった。


mal- は、「非」とか「悪の」とかという意味である(桐原4500巻末)。

熱帯の病気のひとつのマラリア malaria も、イタリア語のマラ・アリア mala aria 「悪い空気」が語源である(センチュリー。ほか、予備校の単語集などで紹介されている。)。

ほか、英語で「悪意」は malice(マリス) である。これ自体は聞きなれないかもしれないが、コンピュータに損害を与える悪意のあるソフトのことを「マル・ウェア」 malware と言うなど、影響がある(予備校の単語集など)。

形容詞「悪意のある」は malicious (マリシャス)である、

桐原4500では、malice「悪意」、malady「弊害」、malfunction「故障」の3本を紹介している。単語の和訳のみの紹介。例文は無い。


さて、不平等の人類史の原著『The Great Leveler : Violence and the History of Inequality from the Stone Age to the Twenty-first Century』の目次では

"Pandemics, Famine, and War"

という言い方をしている。

このように、pandemic と plague の区別は、難しい。

さらに、ジーニアスには、「伝染病」の意味での plague は epidemic (エピデミック)と類義語だとまで書いてある。


「パンデミック」pandemic と「エピデミック」epidemic との違いも、難しい。


pandemic 「世界的流行病」(桐原、旺文社)

epidemic 「流行病」(旺文社)、「病気の流行」(桐原)

である(旺文社など)。


an epidemic of cholera 「コレラの流行」(ジーニアス、センチュリー、桐原)

または

an cholera epidemic 「コレラの流行」(ジーニアス)

のように用いる。


ほか、plague を用いた慣用句として、

plague of rats 「ネズミの大量発生」

という言い回しがある(旺文社、センチュリー)。


plague は名詞「疾病」「ペスト」のほか、動詞として「悩ます」「苦しめる」などの意味もある(旺文社1900、桐原4500)。

~ plague me で「~は私を悩ませる」のように使う。悩んでいる人(例文の場合はme)が目的語に来る。


なお、流行病の「発生」は outbreak である。戦争の「勃発」(ぼっぱつ)も outbreak である(旺文社)。


outbreak of war 「戦争の勃発」(東京書籍)

outbreak of Ebola fever 「エボラ熱の発生」(旺文社)

のように用いる。


医学などの分野では、普通は感染性の高くて致死率も比較的に高い「流行病」という意味で pandemic がよく使われる。

日本でも、科学雑誌などを見れば、新型インフルエンザや新型コロナなどの話題で「パンデミック」という表記を見かけることが多いだろう。


なお、天体の「日食」「月食」は eclipse (イクリプス)である(旺文社)。

黙示録(Apocalypse)と混同しないように。

なお、

「皆既月食」a total eclipse of the moon

である(桐原5500、センチュリーなど)。

単に「日食」と言う場合は、

「日食」 a solar eclipse

のようにも言える(旺文社、ジーニアス)。


単語集にはないが、「月食」は

「月食」a lunar eclipse

のように言ってもよい(ジーニアス、センチュリー)。


an eclipse of the sun で「日蝕」

an eclipse of the moon で「月食」

である(センチュリー)。

なお、この場合の "sun" は小文字。

「部分食」は a partial eclipse である(ジーニアス、センチュリー)。これ以上の説明は省略。


「感染症」には infection(インフェクション), contagion (コンテージョン) の2種類がある。旺文社のみ contagion を紹介。

医学的には、これを区別する。

contagion は接触性の感染症。

infection は、主に空気・水ほか鳥獣などによる感染症。

というのが医学での分類である(センチュリー contagious、旺文社)。

だが、これらは日常では混同される(センチュリー contagious)。


単語集では、infection を主に「感染症」「伝染病」および「感染」「伝染」として紹介している。辞書でも、infeciton のほうには、感染経路による細かい区別は書いていない。

たとえば桐原4500では、infection は「感染症」「伝染病」などとして紹介しているが、contagion は紹介していない。

東京書籍4500も同様、infection および動詞infect しか紹介していない。

なお、infect「(病気などが)伝染する」の意味である(東京書籍)。

よく分からなければ、 infection を使うのが無難だろう。

形容詞 infectious (インフェクシャス), contagious(コンテイジャス) は、両方とも「伝染性の」「感染性の」の意味(旺文社など)。


干ばつ drought と、まぎらわしい別単語


名詞 drought は「干ばつ」「日照り(ひでり)」の意味の名詞。派生的に、drought に「物不足」などの意味もある。

なお、動詞 drink 「飲む」の活用は

drink - drank -drunk

である。

drought はdrinkの過去形や過去分詞には関係ない

drought はおそらく形容詞 dry 「乾燥した」の名詞形だろうというのが、センチュリーの見解である。ジーニアスはそういった見解を採用せず。


drown は「溺れ死ぬ」。

drown の活用は

drown - drowned -drowned

である。


drawn は、動詞 draw の過去分詞形。

draw - drew - drawn

である。

draw は「引く」の意味の多義語で、図の線を「引く」だとか、関心を「引く」とか色々な意味があるだが、be drawn と過去分詞の場合、

たとえば、議論や相同などに「引き込まれる」という意味もある。


センチュリーいわく、dragと同語源だろう、という見解。drinkは関係ない。


動詞 drink は液体を「飲み込む」ときの一般的な動詞。

いっぽう、動詞 swallow は、よく、固体を噛まずに飲み込むときに使われる動詞(センチュリー、ジーニアス)。

swallow の「かまずに」という状況説明が、桐原にも旺文社にも東京書籍にも書いてない。高校英語の単語集には問題・欠点も多い。


典型的な例文が、錠剤の薬を飲む込む場合であり、

swallow a pill 「薬を飲み込む」(旺文社1900、桐原3000)

または

swallow a medicine 「薬を飲む込む」(東京書籍4500巻末)

である。

「飲む」 swallow は、「ツバメ」 swallow と同じスペル・同じ発音で同じ単語(旺文社)。


なお、「噛む(かむ)」は英語で chew である。チューインガム chewing gum のチューと同じ単語(旺文社1900)。東京書籍と桐原は chew を紹介しておらず、やや高校範囲外の単語。


標本(ひょうほん)

統計値の標本 sample

医学の組織標本など specimen


specimen は、sample とほぼ同義語(センチュリー)。

ただし、辞書などの用例を見ると、昆虫標本や、医学などの組織標本などに specimen を用いる用例が多い(センチュリー、ジーニアスで確認)。


たとえば医学検査用の「血液標本」「血液サンプル」は blood specimen である(旺文社、センチュリー)。

「血液標本」 a specimen of blood でもよい(ジーニアス)。

なお、医学検査用の「組織標本」 は a tissue specimen など(センチュリー)。

単語集では旺文社1900だけが紹介している。

東京書籍4500と桐原4500・5500には specimen は無い。


職業

職業 occupation

天職 vocation


vocational school で「職業訓練校」である。

「職業訓練校」の平易な言い換えとして、technical school という言い方もある(ジーニアス)。

なお、「職業訓練校」というのは、国にもよるが、日本の場合、普通は旋盤工などの技能を教育したり、あるいは簡単な経理などを教える学校のことで、都道府県などの自治体が用意している。

日本の場合、工業高校・商業高校などとは別に、自治体の職業訓練校がある。


旺文社によると「職業教育」 vocational education とのこと。

だが、上述の職業訓練校における教育のようなニュアンスがあるかもしれない。


一方、すでに企業に就職している新入社員などが受ける教育のことは、普通、 OJT (On the Job Training )という。OJTも英語である(ジーニアスで確認)。


名詞形 vocation は「天職」「職業」という意味。

単に「職業」といいたい場合、occupation (オキュペイション)で足りる。

海外旅行などで記入させられる職業欄にある項目名も、きっと occupation だろう。

動詞形 occupy には「占領する」という意味もある。なので、よく第二次世界大戦後のGHQ占領軍にかんする英語などで Occupied などの単語が出てくる。


occupy a town 「街を占領する」(ジーニアス)

occupy a village「村を占領する」(東京書籍)

のように使う。

occupy は「占める」という意味である。

be occupied with ~ で「~に従事する」である(旺文社、桐原)。


おそらく、そこから職業を意味する単語になったか。

なお、 be occupied with ~ は「~で忙しい」の意味もある(東京書籍、センチュリー)。だが、まずは「占める」から連想しやすい「従事している」で覚えるべきだろう。


鋳型(いがた)

mold , cast


mold は、鋳物(いもの)の型から、お菓子作りの型まで、なんでも使える。

旺文社ではmold はcastよりもあとのほうに書いてあるが、むしろ mold を先に教えるべきだろう。もっとも、旺文社本は出題順なので仕方ないが。

ジーニアスいわく、

「型を破る」 break the mold

とのこと(ジーニアス)。

なんと「型破り」は英語由来の表現だった。

歌舞伎の型だとか、武道の型だとか、そういうのい由来するとかの巷(ちまた)の言説は何だったのか。


さて、castのはなし。

鋳物という意味での cast (キャスト)は、人型の像の鋳物のこと。辞書ではジーニアスでもセンチュリーも、cast の例文は、人型の芸術作品である。

なので、お菓子作りとかには cast は使えない。

演劇などの「役を当てる」を cast という(旺文社)。

cast の対象は「人」に限るからか、mold との違いが分かれば、たとえば演劇などの「役を当てる」を cast というのも、連想しやすいだろう。

なお、東京書籍にも桐原にも、cast も mold も書いていない。

ほか、骨折などで当てる「ギプス」も 英語では cast である(旺文社)。

なお、ネットによると、ギプスはドイツ語またはオランダ語に由来らしい(深入りしない)。


ほか、matrix (マトリクス)という単語も「鋳型」だが、どの単語集にも書いていない。

日本の数学3Cあたりで習う「行列」が英語で matrix である。センチュリーだと、「行列」が matrix の最初に紹介してある。

ほか、レコードの「原盤」が matrix とのこと(ジーニアス、センチュリー)。

matrix は古くは「子宮」という意味である。実際、センチュリーには matrix の原義は(※ラテン語の)「母(Mater)」と書いてある。(カッコ内の「ラテン語の」はwiki側で追記。)


宗教の「教義」

dogma , doctrine


違いは、いちおうは違いがあるが、不明確。

ドクトリンのほうは、宗教だけでなく、政治のモンロー主義(the Monroe Doctrine)だとか(ジーニアス)、トルーマン・ドクトリンとかの用語でも使われる。なお、モンロー主義のドクトリンは大文字(ジーニアス)。

モンロー主義については 『高等学校世界史B/南北アメリカの発展』を参照せよ。
トルーマンドクトリンについては 『高等学校日本史B/冷戦の開始と講和』を参照せよ。

そういう影響からか、なんとなくdogma のほうが宗教上の信念が強そうな気もするが、しかし辞書を見ても、特に証拠はない。

センチュリーには、いちおう、dogma の項目に doctrine が「類語」だと書いてあり、『dogma, doctrine, creed はいずれも「教会」の定めた教理・教義をいうが、dogmaは証明の有無にかかわらず、信徒が絶対に受け入れなければならない真理」を意味する;』と書いてある。


しかし、ジーニアスに「政治上の信念」political dogma という表現がある。


桐原5500は、doctrine の項目に類義語として dogma を紹介するだけで、ニュアンスの違いの説明は諦めている。

旺文社に至っては、doctrine の項目でも、dogmaについては知らんぷりだし、そもそもdogmaを単語紹介していない。


ほか、生物学の遺伝の分野で、セントラル・ドグマ central dogma という専門用語がある。

wikibooks『高等学校理科_生物基礎/遺伝情報とタンパク質の合成#タンパク質の合成の過程


崇拝、賛美

adore, worship


両方とも桐原5500に、別々の単語として紹介しており、特に類義語としては紹介していない。

worship は旺文社1900にもある。旺文社1400(緑)の巻末に adore があった。


adore も worship も両方とも「崇拝する」「賛美する」の意味がある。ニュアンスの区別は難しい。

しかもadore も worship の両方とも、人を「熱愛する」の意味がある。

旺文社1400(緑)の巻末に adore があったので解説を読んでも、あいにく「尊敬に憧れの気持ちが含まれる。」とだけ説明しており、残念ながら worship との区別には役立たない。

なお旺文社1400の巻末は、respect, esteem, honor ,adore との違いを説明している。

つまり旺文社は、明言してはいないが、おそらくは、「宗教的信仰には worship を使え」、「尊敬と憧れには adore を使え」、というスタンスという事だろう。あくまで旺文社の編集員のひとりがそう思っている可能性があるとwiki側の編集者のひとりが推測しているだけなので、読者は自己責任で、どう使い分けるかを自分で考えよう。


辞書などで調べた違いは、worship には名詞として「崇拝」「礼賛」などの意味もあるくらい。

たとえば「英雄崇拝」 hero worship である(ジーニアス、センチュリー)。

また、ジーニアスいわく、 sun worship 「太陽崇拝」とか the worship of idol 「偶像崇拝」など(ジーニアス、旺文社1900)。

なお、「偶像」idol と、「怠惰(たいだ)な」idle は別の単語なので、混同しないように。またなお、「偶像」idol と 「怠惰な」idle は発音が同音(旺文社1400)。


「太陽崇拝」は Worship of the sun ともいう(旺文社1900)。

そのほか、「金銭崇拝」とか(センチュリー)、「富と権力への崇拝」とか(ジーニアス)、そういう使われかたもする。英文紹介は著作権的に省略。

また、

「礼拝所」a place of worship

である(センチュリー、ジーニアス)。


なお、フランス語だと、adore にスペルの近い動詞が「大好き」の意味であり、割と使われる。よく市販のフランス語教材の入門書にもある単語であったりする。こういう事情があるので、フランスが消えないかぎり、英語の動詞 adore も残りつづけるだろう。


署名(しょめい)

signature, autograph


書類などにする、一般的な署名 signature (シグネチャー)

signature (シグネチャー)は発音注意。後半はネイチャーではない。

4文字の sign は、動詞では「署名する」の意味がある。しかし名詞としてはsignは 「印」、(道路などの)「標識」などの意味である(東京書籍3000など)。

つまり、名詞としての sign に署名の意味はない。


autograph (オートグラフ)は、いわゆる有名人の「サイン」のことであり(桐原3000のsign項目)、芸能人などがファンに贈ったりする署名のアレ。

なお、an autograph のように不定冠詞をつける場合は an になるのを忘れないように、


なお「自叙伝」「自伝」のautobiography (オートバイオグラフィー)は、語尾のyだけでなく、-bio-(バイオ)がついているのを忘れないように。



「定義」と「定理」

これは日本語の問題ですが、「定義」と「定理」は意味がまったく違います。


定義とは、要するに「語義」です。

英語でも、桐原3000で 「定義」definition を調べると、「定義」「語義」という意味が書いてあります。


いっぽう「定理」とは、たとえば「ピタゴラスの定理」とか、ああいうのです。

ピタゴラスの定理は、直角三角形について成り立つ定理ですが、べつに直角三角形の語義ではないでしょう。


「定理」に相当する英語は、高校の範囲外なので省略します。


definitely 「断固として」「確かに」などの意味をもつ単語が、桐原の検定教科書 EMPOWER II の P. 130 で紹介されています。

I definitely agree.

のような文章です。意味的には上記の例文は、agree を強調している、とでも覚えればよいでしょうか。

単語集では、東京書籍4500(意味のみ)と旺文社1900(意味のみ)と桐原5500で紹介されています。

昨今のカリキュラム改訂で、議論などの単元が増加したので、definitely も覚えましょう。

辞書では、「断固反対する」とか(ジ-ニアス)、「彼は明らかに間違っている」(センチュリー)とか否定の強調で definitely を用いています。

肯定を強める文脈で definitely を使うこともあります(桐原5500)。なので、definitely agree も正しい言い回しなのです。


典型的な例文は

be definitely wrong 「明らかに間違っている」

です(桐原5500、センチュリー)。

たとえば

「彼は明らかに間違っている」 He is definitely wrong.

となります(センチュリー)。


なお、「肯定的な」は affirmative (アファーマティブ)です(桐原4500巻末)。

検定教科書で桐原のEMPOWER 2 で affirmative が見当たりました。議論についての英語の単元で、affirmative や対義語の negative があります。

なお動詞の「肯定する」は affirm です(東京4500のdeny(デナイ) 対義語)。


affirm ⇔ deny

とセットで覚えましょう。

また、形容詞については、

「肯定的な」affirmative ⇔ negative 「否定的な」

です。

ここでいう「否定的」とは、批判の意味ではなく、とりあえず「 意見に対して not (= 賛成でない)の立場である」という意味の否定です。

そのほか、「司会」 chairperson (チェアパーソン)や、「討論者」debater (ディベイター)などの単語があります。まあ、ここら辺の単語なら市販の単語集にも掲載されていると思うので、市販の単語集を参照してください。


「要望」と「要求」

demand, claim, request


「必要とする」 require


demand は命令的または高圧的に「要求する」ときに使う(旺文社1400巻末、桐原3000に「命令的」あり)。

経済学では「需要と供給」とかの用語で使うので聞きなれているが、しかし「要求する」の意味では少し高圧的なので、気をつけよう。

そもそも語源が de「強く」+mand「命じる」という由来である(センチュリー)。


claim については他のセクションで説明済み。

なお、センチュリーはdemand の「要求する」の意味を、claim と同じくらいの意味だと説明。

しかし桐原3000は、demand と claim はニュアンスが違うと主張しており、demand には命令的なニュアンスがあるが、claim には命令的なニュアンスがないと主張している。

このように、教材などによって細部の説明は違うので、あまり細かいことを丸暗記する必要はない。

いちおう、センチュリーのほうにも、claim の類語としての意味「(1)」とは別に、「(2)」の用法として「(命令的に)尋ねる」などの用例もあると紹介している。


センチュリー request をみた感じ、「これをやってくれたら、うれしいなあ」ぐらいの気持ちでする気軽な頼みごとは、request を使うのが良さそうである。


歌手とかの音楽コンサートとかのリクエスト曲も、英語で request である(センチュリー)。

ただし、センチュリーいわく「首相からの『要請』」だとか、ジーニアスいわく「同盟国からの軍事援助の『要請』」とか、そういうのも request とのこと。

つまり「要請」という日本語が、まあそういう意味で、国語辞典的な意味はともかく、形式的にはその「要請」は頼みごとだが、しかしその「要請」を発している人物・組織が権力者だったり上司だったりして、実質的には命令のようなもの、というのが『要請』であろう。

東京書籍4500でのrequest の例文は「警察からの要請」という例文である。


require は、「必要としている」というのが基本的な意味なので、要求とはやや違う。

いちおう、派生的に require で要求をすることもできるが、センチュリーの例文を見た限り、やや意味が強めであり、「命じる」という意味の場合もある(センチュリー)。


口頭の

verbal, oral

oral 口の

verbal 言葉の


oral は旺文社1900にある。

oral は、「口頭の」の意味もあるが、oral health 「口腔衛生」とかで覚えるべきである。

つまり、物理的な口のほうが oral である。

ただし、「口頭試験」のことを an oral examination というなど(ジーにアス、センチュリー)、物理的な口腔という意味でない例外もある。


verbal は、翻訳の都合で「口の」と訳されたり、いくつかの用法では「口頭の」の意味の場合もあるが、基本的には「言葉の」であると思ったほうがよい。

つまり、oral の違いとして、文字や文章などによるコミュニケーションでも、文字も文章も言葉であるので、それはverbal なコミュニケーションになる。

verbal communication 「言葉によるコミュニケーション」(ジーニアス、東京書籍)


辞書にはバーバル・コミュニケーションの意味が書いてないが、口での会話のコミュニケーションのほかにも、メールや手紙などの文章もバーバル・コミュニケーションに含まれる。


一方、オーラル・コミュニケーション oral communication だと、口での会話だけになる。

だから学校の英会話の授業は、基本的に oral communication である。1990年代、高校英語の英会話の授業の科目名が "oral communication" という名称であった。


ほか、verbal を使った慣用表現は、

verbal promise 「口約束」(ジーニアス、東京書籍)

など。

oral との違いを説明したばかりなのに、さっそく例外である「口約束」の登場で困る。しかし仕方ない。覚えよう。

ともかく、バーバル verbal の意味は基本的には「言葉の」である。

だから、否定形のノンがついている「ノンバーバル・コミュニケーション」は、つまり、ジェスチャーやらアイコンタクトやら、あるいは表情とか、ともかく言葉以外のその他の行動で意思を伝えることをノンバーバル・コミュニケーションという。

心理学や教育学などで、「ノンバーバル・コミュニケーション」という用語はよく使われるので、ついでに覚えておきたい。またこの用語を覚えれば、類義語 oral とのニュアンスの違いも覚えられて、一石二鳥である。



投げる

throw, pitch

まず、「投げる」の教育的に一般的な動詞は throw であろう(特に出典なし)。


pitch は、単語集では、旺文社1900に書いてある。東京書籍4500と桐原4500・5500には見当たらないマニアック単語である。

検定教科書では、三省堂 CROWN I の巻末 Appendix で pitch を見かけた。ただし、三省堂の検定教科書に pitch の意味が書いてあるので、事前に辞書などで調べる必要はない。


旺文社でも、「投げる」の意味でしかピッチを紹介していない。辞書をみても、特に throw と pitch とのニュアンスの区別は紹介されていない。

さて、pitch の典型的な単語は

a wild pitch 「暴投」

である(センチュリー、旺文社)。

野球の用語で投手のことをピッチャーと言うように、英語でも野球の投手は pitcher である(ジー二アス)。


そのほか、音楽では音の高さをピッチ pitch という。

典型の例文は

a pitch of one's voice 「声の高さ」

である(ジー二アスそのまま。センチュリーに似た例文)。

ほか、ジー二アスにもあるが、機械のネジのピッチ pitch と同じ単語であり、ネジのピッチ pitch とは一回転したときの前身距離のことであるが(ジー二アス)、そんなのが受験英語に出ることはないだろう。(なお、工業高校の機械系学科では習う。)

ついでに、工業的なことを言うと、飛行機や船の「縦揺れ」(たてゆれ)のこともピッチ pitch というとのこと(ジー二アス、センチュリー)。なお、横揺れは roll である(ジー二アス、センチュリー)。

pitch and roll とセットでいうこともある(ジー二アス)。


余談だが、野球の「オーバースロー」は和製英語で、英語では 野球のアレは overhand pitch になる。

つまり、野球用語の「投げる」は基本的に pitch である。

また、overthrow は、政府などを「転覆する」の意味である(ジー二アス)。

※ overthrow は高校の範囲外。桐原5500、東京書籍4500、旺文社1900のどれにもない。


典型的な例文は、

overthrow the government 「政府を倒す」

である(センチュリー、ジー二アス)。

なお、野球の「アンダースロー」は、英語では形容詞は underhand とのことです(ジー二アス)。名詞がどうなるかはジー二アスでは確認できませんでした。高校英語の範囲を越えている話題なので、これ以上は深入りしません。

ジー二アスによると、underhand などはアメリカ英語とのことですが、そもそも野球自体がアメリカ発祥のスポーツですので、やや特殊です。おそらく、アメフト(アメリカン・フットボール)の用語などのアメリカ英語の事情も同様でしょう。


戦略と戦術

strategy, tactics


ストラテジー strategy は普通、その戦争全体における用兵の手法を言う(センチュリー、ジ-二アス)。

一方、タクティクス tactics は普通、戦争内での個々の戦場での用兵の手法を言う(センチュリー、ジ-二アス)。

つまり、ストラテジーのほうが全体的(センチュリー)。

ストラテジーのほうを「戦略」、タクティクスを「戦術」と訳し分けるのが一般的。

あるいは、両方とも単に「作戦」と訳す場合もある。


戦争だけでなくビジネス用語などでも使われる。

「市場戦略」 a marketing strategy とか(東京書籍)。

「販売作戦」 sales tactics とか(旺文社)。


チェスなどボードゲームの戦略に strategy を使っても良い(桐原)。


tactics は桐原・東京書籍では紹介せず。


邪魔して遅らせる

hinder, (※範囲外)impede


英語で「妨害する」は prevent です。

英語で「邪魔する」は、たとえば interrupt です。


ですが「邪魔して遅らせる」を一語でいう単語は、これらとは別です。

動詞 hinder(ヒンダー) または動詞 impede (インピード)が、「邪魔して遅らせる」ような意味です。

旺文社1900に hinder があります。 impede は旺文社にもありません。ですが、後述の理由で、impede とセットで覚えるのが合理的です。

高校の物理2で電気回路を勉強すると、インピーダンス impedance というのを習います。koiru コイルを使うと、電圧の大きさはそのままで、電圧のタイミングだけを遅らせることができます。

おそらく impedance という用語にも、コイルなどによって信号の増減を遅らせるという意味が含まれているのでしょう。


電気抵抗のレジスタンス resistance という英語からついつい、impede も resist 「抵抗する」の類義語のような意味を想像しがちです。

しかし、抵抗と考えるよりも impede は delay 「遅らせる」の類義語と考えたほうが良いでしょう。ジ-二アスにも、impede は delay または prevent の類義語だと紹介してあります。

センチュリーで例文をみるかぎり、hinder よりも impede のほうが固い語です。

impede が和平会議が遅れてどうこうという例文なのに、hinder は友達からの電話で宿題が遅れてどうこうという例文です。

また、ジ-二アスに至っては、impedeでは例文を紹介していません。



影響する

influence, affect

effect

exert


influence は、人の思想や考え方に与える「影響」や、物理現象なら月の潮力への影響のような遠隔作用かつ比較的に低い割合の「影響」の意味の名詞、および、そういった「影響をする」の動詞にもなる。

そもそもinfluence の語源自体、人の中に(in)流れ込むもの、のような意味があり(旺文社、ジーニアス)、本来は人に使う単語であった。

have an influence on ~ で「~に影響を与える」

である(東京書籍、旺文社)。


桐原は、influence を「間接的な影響」だとしている。

名詞 effect や 動詞 affect は、物理現象などでは、もっと直接的な影響を言う。

桐原は、affect は、直接的な影響だとしている。

東京書籍は、affectの例文では、人への影響を紹介していない。

人に対する場合、名詞 effect は薬の作用の意味だったり(東京書籍)、動詞 affect は病気の影響のことだったりする(桐原)。


しかし、名詞 affection は「愛情」「好意」の意味がある(桐原)。


ややこしい。英作文では affection を使った言い回しはなるべく避けるのが無難だろう。


動詞 exert (イグザート)は、力や権力などのあるものが、それらの力を使って影響を「及ぼす」という意味の動詞である(桐原、旺文社)。

exert A on B 「BにA(影響など)を及ぼす」

である(旺文社)。on ではなく in を使う場合もあるので、あまり暗記する必要は無い(東京書籍4500巻末)。東京書籍は exert を巻末おくり。

exert great influence on ~ 「~に大きな影響を及ぼす」

といった表現が典型的(旺文社、桐原)。


空(から)

empty, vacant


容器などが空(から)のことは形容詞 empty で表現します。

座席が開いている場合は vacant です(東京書籍、桐原)。


Is this seat vacant? 「この席は空いていますか?」(桐原、センチュリー)

とか

This seat is vacant. 「この席は空いています。」(ジーニアス)

のように使う。

vacant は、対象物に人がいないことを意味する(センチュリー)。

部屋の空室や、家の空き家にも vacant は使える(ジーニアス、センチュリー)。


empty だと、たとえば部屋が empty の場合、人だけでなく家具なども何もない状態の部屋だというニュアンスになる(センチュリー)。

しかし、実は「空席」を empty seat で表しても、間違いではない(ジーニアス)。同様に、単に人がいないだけの「空室」でも empty で表しても間違いではない(ジーニアス)。単に、empty room だと、読み手が、家具もなにもない部屋なのか、それとも人がいない部屋なのか、読み手には文字だけでは区別がつかない、という事だけである(ジーニアス)。

だから東京書籍4500でも桐原4500でも、 empty を割と前半で紹介している。いっぽう、vacant の紹介は、後ろのほうである。

empty でも代用できる。empty のほうが一般的な語である。

ただ、一般的すぎて、細かいニュアンスが empty では伝わらない場合もあるので、そういう場合は必要に応じて vacant など別の形容詞を使ったほうがよいかもしれない場合もある、というだけの事である。


さて、名詞 vacancy で「空席」「欠員」「空室」「空虚」などの意味(桐原)。


なお、vacant の対義語は occupied である。

vacant ⇔ occupied

vac- は「空っぽ」を意味し、真空 vacuum とか、休暇 vacation とかの vac と同じ語源である(センチュリー)。


想像する conceive, imagine

思いつく conceive

考え方 idea, concept


動詞 conceive 「思いつく」「想像する」という単語がある。

これは一見すると難しそうだが、実は名詞「コンセプト」 concept の動詞形であろう、と考えられている(桐原、旺文社)。

だが、東京書籍はそう紹介していない。

concept には「思いつき」などの意味は無いからだ(ジーニアス、センチュリー)。

それでも conceive は「思いつく」の意味で最初は暗記したほうがいいだろう。桐原などの単語集でも、「思いつく」を最初に紹介している(桐原、旺文社)。

なぜなら、conceive の「想像する」の意味については、使わなくても動詞 imagine で済む。辞書ジーニアス英和も、conceive の「想像する」の意味については、imagine と類義語だろうという見解である(ジーニアス)。

典型的な例文は

conceive a new plan 「新しい案を思いつく」

がある(旺文社、東京書籍)。

なお、idea と concept の違いは、idea が一般的な「考え方」という意味の語であるのに対し、concept はより抽象性の高い考えを語であるので(センチュリー)、よく concept は「概念」などと訳される。


反応する

respond , react


ジーニアス react の項目いわく、respond と類義語とのこと。センチュリーを見ても、とくにreact と respond の違いは書いてない。

意味の区別は難しそうである。

生物学的な文脈で、刺激に「反応する」と言いたい場合、react が好まれる場合もある(センチュリー)。


名詞形 response は、普通、「応答」の意味。

ジーニアスいわく、response は answer よりも固い語。

名詞 reactor は「原子炉」のことである(東京書籍)。

原子炉のような明らかに違う意味をのぞけば、ニュアンスの違いを問うような出題は入試には無いだろう。


返事をする

respond, reply


reply (リプライ)は、手紙の「返事」や「返信」などで、よく使われる(ジーニアスの例文)。

しかし、respond でも手紙の「返事をする」ことを表現してもよく、センチュリーや東京書籍の respond の項目にそういう例文がある。

ジーニアスいわく、reply は answer よりも固い語。

SNSなどで「リプライ」などの表現をよく使うので、軽い表現かと思いがちだが、しかし辞書的には、answer よりも固い表現だとのことである。

よって、ニュアンスの区別は難しそうである。このため、入試では、respond と reply の区別を問うような出題は無いだろう。



全体の

entire, whole

ジーニアスでは entire のほうが強意的という。センチュリーはwhole はpartに対する語という。

東京書籍は、entire の項目で「(wholeと同義)」としている。



耐える

endure, withstand


endure は、人などが我慢して「耐える」の意味である。ただし、endure にも、派生的に、物などが「持ちこたえる」という意味もある(桐原、ジーニアス、センチュリー)。

withstand は、丈夫だったりして「耐える」「持ちこたえる」のような意味だが、その他にも人などが我慢して「耐える」ような意味もある(ジーニアス、東京書籍の巻末)。

このため、入試的には endure と withstand の違いを問う問題は出されづらいだろう。

読解で出題の可能性があるくらいか。



首都と大都市

首都 capital 、

大都市 metropolitan


metropolitan area で「首都圏」の意味。

翻訳の都合で metropolitan (メトロパリタン)が「首都」となる場合もあるが、意味的には、首都のような「大都市」である。

「首都」そのものは capital である。

だから、首都から遠く離れた地域がその国の大都市の場合、metropolitan で言うのが適切だろう。

東京書籍がmetoropolitan を「大都市の」「首都の」として紹介している(東京書籍4500巻末)。

桐原3000・4500・5500と旺文社1900では見つからなかった。

(※範囲外)なお、metro (メトロウ)だけだと、パリなどの「地下鉄」のこと(ジーニアス、センチュリー)。

なお、capital の cap- は、語源的にはcaptain 「船長」「運動チームのキャプテン」「級長」の cap- と同じで、語源的には cap- とは「頭」を意味する(桐原3000、ジーニアス)。



陰影

shade , shadow


shade は、光の減量した(3次元の)空間である。

いっぽう、shadow のほうは、地面や壁面などに投影された、2次元の黒っぽい面のことである。


人の影を言う場合は、shadowを使う。

木陰などの「日かげ」は、普通は shade である。

ジーニアスいわく、ビーチパラソルの下は shade とのこと。


人の影には、shadeは使わない。なので、

なお、語源は shadow も shade も同じで「暗がり」という意味の語源だったので(ジーニアス)、語源からは区別できない。


いっぽう、shadowについて。

まず、人の「影」には shadow を使う。

だが、実は、shadowで「暗がり」を表現してもいい(ジーニアス、センチュリー)。家の北側の陰とか、夕闇を shadow で表現できる(ジーニアス)。

語源的にはshadowで「暗がり」を表現するのも正しいが、しかし現代英語の学習的には、shadowは「人影」を基準の意味と覚えておき、暗がりは二次的で派生的な意味だとするほうが、使い分けかたを記憶しやすいだろう。

なお、shade でも夕闇を表現できるが、ニュアンスが異なり、shadeによる夕闇の表現は雅び(みやび)な言い回しである(センチュリー)。


ただし、木についても、その木が地面にうつす影について言及したい場合もあるだろうから、その場合の言い回しの区別は容易ではない。本ページではそういう例外的なことについては深入りしない。

センチュリーいわく、人によって光が遮られている場合であっても、地面や壁などの2次元の投影面ではなく、その面にいたるまでの空間を言及したい場合なら、それは shade であるとのこと(センチュリー)。センチュリーがshadeの項目で絵つきでそう説明している。


桐原は、「形のはっきりしない陰」が shade だと説明している。

shade には、「微妙な相違」という意味もある(旺文社)。


だからか、絵などの色の濃淡の度合いや明暗の度合いも、shade という。

明るい青と、暗めの青のように、ふつう、同系統の色での、微妙な色合いの違いのことを shade という(センチュリー)。



話題・主題・論題など

会議などの話題 topic, subject

主題 main topic, subject

著作物のテーマ theme, subject


問題 problem, matter


topic は、よく「話題」 などと訳されるが、しかし井戸端話だけでなく、会議などの話題でも構わない(桐原)。

topic は、ひとつである必要は無く、ひとつの会議・相談中にいくつも topic があっても良い。

だから、「主な話題」にのみ限定する場合は main topic のように main をつける(センチュリー、桐原)。

ただし、派生的に topic のみで論文・講演などの主題・テーマを意味する用法もある(ジーニアス)。しかしそういう派生的な用法まで考慮すると暗記しきれなくなってしまうので、とりあえず「主題」は main topic であるとして覚えよう。


ジーニアスにある topic sentence 「トピック・センテンス」という単語も覚えたい。長い段落や章などの初めに、その段落の内容を1文でまとめた1行ていどの文章を英語では書くのが、読みやすい文章だとされる。

2022年、近年の英語教科書では、こういうのも教えるので、tipic sentence の単語も覚えておきたい。


theme (シーム)は、和訳では「主題」のほかにドイツ語風に「テーマ」とも訳されるが(東京書籍)、ではテーマとは何かという問題がある。

theme やテーマとは、会議などの話し合いではなく、論文やら小説やらの著作物を通して著者が語ろうとしていたり探求しようとしている物事をひとことでまとめたもの、であろう。

だから、論文のテーマとかも、theme である(センチュリー)。

東京書籍は、theme は「文章・芸術作品などの主題・テーマ」であると言っている。

ジーニアスの言うように、小説などの創作物に限らず、論文などのテーマも theme で良い。


ただし、subject にも、テーマという意味がある(ジーニアス subject)。


なお、テーマパークは英語でも theme park (シームパーク)である。

テーマ曲は theme song や theme music や theme music という。


「話題」のことを、topic ではなく theme で言っても良い(ジーニアス theme)。

このように、区別は難しい。

しかし、それだと覚えづらいので、とりあえずtheme の「話題」の意味は、派生的な用法だとしよう。

そして、派生的な用法で覚えるのではなく、とりあえず theme は「テーマ」として覚えよう。


issue (イシュー)は普通、トラブルなどの問題およびその問題点や、あるいは論争など、ともかく広い意味で何かのトラブルを抱えている場合に使う。

また、issue は、やや緊急である場合が多い(ジーニアス)。

ただし、「論争」から派生してか「論点」という意味もあり、このため会議などの「論点」でも issue が使われることもある(センチュリー)。

しかし、「論点」を言うなら point でも言える(ジーニアス)。

problem との違いは、issue は実際に議論している問題だというのが、センチュリーの見解。


subject は theme 「主題・テーマ」の意味でも topic 「話題」の意味でも使われるので、区別は難しいし、事実、ジーニアスもセンチュリーも、subject を theme や tipic を紹介している。

日本では「トピック」をよく外来語として使うわりには「サブジェクト」という外来語はあまり使わないが、しかし英語では subject のほうが意味が広いようだ。

subject はかなり意味が広く、会議や論文などの意味のほかにも、学校の「科目」とか、文法における文の「主語」だとか、君主に対する「臣民」とか、色々な意味がある。

日本であまり使われないのは、サブジェクトは意味が広すぎて不便だからだろうか。


matter はなにか困った「事件」や「問題」などであるが、しかし論文などの「主題」に matter を使ってもいい(センチュリー)。

講演などの「題目」を the subject matter という場合もある(センチュリー)。

では「題目」とは何かという議論は置いとく。センチュリーでも説明されていない。

問題などの意味のほかにも、「事柄」(ことがら)と言う意味もあり、たとえば

private matter 「個人的な事柄」(東京書籍3000、)

とか

personal matter 「個人的な問題」(センチュリー)

とか言う。

そのほか、熟語

as a matter of a fact 「実のところは」

など(東京3000、旺文社1900)、

ある。

慣用表現で、口語的に

No matter what happens, 「たとえ何が起きようとも、」

というのもある(東京3000,センチュリー)。


no matter ~ あるいは no matter what ~ だけなら「たとえ~でも」の意味(ジーニアス、東京3000)。

whatever などとの違いとして、no matter のほうが口語的である点がある(ジーニアス)。

what の代わりに how や which や whether などで no matter how ~などの場合もある。


安定した

steady, stable


steady には進歩などが「着実な」という意味もある(東京、旺文社)。よくstedy は「しっかりした」「着実な」と訳される。

steady には、継続的な感じのニュアンスがある。

だからか、「定職」も a steady job である(ジーニアス)。

「定収入」や「安定収入」は a steady income である(ジーニアス、センチュリー)。

経済で steady といったら、たとえば経済成長が着実だったり、経済回復が着実なのが steady である。

動きが安定しているのが steady (ステデイ)であるとされる(東京書籍)。


いっぽう、状態が安定しているのが stable である(東京書籍)。

stable には「びくともしない」という意味があるが(ジーニアス)、ただし、steady にも、信念などの「確固とした」という用法もある(ジーニアス)。このため、区別は難しい。

ほか、stable は、たとえば経済学の用語で ビルト・イン・スタビライザーというのがある。

このように、経済における stable という表現もあるが、ややニュアンスが steady とは異なる。


会議 meeting, session, conference

面談 session, conference


conference は、たとえば年一回の会議など(ジーニアス)、比較的に重要な「会議」という意味がある。

だからか、「国際会議」international conference や 「首脳会議」 a summit conference

などのように使われる。

conferenceには、医師などとの「面談」の意味もある(ジーニアス)。

しかし、セッションにも同様に医師などとの面談の意味もある(センチュリー)。

そのほか、

in session 「開会中」

の意味もある(桐原、センチュリー)。


The council is now in session. 「審議会は会議中。」(桐原)

だとか、

The congress is now in session. 「議会は今開会中である。」(センチュリー)

のように使う

参考文献 編集

英語資料 編集

主な英単語集
  • 投野由紀夫(東京外国語大学)監修『フェイバリット英単語・熟語<テーマ別>コーパス4500 4th Edition』、東京書籍、2020年2月1日 新版第1版発行
  • 荻野治雄『データベース4500 完成英単語・熟語【5th Edition】』、桐原書店、2018年1月30日 第5版 第2刷発行
  • ターゲット編集部・宇佐美光昭・浦田文夫『英単語ターゲット1900 [6訂版]』旺文社、2021年 重版発行、

ほか、東京書籍・桐原・旺文社の周辺レベルの単語集を参照。

主な英和辞典
  • 『ジーニアス英和辞典 第4版』、大修館書店、第3刷発行 2008年4月1日
  • 『グランドセンチュリー英和辞典 第4版』、三省堂、第3刷発行 2017年1月10日 第1刷発行
主な和英辞典
  • 小西友七 編集主幹『ジーニアス和英辞典』、大修館書店、1998年1月10日 初版第1刷発行、
検定教科書

高等学校学外国語科用

  • 『FACTBOOK English Logic and Expression I』、桐原書店、令和3年5月 文部科学省検定済、令和4年2月25日発行
  • 『Standard Vision Quest English Logic and Expression I』、啓林館、令和3年3月5日検定済、令和3年12月10日発行
  • 『CROWN English Expression II New Edition』、三省堂、2022年3月30日 発行
  • 『CROWN English Communication III New Edition』、三省堂、2018(平成30)年2月28日 文部科学省検定済、2022(令和4)年3月30日 発行、
  • 『Amity I』、開隆堂、令和3年1月29日 文部科学省検定済 高等学校外国語科用、令和4年2月10日 発行
  • 『All aboard! English Communication I』、東京書籍、令和3年1月29日検定済、令和4年2月10日発行

他教科

  • 『ビジネス・コミュニケーション』、実教出版、令和2年12月25日 検定済、令和4年1月25日発行


旺文社1400の巻末に、類義語の特集があります。それも参考にしましょう。

日本語資料 編集

国語辞典(日本語)
  • 山田忠雄 ほか編集『新明解国語辞典 第八版』、三省堂、2020年10月20日 第1版発行
  • 新村出 編集『広辞苑 第4版』、岩波書店、1992年10月9日 第4版 第2刷発行

脚注 編集

  1. ^ 高等学校英語 検定教科書『FACTBOOK English Logic and Expression I』、令和3年5月 文部科学省検定済、令和4年2月25日発行、P88
  2. ^ 高等学校英語 検定教科書『FACTBOOK English Logic and Expression I』、令和3年5月 文部科学省検定済、令和4年2月25日発行、P88
  3. ^ 高等学校外国語科用『Standard Vision Quest English Logic and Expression I』、啓林館、令和3年3月5日検定済、令和3年12月10日発行、P71
  4. ^ 高等学校外国語科用『Standard Vision Quest English Logic and Expression I』、啓林館、令和3年3月5日検定済、令和3年12月10日発行、P71
  5. ^ 高等学校外国語科用『Standard Vision Quest English Logic and Expression I』、啓林館、令和3年3月5日検定済、令和3年12月10日発行、P61
  6. ^ 高等学校英語 検定教科書『FACTBOOK English Logic and Expression I』、令和3年5月 文部科学省検定済、令和4年2月25日発行、P186
  7. ^ 高等学校学外国語科用『CROWN English Expression III New Edition』、三省堂、2018(平成30)年2月28日 文部科学省検定済、2022(令和4)年3月30日 発行、P75
  8. ^ 松本茂 監修『速読速聴・英単語 Core 1900 ver.4』、Z会、2014年3月10日 ver.4第7刷発行、P.351
  9. ^ 松本茂 監修『速読速聴・英単語 Core 1900 ver.4』、Z会、2014年3月10日 ver.4第7刷発行、P.74
  10. ^ 『Amity I』、開隆堂、令和3年1月29日 文部科学省検定済 高等学校外国語科用、令和4年2月10日 発行
  11. ^ 高等学校学外国語科用『CROWN English Expression III New Edition』、三省堂、2018(平成30)年2月28日 文部科学省検定済、2022(令和4)年3月30日 発行、P75
  12. ^ 『ビジネス・コミュニケーション』、実教出版、令和2年12月25日 検定済、令和4年1月25日発行、P153
  13. ^ 『ビジネス・コミュニケーション』、実教出版、令和2年12月25日 検定済、令和4年1月25日発行、P151
  14. ^ 『ビジネス・コミュニケーション』、実教出版、令和2年12月25日 検定済、令和4年1月25日発行、P153
  15. ^ 高等学校外国語科用『Standard Vision Quest English Logic and Expression I』、啓林館、令和3年3月5日検定済、令和3年12月10日発行、P124
  16. ^ 高等学校外国語科用『Standard Vision Quest English Logic and Expression I』、啓林館、令和3年3月5日検定済、令和3年12月10日発行、P68 ページ脚
  17. ^ 『CROWN English Communication III New Edition』、三省堂、2018(平成30)年2月28日 文部科学省検定済、2022(令和4)年3月30日 発行、P.117
  18. ^ 高等学校学外国語科用『CROWN English Expression II New Edition』、三省堂、2022年3月30日 発行、P137
  19. ^ [https://kotobank.jp/word/%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-7188 コトバンク『 パーミッション』 ASCII.jpデジタル用語辞典「パーミッション」の解説 ] 2022年5月14日に確認.
  20. ^ 高等学校外国語科用『Standard Vision Quest English Logic and Expression I』、啓林館、令和3年3月5日検定済、令和3年12月10日発行、P66
  21. ^ 検定教科書『FACTBOOK English Logic and Expression I』、令和3年5月 文部科学省検定済、令和4年2月25日発行、P28
  22. ^ 高等学校学外国語科用『CROWN English Expression II New Edition』、三省堂、2022年3月30日 発行、P63
  23. ^ 高等学校学外国語科用『CROWN English Expression II New Edition』、三省堂、2022年3月30日 発行、P63
  24. ^ 『Vision Quest English Expression II』啓林館、平成29年2月28日検定済、令和4年度用、令和3年12月10日発行、P84
  25. ^ 高等学校外国語『CROWN English Communication I』三省堂、2021年1月29日 文部科学省検定済、2022年3月30日発行、P191 , Appendix Lesson2
  26. ^ 高等学校外国語科用『Standard Vision Quest English Logic and Expression I』、啓林館、令和3年3月5日検定済、令和3年12月10日発行、P56
  27. ^ 『ビジネス・コミュニケーション』、実教出版、令和2年12月25日 検定済、令和4年1月25日発行、P140
  28. ^ 『ビジネス・コミュニケーション』、実教出版、令和2年12月25日 検定済、令和4年1月25日発行、P153
  29. ^ 『All aboard! English Communication I』、東京書籍、令和3年1月29日検定済、令和4年2月10日発行、P145
  30. ^ 高等学校外国語科用『Standard Vision Quest English Logic and Expression I』、啓林館、令和3年3月5日検定済、令和3年12月10日発行、P71
  31. ^ 高等学校外国語科用『Standard Vision Quest English Logic and Expression I』、啓林館、令和3年3月5日検定済、令和3年12月10日発行、P71
  32. ^ 高等学校英語 検定教科書『FACTBOOK English Logic and Expression I』、令和3年5月 文部科学省検定済、令和4年2月25日発行、P111
  33. ^ 高等学校外国語科用『Standard Vision Quest English Logic and Expression I』、啓林館、令和3年3月5日検定済、令和3年12月10日発行、P121
  34. ^ マイグレーション | IT用語辞典 | 大塚商会
  35. ^ 高等学校学外国語科用『CROWN English Expression II New Edition』、三省堂、2022年3月30日 発行、P81
  36. ^ 、『CROWN English Communication III New Edition』、三省堂、2018(平成30)年2月28日 文部科学省検定済、2022(令和4)年3月30日 発行、P45
  37. ^ 高等学校英語 検定教科書『FACTBOOK English Logic and Expression I』、令和3年5月 文部科学省検定済、令和4年2月25日発行、P18
  38. ^ 高等学校学外国語科用『CROWN English Expression III New Edition』、三省堂、2018(平成30)年2月28日 文部科学省検定済、2022(令和4)年3月30日 発行、P73
  39. ^ 高等学校学外国語科用『CROWN English Expression II New Edition』、三省堂、2022年3月30日 発行、P145
  40. ^ 高等学校学外国語科用『CROWN English Expression III New Edition』、三省堂、2018(平成30)年2月28日 文部科学省検定済、2022(令和4)年3月30日 発行、P75
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  47. ^ 橋場弦 ほか監修『WORLD HISTORY for High School 英文詳説世界史』、2019年10月15日 第1版 第3刷発行、P.370
  48. ^ 新村出 編集『広辞苑 第4版』、岩波書店、1992年10月9日 第4版 第2刷発行、P.2367
  49. ^ 『新明解国語辞典 第八版』、三省堂、2020年10月20日 第1版発行、P.1449、
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  51. ^ SCII.jpデジタル用語辞典「ミッションクリティカル」の解説 2022年5月26日に確認.
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  53. ^ 高等学校外国語科用『EMPOWER ENGLISH EXPRESSION II』、桐原書店、平成30年文部科学省 検定済、令和4年 2月25日 発行、P39、
  54. ^ 松本茂 監修『速読速聴・英単語 Core 1900 ver.4』、Z会、2014年3月10日 ver.4第7刷発行、P.138
  55. ^ 小森清久 ほか編著『新版完全征服 データベース5500 合格英単語・熟語』、桐原書店、2019年2月10日 第41刷発行、P.240
  56. ^ 小森清久 ほか編著『新版完全征服 データベース5500 合格英単語・熟語』、桐原書店、2019年2月10日 第41刷発行、P.240