高等学校英語 英単語/類義語 4500語レベル サブページ30

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grave, tomb

葬式 funeral

墓穴・墓 grave


tomb (トゥーム)は grave よりも改まった語。

そのためか、普通の「墓」は grave を使う。

tomb は旺文社1900と鉄緑単語集にしか書いてない。

桐原4500・5500と東京書籍4500にはtomb は見当たらない。grave はある。


tomb だけで墓石の意味もあるが(鉄緑)、特に石の部分を強調したい場合、 tombstone という言い方もある(旺文社1900)。しかし普通の墓石のある墓でも grave を使って良いだろう。旺文社1900に tombstone 「墓石」がある。)。

grave 「墓」には、「墓穴」の意味もある(桐原・鉄緑)。


なお、「共同墓地」は graveyard である(旺文社1900。ジーニアスで確認)。

単語集にも辞書にも、 visit a grave で「墓参り」の意味である。日米英の普通の人の墓には墓石(tombstone)があるだろうが、それでも墓参りには grave を使う。


tomb と grave のニュアンスの違いは、宗教にからんでくるので、入試には、あまり出ないだろう。


funeral 「葬式」である。

「葬式に参列する」は attend the funeral である(東京書籍、桐原、グランドセンチュリー)。

「葬儀」は a funeral service である(東京書籍、旺文社1900、グランドセンチュリー)。


「埋葬する」は 動詞 bury である。「埋葬」は burial である。

以下、入試には出ないだろうが、参考までに辞書などで調査した結果を述べる。

実は、共同墓地には cemetery という言い方もある。単語集にはなく、入試には出ないだろう。(実は東京書籍4500および桐原4500の bury「埋葬する」の項目の例文に cemetery がある。)

bury ~(死者) in ◯◯(墓地)で「~を◯◯に埋葬する」

である(東京書籍、桐原)。

たとえば

bury ~(死者) in the cemetery で「~を墓地に埋葬する」

である(東京書籍、桐原)。

受身形で

~ be buried in the cemetery 「~は墓地に埋葬された」

のような例文も多い(東京書籍、鉄緑)。


なお、bury で埋めるのが別に死体でなくてもよく、たとえばタイムカプセル(the time capsules)を埋めても bury で良い(旺文社1900)。

ジーニアス cemetery いわく、教会に隣接する共同墓地は churchyard である。

近年のアメリカでは共同墓地を memorial park ともいうとのこと。メモリアルパークは和製英語ではなかった。


一方で、「納骨堂」や「霊廟」(れいびょう)は tomb で表せる(ジーニアス、センチュリー)。

だが、和英辞典で「霊廟」を調べると mausoleum (モウソリーアム)という単語が出てくる。英和のほうでジーニアスでmousoleum を調べると、「壮大な墓」「霊廟」「陵」とのこと。

形式的には名称などが「霊廟」の建物でも、壮大でなければ、英語ではまあ単なる納骨堂あつかいだろうか。

逆に、屋外でもあっても、仁徳天皇陵みたいなのは英語では霊廟あつかいだろうか。


tomb のような同音異義語は混乱のもとなので、国王の専用の墓などあれば mausoleum を使いたいものである。

国王の墓とその霊廟などは、tomb でよい(センチュリー)。


ジーニアス和英「納骨」によると、「地下納骨堂」は repository とのことだが、しかし英和で repository を見ても「収納場所」としか書いていない。誤訳だろうか。

そもそも、何を収納するかは repository には決まりはない。実際、インターネット上ではソフトウェアの集積場所を repository と呼んでいる。まさかソフトウェアの墓場なわけあるまい。

なお、「地上納骨堂」は charnel (チャーンル)とのこと。

ジーニアス英和によると catacomb (カタコーム)が「地下埋葬所」である。


tomb (トゥーム)は発音注意。

一般に、末尾の -mb の b は発音しない。

climb (クライム)「登る」。

comb (コーム) 「くし」(髪の毛をとかすヤツのほう)。

bomb (ボム)「爆弾」

などと同様。

"from the cradle to the grave" で、イギリスの社会福祉のスローガン「ゆりかごから墓場まで」である(旺文社1400)。

(※ 範囲外 ) なお、「絨毯(じゅうたん)爆撃」は carpet bombing である。「bomb」は「爆撃する」という動詞でもあるので、名詞的に使うときは動名詞 bombing にする。


原因や誘因

cause, induce


説得

induce, persuade, argue,


催促 urge


記憶や感情などを「呼び起こす」 evoke, stir

怒らせる provoke,

少し怒らせる annoy

いらいらさせる irritate, frustrate (?)


~するように誘導する induce

~案内という意味での「誘導する」 navigate


感情・興味などを「喚起する」 arouse


induce は「引き起こす」や「説得する」などの意味である(旺文社)。

桐原には書いていない。東京書籍4500では書いてあるが巻末おくり。


induce の「引き起こす」の用法が、cause とはどう違うかと言うと、辞書を見ても特に違いは書いてない。

「説得する」の用法が、persuade とはどう違うかというと、ジーニアスいわく、persuade のほうがより積極的に説き伏せるという意味とのこと。

persuade は、単に説得するだけでなく、実際に行動させることまで含むのが普通(センチュリー、桐原)。


だから persuaded him into going は、けっして単に「彼を行くように説得した」だけでなく、「彼を説得して行かせた」という意味が普通(センチュリー)。

persuaded him to go でも同じ意味になり、つまり「彼を説得して行かせた」の意味である(動詞は違うが、東京書籍および桐原が persuade to do を紹介)。


東京書籍のほうは、induce は「人をその気持ちにさせる」という意味だと言っている。

induce ◯◯(人) to ~(動詞)で「◯◯(人)に~するようにすすめる」の意味(センチュリー、東京書籍)。


ジーニアスいわく、物理学の電気回路の電気誘導の「誘導」が、この induce の派生の名詞 induction 「誘導」である。

なお、単語集にはないが、電気回路のインダクタンスは英語で inductance である(ジーニアス)。高校の物理2でインダクタンスを案らウので、まだ習ってなければ放置でいい。


さて、ジーニアスの例文などを見る限り,犯行の動機などは、induce を使うらしい。

べつに犯罪的なことだけでなく、「眠気を引き起こす」なども induce を使うとのこと。だがジーニアスに例文がない。


ほか、induce の語根の -duce は「導く」という意味で、reduce「減らす」のduce と同じ語根であると辞書にはあるが(グランドセンチュリー)、理解しづらい。


navigate は、人を案内したり連れていくなどの意味での「誘導する」である(旺文社、ジーニアス)。

induce とは意味がまったく違うので、混同しないように。

なお、桐原と東京書籍には書いていない。センチュリーの項目 navigate には「誘導する」の意味が書いていない。

navy 「海軍」の語に近いことを意識しよう。navigate は、船や飛行機を「操縦する」という意味がある(センチュリー、ジーニアス、旺文社)。

だから名詞形 navigation は、「航海」「航行」「誘導」などの意味がある(ジーニアス)。旺文社には「誘導」の意味が書いてない。

また、navigator は「航海士」の意味がある。


犯行動機ではない、「英語を勉強しよう」みたいな「動機」は motivation (モチベイション)である。しかし motive だけでも名詞として「動機」になる(旺文社1900)。

なお、「動機づける」は motivate という別のスペルの単語である。

なお、犯行の「動機」にmotive を使っても構わない(東京書籍4500、センチュリー)。

the motive for the crime 「犯行の動機」

である(東京書籍4500、センチュリー)。


urge (アージ)は「強く勧める」(東京書籍4500)とあるが、ジーニアスによれば(~するように)「催促する」「強く迫る」である。

桐原4500によると、urge 人 to ~ で「<人>に~するように強く促す」である。東京書籍4500でも同様、urge (A) to ・・・ で「・・・するよう強く勧める」である。


argue は、どっちかというと「議論で説得する」である。理由をあげて説得するのが argue だと、東京書籍は言っている。

ジーニアスを見ると、いちおう、argue にも「説得する」の用法があるのだが、しかし他の用法で「言い争う」とか、相手のいうことに耳を貸さずに「主張する」みたいな用法もあり非友好的な議論で使う場合もあるので、あまり説得の意味では用いないほうが良いだろう。

ジーニアスいわく、友好的に議論する場合は discuss を使うとのこと。


argue や persuade は、単語集には比較的によく前半のほうに書いてあるが、正直いって、「説得」に使うには意味がキツすぎる。

induce が単語集では後半の紹介になったり紹介されていなかったりするが、induce を使う方が良いのかもしれない。


evoke は、記憶や感情などを「呼び起こす」という意味(桐原5500、旺文社1900)。名詞形は evocation 「喚起」で(旺文社で単語のみ)、記憶や感情などの喚起のこと(センチュリー)。東京書籍に evoke はない。

provoke は「怒らせる」「扇動する」であるが、笑いなどその他の感情を引き起こすという意味もある(桐原5500、東京書籍4500 巻末)。

笑いを引き起こすのと怒らせるのでは、結果が正反対なので、使用には注意が必要な単語である。


evoke で笑いを誘う場合、 ジーニアスいわく evoke a laughter である。なお、桐原5500いわく動詞 elicit が類義語とのこと。

provoke で笑いを誘う場合、東京書籍およびジーニアスいわく provoke laughter である。


provoke で誰かを怒らせる場合、provoke him 「彼を怒らせる」のように使う(ジーニアス、センチュリー)。

特に怒らせる相手を指定しない表現なら、 provoke anger 「怒りを引き起こす」のように表現してもいい(桐原5500、センチュリー)。

provoke には「挑発する」の意味もある(旺文社、センチュリー)。名詞形は provpcation で「挑発」「扇動」の意味で(センチュリー、旺文社)、普通は怒りの感情を引き起こすのにだけ使う(センチュリー、ジーニアス)。


stir (ステーアー)にも、記憶などを「呼び起こす」の意味がある。

なお、自動車ハンドルの steering wheel のsteer とは違う単語である。混同しないように。

stir は、スプーンなどでコーヒーを「かき回す」という意味である。

典型的な例文が、まさにコーヒーをかき回す例文で、

「彼はスプーンでコーヒーをかき回した。」 He stirred his coffee with a spoon.

である(桐原4500、旺文社1499(緑)にそれぞれ似た例文)。

東京書籍は紹介せず(東京1800・3000・4500)。

受験英語としては、stir はややマニアックであり、東京書籍は紹介していない。


なお、steer は「操縦する」という意味です(東京書籍4500、旺文社1900)。なお桐原は紹介していない。

典型的な例文として、

「船を操縦する」 steering the boat

があります(東京書籍4500、旺文社1900)。


ボートというと、日本では手漕ぎのアレですが、しかし英語では boat は大型の船(ship)から手漕ぎの舟(rowboat)までを一般的に表す名詞です(ジー二アス boat)。


英米ではもしかしたら evoke よりも stir のほうが口語的で使用頻度が高いのかもしれないが、しかし日本の高校生としては、 evoke のほうが provoke と関連づけて語彙(ごい)が増えるので、なるべく evoke と provoke を優先的に勉強しよう。なお、東京書籍は evoke も紹介していない。


不快な行動を繰り返すなどして他人を「いらいらさせる」は irritate である(東京書籍4500 で「繰り返し」条件あり、旺文社1900)。桐原4500と桐原5500では、irritate が見当たらない。

ただし、辞書を見ても、東京書籍のような主張は見当たらない。


発音の近さからか「いらいらさせる」と irritate は訳されることがあるが、しかし実際には「怒らせる」の意味もあり、provoke の類義語でもあり(ジーニアス)、区別は難しい。

frustrate に「いらだたせる」の意味があると東京書籍4500・旺文社1900は主張しているが、しかし辞書を見ても、その用法が見当たらない。桐原4500 / 3000だと、frustrateの単語自体が見当たらない。

心理学でいう「フラストレーション」frustrationという単語があり「読級不満」の意味(東京書籍4500、旺文社1900)であり、「挫折感」と言う意味もある(旺文社1900)。


ほか annoy は受け身形で「腹が立つ」の意味もある。センチュリーいわく、annoy は、irritate よりも怒り具合が軽い。

つまり

少し怒っている・少し怒らせる = annoy

そこそこ怒っている・そこそこ怒らせる = irritate

のような違いがある。


日本語の「いらいらさせる」に irritate の発音が近いことから軽々しく使いがちかもしれないが、しかし、irritate はなかなか怒っているという、怒りの強度がけっして低くないことには注意する必要があろう。

名詞形 irritation は「いらだち」「いら立ち」の意味(東京書籍4500、旺文社1900)。

さて、annoy は

I am annoyed with ~ で「~に腹が立つ」のように使う。

旺文社いわく、能動形では「悩ます」の意味があるというが、辞書では確認できなかった(ジーニアス、センチュリー)。

「怒る」は形容詞 angry が基本であるが、「気の狂ったような」mad でも怒っていることを表現できる(東京書籍4500)。


arouse は、喜怒哀楽や好奇心など、どんな感情でも、感情を「喚起(かんき)する」のを表現できるので、覚えたい。

なお、「喚起」(かんき)の漢字に注意。換気扇などの「換気」ではないし、部首が口偏か手偏かの違いもある。

桐原にはない。旺文社1900および東京書籍4500にarouse がある。

たとえば、

~(主語) arouse my interest in him 「~(主語)が、私の彼への興味を引き立てる」

のように使う(ジーニアス、東京書籍)。

「目覚めさせる」の意味もあるが、そっちは awake で十分だろう。実際、ジーニアスには、「目覚めさせる」の意味では arouse と awake は同義語だと書いてある。

名詞形は arousal だが、「目覚めること」という意味のほか(旺文社、ジーニアスなど)、性的興奮などの意味がある(ジーニアス、センチュリー)。東京書籍は名詞形を紹介していない。桐原はarouse自体を紹介していない。


輝く

shine. glow

まず、grow「育つ」 と glow「輝く」はべつの単語。

shine が一般的な「輝く」である。


glow は、夕焼けや、ホタルの輝き、加熱されて赤熱した鉄の輝きなどに使う。


なお「夕焼け」は the (sun's) evening glow である(ジーニアス、センチュリー)。

「ホタルが闇のなかで光を放っている」 The fireflies glows in the dark.

である(ジーニアス、センチュリー。まったく同じ例文)。


また glow は、光は放っていないが、風呂上りのほてりの赤らみや(ジーニアス)、スポーツしたあとの赤らみにも使う。

東京と書籍は、暗闇で(たぶんネコの)目が光るのに glow を用いている。

東京書籍は、巻末おくり。桐原では、桐原5500で紹介される。

頬の紅潮なども glow である。

桐原5500では、恥ずかしさで頬が紅潮した場合も glow である。


flush は、興奮・怒り・風邪の熱(ジーニアスで確認)などで顔を「紅潮させる」、あるいは顔が「紅潮する」である(旺文社、ジーニアス)。

旺文社は恥ずかしさで顔が紅潮するのも flush という見解だが、しかしジーニアスは恥ずかしさによる紅潮の場合は blush を使うべきだと言っている。


flush には光などが赤く輝くという意味もあるが、しかしflash 「光がきらめく」と紛らわしい。光では flush は使わないのが安全だろう。

トイレの水を流すのが flush でもあるが(センチュリー、旺文社)、なぜこれが flush なのか意味不明である。

flush the toilet で「トイレの水を流す」

である(センチュリー、旺文社)。

ジーニアスによると、トイレにかぎらず水で不用物を洗い流したりするのも flush である。さらには、水でなくとも、たとえば栄養のいい食事などで毒素を体外に排出するのも flush とのこと。

単語集にはないが、トランプのフラッシュも flush である(センチュリー、ジーニアス)。

単語集にはないが、トリなどを急に飛び立たせることも flush である(センチュリー、ジーニアス)。


dim は「薄暗い」。


礼儀

丁寧・ 礼儀正しい polite (基本的に形容詞)

丁寧さ・礼儀正しさ courtesy (基本的に名詞)


辞書をみても、特に違いが載っていない。


また、旺文社1900にしか courtesy (発音は「コーテシー」)が載っていない。

よって、特に深入りする必要は無いかと。

なお polite は「ポライト」と発音。

名詞 politeness でも「礼儀正しさ」を言える(東京書籍)。


なお、polite の対義語は、 rude (ルード)「無作法な」または impolite である(東京書籍4500)。


つまり

「礼儀正しい」 polite ⇔ rude, impolite 「無作法な」

である。


熟した

mature, ripe ,

東京書籍は ripe を紹介せず。桐原4500と旺文社1900は ripe を紹介。

桐原4500・東京書籍4500・旺文社1900は mature (マチュア)を紹介。

なお、mature は発音注意(桐原、旺文社)。たぶん、高校生に nature 「自然」あたりと混同されやすいのだろう。


基本的に同じ意味。

  • 共通点

東京書籍の単語集には mature は「<人・動物・精神が>成熟した」とあるが、だがジーニアスでは果実の熟している様子にも mature が使われるとのこと。

ripe を使う場合、

「熟した果実」 ripe fruit

とのこと(旺文社、センチュリー)。

mature を使う場合、

「熟した果実」 mature fruit

とのこと(ジーニアス、センチュリー)。


食品(チーズや酒など)の熟成は、mature も ripe も両方とも使う。

動詞「熟す」は ripen とのこと(旺文社、センチュリー)。


人物の中高年には、ripe も mature も両方とも使える。


  • 相違点

「年齢の割には大人びている」と言う場合、

be mature for one's age

を使う(旺文社、ジーニアス)。

age の代わりに years でも良い(センチュリー)。つまり、

be mature for one's years

を使う(旺文社、ジーニアス)。


たとえば「彼は年齢の割に大人びている」なら

He is mature for his age .

である。


以下、単語集には説明がないので、暗記の必要は低いが、参考に。

英語のことわざで「早熟れの早腐り」 Soon ripe, soon rotten.

というのがある。


mature は、考えや計画などが「熟した」、「熟慮した結果の」。

ripe は、機会が「熟した」。


なお、「熟考する」には、consider や、そのほか contemplate という単語がある(東京書籍4500、旺文社)。contemplate の名詞形 contemplation 「熟考」である。


保険や手形など債権の「満期の」は mature である。

「成熟」「満期」は maturity である(旺文社、ジーニアス)。


さて、単にパスポートなどの「期限が切れる」は expire (イクスパイアー)という(旺文社1900)。東京書籍4500と桐原4500・5500にはexpireがない。

証明書の「期限切れ」のことを、けっして「満期」とは言わない。


本ページでは別のセクションで guarantee などの証明書をあつかっているが、guarantee の「期限が切れる」も expire である(センチュリー)。

なお、辞書にはないが、ネットの各種のセキュリティ証明書などの期限切れも expire でいう。


名詞形は expiration (アメリカ英語)および expiry (イギリス英語)である(ジーニアス、センチュリー)。

証明書などの「有効期限」および食品の「賞味期限」は expiration date または expiry date である(旺文社、ジーニアス)。


いっぽう、証明書などが、期限切れなどをしてなくて有効な証明書であるという意味での「有効な」は、形容詞 valid が一般的だろう(東京書籍4500巻末。桐原に似た例文)。

ネットでも、サーバー関係などで各種の妥当性検証の文脈で valid という文字列を見かける。


熟考する consider, contemplate , meditate

瞑想する meditate, contemplate


まず、「~を熟考する」の基本的な単語は consider である。

contemplate は、「~を熟考する」を意味する固い言い回しである(ジーニアス)。

桐原5500と旺文社1900がcontempkate を紹介している。

逆に、もっと柔らかく言いたいなあ、think deeply 「じっくり考える」という言い回しもある(和英ジーニアス)。


辞書で contemplate を見たら、「凝視する」という意味もあるし(桐原5500でも紹介)、単語集にはないが「瞑想する」という意味もある。

meditate 「瞑想する」は、単語集では桐原5500にある。旺文社および東京書籍にはない。

meditate on ~ で「~を熟慮する」でもある(桐原5500)。

熟慮の意味の mediate にしろ contemplate にしろ、ともかく「瞑想する」を意味する単語には、「~を熟慮する」の意味もあることを覚えておけば、英語の読会では困らないだろう。

英作文の場合は、think deeply か consider で切り抜けよう。



妊娠と母

妊婦 maternity

妊娠 pregnant

母 mother, maternal

父方の paternal

ママ mummy(イギリス英語)、mommy(米語)

ミイラ mummy

子犬 puppy


休日・休暇 holiday, vacation, leave


ラテン語で母親のことを mater (マーテル)と言う。

英語 maternity は「母性」という意味だが、形容詞的に「妊産婦のための」という意味もある(センチュリー)。旺文社は maternity を「産科病棟」としているが、飛躍しすぎだろう。

妊婦用の服を「マタニティ・ドレス」 a maternity dress とか言うし(ジーニアス、センチュリー)、産院は maternity hospital である(ジーニアス)。

なお、「母性」は motherhood とも言える。

なお、「母性愛」は単に mother love である(ジーニアス)。


母性本能は mother instinct とのこと(桐原4500、東京書籍)。辞書で確認しようと思ったが、ジーニアスとセンチュリーでは見つからなかった。

ただし、maternal instinct 「母性本能」と書いてもいい(ジーニアス instinct, 東京4500巻末maternal)。

instinct (インスティンクト)とは、「本能」という意味の名詞。

医学的に「妊娠」そのものを言う場合は pregnancy (プレグナンシー)である(旺文社)。

形容詞 pregnant は「妊娠している」である(ジーニアス、センチュリー、旺文社)。


She is pregnant. 「彼女は妊娠している」

である(ジーニアス。センチュリーに似た例文)。


1990年代にあった受験参考書で、いまは高校参考書から撤退したが、1990年代のむかし予備校のトフル・ゼミナールが英語参考書を出していた時期があって、その参考書の冒頭で pregnancy が紹介されていた。難関大学の英語の勉強では語彙力が必要だという説明の例として、pregnancy という単語のある英語長文を例にしていた。当時、文脈または文法から高校必修でない難単語の意味を判断する読み方が受験英語で流行していたが、しかし難関大の出題傾向はそれでは解けず、語彙をふやさなければならない、という旨をトフル・ゼミナールは主張していた。

こういうわけなので、受験界隈では pregnancy は割な有名な単語でもある。なので、この単語を覚えよう。

なお、pregnant は今や、高校1年の三省堂 CROWN の検定教科書に書いてある[1]。土偶の話題。


単語集にはないが、pregnant には、派生的に「意味ありげな」とか「重大な意味をはらんでいる」などの用法もあるが、妊娠になぞらえた比喩だとして理解できるだろう。

そもそも日本語の『はらむ』(孕む・妊む)に「妊娠する」という意味があるし、「そのうち問題になりそうなものを含んでいる」という意味もある(三省堂の新明解国語で確認)。このように、日本語の理解が深いと、暗記の負担が経る。

なお、広辞苑(1992年版)を見ても,問題を「はらむ」の用法はなかった。

日本語の「はらむ」はその他、植物の穂(ほ)が出ようとして ふくらむ、という意味もあるし、古語の「はらむ」はこれである(広辞苑で、『蜻蛉日記』にこの「はらむ」があると書いてある)。

英語のページなので、古語には深入りしない。

ともかく、現代日本語の単語の意味は、明らかに英単語を真似ている。このことから、日本の古語だけを勉強しても英語はできるようにはならない。中学高校で英語を勉強する意義のひとつは、日本語を理解するためだ、というのは、少なくとも昭和戦後の昔からよく言われている言説である。


maternal はその他、親戚などで「母方(ははかた)の」という意味もある。

単語集のmaternalには「母方の」の意味の紹介はない。しかし「父の」paternal で、桐原5500に「父方の」という意味が紹介されている。なお、東京書籍4500と旺文社1900には paternal はない。

桐原5500の paternal の意味説明にはない情報だが、パターナリズム paternalism という、心理学や対人医療や心理カウンセリングなどでも使う専門用語を覚えておきたい。

医師などが、患者の医師を無視して、「患者のためになるから」という考えで、本来なら患者に決定させるべきことに対しても強く患者本人の行動に介入することを「パターナリズム」といい、よく評論などでは批判される。


「パターナリズム」さえ覚えれば、あとはパターナルなんていう、めったに使わない単語よりも、ペアレンタル parental 「親の」を覚えましょう。

一部のデジタル家電などに、「ペアレンタル・コントロール」 parental control という、設定によって家電などを保護者しか操作できないようにして、子供のいたずら等による事故をふせぐ機能があります。

いちいち親の操作とか訳さずとも、そのまま「ペアレンタル・コントロール」で通じますし、むしろカタカナでそう訳さないと通じません。なお、センチュリーの2017年版(第4版)の辞書にまだペアレンタル・コントロールは書いていません。(ジーニアスの最近のは持ってないので知りません。)

単語集では東京書籍4500しか、parental を紹介していません。なお、東京書籍の例文は、親の愛情がどうのこいうのという例文です。


なお、parental の発音はじつは「パレンタル」です。

parent の発音は「ペアレント」で合ってます。

「ペアレンタル」はまったく根拠のない発音でもなく、名詞形の発音を引きずっているので「ペアレンタル」は日本語なまりの英語と考えられなくもないですが、しかしまあ辞書的には「パレンタル」という発音になっています。


「産休」は maternity leave である(東京書籍4500 の項目 leave、ジーニアス)。これ自体は雑多な知識だが、だが名詞 maternity をここでも形容詞的に使っていることに注目したい。

形容詞 maternal はかなり使い道が限られる。

leave は、病気とか出産とかによる「休暇」(きゅうか)の意味であるか(東京書籍)、またはその他の理由で日にち単位で休むことである(センチュリー)。翻訳の都合で「休暇」と一言になっているが、けっして単なる休憩ではない。


なお、「病気休暇」は sick leave である(東京書籍4500 の項目 leave、ジーニアス)。

leave と「休日」 holiday との違いは、カレンダーで休日で定められてない日でも休める

ただし、辞書的には、カレンダーで定められた休日以外の個人的な都合で休んでいる日でも、イギリスでは holiday と言う。

しかし、イギリスのこの用法は不合理で、あまり褒められたものではないだろう。なぜなら holiday とはホーリー・デイつまり「聖なる日」のことである(ジーニアス)。

法定の休日は伝統的に定められた聖なる日だからホーリーデイなのに、個人的な都合で休んでいるのに使うのは、イギリスの頭が悪そうである。

アメリカは、ここら辺の使い分けが意外ときびしく、法律で定められた休日だけに holiday を使っている。


なお、特に深く考えずに「休日」や、あるいは単なる連休などの「休暇期間中」などをいいたい場合、アメリカ英語では vacation で言える。

イギリスでは、大学の休暇や法定の休廷日だけが vacation という意味不明な用法である。

当然、意味不明なのでイギリスですらこの用法は嫌われているのだろうか、ジーニアスいわく、最近はイギリスですらアメリカ式の用法で vacation を使うとのことである。

古いだけで分かりづらい言語・単語はこのように淘汰されていく。


職種によって、日にち単位の休暇に leave を使うか vacation を使うかが分かれている。このためか、東京書籍は有休などや長期休暇などを何というかは触れていない。

東京書籍の「産休」maternity leave とだけ触れるのは合理的だろう。もし産休をバケーションといったら、なんか学生の夏休みっぽくて不謹慎(ふきんしん)であろう。

なお、vacation の発音は、じつは「バケーション」でも「ベイケーション」でも、どちらでもいい(ジーニアス)。


ラテン語で「父」が pater パテルである。

ラテン語は聞きなれないだろうが、日本の戦国時代・安土桃山時代の宣教師こと「バテレン」がポルトガル語で「神父」 padre (パードレ)である。

なお、キリスト教カトリックでは「神父」は Father と言う。「神父」の場合、出だしは大文字で Father になる。

なお、旺文社1900のカトリックの男性「僧」 monk の項目に、おんなの「修道女」「尼」は nun だと書いてあるが、しかしジーニアスおよびセンチュリーで確認したところ「修道女」「尼」は sister でも通じるとのこと。

ここら辺の呼び方は、カトリックかプロテスタントかで違いもあるので、深入りしなくていい。そもそも「神父」と「僧」のなにがどう違うのかという、高校の範囲を越えた問題もある。教会内での階級によっても呼び名が違う。旺文社1900が priest (プリースト)を「聖職者」として紹介しているが、厳密には意味が違うので、深入りしなくていい。なお、東京書籍と桐原は priest を紹介せず。なお女性形は priestess (プリーステス)である(旺文社では紹介していない)。

なお、英検準1級の単語で、bishop (ビショップ)(司祭ではなく)「司」らしい。司教が何なのかは深入りしない。なんか司教は教団内部でかなり偉い地位らしく、かなり上位の地位らしい。

当然、もう単語集には出ない。桐原5500や緑鉄単語集にすらない。


なおジーニアスによるとイギリスでは看護師長も Sister とのこと。おそらくナイチンゲール(イギリス人なので)あたりの影響か。米国では、看護師長は head nurse というとのこと(ジーニアス)。東京書籍いわく「看護師長」a head nurse とのこと(東京書籍3000)。


なお、「託児所」「保育所」 nursery が受験英語(旺文社1900「託児所」、東京書籍3000「保育所」)。

桐原は nursery の掲載を拒否(桐原4500・3000の両方とも無い)。

鉄緑は nursery を扱わず。


「姉妹都市」は sister city (単数形の場合)および sister cities (複数形の場合)である(センチュリー、ジーニアス)。

ジーニアスによると、「姉妹都市」という言い方はじつはアメリカ英語とのこと。イギリス英語では twin towns のように言うとのこと。だが3つ以上の提携だと困るので、なるほど「姉妹都市」が日本では普及したわけだ。

「姉妹校」は sister school である。


ミイラのmummy と、ママ mummy は同じスペル(旺文社1900)。アメリカでは、ママのほうを mommy としており、スペルが違う。

puppy は「子犬」である。パパは関係ない。

なお「子猫」は kitten である。

  1. ^ 高等学校外国語『CROWN English Communication I』三省堂、2021年1月29日 文部科学省検定済、2022年3月30日発行、P.64