Advanced Package Tool

Apt から転送)

Advanced Package Tool ハンドブック

編集

概要

編集

Advanced Package Tool(APT)は、Debianとその派生ディストリビューションで使用されるパッケージ管理システムです。システムのソフトウェアパッケージのインストール、アップグレード、設定、削除を効率的に管理します。

歴史

編集

APTは1998年にDebian GNU/Linuxプロジェクトの一環として開発されました。当初はdpkgのフロントエンドとして設計され、依存関係の解決や、ネットワークを通じたパッケージの取得を容易にすることを目的としていました。

基本概念

編集

パッケージ管理の仕組み

編集
  • リポジトリ: ソフトウェアパッケージが保存されているサーバー
  • 依存関係: パッケージ間の必要条件の関係
  • キャッシュ: ローカルに保存されたパッケージ情報

基本的なコマンド

編集

システムの更新

編集
  • apt update - パッケージリストの更新
  • apt upgrade - インストール済みパッケージの更新
  • apt full-upgrade - 依存関係を考慮した完全更新

パッケージの管理

編集
  • apt install <パッケージ名> - パッケージのインストール
  • apt remove <パッケージ名> - パッケージの削除
  • apt autoremove - 不要なパッケージの削除
  • apt search <検索語> - パッケージの検索
  • apt show <パッケージ名> - パッケージの詳細情報表示

設定ファイル

編集

主要な設定ファイル

編集
  • /etc/apt/sources.list - リポジトリの設定
  • /etc/apt/sources.list.d/ - 追加リポジトリの設定
  • /etc/apt/preferences - パッケージの優先度設定

sources.listの書式

編集
deb http://archive.ubuntu.com/ubuntu/ focal main restricted
deb-src http://archive.ubuntu.com/ubuntu/ focal main restricted

高度な使用方法

編集

パッケージの自動更新

編集
  • unattended-upgradesパッケージを使用した自動更新の設定
  • タイマーによる定期的な更新の設定

トラブルシューティング

編集
  • 依存関係の問題解決
  • 破損したパッケージの修復
  • ロックファイルの処理

パフォーマンス最適化

編集
  • ミラーサーバーの選択
  • パッケージキャッシュの管理
  • 並列ダウンロードの設定

セキュリティ対策

編集
  • セキュリティアップデートの優先
  • GPG鍵の管理
  • 信頼できるリポジトリの使用

関連項目

編集
  • dpkg
  • Synaptic
  • Ubuntu Software Center
  • Debian Package Management

外部リンク

編集