C++の時間ライブラリについて
編集C++の時間ライブラリは、主に以下の2つで構成されており、プログラム内で日付時刻を扱ったり、処理にかかった時間を計測したりすることができます。
- chrono ライブラリ (ヘッダー
<chrono>) : C++11で導入されたライブラリで、高精度な時間計測とカレンダー時間との変換機能を提供します。 - Cライブラリ時間関数 (ヘッダー
<ctime>) : C言語からの伝統的な時間取得・操作関数を提供します。
chrono ライブラリ は、より新しく、可読性が高く、推奨されるライブラリです。以下の機能を提供します。
- 高精度時間計測: ナノ秒 (ns) レベルの高精度で現在時刻や経過時間を取得できます。
- カレンダー時間との変換: 現在時刻をカレンダー (年、月、日、時、分、秒) として取得したり、カレンダー時間を時刻に変換できます。
- タイムゾーンへの対応: タイムゾーン情報は扱いませんが、タイムゾーンの影響を受けない時刻取得が可能です。
Cライブラリ時間関数 は、C言語からの互換性のために存在するライブラリで、以下の機能を提供します。
- 現在時刻の取得: 現在時刻をカレンダー時間 (秒単位) で取得できます。
- 時刻のフォーマット: 時刻を文字列に変換できます。(可読性が低く、推奨されません)
- 文字列からの時刻変換: 文字列を時刻に変換できます。(信頼性が低く、推奨されません)
C++の時間ライブラリを選択する際は、以下の点に注意しましょう。
- 高精度な時間計測が必要なら chrono ライブラリが適しています。
- C言語との互換性が必要なら Cライブラリ時間関数も利用できますが、chrono ライブラリが推奨されます。
ヘッダー一覧
編集この章で扱うヘッダーは以下の通りです。