Lojban For Beginners 日本語訳/否定の合成語( lujvo )
否定の合成語( lujvo )
se に合成語の形の sel があるように、否定の na'e にも合成語の形 nal があります。これで合成語が作れます。
- 注:na 「~ではない」の合成語の形は、 nar です。しかし、na'e 「~ではなくて」の方が使い勝手が良いものです。なぜなら、 na'e 「~ではなくて」と言えば、「そうではなくて、こう(他の関係がありえる)」という意味になりますが、 na 「~ではない」だと、あらゆる関係が無いことも意味し得て、意味が広すぎてしまうからです。
nal- を使う合成語の例を挙げます。jdice 「決める」の lujvo は jdi です。naljdi 「決めないで、優柔不断でいる」と作れます。
他の例を挙げます。
naljmi 「分かってはいない人」( jimpe 「理解する」から) naljvi 「競争者ではない人」( jivna 「競争する」から) nalkri 「信じてはいない人あるいは懐疑の人」( krici 「信じる」から) nalyla'e 「起こりそうにはないこと」( lakne 「起こりそうだ」から) nalre'a 「人ではないもの」( remna 「人間だ」から)
nal は「非」と訳しても良さそうですが、例えば、nalre'a はあくまでも「人間ではないもの」であって、「非人間的」という意味は無いので注意は必要です。(また、「人間以下」という意味でもありません。)ちなみに、naljvi は「競争に参加しない人」であって、「競争にならない人」という意味はありません。
また、nal を sel と一緒に使うこともできます。
nalseltcu 「必要の目的ではない、そのために何かを必要とはしない」( nitcu から) nitcu 「~は( x1 )必要としている、~を( x2 )、~という目的のために( x3 )」 nalveltu'i 「合意はしない点だ、論争点だ」( tugni から) tugni 「~は( x1 )は賛成する、~と( x2 )、~ということに( x3 )、~の点ついて( x4 )」 nalselzi'e 「自由にはできないことだ」( zifre から) zifre 「~は( x1 )は自由にできる、~ということを( x2 )、~という条件で( x3 )」 nalselsanji 「気付いてはいないことだ」( sanji から) sanji 「~は( x1 )は( x2 )を意識している」 nalselse'i 「自我のない人だ(仏教で言う無我の境地)」( sevzi から) sevzi 「~は( x1 )自己だ/自己のイメージだ、それが属するのは~( x2 )」
na'e の仲間の to'e 「逆だ」や no'e 「それではない」にも、合成語の形はあります。それぞれ、 tol そして nor になります。
norselci'i 関心がない nalselci'i 惹かれない tolselci'i 退屈でいる
lujvo はこれだけではなく、修飾( tanru )にある語同士をつなげて、自分で新しい語を作ることができます。しかしここではそこまで立ち入りません。 lujvo を作る際に知っておくべき知識はあります。
- rafsi を文法的に明確に合わせる方法(The Complete Lojban Language, Chapter 4.5–4.6, 4.10–4.12)
- 修飾( tanru )の中の gismu をまとめる方法(The Complete Lojban Language, Chapter 5)
- 出来た lujvo が持つ配列構造を元の gismu の配列構造から派生させる方法(The Complete Lojban Language, Chapter 12)
この言語を本気でやってみたいのなら、これらを学ぶ価値があります。文章を書く時の方が lujvo は扱いやすいでしょう。どうやって作るか考える時間があるからです。しかし今の段階ではいっぺんに学ばなくても結構です。