今までに見た単語の概念は(全く同じではないものの)、英語の before,after,その他色々な単語に似ていました。しかし、全く同じ cmavo を selbri と一緒に使うことで英語の時制と似た表現(全く同じではない)をすることもできるのです。実はこちらの方が簡単なのですが、 malglico を避けるため後回しにしました。

基本的な考えとしては、時の cmavo (とその合成)は selbri の前に入れます。そして bridi 全体をその「時」に含みます。これは、すぐ後に ku で閉じられて空の sumti が入ったときと正確には同じです。なので

la .jan. pu cliva le barja

puku la .jan. cliva le barja

は両方とも、「ジャンはそのバーを出た。」という過去の意味となります。zi/za/zu を使うこともできて、「la .jan. puza cliva le barja」も「puzaku la .jan.cliva le barja」も「ジャンが或る程度前にそのバーを出た。」という意味になります。

小ネタ:ところで、「今何時」というときのもっと普通な言い方は「ma ca tcika」となるでしょうね。

ここで使える別のグループの cmavo は ze'i/ze'a/ze'u です。zi/za/zu が現在(または話題の時点)からの時間程度を表すのに対し、ze'i/ze'a/ze'u は行為や状態の時間隔を表すのです。なので「mi ze'u bajra」は「私は長く走 る/った」という意味になります(私は長い間バーだった、ではないですよ。それなら barja です!油断しないように)。また、これらを組み合わせるということもできますから、「mi puzaze'u bajra」は「まあまあ前に私は長く走った。」となります。もう少し例をば挙げましょう。

.oi.uinai le mi zdani puzi se lindi
ああもう、今さっき僕の家が雷に当たっちゃったよ。
(どんな言語の授業でも、たまにこんな風に人工的で馬鹿な例が登場しますよね)
注:もし selbri の前に時制が入れば cu は要りません。le zdani が単体の sumti を作るために puzi を越えるということはありません。
la .bil. ze'u pinxe loi birje
ビルは長いことビールを飲んでいる。
小ネタ:ここで、ビール1杯を飲むのではなくてビール何杯かを飲むのだということを思い出してください。第4章で学んだように、ここでは個別でなく群として扱うからです。lo birje も意味を為しまして、「一定量のビール」という感じです。
mi bazize'a xabju la .djakartas.
もうすぐ私はそれなりの期間ジャカルタに住む。
lo la .natos. vinji baze'u gunta la .BE,ograd.
NATO の航空機がベオグラードを長期間攻撃する予定だ。
注:だからといって NATO が今(ロビンがこの記事を執筆している最中)ベオグラードを攻撃していない事を意味する訳ではありません。ロジバンでは、ある時に何かが真であると言っても、すなわち他の時にそれが偽であるということを意味する訳ではないのです。NATO が攻撃を続けるということの表し方は勿論ありますが、それは後で学びます(先延ばしにするのが多くてすみません。しかしあんまり一遍には学びたくないでしょう?英語の授業で例えると will go と will have been going を同時にやるようなものでしょうから)。

時の cmavo に関する完全な説明は The Complete Lojban Language の第10章に載っています。