Lojban For Beginners 日本語訳/直接引用する言い方

直接引用する言い方


前の課の最後の文章に出て来た lu と li'u は、引用する時に使います。括弧開き(「)と括弧閉じ(」)ですが、ロジバンではそれを口に出して言います。li'u は省略できません。さもないと、以下に言うことが全て引用になってしまいます。 引用を重ねることもできます。

la ranjit. pu cusku lu la djiotis. pu cusku lu coi li'u mi li'u
「ランジットは( x1 )言った、『ジョティスは( x1 )言った、「こんにちは」と( x2 )、私に( x3 )』と( x2 )。」
「『ジョティスは「こんにちは」と私に言った』とランジットは言った。」

これはつまり以下の文と意味は同じです。

la ranjit. pu cusku lu la djiotis. pu rinsa mi li'u
「ランジットは( x1 )言った、『ジョティスが( x2 )挨拶した、私に( x3 )』と」
「『ジョティスが私に挨拶した』とランジットは言った。」

ロジバンは論理的な言語なので、ある言葉とそれが指すものとを区別します。le munje 「宇宙」そのものと、言葉の「宇宙」は違うということです。分かりやすく言えば、言葉のle munje は小さい(短い)が、宇宙は大きいのです。

この区別のために、ロジバンでは引用を使います。

lu le munje li'u cu cmalu
「『宇宙』という言葉は( x1 )小さい。」
le munje na cmalu
「宇宙は小さくない。」

lu と li'u が囲むのは、単語というよりは、それ自体で意味の取れる語の連なり(理想的には文全体)を引用する時に使われます。それだけだと文法的に意味不明になる語の連なりに関しては、lo'u と le'u 「不完全引用」を使います。例を挙げます。

ro le mi pendo cu klama 
「全ての私の友人は( x1 )行く。」
「私の友達全部が行く。」

この全文を引用するには lu と li'u を使えば良いのですが、例えば、 pendo の前の語の ro le mi を抜き出して言いたいときは、それだけでは意味を成しませんから、 lo'u と le'u を使い、

lo'u ro le mi le'u
「『全ての私の』の部分」

とします。