間接疑問文

ロジバンの疑問詞は文にはめ込んで使われます。疑問詞に特定の位置が決まっているわけではありません。

ma cilre la lojban.

という文は、「誰がロジバンを学んでいるのか?」という質問です。

mi djica lenu ma cilre la lojban.

という文は、「私が欲するのは、誰がロジバンを学んでいるということ?」つまり「私は、誰にロジバンを学んで欲しいのか?」という質問の文です。

mi pu cusku lesedu'u ma cilre la lojban.

という文は、「私が言ったのは、誰がロジバンを学んでいるということ?」つまり「私は、誰がロジバンを学んでいると言った?」という質問です。

nu や sedu'u が使われる文を見てきたので、ついでに du'u を使う文も見てみましょう。

mi djuno ledu'u ma cilre la lojban.

という文は、「私が知っているのは、誰がロジバンを学んでいるということ?」つまり「私は、誰がロジバンを学んでいることを知っているのか?」という疑問文です。

(自問自答の修辞的な疑問文であるにせよ、形としては答えを求める質問です。しかしこのようなレトリックは、理屈っぽいという評判のロジバン話者には好まれないかもしれません。)


では、「私は、誰がロジバンを学んでいるのかを知っている。」という疑問では全くない文を言いたい時には、どうすれば良いのでしょう?

ロジバンを学んでいるのが純平さんだとして、junpen. と名乗っているとしましょう。

mi djuno ledu'u la junpen. cilre la lojban.

「私は、純平さんがロジバンを学んでいることを知っている。」と言えます。

しかしここで名前を出したくない、とします。誰がロジバンを学んでいるのか、知っている。でも名前をあえて言いたくない。それをどのように言えば良いのでしょう? とりあえず、誰であるかの場所を埋めるために zo'e を使ってみます。

mi djuno ledu'u zo'e cilre la lojban.

これは、「私は、誰かがロジバンを学んでいることを知っている。」という意味になります。 しかしこれは言いたいこととは少し違います。

「私は、誰がロジバンを学んでいるのかを知っている」という、話し手は「誰」のことかを知っているけれども、あえて特定しない言い方が欲しいのです。 このような時に、 kau を付け足します。

mi djuno ledu'u zo'e kau cilre la lojban.

「私は、誰かがロジバンを学んでいることを知っている。そしてその誰かを私は知っている。」という言い方です。

do djuno ledu'u zo'e kau cilre la lojban.

「あなたは、誰かがロジバンを学んでいることを知っている。そしてその誰かをあなたは知っている。」となります。

kau は、その直前にある語の内容が知られていることを表します。前に来る語は zo'e に限りません。 ma の後に付けると、ma の質問の効力を無くせます。

mi djuno ledu'u ma kau cilre la lojban.

「私は、誰がロジバンを学んでいるのかを知っている。」これは、 zo'e kau を使った文と全く同じ意味になります。

( ma のような疑問詞は内容が無い語なので便利です。例えば、上のように、「誰がロジバンを学んでいるのか知っている。」と言いながら、その「誰」は「誰もいない」ということも意味し得ます。 しかし、

mi djuno ledu'u dakau cilre la lojban.

「私は、誰かがロジバンを学んでいるのを知っている。そしてその誰かを私は知っている。」

のように da を使うと、こうはいきません。 da という語には、「少なくとも一つ」という前提があるからです。)


kau は、文法的に言えば、 UI 類なので、文のどこにでも入れることができます。「私は、何人の人がロジバンを学んでいるか知っている。」と言いたい時には、

mi djuno ledu'u xo kau prenu cu cilre la lojban.

と言えます。 xo は、数を尋ねる疑問詞です。


ロジバンならではの語に kau を付けて作った間接疑問文の例を挙げましょう。

十一章において、

lanme je'i bakni

「(カレーは)羊肉と牛肉がありますが?」とジョティスとスーザンは給仕に尋ねられました。ジョティスとスーザンが答えた後は、給仕の人は、二人が食べたいのは羊肉なのか牛肉なのかを分かっています。これをロジバンで言ってみましょう。

ba'o lenu la djiotis. .e la suzyn. spuda kei le bevri cu djuno ledu'u re ra
djica lenu citka loi lanme je'i kau bakni