Windowsとは

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Windows(Microsoft Windows)とは、マイクロソフト社が開発したOS。家庭向けから企業向けまで幅広い範囲で使用されている。

最新バージョン

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  • Windows 11 バージョン 24H2[1]
  • Windows 10 バージョン 22H2(最終バージョン、サポート期限は2025年10月14日まで)[2]
  • Windows Server 2025[3]

Windowsの世代別の特徴

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Windowsは、MS-DOSおよびPC-DOSのアドオンとして最初にリリースされました。その後、DOSを必要としない9x系が登場し、Windows 95からWindows Meまでのバージョンが展開されました。これらのバージョンの名称には、発行年の下二桁が冠されています(例: Windows 95、Windows 98)。これらのバージョンは一般に「9x系」として知られています。しかし、この系列は動作が不安定であるという問題がありました。そのため、Windows Meを最後に、完全にNT系へと移行しました。

DOSアドオン時代

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DOSアドオン時代のWindowsは、MS-DOSとPC-DOSの機能を拡張するために開発されました。初期のWindowsは、グラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)を提供し、ユーザーがコンピュータをより直感的に操作できるようにすることを目指していました。最初のバージョンであるWindows 1.0は1985年にリリースされ、その後のバージョンでは多くの機能が追加されていきました。

この時代のWindowsは、主にアプリケーションの実行やファイル管理に利用されており、MS-DOSのコマンドライン環境に依存していました。ユーザーは、プログラムを起動する際にDOSのコマンドを使用し、その後GUIに切り替える形で操作を行っていました。Windows 3.0(1990年)は、そのシンプルなデザインとマルチタスク機能により、広く受け入れられ、PC市場での地位を確立しました。

しかし、DOSアドオン時代のWindowsは、MS-DOSの制約により限界がありました。特に、メモリ管理やハードウェアの制御に関する問題が多く、安定性に欠けることがしばしばありました。このため、ユーザーはより高機能で安定したオペレーティングシステムを求めるようになり、結果的にWindows NT系への移行が進むこととなりました。

DOSアドオン時代のWindows
Win Ver. DOS Ver. プロダクト名 発売年
1.0 1.0 Microsoft Windows 1.0 1985年
2.0 2.0 Microsoft Windows 2.0 1987年
3.0 3.0 Microsoft Windows 3.0 1990年
3.1 3.1 Microsoft Windows 3.1 1993年

Windows 3.1と同時期にリリースされたOS/2 Ver.2.11には、Windows互換環境であるWIN-OS/2が含まれていました。また、Windows 3.1がインストールされているPC向けには、OS/2 Ver.2.11 for Windowsがリリースされ、Windows 3.1を基にWIN-OS/2を構成することが可能でした。

OS/2 V2は完全な32ビットOSであり、その上にマルチDOS仮想マシン環境としてWIN-OS/2が構築されました。このため、16ビットコードと32ビットコードが保護機構なしに混在するWindows 9x系と比べて、OS/2はより安定していました。

9.x系

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Windows 9.x系は、Windows 95、Windows 98、Windows Meなどを含む、Microsoftのオペレーティングシステムのシリーズです。この系列は、ユーザーに直感的な操作を提供するグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)を採用し、MS-DOSを基盤とした従来のWindowsとは異なり、MS-DOSを必要としない新しいアーキテクチャを導入しました。

Windows 95から始まる9.x系では、独自のカーネルを使用し、MS-DOSの制約から解放されました。これにより、より高いパフォーマンスと安定性を実現し、多くの家庭向けや一般ユーザー向けのアプリケーションに対応しました。しかし、動作が不安定であることや、メモリ管理の問題が指摘され、特に大規模なアプリケーションを実行する際には課題が残りました。

最終的に、9.x系の限界が明らかになるにつれて、より高機能で安定したNT系への移行が進みました。

Windows 9.x系
Win Ver. DOS Ver. プロダクト名 発売年
4.0 7.0
(OSR2以降は7.1)
Windows 95 1995年
4.10 7.1 Windows 98 1998年
4.10 7.1 Windows 98 Second Edition 1999年
4.90 8 Windows Me 2000年

OSR2(OEM Service Release 2)は、1996年にリリースされたWindows 95のマイナーアップデート版です。このバージョンは主にOEM(オリジナル機器メーカー)向けに提供され、初期のWindows 95からの改善が多数含まれています。

OSR2では、Internet Explorer 4.0が統合されており、ユーザーがインターネットに簡単に接続できるようになりました。また、USB(Universal Serial Bus)デバイスのサポートも追加され、さまざまな周辺機器を接続する利便性が向上しました。さらに、従来のFAT16ファイルシステムよりも効率的なFAT32が導入され、大容量のハードディスクをより効果的に利用できるようになったことも大きな特徴です。

OSR2は、Windows 95の最終バージョンとして位置づけられ、これによりWindows 98への移行がスムーズに進む重要な役割を果たしました。

項目 OSR OSR2
発売時期 1995年8月 1996年12月
対象 一般ユーザー OEM
販売形態 パッケージ販売 OEM提供のみ
主な機能 - FAT32ファイルシステム、Internet Explorer 3.01、DirectX 3.0、USBサポート強化、IEEE 1394サポート、その他バグ修正

NT系(Windows NT)は、Microsoftが開発したオペレーティングシステムのシリーズで、最初のバージョンであるWindows NT 3.1が1993年にリリースされました。NTは「New Technology」の略で、主に企業向けやサーバー環境を想定した設計がされています。

NT系の特徴として、完全32ビットアーキテクチャを採用しており、高度なメモリ管理、セキュリティ機能、マルチタスク処理を実現しています。また、ハードウェアの抽象化層(HAL)を導入することで、さまざまなハードウェアプラットフォームに対応可能です。

この系列は、Windows 2000、Windows XP、Windows Serverなど、後の多くのWindowsバージョンの基盤となり、特にビジネス環境において広く利用されています。NT系は、その安定性とセキュリティにより、個人ユーザーから企業まで幅広いユーザーに支持されています。

Windows 8.1までのOSのサポートは終了している。 以下のオペレーティングシステムがNT系に該当する。なお、発売年は最初に発売された言語版もしくはエディションを記載する。

Windows NT系のリビジョンと発売年次
NT Ver. RTM Build プロダクト名 エディション 発売年
NT 3.1 528 Windows NT 3.1 Windows NT, Windows NT Advanced Server 1993年
NT 3.5 807 Windows NT 3.5 Workstation, Server 1994年
NT 3.51 1057 Windows NT 3.51 Workstation, Server 1995年
NT 4.0 1381 Windows NT 4.0 Workstation, Server, Server Enterprise Edition, Terminal Server, Embedded 1996年
NT 5.0 2195 Windows 2000 Professional, Server, Advanced Server, Datacenter Server 2000年
NT 5.1 2600 Windows XP Home, Professional, Media Center, Tablet PC, Starter, Embedded, Nエディション 2001年
NT 5.1 2600 Windows Fundamentals for Legacy PCs - 2006年
NT 5.2 3790 Windows Server 2003 Standard, Enterprise, Datacenter, Web, Storage, Small Business Server, Compute Cluster Server 2003年
NT 5.2 3790 Windows XP x64 Edition 64-bit Edition, Professional x64 Edition 2003年
2005年
NT 5.2 3790 Windows Home Server 2007年
NT 6.0 6000 Windows Vista Starter, Home Basic, Home Premium, Business, Enterprise, Ultimate, N Edition 2006年[4]
2007年[5]
NT 6.0 6001 Windows Vista Service Pack 1 2008年
NT 6.0 6001 Windows Server 2008 Standard, Enterprise, Datacenter, Web, Foundation, Itanium-based Systems, Storage, Small Business Server 2008年
NT 6.0 6002 Windows Vista Service Pack 2 2009年
NT 6.0 6002 Windows Server 2008 Service Pack 2 2009年
NT 6.1 7600 Windows 7 Starter, Home Basic, Home Premium, Professional, Enterprise, Ultimate 2009年
NT 6.1 7600 Windows Server 2008 R2 Standard, Enterprise, Datacenter, Web, Foundation, Itanium-based Systems 2009年
NT 6.2 9200 Windows 8 無印, Pro , Enterprise , Windows RT 2012年
NT 6.3 9600 Windows 8.1[6] 無印, Pro , Enterprise , Windows RT 2013年
NT 10.0 10240 Windows 10 Home, Pro, Education/Pro Education, Enterprise/Enterprise LTSB 2015年
NT 10.0 14393 Windows Server 2016 Standard, Enterprise, Datacenter 2016年
NT 10.0 (なし) Windows Server 2019 Standard, Enterprise, Datacenter 2018年
NT 10.0 (なし) Windows Server 2022 Standard, Datacenter, Datacenter: Azure Edition 2021年
NT 10.0 (なし) Windows Server 2025 Standard, Datacenter, Datacenter: Azure Edition 2024年

クライアントOS

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Windows NT 3.1
1993年にリリースされた最初のNT系オペレーティングシステムで、主にサーバーやワークステーション向けに設計された。
Windows NT 4.0
1996年にリリースされ、Windows 95のGUIを採用し、ユーザーフレンドリーなインターフェイスが特徴。クライアントおよびサーバー向けに広く使用された。
Windows 2000
2000年に登場し、ビジネス向けに特化した機能や、セキュリティ向上が図られた。エンタープライズ環境での利用が推奨された。
Windows XP
2001年にリリースされ、個人向けとビジネス向けの両方のエディションが登場。ユーザーインターフェイスの大幅な改善と、安定性、セキュリティの向上が評価された。
Windows Vista
2007年に登場し、セキュリティ機能の強化や新しいインターフェイスが導入されたが、ハードウェア要件が高く、批判も受けた。
Windows 7
2009年にリリースされ、Vistaの改善版として位置づけられ、使いやすさとパフォーマンスの向上が評価された。
Windows 8/8.1
2012年に登場したWindows 8はタッチスクリーン操作を意識した設計で、2013年に8.1がリリースされ、ユーザーからのフィードバックを反映した改良が行われた。
Windows 10
2015年にリリースされ、ユーザーのフィードバックを取り入れた機能が追加され、Windows 7と8の要素を統合した。定期的なアップデートが行われるサービスモデルを採用。
Windows 11
2021年に発表され、新しいユーザーインターフェイスとともに、タスクバーやウィンドウの操作性が向上。新しいシステム要件が設定された。

サーバOS

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Windows NT Server 3.1
1993年にリリースされた最初のNT系サーバOSで、基本的なサーバ機能を提供し、企業向けに設計された。
Windows NT Server 4.0
1996年に登場し、Windows 95のインターフェイスを採用。リモート管理機能やセキュリティの強化が図られ、広く普及した。
Windows 2000 Server
2000年にリリースされ、Active Directoryを導入。ネットワーク管理が容易になり、信頼性とセキュリティが向上した。
Windows Server 2003
2003年に登場し、Windows 2000 Serverの後継として、セキュリティ機能やパフォーマンスが大幅に改善された。
Windows Server 2008
2008年にリリースされ、仮想化機能のHyper-Vが追加され、クラウド環境への対応が進んだ。また、サーバーマネージャーによる管理の簡素化が図られた。
Windows Server 2012
2012年に登場し、さらに強化されたHyper-V機能や、ストレージ機能の向上が特徴。クラウドサービスとの統合が進められた。
Windows Server 2016
2016年にリリースされ、コンテナ機能のサポートや、セキュリティ強化のための新機能が追加された。さらに、データセンター向けの機能が強化された。
Windows Server 2019
2018年に登場し、Hybrid Cloud機能が強化され、オンプレミスとクラウドの統合が容易になった。また、セキュリティやストレージ機能も改善された。
Windows Server 2022
2021年にリリースされ、セキュリティ強化や、クラウド接続機能の向上が図られ、データセンター向けの新機能も追加された。
Windows Server 2025
2025年にリリースされ、AIや機械学習機能の統合、さらなるセキュリティの強化、クラウドネイティブアプリケーションがサポートされている。

Windowsのセットアップ

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Windowsでの操作方法

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この節では基本操作や基礎知識を説明する。

スタートボタン

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Windowsではスタートボタンから、ソフトを起動したり、シャットダウンすることができる。Windows 3.51以前のものとWindows 8を除くすべてのOSでは左下のWindowsマーク( など)があるところがスタートボタンと呼ばれる。また、キーボードのショートカットキーはWindowsキーである。

コントロールパネル

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コントロールパネルは、Windowsオペレーティングシステムにおいて、システムやソフトウェアの設定を行うためのツールで、プリンタの設定から使用中のソフトウェアの管理など幅広い設定が行えます。異なるバージョンのWindowsでは、このツールの名称が異なる場合があります。

設定アプリ

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Windows 10以降、Microsoftは従来の「コントロールパネル」の機能を新しい「設定⚙」アプリに置き換える取り組みを進めています。設定アプリはより直感的で使いやすいインターフェースを提供し、モバイルデバイスやタッチスクリーンにも適しています。また、設定アプリは従来のコントロールパネルよりもさまざまな設定項目にアクセスしやすくなっており、新しい機能の追加やアップデートも継続的に行われています。このような動きは、Windowsの使いやすさや一貫性を向上させることを目指しています。

Windows Update

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Windows Updateは、Windowsオペレーティングシステムの更新プログラムに関する情報を提供し、必要に応じてその更新プログラムを表示およびインストールするためのツールです。システムのセキュリティや機能の向上のために定期的な更新プログラムの適用が重要です。

デバイス マネージャー

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デバイス マネージャーは、ディスプレイ、プリンター、マウス、キーボードなどの周辺機器、およびPC内部のハードウェアやCPUなどを「デバイス」として管理します。このツールを使用することで、デバイスに関する情報を参照し、設定を変更できます。

また、コマンドプロンプトを使用して、デバイス マネージャーを起動することもできます(「mmc devmgmt.msc」コマンドを使用)。

プログラムと機能

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「プログラムと機能」は、コンピュータにインストールされているアプリケーションの一覧を表示し、必要に応じてアプリケーションの削除や変更を行うためのツールです。また、Windowsの更新プログラムもここから管理できます。

既定のプログラム

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「既定のプログラム」は、特定のファイル拡張子やプロトコルに対して、どのアプリケーションが関連づけられるかを設定するためのツールです。例えば、ファイルの拡張子が「.docx」の場合、関連づけられているアプリケーションとしてMicrosoft Wordを選択できます。

この設定を使用することで、特定のファイルを開く際に使用するアプリケーションを指定できます。

注意
Windows 10以降では、「設定⚙」が徐々にコントロールパネルの機能を置き換えつつあり、新しい設定オプションが提供されています。そのため、一部の設定項目はコントロールパネルではなく「設定⚙」で管理されています。ユーザーは特定の設定項目を見つけるために、Windowsのバージョンに応じて設定アプリを活用することをお勧めします。

ファイルの使いかた

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ここでは、ファイルの使い方を説明する。Windowsのファイルでは、おもにWindowsでは、最も標準的なファイル形式を使っている。また、Windows各種では、あらかじめ写真など(イメージ画像など)が入っている場合が多い。

Windows独自の拡張子で代表的なものとしては .exe (実行可能アプリケーション) が多い。

PCはPCに接続されている周辺機器の情報を表示するウインドウである。 カメラなどをUSB接続する場合はPCから開くこともできる。 Windows 8.1から現在のPCという名称になったが、 Windows XP以前はマイコンピュータWindows Vistaでは、コンピュータWindows 7Windows 8では、コンピューター という名称であった。

ホットキー

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ホットキーとは、画面上のメニューからマウスで選択して実行する命令や、特定の文字列の入力などの利用頻度が高い連続したキー操作を簡単なキー操作で実行する機能である。また、そのために割り当てられたキー入力の組み合わせ入力数を減らしたり、マウスを使わずに操作できる。Windowsには、3つのホットキーが搭載されている(デスクトップパソコンのみ)。

クリック/ダブルクリック/ドラッグ/右クリック/ホイール

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クリックとはマウスの左側のボタンを1回クリックする動作のことを言い、右側を1回クリックすることを右クリックという。右クリックは基本プロパティを開くために使われていて、基本使われることはない。左側を2回クリックすることをダブルクリックと言い、アイコンの上でダブルクリックすると、ソフトウェアが起動する。

左側のボタンを押したまま動かすとドラッグという動作になる。アイコンの上でドラッグをして、ファイルの移動などで使われるのが一般的である。
ホイールとは中心にある軸のことを言い、スクロールの操作などに使われる。最近のマウスでは左右に動かせるマウスもある。
一見どのパソコンにも共通しているような操作だが、微妙に違う。
設定で左側のボタンと、右側のボタンの操作を入れ替えることができる。

脚注

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  1. ^ Windows 11 のリリース情報” (2024年10月1日). 2024年10月25日閲覧。
  2. ^ Windows 10 リリース情報” (2022年10月18日). 2023年3月5日閲覧。
  3. ^ Windows Server のリリース情報 | Microsoft Docs” (2024年11月1日). 2024年11月4日閲覧。
  4. ^ ビジネス向け
  5. ^ 一般消費者向け
  6. ^ Windows 8.1は、Windows 8の仕様変更・改良版です。

関連項目

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ウィキメディア・コモンズに、Microsoft Windowsに関連するマルチメディアがあります。
 
Wikipedia
ウィキペディアMicrosoft Windowsの記事があります。
 
Wikipedia
ウィキペディアMS-DOSの記事があります。
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