さまざまな面から見た日本 地理 気候

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世界の気候の単元で見てきたように、世界の国々には一年を通して暑い国もあれば、夏でも日本の冬と同じぐらいの気温にしかならない国もある。また、砂漠のようにほとんど雨の降らない国や、逆に一年中たくさんの雨が降る国、他にも季節によって雨の多い時期と少ない時期のある国とさまざまな特徴がある。 では、日本はどうだろうか。日本列島は南北に長いため、北海道のように冬の気温が氷点下にまで下がるところもあれば、沖縄のように冬でも15度と東京の春ごろの気温と変わらないところもある。また、新潟県(山間部)及び青森県津軽地方のように雪が数メートルも積もる地方や、三重県尾鷲市(おわせし)のように非常に雨の多い地方、あるいは岡山県倉敷市(くらしきし)のように一年中雨の少ない地方がある。

ここでは、日本の気候の違いを通して、日本各地の環境とそれに影響されている産業や文化などを見ていこう。

気候帯

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まず、日本の大半が属している温帯と北海道のほとんどが属している亜寒帯について復習しよう。なお、ここは中学校社会 地理/世界の気候と同じ内容である。

温帯気候

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(読み おんたい)
温帯の種類
 気候名 特色 場所

温暖湿潤気候 季節風(モンスーン)がある。
夏は高温で雨が多い。冬は低温。
降水量は多い。
東アジア
北アメリカ南東部
西岸海洋性気候 偏西風により、
季節による温度差が小さい。
ヨーロッパ州の西岸
北アメリカ州の西岸 
地中海性気候 夏は暑くて乾燥する。
冬は雨が降る。
イタリアなどの
地中海沿岸地域 

もっとも寒い時期でも氷点下になることは少ないが、夏は地域によっては熱帯と同じぐらいの暑さになることがある。このため、四季の変化に富み、多くの動物・植物が生息する。気温・降水量共に農業に適していることから、古代から現代に至るまで農業や産業の発展した地域が多い。

雨の降りかたなどによって、気候の区分が、次の3つの、温暖湿潤気候(おんだん しつじゅん きこう)西岸海洋性気候(せいがん かいようせい きこう)地中海性気候(ちちゅうかいせい きこう)に分けられる。

  • 温暖湿潤気候

日本のように、1年間をとおして気温の変化が大きく、降水量の変化も大きい、温暖湿潤気候がある。

  • 西岸海洋性気候

ヨーロッパの大西洋沿岸では、偏西風の影響のため、1年間を通して降水量の変化が小さい。このヨーロッパの大西洋沿岸の一帯の気候のこと西岸海洋性気候(せいがん かいようせい きこう)という。日本では道南地方の室蘭市と日高地方で分布している。

  • 地中海性気候

イタリアなどの、ヨーロッパ州とアフリカ州の間にある地中海の周辺の国に多い気候である。夏には乾燥するが、冬は偏西風のために雨が降る。

温暖湿潤気候

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東京の雨温図
 
温暖湿潤気候の世界的な分布

温帯モンスーン気候ということもある。主に中緯度の大陸東岸に分布する。

この気候に属する主な都市は、東京(日本)、シャンハイ(中国)、ブエノスアイレス(アルゼンチン)。

季節風の影響を強く受けるため、特に四季がはっきりとしている。 温帯の中では、四季の変化が、もっともはっきりしている。

日本や、周辺の東アジア諸国での温暖湿潤気候での季節ごとの変化の大きさの原因は、季節によって、気候に影響を与える季節風が変わるためである。

夏は低緯度の海からの風を受けるために高温多湿となるが、冬は高緯度の大陸からの風を受けるために乾燥した寒い季節となる(しかし、0度を下回ることは少ない)。また、夏には台風のような熱帯低気圧に襲われることもある。

夏は暑く、冬は寒いので、ここに住む人々はそれぞれの季節にあうような生活スタイルを作っていった。例えば日本の伝統的な衣服は夏は涼しく、冬は暖かくなるような素材が好まれた。豊かな水と適度な気温のため、農業に適している。日本などの東アジア周辺では米作りが盛んである。

温帯の植物は、いっぱんに、広葉樹林と針葉樹林が混合している。 また、アルゼンチンのパンパ・アメリカのプレーリーのように豊かな草原地帯もある。パンパやプレーリーでは放牧も盛んに行われている。

西岸海洋性気候

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シュツットガルト(Cfb)の雨温図
 
西岸海洋性気候の地域の世界的な分布

この気候に属する主な都市は、ロンドン(イギリス)、パリ(フランス)、メルボルン(オーストラリア)である。 ちなみに日本では北海道の室蘭市と日高地方が属している。

大陸西岸の高緯度地方(緯度40度 - 60度付近)に分布する。西ヨーロッパの多くはこの気候に属している。温暖湿潤気候などと比べると、西岸海洋性気候の気温の年間の変化は小さい。夏はあまり暑くならずすごしやすい。冬は長く寒いが、暖流からの偏西風の影響を受けるため、緯度のわりに冷え込みはきびしくない。例えばロンドンやパリは、サハリン(樺太)と同じ緯度だが、冬の平均気温は5度くらいで東京よりも少し寒いぐらいである。また、降水量は一年を通して一定である。

落葉広葉樹や針葉樹林もあるが、牧草も育ちやすい。牧畜に適している地域であるため、農業と牧畜を組み合わせた混合農業が盛んに行われてきた。例えばフランスは小麦の生産が盛んな国であるが、チーズなどの乳製品の生産量も多い。

地中海性気候

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サンティアゴの雨温図
 
地中海性気候 (Cs) の世界的な分布

イタリアのような地中海沿岸が中心だが、南北アメリカ大陸の西側にも見られる。夏は乾燥帯なみに乾燥するが、冬には雨が降る〔偏西風〕。また、ヨーロッパ州の沿岸の場合、大西洋沿岸には暖流の北大西洋海流が流れているので、緯度の割には温かい。冬はあまり気温が下がらないため、常緑広葉樹林となる。

赤土やテラロッサと呼ばれる石灰岩が風化してできた土に覆われているため、土地はあまり豊かではない。しかし、夏の強い乾燥に耐えられるオレンジ・レモン・の柑橘類トマトやぶどう、オリーブの生産が盛んで、雨の降る冬に小麦を栽培する。こうした農業を地中海式農業(ちちゅうかいしき のうぎょう)という。また、日光の少ない地域の人々が夏にやってくることも多いため、リゾート地として有名なところも多い。

この気候に属する主な都市は、ローマ(イタリア)、アテネ(ギリシャ)、サンフランシスコ(アメリカ)である。

亜寒帯・寒帯

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(読み:あかんたい・かんたい)

寒帯と亜寒帯の種類
 気候名 特色 場所
 亜寒帯(冷帯)  タイガ。針葉樹。
冬は長くて寒く、特に真冬はかなり低温となるが、
夏はわりあい暑い。
シベリア中部、
アラスカ中部、
カナダ中部など

ツンドラ気候 ツンドラ。コケ類。
地中は永久凍土。
シベリア北部、
アラスカ北部、
カナダ北部など
氷雪気候 年中、氷雪。
植物は育たない。
南極大陸や北極 
 
モスクワの雨温図
 
亜寒帯冬季少雨気候 (Dw) の世界的な分布
 
亜寒帯湿潤気候 (Df) の世界的な分布

冷帯(れいたい)ともいう。

シベリアのような気候である。冬は長く、特に真冬は寒さがとても厳しいが、夏は気温が上がり、天気が良ければかなり暑くなる。夏には気温が高くなるため、樹木も育つ。 森林には、針葉樹やシラカバなどの木々が多い。

亜寒帯での針葉樹林のことをタイガといい、これが多く分布する。

ユーラシア大陸の北部や、北アメリカ大陸の北部に見られる気候である。 ロシアの首都のモスクワの気候も亜寒帯である。

亜寒帯の分布地域は、中国北東部・朝鮮半島北部・ロシアの半分以上・アメリカ北部からカナダにかけての地域など、おおむね緯度40度以上の高緯度地域に分布する。季節は、温帯と同様に、四季が見られるが、夏は温帯ほどではないがやはり暑くなる。また、夏は日照時間が長いため昼夜の気温差が大きいのも特徴であり、特に内陸地方では昼にかけては暑くなるが、朝夜は一転して冷え込む。冬の平均気温は0度を下回るのが普通である。

季節による、1年間の夏と冬との温度差が大きい。特に中国の北京のように、夏と冬の気温差が40度近くもあるところも存在する。

冬の寒さが厳しい気候なので、人々は寒さ対策を行ってきた。朝鮮半島のオンドルはその典型例である。春から夏にかけては比較的温暖なので、その時期に小麦を栽培することが多い。特にロシア南部の黒土地帯は世界有数の小麦生産地帯である。また、寒さに強い、カブ・ソバ・ライ麦・ジャガイモの生産も盛んである。また、タイガは豊かな針葉樹林地帯であるので、林業も盛んである。

この気候に属する主な都市は、札幌(日本)、ペキン(中国)、モスクワ(ロシア)である。

細かくは、亜寒帯には亜寒帯冬季少雨気候や亜寒帯湿潤気候などがある。中学ではあまりこの区別は重要ではない。

日本の気候

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日本全体の気候の傾向

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1:太平洋側気候(黄緑色) 2:日本海側気候(青色) 3:瀬戸内海式気候(黄色) 4:中央高地式(内陸式)気候 学校の教科書にある図とは異なるので注意
 
東京の雨温図。太平洋側の地域の例。
 
新潟市の雨温図。日本海側の地域の例。

日本の気候は、ほとんどの地域は 温帯 に属し、温帯のうちの温暖湿潤気候に属する。だが北海道や東北地方は 亜寒帯(冷帯) に属する。 また、南西諸島の気候は、亜熱帯(あねったい)という、熱帯と温帯のあいだのような気候である。

日本は季節風(モンスーン)の影響で、四季がはっきりしている。また、日本には梅雨(「つゆ」または「ばいう」)があり、日本の冬には雪もあるため、日本は年間の降水量が多い。 なお、北海道では梅雨が無い。

日本は南北に長いため、南の沖縄県と、北の北海道とでは、気候が大きくことなる。

気候に影響するのは、緯度だけでは無く、山脈や山地によって、太平洋側と日本海側では、気候が大きく異なる。

春から夏にかけて

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6月はじめごろから梅雨があり、日本の多くの地域で降水量が多くなる期間が、1ヶ月ほど続く。 梅雨の原因は、北方にある冬の季節風と、南方にある夏の季節風とが、ぶつかりあって、ほとんど動かない梅雨前線が発生するからである。

この梅雨前線では、夏と冬の季節風がぶつかっているので、天気が不安定となり、雨が降りやすい。 夏の季節風も、冬の季節風も、どちらとも、太平洋や日本海を通ってくるので、水分を含んでいる。

しかも、梅雨の間の6月は前線が停滞しているので、前線が北に抜けるまでの1ヶ月ほど、雨の日が多い。

季節が夏に近づくにつれ、夏の季節風のほうが強くなり、冬の季節風を北に押し返すので、前線は北に抜ける。 梅雨前線が北に抜けると、梅雨が終わる。

そして日本は、7月ごろに夏を迎え、気温の暑い日々が9月くらいまでつづく。


夏の季節風は、太平洋の水蒸気を含んでいるので、日本列島の太平洋側の地域では、湿っている。 いっぽう日本海側では、山地をこえるときに季節風が水分を失うので、日本海側では乾燥している。

夏から秋・冬にかけて

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台風の月別の主な経路。台風は8月〜9月ごろに日本にやってくることが多い。

夏から秋にかけての9月ごろは、台風(たいふう)という、強風や大雨を起こす低気圧が南方から日本列島に北上してやってくる。台風で被害(ひがい)を受ける場合も多い。

台風は、もともと赤道近くの熱帯の海で発生した低気圧( 熱帯性低気圧(ねったいせい ていきあつ) )である。


春から夏にかけての梅雨前線と同様に、秋から冬にかけても、秋雨前線(あきさめ ぜんせん)が、やってくる。

冬は、シベリア気団の発達により、北西の季節風が強くなる。季節風が日本海の水分をふくんでいるので、日本海側では雪が多く降る。いっぽう太平洋側では、山地をこえるときに季節風が水分を失うので、太平洋側では乾燥している。太平洋側では、日本海側とくらべると、雪もあまり降らない。

冬の太平洋側の地域で、北方の山地から北風が南へ向かって、ふいてくる。この北方の山から吹き降ろしてくる風のことを「からっ(かぜ)」といい、冷たくて乾燥している。

太平洋側と日本海側の気候の違い

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前の節では、季節ごとによる気候の特徴を説明した。

逆に、太平洋側の地域、および日本海側の地域を基準に、気候を見てみよう。

  • 太平洋側の地域では、夏は湿気(しっけ)が多く、雨も多い。太平洋側の冬は、乾燥している。北方の山から「からっ風」が吹き降ろす。
  • 日本海側の地域では、夏は乾燥している。冬は季節風に水分が多く、雨及び雪が多い。全体的に見ると曇りの日が多い。

その他の気候

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他にも、地域の特性によって、多くの気候がある。一例として、瀬戸内気候を説明する。

  • 瀬戸内(せとうち)気候

瀬戸内海ぞいの瀬戸内では、南北ともに、四国山地または中国山地にさえぎられているので、瀬戸内では雨も雪も少ない。

このように、南北を山にさえぎられている地域では、雨や雪が少ない。

日本各地の気候の傾向

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日本の気候区分はいろいろな説があるが、普通の教科書では以下のように分けられる。

  • 北海道の気候
  • 日本海の気候
  • 太平洋の気候
  • 南西諸島の気候
  • 内陸性の気候
  • 瀬戸内の気候

気候によって、農業など、産業や生活の特徴も変わってくる。それらの説明は、後の節や別の記事で説明を行う。

太平洋側の気候

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「太平洋岸気候」や「太平洋型気候」などとも言う。夏は太平洋からの暖かく湿った季節風の影響で高温多湿となるが、冬は大陸からの冷たく乾いた風の影響を受けて乾燥する。西日本では暖流の日本海流(黒潮)の影響を強く受けるため、高温多湿となるが、東日本、特に東北地方は寒流の千島海流(親潮)の影響も受けるため、気温が上がらないときもある。特に千島海流の影響が強いときには夏でも やませ とよばれる冷たい風が吹き、冷害が起こることもある。

夏から秋にかけて雨が多く、東北地方を除いて、冬でも寒いとはいえ霜が降ったり雪が降ったりすることは少ない。そのため、米以外の野菜や花の生産も盛んである。また、静岡県や鹿児島県では茶の生産も盛んである。

日本海側の気候

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新潟市の雨温図

「日本海岸気候」などとも言う。その名の通り日本海側に見られる気候である。日本海側には暖流である対馬海流が流れており、暖かく湿った空気を運んでくる。しかし、冬になるとユーラシア大陸からの冷たく乾燥した風が対馬海流の湿った風を冷やして雪にする。このため、気温のわりに雪がとても多く、世界有数の豪雪地帯となっている。

冬に雪が多いため、雪への対策が行われている。例えば、雪が積もり過ぎないように屋根の角度を急にしたり、信号機を縦にしたりしている(特に東北と北海道が多い)。また、融雪パイプを使って道路の雪をとかすことも行われている。

この気候では雪が多いため、冬は農業ができない。しかし、春になると雪は豊富な雪解け水をもたらす。これを利用して春から秋にかけて米作りに集中する水田単作地帯が多い。特に新潟県は米作りで有名である。また、冬の間には農業ができないかわりに、さまざまなものづくりが行われてきた。新潟県の小千谷ちぢみ、石川県の輪島塗や加賀友禅などの伝統工業はもともと冬の間の仕事として発展してきたものである。現在でも燕市(新潟)の金属製洋食器、三条市(新潟)の金物、鯖江市(福井)の眼鏡などが有名である。また、豊富な雪解け水を生かした水力発電も積極的に行われてきたため、日本の電源地帯と呼ばれてきた。

北海道の気候

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古い教科書では北海道式気候といったが、現在ではあまり使われない。

温帯ではなく亜寒帯に属する。このため、夏は比較的すごしやすいが、秋の終わりから春の初めまでの気温は氷点下まで下がる。また、梅雨がなく、台風もあまり来ないため、夏は他の地方よりも乾燥する。ただ、北海道は太平洋側・日本海側・内陸・オホーツク海側とで気温や降水量に差があるため、札幌市や函館市と稚内市などでは違いがあるので注意したい。

明治時代まで朝廷や幕府の力があまり及ばなかったため、長い間、先住民族であるアイヌの人々の伝統的な狩猟や漁業が中心で農業は盛んではなかった。明治以降に北海道として日本に正式に組み込まれると、開拓が進み、農業も活発に行われるようになった。当初は寒さに強い作物と酪農が中心であった。現在でもジャガイモ、ビート(てんさい・さとうだいこん)、小豆、小麦、乳製品の生産量は全国一である。しかし、品種改良によって寒さに強い米が開発され、北海道でも石狩平野を中心に米作りが盛んになり、現在では都道府県別の米の生産量も全国一となった。

内陸の気候

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標高 最多月 最少月 年間降水量 8月の降水量 12月の降水量
長野 418.2 m 11.2(7月) 6.8(11月) 901.2 mm 95.0 mm 38.2 mm
松本 610 m 11.6(7月) 3.7(12月) 1,018.5 mm 95.8 mm 23.3 mm
諏訪 760.1 m 13.5(7月) 4.7(1月) 1,307.0 mm 129.6 mm 33.8 mm

中央高地式気候ともいう。古い教科書では内陸式気候、あるいは、大陸性気候という言葉も使われたが、今はあまり使われない。

中央高地(長野県・山梨県・岐阜県北部など)に見られる気候であるが、似たような気候は山形盆地や京都盆地にも見られる。夏は太平洋側で雨が降り、冬は日本海側で雪が降るため、一年を通して降水量は少ない。また、海から離れているため、夏と冬との気温差が大きく、夏は暑く、冬の気温は氷点下になることも珍しくない。特に夏の暖かく乾いた空気がフェーン現象を起こすこともあり、夏の気温をさらに高めることがある。ただし、標高の高い地域では夏でも気温があまり上がらないところもある。

水源は多いが、平地が少ないため、米作りはあまり盛んではない。そのかわり、日当たりのよい山あいと乾燥した気候を利用した果物の栽培が盛んである。長野県のりんごの生産量は全国2位であり、山梨県のぶどう・もも の生産量は全国一である。また、長野県の野辺山原(のべやまはら)や群馬県の嬬恋村(つまごいむら)では夏でも涼しい気候を利用した抑制栽培(よくせい さいばい)による、キャベツ・レタスの栽培も盛んである。かつては生糸(きいと)をつくるための養蚕(ようさん)も盛んだったが、日本の産業が軽工業から重工業にうつったため、現在では衰退している。

瀬戸内の気候

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大阪市の雨温図

瀬戸内式気候ともいう。瀬戸内海沿岸地域に見られる気候である。夏の季節風は四国山地に、冬の季節風は中国山地にさえぎられるために一年を通して降水量は少ない。このため、梅雨が短かったり、台風があまり来なかったりするときには(かん)ばつが起こりやすい。その対策として人工的に大きな池を作って水を確保する施設であるため(いけ)が各地に作られた。気温は海に面していることもあって温暖である。

雨も雪も少ないため、畑作が中心で、特に小麦が多く作られた。香川県のさぬきうどんは、この小麦を利用して作られてきた。また、雨が少ないということは晴れの日も多いということでもあり、それを利用した果物の栽培も盛んである。岡山県はオリーブやキウイフルーツの生産量が日本一である。愛媛県は長くみかんの生産量が全国一であった(現在は2位)。他にも晴れの日の多さを利用した塩の生産が以前は盛んで、広大な塩を作るための土地(塩田)が、広がっていた。しかし、塩作りの方法が変わったことなどによって、塩田を利用する必要がなくなり、現在は広大な塩田の跡地を工業用地として活用している。

南西諸島の気候

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那覇(なは)市の雨温図

南西諸島気候または亜熱帯(あねったい)ともいう。鹿児島県の奄美大島(あまみ おおしま)から沖縄県にかけての気候である。冬の平均気温でも15度程度と本州に比べて温暖であるが、海に面しているため、夏は極端に暑くなることもない(八重山諸島は除く)。日本海流からの暖かく湿った風の影響で、年間降水量も多い。昼と夜の気温差と年間気温差が小さい。

しかし、大きな川がないため、降水量のわりに水不足になりやすく、また台風の直撃を受けることも多いため、農業は畑作が中心であった。米作りは畑作ほど、さかんでない。特にパイナップルやさとうきびの栽培が盛んである。近年はマンゴーやパパイヤといったトロピカルフルーツと呼ばれるものだけでなく、暖かい気温を生かして季節をずらした花や野菜の栽培も盛んとなっているが、航空機の輸送コストの影響を受けやすいという問題も抱えている。

このような様々な気候の特色を知ればこれからはもっと自然との付き合いが楽しめるようになるだろう。


日本は四季がはっきりしており、梅雨の影響によって太平洋側と日本海側で降水量が大きく違う。 6月から7月にかけて雨が降り続く梅雨や、夏から秋にやってきて強い風と雨をもたらす台風は、重要な農業用水や飲料水の確保には欠かせない。しかし、台風の強い風と多くの雨で、くらしや農業に大きな影響が出ることがある。

※ 他教科関連

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※ なお、理科の天気関係は中学2年の範囲。
中1での地理の授業の時点では、まだ理科で天気を習ってないので、読者は中3での受験勉強の復習の際などに他教科関連リンクを活用すればよいかと思われます。