中学校保健体育/健康を守る社会の取り組み

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私達の社会は、健康を保ち、健康状態を改善するために、どのような保健活動を行っていますか?

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健康増進法・健康相談・保健指導

私達の健康を守る社会の役割

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※どうして健康診断が生活習慣病の予防に役立ちますか?

社会はどのように健康を保ち、病気を防ぐために努めているのかをもう少し詳しく学んでいきましょう。

これまで学習したように、生活習慣病・感染症などの病気は、自覚症状を伴わない場合もあります。気づかないうちに病気が進行したり、環境条件から感染したりします。このように、厚生労働省は、個人の取り組みではどうにもならないような健康問題を解決しようとしています。日本国憲法第25条に定められているように、厚生労働省は国民の健康を守るために様々な活動に取り組んでいます。

日本国憲法 第25条【生存権と国民生活の社会的進歩向上
第1項 誰でも健康で文化的な最低限度の生活を営む権利があります。

第2項 国は生活全般について、社会福祉・社会保障・公衆衛生の向上・増進に取り組まなければなりません。

健康増進法は、国・地域・個人が国民の健康を改善するために必要な基本的な内容を示しています。例えば、自治体は健康増進法に沿って健康増進計画を作成しています。健康増進計画に従って心や体の健康相談保健指導・健康教育・癌検診などが行われています。また、このような自治体は、受動喫煙防止対策を勧めたり、健康体力づくりのために行事・講習会も開いたりしています。

★健康活動

 

★一般健康診断の内容

  1. 既往歴・喫煙歴・服薬歴・業務歴の調査
  2. 自覚症状と他覚症状の有無の検査
  3. 身長・体重・視力・腹囲・聴力の検査
  4. 胸部X線検査・喀痰検査
  5. 血圧の測定
  6. 尿検査
  7. 貧血検査
  8. 肝機能検査
  9. 血中脂質検査
  10. 血糖検査
  11. 心電図検査
保健センターと保健指導
これまで、地域の保健センターを利用しましたか?実際、胎児が生まれると、すぐに健康診査などを保健センターで受けています。成長すると利用機会も少なくなりますが、成人や高齢者になっても、健康を保ったり改善したりするために様々な支援を受けられます。

保健センターは保健指導を行っています。例えば、生活習慣病にかかりそうな人に対して、特定保健指導を行います。特定保健指導は、患者に自分の生活習慣を振り返り、改善させるために行われています。保健師・管理栄養士・看護師などが保健センターに勤務しており、情報提供・相談などで支援しています。

★癌検診の種類

対策型検診 任意型検診
対象 集団 個人
内容 公共的な医療サービスは、予防対策として行われます。 医療サービスは、医療機関・検診機関などが希望者に提供しています。
費用 無料です。一部の検診は自己負担となります。 原則として全額自己負担となっています。
検診例 住民検診・職域検診 人間ドック・癌スクリーニング検査

会社などの事業者は、労働者に健康診断を受けられるようにしなければなりません。これは労働安全衛生法で決められています。

社会の様々な取り組み

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※健康診断・健康相談のほかに、健康に関わる保健活動はありますか?

健康診断・健康相談に加えて、健康増進(運動教室・健康セミナーなど)や疾病予防のために様々な取り組みが各地域で行われています。例えば、熊本市は保健医療福祉関係団体と共同で、健康フェスティバルを開催しています。健康フェスティバルでは、健康づくりの様々な情報を伝えるほか、相談コーナー・測定コーナー・医療機器などの体験コーナーも設けています。最近、バリアフリーやユニバーサルデザインの町づくりなど、誰もが健康・安全で快適に暮らせるような町づくりを進めています。また、学校も学校保健安全法に基づいて計画を立てています。さらに、民間団体(日本赤十字社・国境なき医師団など)や国際組織(世界保健機関・国連児童基金など)も様々な保健活動(予防接種・災害救援など)に力を入れています。私達の健康は、思いやりによって守られています。

このように、個人単独の取り組みだけで解決出来ないような問題に立ち向かうため、社会は様々な取り組みで私達の健康を守っています。健康寿命の延長を目指して、スマート・ライフ・プロジェクトも進められています。

資料出所

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  • 東京書籍『新しい保健体育』戸田芳雄ほか編著  2021年
  • 学研教育みらい『中学保健体育』森昭三ほか編著 2021年