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  • 大きな災害に見舞われると、私達の生活はどのように変わりますか?
  • 私達に何が出来ますか?

心のケア 編集

大きな災害に巻き込まれ、大切な人を亡くしたり、とても怖がったりして、心に大きな傷を残します。ほとんどの人は時間をかけて回復していきます。しかし、心的外傷後ストレス障害(PTSD)のように、深刻な影響(情緒不安定や睡眠障害など)が長く続く場合もあります。ストレスは、気分転換をするか、身近な人に相談すると和らぐかもしれません。もし、深刻な影響が長く続いたら、家族・身近な大人・スクールカウンセラーなどに相談するか、医療機関を受診しましょう。

避難所生活とボランティア 編集

自宅が大きな災害で壊れたり、電気・ガス・水道などのライフラインが止まったりすると、復旧するまで避難所で生活するようになります。避難所は、様々な人と一緒に生活しています。特に、妊婦・乳幼児・高齢者、持病者・障害者への配慮や支援を忘れないようにしましょう。また、みんなが健康で気持ちよく過ごせるように、それ以上の準備を自分でしなければなりません。

大きな災害が起こると、食料・生活物資が足りなくなり、消防士や医師も足りなくなります。そのため、他の地域からのボランティア・募金・物資の支援なども必要とされています。

★避難所で困った内容

 

地域の絆 編集

★防災の自助・共助・公助

自助 自分の命と家族の命を自分で守れるようになりましょう。
共助 地域の安全を守るために近所同士が助け合いましょう。
公助 応急復旧対策の活動(自治体・警察・消防・ライフライン支援企業など)

公助・自助・共助の考え方が被害を減らすために必要です。大きな災害が発生すると、消防・警察・自治体などの救急隊がすぐに現場に駆けつけられません。最初に災害に立ち向かうのは、私達自身と地域住民です。そのため、防災の正しい知識や方法を身につけたり、地域の特性や災害の歴史を学んだり、地域の訓練に参加しましょう。そうして、日頃から地域住民と親しくなり、災害に備えておきましょう。

地域の絆を中学生が深める
高知県黒潮町の佐賀中学校の生徒は、一人暮らしの高齢者の家に昔から訪問しています。最近、生徒の訪問を嫌がる人が増えています。その主な理由は、高齢者施設を利用するために自宅にいないか、自宅にいても生徒との繋がりを断っているかのいずれかです。

そのため、2016年から地域防災計画の作成を始めました。その中で、高齢者と中学生が集まり、災害時の避難方法について話し合う機会を設けました。また、1946年の昭和南海地震の体験から、自宅の災害対策などを聞き取りました。その結果、高齢者が中学校の文化祭に足を運び、自身の体験談を話してくれるようになりました。中学生も、高齢者と触れ合うと会話が盛り上がるようになったと思っています。こうして、中学生が中心となって地域の絆を深めました。

資料出所 編集

  • 東京書籍『新しい保健体育』戸田芳雄ほか編著  2021年