中学校保健体育/性感染症の予防
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どうしたら性感染症を予防出来ますか?
キーワード
編集性感染症
性感染症の感染経路
編集※性感染症はどんな病気ですか。
性感染症は、性的接触から感染します。感染者の精子・腟分泌液・血液中の病原体・性器や口の粘膜などが相手の粘膜や皮膚に触れると感染します。例えば、性器クラミジア感染症・淋菌感染症・性器ヘルペスウイルス感染症・梅毒などがあります。このうち、梅毒は梅毒トレポネーマ(病原体)から感染します。梅毒の症状は進行段階で変わります。発熱・発疹など、違う病気の症状と見分けにくくなります。症状自体が現れたり消えたりを繰り返したりするので、感染を広げやすくなります。近年、梅毒の感染者が大きく増えています。性感染症は、無症状だったり、自覚症状をほとんど感じなかったりします。例えば、性器ヘルペスウイルス感染者の70~80%は無症状です。本人が性感染症に気づかないため、性的接触で相手に感染を広げるかもしれません。10代で性感染症にかかる人もいるので、青少年の感染が社会問題になっています。
梅毒の治療薬(サルバルサン)は、秦佐八郎とドイツのパウル・エールリヒが一緒になって作りました。
★主な性感染症
病名(病原体) | 潜伏期間 | 主な症状・特徴 | 治療 |
---|---|---|---|
性器クラミジア感染症
(クラミジア・トラコマチス) |
1~3週間 | 男性:尿道の痒み・排尿痛
女性:おりものがわずかに増えるだけで、無症状です。 |
抗生物質の内服 |
淋菌感染症(淋菌) | 2~9日 | 男性:尿道の痒み・排尿痛
女性:無症状です。 |
抗生物質の内服 |
性器ヘルペスウイルス感染症
(単純ヘルペスウイルス) |
2~21日 |
|
抗ウイルス剤の内服など |
尖圭コンジローマ
(ヒトパピローマウイルス) |
3週~8か月 |
|
外科的な切除など |
梅毒(梅毒トレポネーマ) | 3〜6週間程度 |
|
抗生物質の内服・注射など |
-
クラミジア・トラコマチス
-
淋菌
★性感染症報告数(2021年調査)
感染症 | 報告数(人) | |
---|---|---|
男性 | 女性 | |
性器クラミジア感染症 | 15458 | 14545 |
淋菌感染症 | 8097 | 2302 |
性器ヘルペスウイルス感染症 | 3387 | 5594 |
梅毒 | 5261 | 2717 |
上の表は厚生労働省「性感染症報告数」の統計資料から抜粋しています。
性感染症の予防対策
編集※どうすれば性感染症を予防出来ますか?
1回の性的接触だけで性感染症にかかります。性感染症は自然に治りません。性感染症の治療を受けないと、卵管・子宮・尿道に炎症が現れ、不妊症の原因になります。また、炎症が卵管にあると、受精卵は子宮ではなく卵管に着床します(子宮外妊娠)。受精卵が成長すると、卵管が破れて命を落としてしまいます。さらに、母親が性感染症にかかると、胎児も性感染症に感染します。その結果、胎児の早産や流産につながります。
性的接触を避けて性感染症を予防しましょう。また、コンドームは直接接触しないので、性感染症の予防につながります。
症状がみられたり、感染の不安があったりしたら、出来るだけ早く医療機関(泌尿器科・皮膚科・婦人科など)で検査・治療を受けましょう。ただし、自分がしっかり治療を受けて治っても、相手が感染していたら繰り返し感染します。そのため、相手も自分も同時に治療を受けなければなりません。
★性的接触の繋がり
もし、それぞれの人が過去に違う人と性的接触をしたら、そのカップルは不特定多数の人とつながっています。その中に感染者がいれば…
資料出所
編集- 東京書籍『新しい保健体育』戸田芳雄ほか編著 2021年
- 学研教育みらい『中学保健体育』森昭三ほか編著 2021年