中学校保健/欲求やストレスへの対処と心の健康

欲求編集

「眠たい。」「食べたい。」などのように、何かを「したい。」と思う気持ちを欲求(よっきゅう)といいます。欲求は人間の基本的で素朴な気持ちであり、感情です。

  • 生理的欲求

空腹のときに食事をしたい欲求や、のどの渇き、夜に眠りたい睡眠の欲求、糞尿の排泄など、生命を維持するのに必要な欲求。 一次的な欲求ともいいます。

  • 社会的欲求

自分が好きな人から自分も好かれたいとか、他人から害悪を加えられたくないとか、特定の技能を身につけたいとか、人間関係、社会状況に関する欲求。

欲求不満編集

人間は生活していく中で、様々な欲求を持ちますが、その欲求が満たされないときは、欲求不満(よっきゅうふまん)、という状態ですよね。

生理的欲求に関しては、これは衣食住の欲求でもありますから、生活の習慣、基盤を整えていくことが不満解消の道筋になると思います。また、経済的、生産的な生活を維持していくことも重要ですよね。

社会的な欲求に関しては、これは、人間関係、社会生活の問題ですから、生きていく中で社会、人間について様々な事を知り、自分自身の正当な満足できる社会的な、人間的な行動を知っていくことが重要だと思います。

ストレス編集

暑さ・寒さとか、人間関係への気づかいとか、周りからの刺激によって、心身に何らかの負担がかかっている状態のことをストレス(stress)といいます。

ストレス(stress)という言葉は、まず第1 に物理学や工学で使われている言葉であり、この場合は普通、応力と訳されています。物体に何か変形や破壊をもたらすような力がかかっていて、その負担の大きさを示しています。一方我々がここで語っているような、心理的負担という意味では、1914年に米国のウォルター・キャノンが使い始めていて、生体の恒常性(こうじょうせい、ホメオスタシス)を乱すものと説明されています。[1]

事実上言葉の定義自体はあいまいですが、心理的なプレッシャー、心に負担を感じるときに、ストレスを感じると多くの人が言いますよね。

また、ストレスを与える原因をストレッサー(stressor)といいます。つまり、ストレッサーが人間にストレスを与えているわけですね。

大体現代社会、現代でなくてもそうだったかもしれませんが、社会生活や人間生活はストレスだらけですよね。

ストレスに上手に対処して、生活をより良いものにしていきたいですが、実際には大人も子供も、対処がうまくいかなくて、非常に困った事態になることもよくあることだと思います。

中学生が大きなストレスを感じて生活が困難になっていると思うときは、身のまわりの人間に相談してみるといいかもしれません。もちろん同年代の友達でもいいのですが、問題が大きい場合はやはり、年上や大人に相談するのがいいですよね。かならずしも解決が得られる保証はありませんが、いいアドバイスをもらえることも多いですよ。

また、心と体は密接につながって関係していますから、体の調子を整えていい状態に持って行くと、心の問題も快方に向かうかもしれません。

心と体の関係編集

心が緊張すると、冷や汗が出たりするように、心の状態の変化により、体の状態にも変化が表れることがあります。 興奮すると、心拍数が上がることも多いですよね。

体の状態が悪いのは、心の状態に原因がある場合もあります。

このように、心の状態がすぐれないために、体に不調が表れる症状を心身症(しんしんしょう)といいます。

心が体の状態に作用するだけでなく、逆に、体の状態が心や精神に作用することもありますよね。虫歯などで歯が痛ければ、痛さで集中できなくなるし、事実上苦痛を感じています。 逆に、体の調子がいいときには、集中力は上がっていくでしょう。

このように、心と体の状態が作用しあう理由は、心の状態と体の状態とは、神経やホルモンを通して、間接的に結びついているからです。

神経には、呼吸・消化・体温調節のような、無意識に働く神経があります、このような神経を自律神経(じりつ しんけい)といいます。

激しい運動などをしていなくても、体が疲労しているときがあります。たとえば作業などで同じ姿勢をつづけていたり、同じ作業ばかりをつづけていると、体の一部の部位ばかりを使っているので、その部位が疲れます。 また、同じ姿勢を続けていると、一部の部位に血流が流れにくくなって、体の状態が悪くなります。

こういうときは、ときどき体の体勢を変えてみると少し改善しますよね。

  • 心が緊張したときの器官への影響
だ液 ・・・ 緊張すると、だ液が減り、口が渇く。
心臓 ・・・ 心拍数が上がり、脈拍が速くなる。
血管 ・・・ 縮む。
胃と腸 ・・・ 活動が一時的に止まる。

緊張しているときに、このような変化が現れ、緊張が解かれると、元の状態に戻りますよね。緊張状態、非常事態において体を動きやすくするために、神経が働いてこのような状態を作ります。

参考文献、脚注など
  1. ^ 彼末一之・能勢博『やさしい生理学 改訂第版』、2019年5月20日 第7版第2刷発行、南江堂、P239、