中学校家庭/住まいと気候風土の関わり

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※本節は、教科書の項目を全て変形しています。

 日本の伝統的な家屋や暮らしの中で、どんな部分が重視されているのかを考えてみましょう。

伝統的な日本の生活様式

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障子

 日本の伝統的な住宅では、高温多湿で日差しの強い夏を快適に過ごすために、軒や庇があります。一方、冬は夏よりも太陽の位置が下がります。そのため、部屋の両側に庇があっても、暖かな日光が部屋の奥まで入ります。引き戸には、障子や襖などが含まれます。戸の開け閉めの大きさを変えると、入ってくる風通しの量を自由に変えられます。蒸し暑い夏を涼しく、寒い冬を暖かく過ごすための工夫です。また、玄関で靴を脱ぎ、部屋に入ったらすぐに畳や床に座るのが日本人の生活様式(和式)です。畳は保温性と吸湿性があるので、冬は暖かく、夏は涼しく過ごせます。日本人の暮らしにぴったりです。

 このように、日本各地の家屋や住宅は、季節や地域の気候に合わせて、作られてきました。

西洋風の生活様式

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 欧米では、窓や扉は開けっ放しで気密性が高く、靴を脱がずに部屋へ入り、ベッドや椅子も使うように作られています。和式の住居は夏の暑さに対応出来るように作られ、西洋人の生活様式(洋式)の住居は冬の寒さに対応出来るように作られています。

 このような気候の違いは、世界各地の住宅や暮らし方にも表れています。

現代的な日本の住居

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炬燵

 畳やフローリングのある日本式の住宅は、部屋を様々な目的に使えます。例えば、畳の部屋は、床に卓袱台と座卓を置いて食堂や居間にしたり、布団を敷き寝室として使用したりします。テーブルや椅子、ベッドなどの家具がある洋式の住宅では、それぞれの部屋の使い方がはっきりしています。このため、畳の部屋にベッドとソファーを置いたり、フローリングの床に炬燵を置くなど、和式と洋式を組み合わせた空間(和洋折衷)が注目されています。

 日本では、その時の生活様式に合わせるだけではなく、洋風と和風の良さを組み合わせて、暮らしやすい家造りをしてきました。また、和式や洋式がどのように工夫されているのかに気づき、それを私達の生活に取り入れる方法を考えました。

日本各地の住宅事情

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この写真は、岡山県倉敷市美観地区にある伝統的な住宅です。漆喰で壁を白く塗ったのは、本来、火事にならないようにするためでした。しかし、白い壁は太陽の熱を反射して家の中に熱を入れないので、家の中はかなり涼しくなっています。

 日本各地の住宅は、気候と産業が関係するような造りになっています。日本の稲作農家は、広い土間で稲を脱穀しながら縄で作業していました。蚕を飼って糸を作る養蚕農家は、2階建て~3階建てでした。蚕を飼う部屋は上の階にありました。

 また、日本は南北に長く、日本海側、太平洋側、瀬戸内海側で気候が違います。そのため、各地域の気候に合わせて、様々な住宅が建てられてきました。しかし、現在の日本では、そのような伝統的な家は少なくなり、同じような家が増えてきています。また、都市に移り住む人が増え、暮らし方も変わってきたため、高層ビルが増えています。