中学校家庭/何を考えて決めますか 意思決定のプロセス

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商品の選択と購入に必要な手順を学びます。

商品の選択や購入に必要な情報を入手したり、計画を立てたり、正しい選択を行うための方法を学びましょう。

※本節は、教科書の項目を変形しています。

商品の選び方と購入の仕方

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商品を購入する時、まず、本当に必要な商品(needs)と、ただ欲しい商品(wants)を見極め、購入の目的を考えます。何を買うか決める時は、最初に必要性や予算などを考えて決めましょう。

安全性・機能・価格・アフターサービス・環境への配慮など、必要な情報をまとめて商品を選択しなければなりません。情報は、製品広告・インターネット検索など、様々な方法で集められます。商品についている表示・記号の意味がわかれば、商品の選択に役立つ情報も分かります。

商品を判断する時は、利点だけではなく、信頼性や使用上の安全性についても考えてみましょう。また、複数の情報を集めて比較したり、自分の目で確かめて決めましょう。

 
商品を選ぶ時に考えたい点

購入方法と支払い方法を確認して商品を購入したら、購入計画や商品の満足度を振り返ってみてください。そうすると、次に何を買うかの判断材料になります。このように、消費者トラブルを未然に防いだり、より良い消費生活を送れるようになります。

景品表示法では、表示上の嘘・過大な表示を違法としています。その理由は、商品の見栄えが良くなったり、過大なおまけ付き商品を販売すると、消費者が誤って低品質の商品やサービスを買ってしまうからです。

意思決定とは、購入を決める際に使う言葉で、何か行動する時の考えや感じ方を指します。言葉「意思決定」は、法律などでも使われています。似たような意味の「意志」は、「もっとやりたい」「達成したい」など、心の働きかけを強める言葉です。言葉「意志」は哲学や心理学でよく使われます。

より良い商品を選んで購入するための方法

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目的・課題

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購入の目的を知るために必要と思う理由と条件を挙げておきます。

  • いくら使ったらいいでしょうか?
  • 何を買えば大丈夫でしょうか?
  • どうして必要なのですか?
  • 予算はどれくらいですか?
  • いつまでに必要ですか?
  • 本当に必要ですか?

情報の収集・方法の検討

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商品情報の収集・整理
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  • 製品の安全・機能・価格・環境への影響などの情報を広告や配布資料などのあらゆる情報から集め、比べてみます。
  • 情報を自分の目で確かめ、表示やマークを参考にしましょう。
  • 購入希望の商品が目的に合っているかどうかで対象を絞ります。
購入方法、支払い方法の検討
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購入方法を確認し、支払い方法も確認します。

方法が選べるなら、同じ商品を購入する利点と問題点を考えてみましょう。

安全性・機能 価格 アフターサービス 環境への配慮 購入方法・支払い方法

決定

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とりあえず決定
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  • 商品の候補を選んだら、その商品が目的に合っているか、調べた情報が信頼出来るかをもう一度確かめましょう。
決定の見直し
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  • 製品が目的と合わない場合や詳細を知りたい場合は目標・課題か情報の収集・方法の検討に戻ります。
  • 不要と判断した場合は取り消しておきましょう。
  • 本当に必要ですか。
決定
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  • 最後に、商品・購入方法・支払い方法を確かめましょう。

実行

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  • 購入します。
  • 商品に間違いがないか確かめましょう。
  • レシートや領収書に目を通してみましょう。
  • 保証書と取り扱い説明書を保管しておきましょう。

評価・改善

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  • 欲しい商品を購入出来たかどうか振り返ります。
  • 商品選択の満足度を評価しましょう。
  • 問題や改善点があれば、次の購入に生かしておきましょう。

商品を選び、購入するために役立つ情報例

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  • 友達や家族からの情報
  • テレビのコマーシャル
  • 販売員の説明
  • 商品の表示やマーク
  • 企業のWebサイト
  • 個人のSNS
  • ネットの口コミ
  • 公的機関の情報誌
  • パンフレットやカタログ
  • 雑誌や新聞の記事や広告

商品の選択に役立つ表示やマーク

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政府機関や事業者団体が品質・安全性・環境への影響の規格や基準を定め、一定の性能を約束したり評価したりする表示やマークもあります。

(1)安全

  • PSEマークは、電気用品安全法の基準を満たした商品に付いています。例えば、ドライヤーに付いています。
  • PSCマークは、消費生活用製品安全法の基準を満たした商品に付いています。例えば、ヘルメットに付いています。
  • SGマークは、製品安全協会の許可を受けた商品に付けられます。商品の不具合で事故が起きた場合、損害賠償が行われます。例えば、杖に付いています。

(2)品質

  • JISマークは、日本産業規格に合格した商品に付いています。例えば、ステープラの針箱に付いています。
  • Gマークは、個性的なデザインが認められ、見た目もよく、暮らしを豊かにする商品に付けられます。
  • ウールマークは、100%新しい毛で作られ、ウールマーク社の品質基準に合格した商品に付けられます。
  • 防炎製品ラベルは、防炎性能基準などを満たした商品に付けられます。

(3)福祉

  • シルバーマークは、高齢者のために質の高い介護サービスなどを行い、安全性・倫理性・快適性などの福祉適合性基準を満たした事業者に認められます。
  • キッズデザインマークは、子供が生まれて育ちやすく、安心・安全で、創造性と将来の準備に役立つ商品に付けられています。

(4)環境

  • グリーンマークは、古紙40%以上の商品に付けられます。トイレットペーパーやティッシュペーパーは100%、新聞やコピー用紙は50%以上にならないと付けられません。例えば、粘着テープの箱に付いています。
  • 再生紙使用マークは、再生紙製品に付けられます。数字は古紙の割合です。例えば、ノートに付いています。
  • エコマークは、環境に優しい商品に付けられています。例えば、付箋に付いています。
  • 間伐材マークは、間伐材から作られた商品に付けられます。例えば、紙コップに付いています。森林全体に日光を与え、残りの樹木を枯らさず成長させるために、あまり成長していない樹木を伐採しなければなりません(間伐)。間伐材とは、その伐採した木材をいいます。様々な用途に使えます。
  • ペットボトルリサイクル推奨マークは、ペットボトルを再利用して作られた商品に付けられています。例えば、トートバッグに付いています。

(5)分別収集のためのマーク

マークを見て、自治体のルールに従って分別してください。分別収集はリサイクルなどに役立ちます。