小学校・中学校・高等学校の学習>中学校の学習>中学校家庭>幼児の心の発達

幼児の心がどのように成長していき、どのように変わっていくのかを学習しましょう。

心の発達

編集
相互に発達する幼児の心
幼児は、人や物と関わり、多くの経験を重ねながら、様々な知識を身につけ、人間関係を意識し、様々な感情を覚え、自分の気持ちを表現する言葉を覚えていきます。このように、言葉・知能・感情・社会性は、それぞれ発達するのではなく、お互いに関連しながら発達していきます。 幼児は、いろいろな人と一緒に過ごす中で、心が成長していきます。そうすると、新しい知識を学んだり、話をしたり、相手の気持ちを確認したりするようになります。

幼児期は、体も心も大きく発達します。幼児期になると、子供達の言葉知能感情社会性が発達します。このように、人としての生き方を覚え、人格形成の基礎となるとても大切な時期です。子供が創造力あふれる人間に育つためには、家族を含む身近な人を信頼出来るようにならなければなりません。それが自立心自律心につながり、友達と話す力の向上にもつながるからです。自立とは、自分で急いで服を着たり、お手洗いに行ったり、友達と遊びながら自分で判断して行動するなど、自分の力で生活出来る状態をいいます。自律とは、あれこれ望んでも、状況に応じて自分の感情や行動を自分で抑えられる状態をいいます。しかし、こうした発達段階はそれぞれ異なります。

幼児期の成長と見守り~第1次反抗期~
2歳頃の幼児は、自我(自分の意思)が芽生えてきて、一人で出来る内容も増えてきます。しかし、まだ自分の気持ちを上手く言えません。着替えや食事など、大人が手伝おうとすると「嫌」「自分で」と言ったり、自分の気持ちを誰も分かってくれないと思って泣いたり叫んだりします。第一次反抗期とは、この時期の名称をいいます。この時期に気持ちを認めてあげると、自分を大切にしたり、他人を思いやる気持ちが育つとともに、基本的な信頼感も育つといわれています。子供を温かく見守り、気持ちが分かるような言葉をかけてあげましょう。

アニミズムとは、おもちゃのような無生物が生きていて、自分の心を持っているという考えで、赤ちゃんや幼児だけが信じています。生きているかどうかにかかわらず、あらゆる生物には精神や魂があると考えるのがアニミズムという宗教的な考え方です。

言葉の発達

編集

言葉は、考えたり、自分の考えを言ったり、他の人と話したりするための手段です。聞く・話す・確かめるという言葉の交換を通して、表現力を高め、想像力や好奇心を育て、人と話す力を向上させます。2歳頃になると成長が見られ、4歳頃になると質問したり、普通に話したりするようになります。しかし、個人差もあります。

知能の発達

編集

知能とは、私達が物事を理解する仕組みをいいます。知能は、赤ちゃんが生まれて間もなく、子供の目が大きくなり、周りの状況を見ながら、相応しい行動が出来るようになった頃から発達します。幼児期には、誰もが自分と同じ気持ちになっているかのように、自己中心的な視点で周囲を見てしまう時期があります。また、幼児期には、無生物にも自分と同じように命や意識があると思い込んでしまいます。

感情の発達

編集

喜び・悲しみ・恐れ・怒り・心配・嫉妬・恥ずかしさなどは、全て感情です。大人が持つほとんどの感情は、3〜4歳までにはっきり現れています。子供が小さいほど、その感情は直接的で激しく、心が成長すると安定した感情になります。周囲の人は、幼児が感じている感情を正直に伝えられるように、相手の感情を受け入れなければなりません。

社会性の発達

編集

社会性とは、人に対して行う様々な行動や話し方をいいます。子供達は、友達と遊んだり、相手に敬意・我慢・自己主張を示したりしながら、人と仲良くする方法を学んでいきます。これらの能力は、子供達が家族や身近な人への愛情や信頼感から生まれます。

幼児の世界を感じてみよう
あなたは、幼少期の感覚や気持ちを覚えていますか?中学生の皆さんも、昔は幼い子供でした。幼児を理解しながら、幼児を成長させるために何ができるのか、幼児の立場で考えてみましょう。

実物大の幼児の物

幼い頃、毎日使っていた小物類を見てみましょう。中学生になった現在、大きさ・素材・色についてどのように感じますか?

言葉に表れる幼児の心

幼児は、人や物との関わり方を学ぶ中で、色々な感情を持ち、それを自分なりに理解します。これらの感情は、行動と言葉に表れてきます。幼児がどのように感じ、どのように考えているのか、様々な角度から見てみましょう。