刑事訴訟法第350条の11
条文
編集(合意の失効)
- 第350条の11
- 検察官が第350条の2第1項第2号イに係る同項の合意に基づいて公訴を提起しない処分をした事件について、検察審査会法第39条の5第1項第1号若しくは第2号の議決又は同法第41条の6第1項の起訴議決があつたときは、当該合意は、その効力を失う。
改正経緯
編集2016年改正により新設。
本条項の新設により、旧刑事訴訟法第350条の11に定められていた「即決裁判手続き」に関する規定は刑事訴訟法第350条の25に条数が変更された。
解説
編集司法取引による公訴非提起処分は、検察審議会による起訴相当の議決により覆る旨を定める。
参照条文
編集検察審査会法第39条の5
- 検察審査会は、検察官の公訴を提起しない処分の当否に関し、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める議決をするものとする。
- 起訴を相当と認めるとき 起訴を相当とする議決
- 前号に掲げる場合を除き、公訴を提起しない処分を不当と認めるとき 公訴を提起しない処分を不当とする議決
検察審査会法第41条の6
- 検察審査会は、第41条の2の規定による審査を行つた場合において、起訴を相当と認めるときは、第39条の5第1項第1号の規定にかかわらず、起訴をすべき旨の議決(以下「起訴議決」という。)をするものとする。起訴議決をするには、第27条の規定にかかわらず、検察審査員8人以上の多数によらなければならない。
- 検察審査会法第30条
- 第2条第2項に掲げる者は、検察官の公訴を提起しない処分に不服があるときは、その検察官の属する検察庁の所在地を管轄する検察審査会にその処分の当否の審査の申立てをすることができる。ただし、裁判所法第16条第4号に規定する事件並びに私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の規定に違反する罪に係る事件については、この限りでない。
- 検察審査会法第40条
- 検察審査会は、審査の結果議決をしたときは、理由を附した議決書を作成し、その謄本を当該検察官を指揮監督する検事正及び検察官適格審査会に送付し、その議決後7日間当該検察審査会事務局の掲示場に議決の要旨を掲示し、且つ、第30条の規定による申立をした者があるときは、その申立にかかる事件についての議決の要旨をこれに通知しなければならない。
- 検察審査会法第41条
- 検察審査会が第39条の5第1項第1号の議決をした場合において、前条の議決書の謄本の送付があつたときは、検察官は、速やかに、当該議決を参考にして、公訴を提起すべきか否かを検討した上、当該議決に係る事件について公訴を提起し、又はこれを提起しない処分をしなければならない。
- 検察審査会が第39条の5第1項第2号の議決をした場合において、前条の議決書の謄本の送付があつたときは、検察官は、速やかに、当該議決を参考にして、当該公訴を提起しない処分の当否を検討した上、当該議決に係る事件について公訴を提起し、又はこれを提起しない処分をしなければならない。
- 検察官は、前二項の処分をしたときは、直ちに、前二項の検察審査会にその旨を通知しなければならない。
- 検察審査会法第41条の2
- 第39条の5第1項第1号の議決をした検察審査会は、検察官から前条第3項の規定による公訴を提起しない処分をした旨の通知を受けたときは、当該処分の当否の審査を行わなければならない。ただし、次項の規定による審査が行われたときは、この限りでない。
- 第39条の5第1項第1号の議決をした検察審査会は、第40条の規定により当該議決に係る議決書の謄本の送付をした日から3月(検察官が当該検察審査会に対し3月を超えない範囲で延長を必要とする期間及びその理由を通知したときは、その期間を加えた期間)以内に前条第3項の規定による通知がなかつたときは、その期間が経過した時に、当該議決があつた公訴を提起しない処分と同一の処分があつたものとみなして、当該処分の当否の審査を行わなければならない。ただし、審査の結果議決をする前に、検察官から同項の規定による公訴を提起しない処分をした旨の通知を受けたときは、当該処分の当否の審査を行わなければならない。
判例
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