刑法第202条
条文
編集(自殺関与及び同意殺人)
改正経緯
編集2022年、以下のとおり改正(施行日2025年6月1日)。。
- (改正前)懲役又は禁錮
- (改正後)拘禁刑
解説
編集生命については、被害者の承諾・同意が違法性を阻却する事由とはならないが、殺人罪(第199条)とは別の罪を構成する。
参考
編集旧刑法において、殺人罪については以下の通り規定されていた。
- 第五節 自殺ニ関スル罪
- 第三百二十条 人ヲ教唆シテ自殺セシメ又ハ嘱託ヲ受ケテ自殺人ノ為メニ手ヲ下シタル者ハ六月以上三年以下ノ軽禁錮ニ処シ十円以上五十円以下ノ罰金ヲ附加ス其他自殺ノ補助ヲ為シタル者ハ一等ヲ減ス
- 第三百二十一条 自己ノ利ヲ図リ人ヲ教唆シテ自殺セシメタル者ハ重懲役ニ処ス
(Inducing or Aiding Suicide; Homicide with Consent)
- Article 202 A person who induces or aids another to commit suicide, or kills another at the other's request or with other's consent, shall be punished by imprisonment with or without work for not less than 6 months but not more than 7 years.
参照条文
編集- 第203条(未遂罪)
- 未遂は、罰する。
判例
編集- 殺人(最高裁決定 昭和27年2月21日)刑法第202条
- 通常の意思能力のない被害者に縊死の方法を教えて縊首させた所為と殺人罪
- 被害者が通常の意思能力もなく、自殺の何たるかも理解せず、しかも被告人の命ずることは何でも服従するのを利用して、その被害者に縊死の方法を教えて縊首せしめ死亡するに至らしめた所為は、殺人罪にあたる。
- 殺人、業務上横領(最高裁判決 昭和33年11月21日)刑法第202条
- 被害者の意思の瑕疵と刑法第202条の嘱託、承諾
- 被害者の意思が自由な真意に基かない場合は刑法第202条にいう被殺者の嘱託または承諾としては認められない。
- 擬装心中は殺人罪にあたるか
- 自己に追死の意思がないに拘らず被害者を殺害せんがため、これを欺罔し追死を誤信させて自殺させた所為は、通常の殺人罪に該当する。
- 被害者の意思の瑕疵と刑法第202条の嘱託、承諾
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