刑法第56条
条文
編集(再犯)
- 第56条
- 拘禁刑に処せられた者がその執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から5年以内に更に罪を犯した場合において、その者を有期拘禁刑に処するときは、再犯とする。
- 死刑に処せられた者がその執行の免除を得た日又は減刑により拘禁刑に減軽されてその執行を終わった日若しくはその執行の免除を得た日から5年以内に更に罪を犯した場合において、その者を有期拘禁刑に処するときも、前項と同様とする。
改正経緯
編集2022年改正にて、以下より改正(施行日2025年6月1日)。第3項は、懲役と禁錮の取り扱いに差異がつけられていたことが前提でありその差異がなくなるため、削除。
- 懲役に処せられた者がその執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から5年以内に更に罪を犯した場合において、その者を有期懲役に処するときは、再犯とする。
- 懲役に当たる罪と同質の罪により死刑に処せられた者がその執行の免除を得た日又は減刑により懲役に減軽されてその執行を終わった日若しくはその執行の免除を得た日から5年以内に更に罪を犯した場合において、その者を有期懲役に処するときも、前項と同様とする。
- 併合罪について処断された者が、その併合罪のうちに懲役に処すべき罪があったのに、その罪が最も重い罪でなかったため懲役に処せられなかったものであるときは、再犯に関する規定の適用については、懲役に処せられたものとみなす。
解説
編集本条は、再犯となる場合を定めたものである。
判例
編集- 強盗、詐欺(最高裁判決 昭和24年12月21日)憲法第39条,刑法第57条
- 再犯加重の合憲性
- 刑法第56条・第57条の再犯加重の規定は第56条の所定の再犯者であるという事に基いて、新に犯した罪に対する法定刑を加重し、重い刑罰を科し得べきことを是認したに過ぎないもので、前科に対する確定判決を動かしたり、或は前犯に対し、重ねて刑罰を科する趣旨のものではないから所論憲法第39条の規定に反するものではない。従つて右刑法の規定が違憲であることを前提とする論旨はいずれも理由がない。
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