定数係数の線形微分方程式を,
(3.25)
とおく.ここに は特性多項式である.もし,これが,
と因数分解できるならば,式 (3.25) の解は,
および,
のような 個の関数の 1 次結合で与えられることは,前節で示した.ここに,
である.これらが 1 次独立であることを示すのが,本項の目的である.つまり に関する恒等式,
から,すべての に対して,
を示すことである.この証明には補題 3.4 と,前章に示した事実,
および
を用いる.
定理 3.4
個の関数
は 1 次独立である.
証明
の場合を証明すれば十分であろう.一般の場合は添え字 などが二重についてわずらわしいだけである.
(3.26)
に,
を作用させると, の場合以外はすべて消えて,
となる.補題 3.4 により
であるから,
を得る.次に,
を作用させると となり,以下同様にして,
を得る.このとき式 (3.26) は,
となっている.これに,
を作用させると,
となる.以下同様にして,
を得る.