コンメンタール労働基準法

条文

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(この法律違反の契約)

第13条  
この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となつた部分は、この法律で定める基準による。

解説

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参照条文

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判例

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  1. 労働契約存在確認等請求(通称 東芝柳町工場臨時工契約更新拒絶)(最高裁判決 昭和49年7月22日)労働基準法第2章
    臨時工に対するいわゆる傭止めの効力の判断にあたり解雇に関する法理を類推すべきであるとされた事例
    電気機器等の製造販売を目的とする会社が、契約期間を2か月と記載してある臨時従業員としての労働契約書を取りかわして入社した臨時工に対し、5回ないし23回にわたつて労働契約の更新を重ねたのちにいわゆる傭止めの意思表示をした場合において、右臨時工が景気の変動による需給にあわせて雇用量の調整をはかる必要から雇用された基幹臨時工であつて、その従事する仕事の種類、内容の点において本工と差異はなく、その採用に際しては会社側に長期継続雇用、本工への登用を期待させるような言動があり、会社は必ずしも契約期間満了の都度直ちに新契約締結の手続をとつていたわけでもなく、また、従来基幹臨時工が2か月の期間満了によつて傭止めされた事例は見当たらず、自ら希望して退職するもののほか、そのほとんどが長期間にわたつて継続雇用されているなど判示の事情があるときは、右傭止めの効力の判断にあたつては、解雇に関する法理を類推すべきである。
  2. 譴責処分無効確認(通称 富士重工業けん責)(最高裁判決 昭和52年12月13日)民法第623条 ,労働基準法第2章
    使用者の行う企業秩序違反事件の調査と労働者の協力義務
    労働者は、使用者の行う他の労働者の企業秩序違反事件の調査について、これに協力することがその職責に照らし職務内容となつていると認められる場合でないか、又は調査対象である違反行為の性質・内容右違反行為見聞の機会と職務執行との関連性、より適切な調査方法の有無等諸般の事情から総合的に判断して、右調査に協力することが労務提供義務を履行するうえで必要かつ合理的であると認められる場合でない限り、協力義務を負わない。
  3. 雇用関係確認、貸金支払(通称 大日本印刷採用内定取消)(最高裁判決 昭和54年7月20日)労働基準法第2章労働契約
    1. 大学卒業予定者の採用内定により、就労の始期を大学卒業直後とする解約権留保付労働契約が成立したものと認められた事例
      大学卒業予定者が、企業の求人募集に応募し、その入社試験に合格して採用内定の通知を受け、企業からの求めに応じて、大学卒業のうえは間違いなく入社する旨及び一定の取消事由があるときは採用内定を取り消されても異存がない旨を記載した誓約書を提出し、その後、企業から会社の近況報告その他のパンフレツトの送付を受けたり、企業からの指示により近況報告書を送付したなどのことがあり、他方、企業において、採用内定通知のほかには労働契約締結のための特段の意思表示をすることを予定していなかつたなど、判示の事実関係のもとにおいては、企業の求人募集に対する大学卒業予定者の応募は労働契約の申込であり、これに対する企業の採用内定通知は右申込に対する承諾であつて、誓約書の提出とあいまつて、これにより、大学卒業予定者と企業との間に、就労の始期を大学卒業の直後とし、それまでの間誓約書記載の採用内定取消事由に基づく解約権を留保した労働契約が成立したものと認めるのが相当である。
    2. 留保解約権に基づく大学卒業予定者採用内定の取消事由
      企業の留保解約権に基づく大学卒業予定者の採用内定の取消事由は、採用内定当時知ることができず、また、知ることが期待できないような事実であつて、これを理由として採用内定を取り消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ、社会通念上相当として是認することができるものに限られる。
    3. 留保解約権に基づく大学卒業予定者採用内定の取消が解約権の濫用にあたるとして無効とされた事例
      企業が、大学卒業予定者の採用にあたり、当初からその者がグルーミーな印象であるため従業員として不適格であると思いながら、これを打ち消す材料が出るかも知れないとしてその採用を内定し、その後になつて、右不適格性を打ち消す材料が出なかつたとして留保解約権に基づき採用内定を取り消すことは、解約権留保の趣旨、目的に照らして社会通念上相当として是認することができず、解約権の濫用にあたるものとして無効である。
  4. 損害賠償、同附帯(最高裁判決 平成5年6月11日)民法第623条,民法第709条
    管理者に準ずる地位にある職員が組合員バッジの取外し命令に従わないため点呼執行業務から外して営業所構内の火山灰の除去作業に従事することを命じた業務命令が違法とはいえないとされた事例
    自動車営業所の管理者に準ずる地位にある職員が、取外し命令を無視して組合員バッジの着用をやめないため、同人を通常業務である点呼執行業務から外し、営業所構内の火山灰の除去作業に従事することを命じた業務命令は、右作業が職場環境整備等のために必要な作業であり、従来も職員が必要に応じてこれを行うことがあったなど判示の事情の下においては、違法なものとはいえない。

前条:
労働基準法第12条
(平均賃金)
労働基準法
第2章 労働契約
次条:
労働基準法第14条
(契約期間等)
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