法学民事法コンメンタール民法第3編 債権 (コンメンタール民法)>民法第623条

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条文

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雇用

第623条
雇用は、当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって、その効力を生ずる。

解説

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参照条文

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  • 労働契約法
    • 労働契約法第6条
      労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。
    • 労働契約法第7条
      労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分については、第12条に該当する場合を除き、この限りでない。
  • 労働基準法
第8節 雇用
  • 本条(雇用)
  • 第624条(報酬の支払時期)
  • 第624条の2(履行の割合に応じた報酬)
  • 第625条(使用者の権利の譲渡の制限等)
  • 第626条(期間の定めのある雇用の解除)
  • 第627条(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
  • 第628条(やむを得ない事由による雇用の解除)
  • 第629条(雇用の更新の推定等)
  • 第630条(雇用の解除の効力)
  • 第631条(使用者についての破産手続の開始による解約の申入れ)

判例

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  1. 雇傭契約解除無効確認俸給支払請求(最高裁判決 昭和27年02月22日)日本国憲法第19条,日本国憲法第20条,日本国憲法第21条
    政治活動をしないことを条件とする雇傭契約と基本的人権の制限
    憲法で保障されたいわゆる基本的人権も絶対のものではなく、自己の自由意思に基く特別な公法関係または私法関係上の義務によつて制限を受けるものであつて、自己の自由意思により、校内において政治活動をしないことを条件として教員として学校に雇われた場合には、その契約は無効ではない。
  2. 譴責処分無効確認(通称 富士重工業けん責)(最高裁判決 昭和52年12月13日)労働基準法第2章,労働基準法第13条
    使用者の行う企業秩序違反事件の調査と労働者の協力義務
    労働者は、使用者の行う他の労働者の企業秩序違反事件の調査について、これに協力することがその職責に照らし職務内容となつていると認められる場合でないか、又は調査対象である違反行為の性質・内容右違反行為見聞の機会と職務執行との関連性、より適切な調査方法の有無等諸般の事情から総合的に判断して、右調査に協力することが労務提供義務を履行するうえで必要かつ合理的であると認められる場合でない限り、協力義務を負わない。
  3. 損害賠償、同附帯(最高裁判決 平成5年06月11日)民法第709条,労働基準法第13条
    管理者に準ずる地位にある職員が組合員バッジの取外し命令に従わないため点呼執行業務から外して営業所構内の火山灰の除去作業に従事することを命じた業務命令が違法とはいえないとされた事例
    自動車営業所の管理者に準ずる地位にある職員が、取外し命令を無視して組合員バッジの着用をやめないため、同人を通常業務である点呼執行業務から外し、営業所構内の火山灰の除去作業に従事することを命じた業務命令は、右作業が職場環境整備等のために必要な作業であり、従来も職員が必要に応じてこれを行うことがあったなど判示の事情の下においては、違法なものとはいえない。
  4. 地位確認等請求事件(最高裁判決  平成21年12月18日)労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律第2条1号,職業安定法第4条6項,民法第632条
    請負人と雇用契約を締結し注文者の工場に派遣されていた労働者が注文者から直接具体的な指揮命令を受けて作業に従事していたために,請負人と注文者の関係がいわゆる偽装請負に当たり,上記の派遣を違法な労働者派遣と解すべき場合に,注文者と当該労働者との間に雇用契約関係が黙示的に成立していたとはいえないとされた事例
    請負人と雇用契約を締結し注文者の工場に派遣されていた労働者が注文者から直接具体的な指揮命令を受けて作業に従事していたために,請負人と注文者の関係がいわゆる偽装請負に当たり,上記の派遣を「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」に違反する労働者派遣と解すべき場合において,(1)上記雇用契約は有効に存在していたこと,(2)注文者が請負人による当該労働者の採用に関与していたとは認められないこと,(3)当該労働者が請負人から支給を受けていた給与等の額を注文者が事実上決定していたといえるような事情はうかがわれないこと,(4)請負人が配置を含む当該労働者の具体的な就業態様を一定の限度で決定し得る地位にあったことなど判示の事情の下では,注文者と当該労働者との間に雇用契約関係が黙示的に成立していたとはいえない。

前条:
民法第622条の2
(敷金)
民法
第3編 債権

第2章 契約

第8節 雇用
次条:
民法第624条
(報酬の支払時期)
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