法学民事法商法コンメンタール商法第2編 商行為 (コンメンタール商法)商法第550条

第554条
  1. 問屋カ委託者ノ指定シタル金額ヨリ廉価ニテ販売ヲ為シ又ハ高価ニテ買入ヲ為シタル場合ニ於テ自ラ其差額ヲ負担スルトキハ其販売又ハ買入ハ委託者ニ対シテ其効力ヲ生ス

解説

編集

ドイツ商法典第386条に由来する。387条もここに示す。

ドイツ商法典第386条(価格の制限)
⑴ 問屋が指定された価格より廉価に売却をし又は買入れにつき指定された価格を超えたときにおいて,委託者は,自己の計算において締結されたものではないとして取引を否認しようとするときは,取引実行の通知に当たり,この旨を遅滞なく表示しなければならない。表示がなされないときは指定された価格からの逸脱は承認されたものとみなす。
①問屋が取引実行の通知と同時に差額を補填する旨を申し出たときは,委託者は否認の権限を有しない。
②これにより差額を超える損害の賠償を求める請求権は害されない。
ドイツ商法典第387条(有利な締約)
⑴ 問屋が,委託者に指定された条件よりも有利な条件で締結をしたときは,このことは委託者の利益に帰する。
⑵ 前項の規定は,とりわけ,問屋の売却価格が委託者の指定する最低価格を超えるとき,又は買入価格が委託者の指定する最高価格に達しないときに適用される。

指値遵守義務を定めたもの。指値とは価格に対する指図をいう。

日本の商法典では以上のうちドイツ商法典386条⑵①しか訳されていないが、解釈上、以上の両条文の内容が全て認められている。

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