基本情報技術者試験/ソフトウェア開発
概要
編集基本情報技術者試験(FE)では午後の科目で、選択必須問題としてソフトウェア開発(プログラミング)に関する問題が出題されています。2009年(平成21年)度春期からは、5つのコンピュータ言語の中から一つ選択して解答するという内容になっています。
FE午後ではソフトウェア開発の問題は配点が非常に大きいため、擬似言語とともに同試験の鬼門として名高いです。合格するためには擬似言語とソフトウェア開発の問題に関しては特に重点的に対策する必要があります。
FE午後で出題される言語は以下の5種類です。この中から一つ選択して解答します。
- C言語
- 高級言語(高水準言語)の代表格。システム記述に適しています。プログラムの実行にはコンパイルが必要です。
- メジャーな言語ですが、難易度は高いです。初心者にはあまりオススメしません。問題にアルゴリズムの要素が混じっている、ポインタという理解しにくい内容が含まれるなどといった特徴があります。
- Java
- 高級言語の一つ。プラットフォームを選ばないので、いろいろなコンピュータの機種やOS上で使えます。
- オブジェクト指向が絡んでくるので試験に出題される言語の中でも特に難しく、はっきり言って初心者お断りです。習得難易度、問題難易度ともに高いです。
- Python
- 2020年(令和2年)の試験から追加される予定の言語です。最近話題の高級言語で、IoTやAIとも関連が深いです。
- 一般的に習得難易度はC言語やJavaよりは低いと言われています。プログラミング初心者にもオススメしたいです。ただし、Pythonは用途が多様であり、数学の要素も強いため、問題はCASLや表計算ほど簡単にはならない可能性が高いです。
- CASL
- CASLは基本情報技術者試験(旧・第二種情報処理技術者試験)専用に設定されたアセンブリ言語(アセンブラ)です。第二種の頃は前身のCAP-Xが使われました。
- 他の言語と比べて命令文が単純で、プログラムの行数も少ないといった特徴があり、覚えやすい言語です。また問題自体も簡単であり、シミュレータも用意しやすいため、初心者がプログラミングを勉強するには丁度良い言語と言えます。
- CASLの仕様は試験実施者が予め発表するほか、試験問題中にも仕様書が示されるので、試験中にその場で仕様書を読んで理解し解答することも可能です。初心者が合格を狙うならば、後述の表計算ソフトと並びオススメの言語です。
- 表計算ソフト
- 2009年(平成21年)度春期より新たに追加されました。一応試験専用のオリジナルソフトと言われていますが、機能および関数はMicrosoft Excelに近いです。パソコンを使っている人ならほとんどの人に馴染みがある言語と言えるかもしれません。また、Googleのスプレッドシートでも練習が可能です。
- 表計算の問題の前半で出題される関数は過去に実施されていた初級シスアド試験のものと同じです。表計算ソフトを多少やったことのある人ならば、すぐに得点が取れてしまうぐらい簡単といった傾向があります。CASLと並び初心者向けの言語としてオススメです。
- ただし、後半の擬似言語を用いたマクロ定義の問題はアルゴリズムの知識が必要であり、難易度が高いので注意が必要です(ちなみにマクロは初級シスアドには出題されていません。)。マクロの構文はVBAに近いと言われています。マクロは問題自体が難しいだけでなく習得するのも時間がかかります。
- また、表計算は問題文も長いので国語力(読解力)も要求されます。舐めてかかると痛い目に遭うかもしれません。
過去の形式
編集2019年(令和元年)度秋期まではCOBOLが出題されていましたが、廃止されました。(代わりにPythonを追加予定です。)
2008年(平成20年)度秋期までは、C言語、COBOL、Java、CASLから1つまたは2つ選択して解答する形式でした。この頃は表計算はありませんでした。(表計算は初級シスアドに出題されていました。)
第二種情報処理技術者試験の頃はFORTRANが選択言語に含まれていましたが、削除されました。