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天体の距離の測定では、さまざまな天体の距離を測定する方法について解説する。

恒星の距離測定

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恒星の距離を測定する際には、分光視差法や年周視差が用いられる。分光視差法については星団#距離の測定法、年周視差については恒星#恒星の明るさと距離を参照。

また、変光星を用いて距離を測定することもある。変光星には変光周期を持つものがあり、この変光周期と光度には一定の関係が存在する。この関係を周期光度関係という。周期光度関係に基づいて、変光星のおおよその光度がわかるため、分光視差法を用いて距離を求めることが可能である。代表的な変光星には、ケフェイド型変光星ミラ型変光星がある。

さらに、Ia型超新星も距離測定に利用できる。Ia型超新星はその絶対等級がほぼ一定であるため、光度を基にした距離測定が可能である。このような天体を標準光源という。これについても星団の記事で紹介している。

赤方偏移による距離測定

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恒星は、その発する光のスペクトルで分類できることが恒星の分類で説明されている。太陽光線は虹のような連続スペクトルだが、元素が放射する光は、右上図のように途切れた線が特徴的である。これを輝線といい、このスペクトルを輝線スペクトルという。

 
左: 近い銀河の連続スペクトル、右: 遠方の銀河の連続スペクトル

恒星が光を放つ際、その天体が地球から遠ざかっている場合、光の波長が赤方にずれる現象が生じる。これを赤方偏移という。特に、水素原子が放射するHα線では、輝線スペクトルが赤方にずれる様子が顕著である。逆に、天体が近づいているときは青方偏移が見られる。

赤方偏移は、天体が自ら遠ざかっていなくても、宇宙の膨張により遠方の天体では見られる現象である。これにより、赤方偏移を基に天体の距離を測定することが可能となる。

スペクトルの波長をλ、観測時のズレをΔλとすると、赤方偏移zは

 

で表される。また、銀河の後退速度vは、光速c[1]を用いて

 

と表せる。

ハッブル-ルメートルの法則

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詳細は宇宙の膨張とビッグバンで解説しているが、宇宙は膨張しているため、地球から見て遠方の銀河は後退している。この速度を後退速度という。さらに、遠方の銀河ほど後退速度は速く、両者は比例関係にあることが確認されている。これをハッブル-ルメートルの法則という。以前は「ハッブルの法則」と呼ばれていたが、現在はこの呼び名は推奨されない[2]

ハッブル-ルメートルの法則は次の式で表される。

 

ここで、vは後退速度、H0はハッブル定数、dは距離を表す。ハッブル定数は比例定数で、現在の観測値では約73である。

宇宙の距離はしご

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天体の距離を測定するためには、上述のようにさまざまな方法が存在する。しかし、年周視差は遠方の銀河には使えず、ハッブル-ルメートルの法則は近辺の恒星には適用できない。それぞれの距離測定法には適用範囲があり、距離が増すごとに異なる方法が使用される。この概念を宇宙の距離はしごという。

脚注

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