民法第817条の5
条文
編集(養子となる者の年齢)
- 第817条の5
- 第817条の2に規定する請求の時に15歳に達している者は、養子となることができない。特別養子縁組が成立するまでに18歳に達した者についても、同様とする 。
- 前項前段の規定は、養子となる者が15歳に達する前から引き続き養親となる者に監護されている場合において、15歳に達するまでに第817条の2に規定する請求がされなかったことについてやむを得ない事由があるときは、適用しない。
- 養子となる者が15歳に達している場合においては、特別養子縁組の成立には、その者の同意がなければならない。
改正経緯
編集2019年改正により、以下の条文から改正。
- 第817条の2に規定する請求の時に6歳に達している者は、養子となることができない。ただし、その者が8歳未満であって6歳に達する前から引き続き養親となる者に監護されている場合は、この限りでない。
- (改正前解説)特別養子となる者の年齢について規定している。請求時に6歳に達していなければ、審判時には6歳に達していても問題ない。
特別養子制度が定着し、元々は出生後間もない児童に対する養子で、実親と養親との関係でなされること(「藁の上からの養子」の法制化)を想定したものであったが、主に児童養護施設等に入所している児童に関して、家庭の一員として養育するほうが適当であるなどの観点から、特別養子の制限年齢を緩和した。
解説
編集特別養子は、児童の育成にその主眼を置いたものであるが、実親との関係を断つことなどの観点から、児童心理等を考慮し、これを可能とする年齢に制限を設けた。2019年改正までは、この制限を6歳とし、児童の「ものごころ」つく前の養子縁組としたが、保護者のいない場合などには、このような制限は適当でないことから、請求の時を15歳まで、成立の時を18歳まで引き上げた。
「里親制度」などを利用し「養親となる者に監護されている場合」には、この年齢制限が緩和される。
養子が15歳を超えると部分的に行為能力を認め(民法第797条の反対解釈)、養子縁組には、その者の同意を必要とする。
参照条文
編集判例
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