法の適用に関する通則法第10条

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条文

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(法律行為の方式)

第10条
  1. 法律行為の方式は、当該法律行為の成立について適用すべき法(当該法律行為の後に前条の規定による変更がされた場合にあっては、その変更前の法)による。
  2. 前項の規定にかかわらず、行為地法に適合する方式は、有効とする。
  3. 法を異にする地に在る者に対してされた意思表示については、前項の規定の適用に当たっては、その通知を発した地を行為地とみなす。
  4. 法を異にする地に在る者の間で締結された契約の方式については、前二項の規定は、適用しない。この場合においては、第1項の規定にかかわらず、申込みの通知を発した地の法又は承諾の通知を発した地の法のいずれかに適合する契約の方式は、有効とする。
  5. 前三項の規定は、動産又は不動産に関する物権及びその他の登記をすべき権利を設定し又は処分する法律行為の方式については、適用しない。

翻訳

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(Formalities for Juridical Act)[1]

Article 10
  1. The formalities for a juridical act are governed by a law applicable to the formation of the act (the initially applicable law prior to the change is govern if the law was changed under the preceding Article after the juridical act).
  2. Notwithstanding the provisions of the preceding paragraph, the formalities that comply with the law of the place where the relevant act was done are valid.
  3. For the purpose of the application of the preceding paragraph, with regard to a manifestation of intention to a person in a place governed by a different law, the place from where the notice of the manifestation was dispatched is deemed to be the place where that act was done.
  4. The preceding two paragraphs do not apply to the formalities for a contract concluded between persons in places governed by different laws.In this case, notwithstanding paragraph (1), the formalities for a contract that comply with either the law of the place from where the notice of offer was dispatched or the law of the place from where the notice of acceptance was dispatched are valid.
  5. The preceding three paragraphs do not apply to the formalities for a juridical act to establish or dispose of a real right (a right in rem) with regard to movable or immovable, or any other right requiring registration.

法例

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第8条
  1. 法律行為ノ方式ハ其行為ノ効力ヲ定ムル法律ニ依ル
  2. 行為地法ニ依リタル方式ハ前項ノ規定ニ拘ハラス之ヲ有効トス但物権其他登記スヘキ権利ヲ設定シ又ハ処分スル法律行為ニ付テハ此限ニ在ラス

解説

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本条は、形式的成立要件となる法律行為の方式の準拠法について規定している。

なお、法律行為のうち一定の消費者契約の方式に関しては、第11条第3項から第5項に特則が規定されている。

脚注

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  1. ^ 法の適用に関する通則法”. 日本法令外国語訳データベースシステム. 法務省. 2024年11月16日閲覧。

参考文献

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  • 小出邦夫編著 『逐条解説 法の適用に関する通則法〔増補版〕』 商事法務、2014年12月30日ISBN 9784785722388
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前条:
法の適用に関する通則法第9条
(当事者による準拠法の変更)
法の適用に関する通則法
第3章 準拠法に関する通則
第2節 法律行為
次条:
法の適用に関する通則法第11条
(消費者契約の特例)