「高等学校化学II/医薬品の化学」の版間の差分

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とりあえず記述。
 
いろいろと加筆
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また、湿布薬に'''サリチル酸メチル'''が用いられている。(某社の『サロンパス』など)
 
 
なお、これらサリチル酸系の解熱薬は、けっして細菌などを攻撃してるのではなく、熱や炎症などの症状をやわらげるだけである。このように、病原菌を攻撃せず、症状をやわらげる事が主な作用の医薬品を、'''対症療法薬'''(たいしょうりょうほうやく)という。
 
== アミド系の医薬品 ==
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かわりに、アセトアニリドの誘導体である'''アセトアミノフェン'''(p-アセトアミドフェノール)が、風邪薬などに含まれてる。
 
== サルファ剤化学療法薬 ==
=== サルファ剤 ===
1939年にドイツのドーマクが、アゾ染料の一種のブロントジルに、細菌の増殖を阻害する作用があることを見つけた。
 
のちに、ブロントジルから生じるスルファニルアミドに、細菌の増殖をおさえる作用があることが分かった。これは、細菌が発育に必要な葉酸を合成するさいの酵素を阻害するからである。
 
細菌はp-アミノ安息香酸から葉酸を合成しているが、スルファニルアミドはp-アミノ安息香酸に似た構造を持ってるため、酵素を阻害する。
 
 
現在では、一般に、スルファニルアミドの骨格をもつ抗菌剤を、硫黄を元素にもつことから、'''サルファ剤'''(salfa drug)という。
 
=== 抗生物質 ===
微生物がつくりあげる化学物質で、ほかの微生物や細菌を殺したり、ほかの微生物や細菌の増殖を阻害したりする作用(抗菌作用)のあるものを'''抗生物質'''(こうせい ぶっしつ、antibiotics)という。
 
1929年にイギリスのフレミングは、アオカビから取れる物質に、このような抗菌作用があることを見つけ、この物質に'''ペニシリン'''(Pencillin)と名付けた。
 
のちに、ペニシリンは、細菌のもつ細胞壁の合成を阻害するため、抗菌作用を示すことが分かった。
 
 
細菌は突然変異により、抗生物質の効かない細菌が生まれて、生き残ることがある。そのような、抗生物質につよい細菌を'''耐性菌'''(たいせいきん)という。
抗生物質を無闇に使い続けると、このような抗生物質のきかない微生物だけを残して増やしてしまう。
 
ペニシリンの効かない耐性菌もすでに存在しており、そのような病原菌には抗生物質メチシリンや抗生物質バンコマイシンが使われるおとがあるが、そのメチシリンの効かない耐性菌MRSAや、バンコマイシンの効かない耐性菌VRSAなどの耐性菌も出現しており、医療現場では大きな問題になってる。
 
このため、抗生物質ばかりに頼らず、手洗いや消毒などをきちんと徹底したりすることが、求められてる。
 
== 抗生物質 ==
ペニシリン
 
なお、ストレプトマイシンは、結核にきく抗生物質である。土壌細菌のつくる物質からストレプトマイシンが発見された。
耐性菌(たいせいきん)
 
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サルファ剤や抗生物質のように、病気をおこす細菌や微生物を、直接、細菌への破壊的な作用を起こすことで、病気を治療する医薬品を'''化学療法薬'''という。
 
== さまざまな医薬品の歴史 ==