「中学校理科 第1分野/化学変化とイオン」の版間の差分

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検定教科書にイオン化傾向の記述のあることを確認。
高等学校化学I/電池と電気分解 2016年5月8日 (日) 08:39‎ より、銅の電気精錬について引用
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==水溶液とイオン==
=== 水溶液の電気伝導性 ===
=== 電解質 ===
水にとかしたとき、その水溶液に電流が流れるようになる物質を'''電解質'''(でんかいしつ、electrolyte)という。
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今回の塩化銅の水溶液に、電気を流して、銅と塩素を発生させる実験は、つまり、塩化銅の電気分解(電解)をしたことになる。
 
なお、この実験で陰極に銅が付着することを応用して、金属の表面に 銅めっき をすることが出来る。
 
 
=== 銅の精錬 ===
[[File:Electrorefining copper jp.svg|thumb|400px|銅の電気精錬]]
銅の鉱石を、コークスCなどとの加熱反応で還元したものは、純度が約99%であり、粗銅(そどう)とよばれる。粗銅には、亜鉛や銀などの不純物が含まれるので、純度をあげるためには、これら亜鉛などを分離する必要があり、そのために電解が利用されている。
 
硫酸銅(II)水溶液をもちいる。そのさいの電極(陽極)に、純度をあげたい銅を用いる。つまり、粗銅を陽極に用いる。純度の高い銅を陰極に用いる。電気分解により、次の反応が起こる。
 
:陰極: Cu<sup>2</sup> + 2e<sup>-</sup> → Cu
 
:陽極: Cu → Cu<sup>2</sup> + 2e<sup>-</sup>
 
陽極からは、銅だけが溶け出すのではなく、イオン化傾向の大きい鉄や亜鉛やニッケルなども溶け出す。しかし陰極で析出するのは、ほとんど銅だけなので、よって陰極にて高純度の銅が得られる、という仕組みである。
 
粗銅中に銀や金が含まれていた場合、イオン化傾向が銅よりも小さい銀や金は、陽極の下に沈殿する。これを'''陽極泥'''(ようきょくでい、anode slime)という。陽極泥には、金や銀などが含まれているので、ここから金や銀を回収する。
 
陰極には純度の高い純度99.99%程度の銅が析出する。これを純銅(じゅんどう)という。
 
=== 塩化水素の水溶液に電気を流す場合 ===
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=== 原子の成り立ちとイオン ===
原子は, '''陽子'''(ようし)と'''中性子'''(ちゅうせいし)からなる'''原子核'''(げんしかく)と、原子核のまわりを回る'''電子'''からできている。原子の直径は1億分の1cm程度である。電子は、原子核には含めない。
 
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=== 電池のしくみ ===
化学変化や温度差、光などの作用によって電気エネルギーをつくり出す装置を'''電池'''(でんち、battery)という。
電池のうち、化学変化を利用して化学エネルギーを電気エネルギーに変える電池のことを、<big>化学電池</big>(かがく でんち)と呼ぶ。
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さて、化学電池では、どうやって、化学変化で電気を起こしているのだろうか。
 
* 復習:電気回路とは
まず、電気回路について、復習の便宜のため、説明しておこう。
まず電流とは、導線の内部を、マイナスの電気をもつ電子が流れているのが電流の正体である。
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==== 参考:電池の発見の歴史 ====
[[File:VoltaBattery.JPG|thumb|200px|ボルタの電椎(でんつい)とほぼ同じ構造の電池。]]
1780年ごろ、イタリアの解剖学者ガルバーニ(1737〜1798)は、解剖したカエルの あし に2種類の金属を接触させると、あしが感電したかのようにけいれんすることを発見した。ガルバーニはカエルの筋肉に電気がたくわえられているのだろうと考え、これを「動物電気」と名づけた。
 
しかし、解剖した あし が けいれん する本当の原因は、2種類の金属が、電池の電極となって、電気をつくっているのだった。
イタリアのボルタ(1745〜1827)による電池の研究によって、けいれんの本当の原因が明らかになった。
 
そしてボルタは、1800年、2種類の金属(銅と亜鉛)で、食塩水(塩化ナトリウム水溶液)でしめらせた厚紙をはさんだ物によって電池をつくり、現代でいう「ボルタの電池」を発明した。
 
[[File:Voltaic pile.svg|thumb|200px|left|ボルタの電椎の内部の構造]]
この電池から取り出される電流は小さかったので、ボルタは直列的に2種類の金属ではさんだ厚紙(食塩水でしめらせてある)を何段も積みかさね、柱状にした電池を発明した。この柱状に積み重なったボルタの電池を「ボルタの電椎」(でんつい)という。
 
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==== ボルタの電池 ====
[[File:ボルタの電池.svg|thumb|400px|ボルタの電池]]
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===== 二次電池 =====
* 鉛電池(なまり でんち)
自動車のバッテリーで用いられている電池である。
電極は、マイナス極に鉛(なまり)を用いている。プラス極には、酸化鉛を用いている。
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* リチウムイオン電池
携帯電話のバッテリーや、ノートパソコンのバッテリーに用いられている。二次電池であり、充電できる。
 
 
* ニッケル水素電池
デジタルカメラなどに用いられている。二次電池であり、蓄えられる電気の大きいが大きい。
 
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* 硫酸 H<sub>2</sub>SO<sub>4</sub>
水溶液中では、つぎのように電離している。
:H<sub>2</sub>SO<sub>4</sub> → 2H<sup>+</sup> + SO<sub>4</sub><sup>2−</sup>
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強い酸である。
 
* 硝酸 HNO<sub>3</sub>
水溶液中では
:HNO<sub>3</sub> → H<sup>+</sup> + NO<sub>3</sub><sup>-</sup>
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と電離し、強い酸性を示す。
 
* 強酸(きょうさん)と弱酸(じゃくさん)
塩酸や硫酸などの強い酸のことを、まとめて、強酸(きょうさん)という。
 
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* 実験の際の注意
塩酸や硫酸、硝酸などの強い酸は、危険であり、取り扱いには注意を要する。皮膚などにつかないように注意する。
もし、実験の失敗などで、これらの酸の濃い酸が体にかかったり、大量の酸がかかったら、実験を中断し、すぐに大量の純水で洗い、先生や大人に相談すること。
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==== 中和 ====
酸性の溶液とアルカリ性の溶液を混ぜた水溶液を作ると、酸の水素イオン<math>\mathrm{H^+}</math>と、アルカリの水酸化物イオン<math>\mathrm{OH^-}</math>が結合し、水分子H<sub>2</sub>Oが出来る。
この反応を'''中和'''(ちゅうわ)と呼ぶ。