「高等学校数学I/図形と計量」の版間の差分

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83 行
:<math>\tan (90^\circ -x ) = \frac 1 {\tan x}</math>
 
* 証明
<math>90^\circ-x</math>は、xという大きさの角を持った直角三角形があるとき、直角でもxでもない大きさの角である。(三角形の内角の和が<math>180^\circ</math>であるため。)このため、<math>90^\circ-x</math>に対する三角比は、xに対する三角比を定義するのに使った三角形を用いて表わすことが出来る。実際にこの定義を導入すると、確かにこの結果が成り立つ。
 
 
==== 備考 ====
高校教育では計算問題の都合などで、角度が30度、45度、60度などのキリのいい場合の計算問題が多いが、しかし実用では、三角比はもしキリの悪い角度(たとえば34,.8度とか)の場合でも比率を計算せずに数表によって計算結果を即時に知るための手法である。
 
もし読者が三角関数表を見たければ、検定教科書では普通、教科書の巻末あたりに付録として記載されているだろう。
141 行
</math>
 
* 証明
90 <math>{}^\circ</math> + xという角は、xという角を持った直角三角形を用いて表わすことが出来る。
:[[画像:90度に対する三角比.png]]
258 行
<math>30^\circ \ ,\ 60^\circ \ ,\ 45^\circ</math>に対して、<math>\sin, \cos , \tan</math>の大きさを求めよ。
 
* 解答
<math>45^\circ \ ,\ 45^ \circ\ ,\ 90^\circ</math>の直角二等辺三角形では、斜辺が一番長く、その長さは他の辺の長さの<math>\sqrt 2</math>倍である。このことを用いると、
:<math>\sin 45^\circ= \frac {\sqrt 2 }2 \ ,\ \cos 45^\circ= \frac {\sqrt 2 }2 \ ,\ \tan 45^\circ= 1</math>が得られる。
310 行
</math>
となり、確かにこの場合も成立する。よって、全ての三角形について正弦定理が示された。
* 問題例
** 問題
 
角度が
326 行
直角三角形の斜辺の長さに等しいことに注意せよ。
 
** 解答
 
:<math>
431 行
となり、求めたい式に対応した式が得られた。頂点A、Bについても同様にして求めることが出来る。
 
* 問題例
** 問題
三角形ABCについて、辺の長さ
:<math>
445 行
のとき、辺ACの長さを余弦定理を用いて求めよ。
:[[画像:問題例の三角形.png]]
** 解答
 
余弦定理
469 行
 
 
** 問題
 
上で得られた三角形で
480 行
も計算せよ。
 
** 解答
 
元々の条件で三角形ABCは、2辺AB,BCとその間の角
533 行
 
 
** 問題
三角形ABCについて、3辺の長さ、3角の大きさのうち、いくつかの量が与えられているとする。このとき、与えられた量以外の量を計算せよ。
 
548 行
:[[画像:(ii)の三角形.png]]
 
** 解答
(i)
余弦定理によって、
622 行
となる。
 
==== 図形の計量 ====
===== 相似形の面積比、体積比 =====
 
長さの比が2倍になると面積は4倍になる。一般に、長さの比が <math>a</math> 倍になると面積は <math>a^2</math> 倍になる。長さの比が2倍になると体積は8倍になる。一般に、長さの比が <math>a</math> 倍になると体積は <math>a^3</math> 倍になる。
639 行
で与えられる。
 
* 証明
辺aを3角形の底辺と見たとき、3角形の高さは、<math>b \sin C</math>で与えられる。よって、3角形の面積公式から、
:<math>S=\frac 1 2 ab \sin C</math>
が得られる。
 
* 問題例
** 問題
a=2,b=3,c=60<math>{}^\circ</math>の時、この3角形の面積Sを求めよ。
** 解答
上の公式を用いると、
:<math>S = \frac 1 2 2 \cdot 3 \sin 60{}^\circ = \frac {3\sqrt 3} 2</math>
となる。
 
 
* 発展的な内容 ヘロンの公式
 
[[w:ヘロンの公式]]とは、3角形の3辺の長さを用いて、その3角形の面積を表す公式である。3角形の3辺を定めれば、3角形は一意に決まるため、3辺を用いて面積を定めることができるのは当然であることに注意。
661 ⟶ 662行目:
:<math>S = \sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)}</math>
で与えられる。
 
* 証明
余弦定理を用いると、角Aの大きさは、
:<math>\cos A = \frac{b^2+c^2-a^2}{2bc}</math>
673 ⟶ 675行目:
:<math>= \sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)}</math>
となり、ヘロンの公式が示された。
 
 
ヘロンの公式は、あまり暗記の必要は無い。あくまでも、三つの辺から面積を求める事ができるというのを理論的に示しているだけの公式である。物理や工学などでも、ヘロンの公式を活用する例は、まったく普及していない。
 
 
== 備考 ==