「旧課程(-2012年度)高等学校数学A/整数の性質」の版間の差分

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→‎公約数と公倍数: 「互いに素」を太字化。
L = G a' b' 
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== 雑題 ==
=== 隣接する数個の数の積 ===
たとえば 4×5 や 10×11 や 7×8 のように、隣接する2つの数の積は、かならず2の倍数である。
 
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よって、6の倍数である。
 
 
=== 最小公倍数・最大公約数の発展的な話題 ===
日本の高校数学では一般的に、最大公約数を記号で G ,最小公倍数を L と置く。
 
これは、
:英語で最大公約数は Great common measure であり、
:一方、英語で最小公倍数は Least common multiple なので、
頭文字をとって、それぞれ G と L で表している。
 
ある2つの数 a, b について、最大公約数 G はその定義にもとづき、
:a = G a<nowiki>'</nowiki>   および  b = G b<nowiki>'</nowiki>   (ただし a,b は互いに素)
と表される。
 
 
天下り的だが、
 
実は次の2つの公式がある。
L = G a<nowiki>'</nowiki> b<nowiki>'</nowiki> 
a・b = GL
 
 
公式だけだと意味が分かりづらいので、具体例を考えてみよう。
 
たとえば 18 と 14 の最小公倍数と最大公倍数で考えよう。
 
 
まず、素因数分解して
:18 = 2 × 3<sup>2</sup>
:28 = 2<sup>2</sup> × 7
 
なので最大公約数Gは 2 である。
 
一方、最小公倍数Lを素因数分解すると、形は
:L=2<sup>?</sup> × 3<sup>?</sup>× 7<sup>?</sup>
のように(「?」部の数字は、かならずしも同じとは限らない)、
それぞれの素因数分解に使われている素数をぜんぶ使う事になる。
 
そして、最小公倍数の素因数分解では、それぞれの素数の指数部の数値は、2つの素因数分解の素数の指数部のうち最大のものである事を利用し、最小公倍数を求めればよい。
 
 
たとえば、
最小公倍数Lの素因数分解に含まれる2の素数の累乗については、もとになる2個の数の18と28の素因数分解に現われる素数2の指数部のうち、28の素因数2の指数のほうが大きいので、Lは
:L=2<sup>2</sup>×(2の累乗以外の数の積)
の形になる。
 
同様に、素因数分解に含まれる3の素数の累乗については、18の素因数分解に現われる素数3の指数部は2で、一方28の素因数分解に現われる素数3の累乗は0なので( 3<sup>1</sup> =1 なので)、
:L=3<sup>2</sup>×(3以外の数の積)
の形になる。
 
 
そして、素数2と素数3はもちろん 互いに素 なので、
 
:L=2<sup>2</sup> × 3<sup>2</sup> ×(2と3の累乗以外の積)
 
の形になる。
 
 
同様に、28 の素因数分解にふくまれる素数7についても考察すると、
:L=7<sup>1</sup>×(7以外の数の積)
である。そして、7は2,3と互いに素なので、
 
 
:L=2<sup>2</sup> × 3<sup>2</sup> × 7<sup>1</sup> =126
 
となる。
 
よって、最小公倍数 L は 252 である。
 
 
 
 
いっぽう、公式
L = G a<nowiki>'</nowiki> b<nowiki>'</nowiki> 
を使うと、
まず、G=2 である。
そして、
:18 = 2 × 3<sup>2</sup> = 3<sup>2</sup> G
:28 = 2 × (2×7) = (2×7) ・ G
 
なので
:a<nowiki>'</nowiki> = 3<sup>2</sup>
:b<nowiki>'</nowiki> = 2×7
 
そして
:G × a<nowiki>'</nowiki> b<nowiki>'</nowiki> = 2 × ( 3<sup>2</sup> )×(2×7) = 252
となり、たしかに最小公倍数になっている。