「中学数学3年 平方根」の版間の差分

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== 平方根の大小 ==
''a'' <''b'' となる2つの正の数''a''と''b''を考えます。<math>\sqrt{a}</math>と<math>\sqrt{b}</math>では、どちらが大きいでしょうか?
 
112 行
|-
|style="padding:5px"|正の数''a''に対して<br>
:正の数の場合:  <math>a=\sqrt{a^2}</math><br>
:負の数の場合:  <math>-a=-\sqrt{a^2}</math>
|}
 
<math>\sqrt{a}</math>は負にはならないので、負の数の場合はマイナスを根号の中に入れられないことに注意してください。
 
== 平方根の値 ==
ある数の平方根を求めるときには、その数に根号をかぶせればいいということがわかりました。
 
167 行
平方根のほか、円周率 <math>\pi</math> も無理数である。
 
== 平方根を含む式の計算 ==
それでは、平方根の計算をしてみましょう。
 
=== 乗法 ===
まずは乗法です。
 
205 行
|-
|style="padding:5px"|''a'',''b'' がどちらも正の数のとき、
 
|-
|style="padding:5px"|<math>\sqrt{a} \times \sqrt{b} = \sqrt{a \times b}</math>
|}
 
 
=== 除法 ===
続いては除法です。
 
245 行
 
 
=== 計算のときの決まり ===
根号を含む数の計算では、いくつかの決まりごとがあります。これを守らなければ、値が同じでも不正解になります。これから複雑な式の計算を学びますが、その上で必要になってくることもあります。これらは大切なことなので、よく覚えておくようにしてください。
 
* '''根号を含む数と含まない数との積は、記号&times;を省略する'''
*:<math>3 \times \sqrt{7}</math>とか<math>\sqrt{7} \times 3</math>などの計算では、記号&times;を省略して、<math>3\sqrt{7}</math>と書きます。根号の前に他
方の数を書きます。
 
*:このようなものは、
*:<math>\begin{matrix}
 
*:<math>\begin{matrix}
3\sqrt{7} &=& \sqrt{3^2} \times \sqrt{7} \\
&=& \sqrt{9} \times \sqrt{7} \\
257 ⟶ 260行目:
&=& \sqrt{63}
\end{matrix}</math>
 
*:のようにして、<math>\sqrt{a}</math>の形にすることができます。これを用いることで、計算を簡単にできることがあります。
 
*'''根号の中の数はできるだけ簡単な数にする'''
*:平方根の計算では、解に根号が含まれるときには根号の中の数をできるだけ簡単にします。ただし、途中計算ではその限りではありません。やり方は上とは逆に、
 
*:<math>\begin{matrix}
\sqrt{63} &=& \sqrt{9 \times 7} \\
&=& \sqrt{3^2 \times 7} \\
268 ⟶ 273行目:
&=& 3\sqrt{7}
\end{matrix}</math>
 
*:のように変形することでできます。桁数の多いものは、素因数分解を使うと解きやすいです。
*:<math>\begin{matrix}
 
*:<math>\begin{matrix}
\sqrt{252} &=& \sqrt{2 \times 2 \times 3 \times 3 \times 7} \\
&=& \sqrt{2^2 \times 3^2 \times 7} \\
275 ⟶ 282行目:
&=& 6\sqrt{7}
\end{matrix}</math>
 
*:この方法は、答えをきちんと出すほかに、平方根の値を求めるときにも使うことができます。たとえば、<math>\sqrt{50}</math>の値を求めるとき、
*:<math>\begin{matrix}
 
*:<math>\begin{matrix}
\sqrt{50} &=& \sqrt{25 \times 2} \\
&=& 5\sqrt{2}
\end{matrix}</math>
 
*:としておきます。こうすれば、<math>\sqrt{2}</math>の値を求め、それを5倍すればいいことになります。<math>\sqrt{2}</math>の値は前のセクションでやったように、覚えることができますから、暗算で計算することができます。
 
*'''分数では、分母に根号をつけない'''
*:分数に根号を含む数があると、値を求めるときに計算が難しくなります。ですから、分母には根号をつけないのがルールになっています。しかし、計算をしていくとどうしても分母に根号が出ることがあります。ですから、その根号を消去することで、正解が得られます。
 
*:根号は2乗することで消えますから、このようにします。
*:<math>\begin{matrix}
 
*:<math>\begin{matrix}
\displaystyle \frac{3}{\sqrt{7}} &=& \displaystyle \frac{3}{\sqrt{7}} \times 1 \\
&=&\displaystyle \frac{3}{\sqrt{7}} \times \displaystyle \frac{\sqrt{7}}{\sqrt{7}} \\
291 ⟶ 303行目:
&=& \displaystyle \frac{3\sqrt{7}}{7} \\
\end{matrix}</math>
 
*:1をかけても量は変わらない、と言うのがポイントです。このように、分母に根号がない形にすることを、「分母の有理化」といいます。<!--「有理化」と言う言葉は高校で出てきます。しかし、拡張として乗せるならば、コメントアウトはとってください。-->
*:分母に平方根の和や差が含まれているときには、上の方法とは別の方法で分母を有理化できます。以前に学習した<math>(a + b)(a - b)=a^2-b^2</math>の公式を使います。
 
*:<math>\begin{matrix}
*:分母に平方根の和や差が含まれているときには、上の方法とは別の方法で分母を有理化できます。以前に学習した<math>(a + b)(a - b)=a^2-b^2</math>の公式を使います。
 
*:<math>\begin{matrix}
\displaystyle \frac{1}{\sqrt{5}+1} &=&\displaystyle \frac{1 \times \left(\sqrt{5}-1\right)}{\left(\sqrt{5}+1\right)\left(\sqrt{5}-1\right)} \\
&=&\displaystyle \frac{\sqrt{5}-1}{\left(\sqrt{5}\right)^2-1^2} \\
299 ⟶ 314行目:
&=&\displaystyle \frac{\sqrt{5}-1}{4}
\end{matrix}</math>
 
*:(この計算は、後に出てくる計算の規則を使っています)
 
 
=== 加法・減法 ===
それでは、加法と減法について考えてみましょう。
 
316 ⟶ 332行目:
 
減法も加法と同じように考えます。
:例:  <math>3\sqrt{2}-\sqrt{2} = 2\sqrt{2}</math>
 
ただし、<u>根号の中の数字が違うものや根号がないものは別のもの</u>と考えるため、たとえば<math>\sqrt{3}+\sqrt{5}</math>や、<math>2\sqrt{3}+1</math>などのようなものは、これ以上まとめることはできません。
351 ⟶ 367行目:
\end{matrix}</math>
 
=== 根号を含む式の展開 ===
さて、根号は文字と同じ、と書きましたが、これは式の展開にもいえます。