「理科総合B 地学分野」の版間の差分

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このような風を'''地衡風'''(ちこうふう)という。
 
 
===季節風===
 
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[[File:地上風の向き.svg|thumb|400px|地上風の向き]]
 
いっぽう、地上付近では、摩擦力の影響により、地上風とそれに掛かる力とは右図のような関係になっている。
 
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=== 季節風 ===
地上の風は、季節によって変化することが多い。冬は大陸、夏は海洋に高気圧が発達する。北半球は陸地が多く、季節変化がはっきりしている。陸と海のバランスによって季節風の大きさが違う。
*
** 陸地 - 比熱が小さい - 高温 - 低気圧
** 海洋 - 比熱が大きい - 低温 - 高気圧
したがって、海洋から陸地に季節風が吹く。
* 冬は逆になる。
 
=== 局地風 ===
1日周期で吹く風である。昼は、陸地が高温で、海が低温のため、海風が吹く。夜は、陸地が低温で海が高温になるため、陸風がふく。海風と陸風が変わるとき、一時的に風が止まることがある。これを朝凪、夕凪という。
 
== 気象変化とその要因 ==
私たちの日常生活に深く関わっている気象について考えてみよう。
 
=== 空気の動きと雲 ===
空気は暖められると上昇して、冷えると下降する。空気の塊(空気塊)が上昇すると、上空は気圧が低いので空気塊は膨張して冷える。この温度が下がる割合は、
-1℃/100mで、これを'''乾燥断熱減率'''という。上昇して、温度が下がると、やがて露点に達し、水滴ができはじめ、雲ができる。このとき熱が放出されるので、割合は、-0.5℃/100mとなる。これを'''湿潤断熱減率'''という。このように雲は上昇気流のあるところに発生し、そこは'''低気圧'''となる。逆に空気塊が下降すると雲は消えてしまう。この場所は晴天であることが多く、ここは'''高気圧'''となる。
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[[File:Foehn-Fonh corrected2.png|thumb|400px|フェーン現象]]
空気が上昇する場合は、
* 日射によって地表が暖まれた場合
* 低気圧の中心付近
* 風が山に当たった場合 - 山の反対側に吹いた風が乾燥して高温になる現象を'''フェーン現象'''という。
* 前線
 
=== 前線とその種類 ===
* '''温暖前線''' - 暖かい気団からの気流が寒冷な気団にぶつかる場所。300から500キロメートルにしとしとした穏やかな雨を降らせる。層雲などの雲ができる。
* '''寒冷前線''' - 寒冷な気団からの気流が暖かい気団にぶつかるところ。70キロメートルほどの範囲に強いにわか雨を降らせる。積雲などの雲ができる。前線通過後は北(南半球では南)よりの風に変わり、気温が下がる。
* 閉塞前線 - 寒冷前線が温暖前線に追いついたところ。
* 停滞前線 - 寒冷な気団と暖かい気団がぶつかった時、その勢力がつりあった場合にできる前線。長期にわたる雨を降らせる。
 
=== 雲と雨 ===
* 雲粒 - 雲の粒子(水滴・氷晶)
** 中心核 - 土壌微粒子・塩の微粒子
雲粒が成長し、1mm前後の雨粒、雪の結晶となる。氷晶を含む雲を冷たい雨、含まない雲を暖かい雨という。
 
== 日本の天気 ==
日本には一年を通じて、変化に富んでいる。
 
=== 気団の種類 ===
* '''シベリア気団''' - ユーラシア大陸東部で発生。冷たく、乾燥している。主に冬。
* '''オホーツク海気団''' - [[w:千島列島|千島列島]]付近で発生。冷たく、湿っている。梅雨や秋
* '''小笠原気団''' - 太平洋で発生。湿っていて、暖かい。主に夏。
* '''揚子江気団''' - 揚子江で発生。暖かくて乾燥している。主に春。
 
=== 冬の天気 ===
冬、シベリア高気圧から千島方面に発達している温帯低気圧に寒気が吹き込む。これが、北西季節風であり、このときの状態を西高東低という。乾燥した空気は、日本海で湿気を含み、日本海側に雪を降らせる。そして、太平洋側で乾燥する。
 
=== 春の天気 ===
2月ごろになると海洋と大陸の温度差が小さくなり、季節風が弱まる。そして、3月下旬頃低気圧と高気圧('''移動性高気圧''')が交互に通過する。低気圧が日本海側を通過し、南風が吹くようになる。特に春先に吹く強い南風を'''春一番'''という。
 
=== 梅雨の天気 ===
梅雨は、東アジアに特徴的な現象である。梅雨前線という停滞前線の一種が通過する。オホーツク海気団が優勢となる。
<!--日本の梅雨とエベレストが関係有ると聞きました。しかしどの様なに関係しているのか分かりません。-->
 
=== 夏の天気 ===
北太平洋高気圧が日本全体を覆い、天気は快晴が多い。このとき弱い南風が吹き、'''南高北低型'''の気圧配置となる。
 
==== 台風 ====
夏から秋にかけて発生する熱帯低気圧で、風速が17.2m毎秒以上の物である。
台風の渦巻きは北半球では左巻き、南半球では右巻きである。そのため進行方向の右側では風速に加えて進行速度が加わるので風速は大きくなる。
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== 参考文献 ==
この記事の作成にあたっては、下記の書籍を参考にした。
* 大田次郎・山崎和夫編 文部科学省検定済教科書『高等学校理科総合B - 生命と地球』 - 啓林館 2004年度版
 
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