「経済学基礎」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
貨幣数量説 MV = PY の従来解釈への批判の裏付けになる参考文献が見つかったので追記。中経出版『図解 使えるマクロ経済学』菅原晃
444 行
 
計算を単純にするため、付加価値を製品価格に比例するとして、同じPで表してしまおう。(※ この仮定は、経済学教科書ではとられれてない非標準な仮定だが、しかしこの仮定でないと、後述するインフレとの関係性を、厳密には導出できない。)
 
:※ 菅原晃『使えるマクロ経済学』、中経出版、2014年10月14日、第1刷発行
: では、『貨幣数量説』の公式として、
::「供給: 貨幣量×世の中を回った回数 = 需要: 物価×取引量」
とある。なお、菅原氏は高校教員である。大学教員ではない。
 
:※ 経済学者は、あまり数学が得意ではなく、たとえ数学的にオカシな計算法であっても、経済学教科書には掲載されてしまっているのである。しかし本wikibooksでは、数学的により正しい計算法に直して掲載する。
 
 
 
463 ⟶ 469行目:
PをGDPデフレーターとして、Yを実質GDPとして
:MV = PY
という書き方が、アメリカに限らず大学の経済学教科書では普通である。(しかし、そもそも実質GDPの算出にGDPデフレーターが必要になるので、この解釈(PをGDPデフレーター、Yを実質GDPとする解釈)は循環論になるので、この解釈は論理学的には価値が無い。) なのでマンキューの主張(「もし貨幣量 M を増大させても、「流通速度」Vが減少すれば、インフレにならない」みたいな主張)は、論理的にはこの解釈からは導出できず、マンキューの主張には実は欠陥(「PをGDPデフレーターとして、Yを実質GDPとする」という経済学教育の常識的説明は、じつは不正確な説明だと主張できないヘタレっぷりという欠陥)がある。
 
しかし、ヘタレと言っても、マンキューはまだしもインフレとの関係を考察しているだけ、勇気があり、立派である。
474 ⟶ 480行目:
マンキューは偉い。なお、マンキューは比喩としてだが、GDPデフレーターなどの価格水準Pを価格にたとえる説明を、貨幣流通速度よりも前の単元でしている(※ 『マンキュー入門経済学 [第2版]』、東洋経済、424ページ)。)アイスクリームの価格をPとしてマンキューは比喩をしている。
 
:※ マンキューの比喩のほうが本来の正確な式であり、ろう。マンキューや中経出版の菅原氏のような解釈のほうが合理的である。本来なら価格とすべきところをGDPデフレーターに置き換えている既存の経済教科書のほうが、数学的には循環論でありマチガイである。
:なお、マンキューや菅原氏じたいは、貨幣数量説の従来解釈を批判していない。なので、批判の責任は彼らに無い。
:従来解釈への批判は、wikibooks独自の批判である。
 
:(※ wikibooks追記: ) 「物価はおおむねGDPに比例するだろう」という前提と、「一国内の商業での取引量はおおむねインフレ率に比例するだろう」という前提のもと、大学経済学のような式が出てくる。
:性格には等号(=)ではなく比例記号(∝)に置き換えられるべきだが。つまり
::MV ∝ PY
:のほうが数学的にも実態の経済的にも厳密である。
:たしかに、20世紀後半では、アメリカや英仏などの西側(資本主義陣営の)ヨーロッパ諸国、日本などの経済の歴史をふりかえれば、それを当時の南半球国家や中国など(当時の)発展途上国と比べれば、先進工業国は物価は高いしGDPも高くほぼ比例的でり、発展途上国は物価も低ければGDPも低かったのでやはり比例的であった、というような傾向があった。
:また、一般的に経済活動が活発なときはインフレになりやすいという経験則が言われているので、取引量はおおむねインフレに比例的であるとする仮定も、妥当性があるだろう。