「高等学校理科 生物基礎/免疫」の版間の差分

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(NKTでなく)ナチュラルキラ-細胞(NK細胞)は、MHCクラスI分子を持たない細胞(ミッシングセルフ細胞)を攻撃することが知られている。(どうやら、ガン細胞や病原体感染細胞などの異常細胞を攻撃するための仕組みであろう、と考えられている。)
 
実際、遺伝子操作されたマウスなどの動物実験などにより、ナチュラルキラー細胞を欠損したマウスでは、ガン発生率が確実に上昇している事が確認されている<ref>宮坂昌之ほか『標準免疫学』、医学書院、第3版、215ページ</ref>。

また、試験管内の実験でも、NK細胞がガン細胞を殺傷する事が確認されている<ref>宮坂昌之ほか『標準免疫学』、医学書院、第3版、215ページ</ref>。
 
NK細胞の抑制性レセプターとは、このMHCクラスI分子と、NK細胞との結合部分のことであろう、と考えられている。
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;NKT細胞
動物実験によると、NKT細胞(ナチュラルキラーT細胞)を欠損したマウスは、病原体を除いた特殊環境(SPF環境)で飼育しないかぎり、乳幼児期にすべて死に絶えてしまう<ref>宮坂昌之ほか『標準免疫学』、医学書院、第3版、226ページ</ref>。
 
NK細胞はガンを殺傷するが、NKT細胞もガンを殺傷する事が動物実験により分かっている。ある動物実験(マウス実験)では、化学発がん性物質メチルコナントレンをマウスに注射して人為的にマウスをガン化させようとする実験を試したところ、NKT欠損マウスは、NKTのあるマウよりも3~5倍も発ガン率が高かったという報告がある<ref>宮坂昌之ほか『標準免疫学』、医学書院、第3版、235ページ</ref>。
 
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