「薬理学/生理活性物質と消化器作用薬」の版間の差分
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== エイコサノイド ==
=== 概要 ===
'''エイコサノイド'''とは、炭素数20個の不飽和脂肪酸の総称であり、
普通、エイコサノイドとは'''アラキドン酸'''を原料として体内合成されるプロスタグランジン類やロイコトリエンなどの生理活性物質、およびその前後の炭素数20の物質のことをいう。
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一方、アラキドン酸にリパキシゲナーゼが作用すれば最終的に'''ロイコトリエン'''になる。
プロスタグランジンを製剤化したプロスタグランジン製剤（主にPGE1<ref>『シンプル薬理学』、P200 </ref>）が一部では用いられているが、しか通常ではエイコサイノドは薬剤としては用いない場合が多い。なぜなら薬剤としては副作用が多く、薬剤としての利用は限られる<ref>『NEW薬理学』、P179 </ref>。
=== プロスタグランジン類の生理作用 ===
エイコサノイドは全体として、炎症に作用する。エイコサイノイド阻害薬が抗炎症薬として作用する事の多いことから、エイコサイノドが炎症に作用する事は明らかである<ref>『NEW薬理学』、P178 </ref>。
プロスタグランジンには、炎症のほか、下記の作用がある。
;子宮筋収縮
PGF<sub>2α</sub>やPGE<sub>2</sub>に子宮筋収縮の作用がある。
プロスタグランジン発見のキッカケになったのは、この子宮筋収縮作用である。そもそも「プロスタグラジン」の命名の語源は前立腺（前立腺を英語で プロステイト・グランド という）。精子中の成分が子宮筋を収縮させ、その原因物質がプロスタグラジンである。
子宮平滑筋を収縮させている<ref>『標準薬理学』、P568 </ref>。
;平滑筋
PGF<sub>2α</sub>が気管支平滑筋を収縮させる<ref>『パートナー薬理学』、P375 </ref>。一方、PGE<sub>2</sub>やPGI<sub>2</sub>は気管支平滑筋を弛緩させる<ref>『標準薬理学』、P568 </ref>。
;血小板や血管
TXA<sub>2</sub> は血小板凝集作用を持つ。一方、PGI<sub>2</sub>（'''プロスタサイクリン'''）は血小板凝集抑制作用を持つ。また、PGI<sub>2</sub>は血管拡張作用を持つ。
;中枢神経
PGE<sub>2</sub>が体温調節中枢に存在するEP受容体<ref>『NEW薬理学』、P179 </ref><ref>『パートナー薬理学』、P375 </ref>に作用して、体温の設定温度（'''セットポイント'''<ref>『標準薬理学』、P568 </ref>）が上がる。
そのほか、PGE<sub>2</sub>は各種の神経終末に作用して働きを調節している<ref>『NEW薬理学』、P179 </ref><ref>『標準薬理学』、P568 </ref>。
:※ 詳細は『標準薬理学』にある。『NEW薬理学』は概要のみ。
;胃・十二指腸粘膜
PGE<sub>2</sub>とPGI<sub>2</sub>は、胃酸分泌の抑制。さらに、胃・十二指腸の粘膜の増殖刺激を行う。
上述のように全体的には、胃・十二指腸の防御因子として機能している<ref>『NEW薬理学』、P179 </ref><ref>『パートナー薬理学』、P375 </ref>。
== 脚注 ==
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