「高等学校美術I」の版間の差分

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「大きさの恒常性」(size constancy)
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== 絵を描く ==
 
学問に王道がないのだとしたら、美術にも王道はないかもしれません。
 
昔から絵画の勉強、練習には、過去の名画を模写することが良く行われてきましたが、現代では写真もあります写実的な絵必ずしも写真どお基本は現実の光景、事物を見に描かれ絵を描く練習をすのが、一番自然で妥当な事でないでしょうか限りません
 
なぜなら、私たち人間の脳が認識する映像は、じつは目から見た映像情報そのままではない可能性が高い、ということが心理学などの実験などで知られています。心理学の用語ですが、「網膜像」と「知覚像」(perceptual image)という用語があります。我々の眼に映った状態の視界の映像が、「網膜像」です。興味のある場合、これらの用語を調べれば、調査できます。
 
とはいえ、高校生レベルの基礎的な学習としては、基本は現実の光景、事物を見て絵を描く練習をするのが入門的でしょう。現実を知った上でのアレンジです。
 
美術史的には、たとえば近代の画家ルノワールと画家セザンヌが、フランスの同じ景色の山を描いた絵の違いが、近代絵画でのそのような印象と写実のちがいの例としては有名です。
 
[[File:Paul Cézanne, Mont Sainte-Victoire.jpg|thumb|400px|left|セザンヌ「サント・ヴィクトワール山」<br>奥の山を大きく描いている。]]
 
[[File:Pierre-Auguste Renoir - Montagne Sainte-Victoire.jpg|thumb|400px|right|ルノワール「サント・ヴィクトワール山」<br>奥の山を小さく描いている。]]
 
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セザンヌ的な手法、ルノワール的な手法、どちらを使うか目指すか、目的によって使い分けましょう。
 
心理学の用語で、「大きさの恒常性」(size constancy)という用語があります。たとえば実験するなら、顔の前で腕を伸ばした時を基準にして、腕を曲げて手のひらを(延ばし他ときの基準位置から)半分の位置にすれば、網膜に映る映像での手の幅はおおよそ2倍になるはずですが、しかし人間の心理的な感覚では多少は大きく写っていると感じるものの、2倍ほどは大きく感じられず、結果としてほぼ一定に見えるという心理学の法則が知られています<ref>[https://psych.or.jp/wp-content/uploads/2018/01/size_perception.pdf 『大きさ知覚 人の見方はカメラとは違う』]</ref>。
 
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== 写実画 ==
[[File:Jan Vermeer - The Art of Painting - Google Art Project.jpg|424px|thumb|ヨハネス・フェルメール『絵画芸術の寓意』(1666〜67年頃)<br>ウィーン美術史美術館蔵(オーストリア)]]