「高校化学 天然高分子化合物」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
レーヨン繊維とか酵素とかを記述。
→‎天然繊維: 酵素を誤って、繊維の見出しに入れてたので、酵素を「見出し2」に修正。
458 行
天然繊維を化学的に処理して組成を変化させたものは'''半合成繊維'''という。半合成繊維としては、たとえばアセテート繊維がある。
 
=== 酵素 ===
ある種のタンパク質には触媒の働きを持つものがある。この触媒として機能するタンパク質を'''酵素'''(こうそ)という。
ただし、酵素は、一般の無機触媒や金属触媒と異なる性質も持つ。酵素は有る特定の物質にしか作用しない。これを'''基質特異性'''(きしつとくいせい)という。そして酵素が作用する物質および分子構造を'''基質'''(きしつ)という。
464 行
たとえば、酵素インペルターゼはスクロースの加水分解にしか作用せず、マルトースやラクトースなどの他の二糖類にはインペルターゼは作用しない。また、マルターゼは、マルトースにしか作用しない。
 
==== 失活 ====
また、酵素はタンパク質であるので、タンパク質が変性する状況では、酵素はその能力を失う。熱変性などで、タンパク質が修復不可能になると、酵素の触媒能力もまた修復不可能となり、酵素を冷却しても、もはや触媒として機能しなくなる。このように酵素が触媒としての能力を失って、もはや酵素ではなくなったことを'''失活'''(しっかつ)という。
 
==== 最適温度 ====
酵素の触媒作用が最も働く温度があり、酵素にもよるが、一般に、それは35℃から40℃といった温度である。
つまり、動物の体温の温度の周辺である。50℃以上など、これらより高温では熱変性で酵素の構造が破壊される。最適温度より低温にした場合は、低温の間は酵素としての作用が弱まるが、適温に戻すと、再び酵素としての触媒能力を取り戻す。
473 行
 
 
==== 最適pH ====
酵素には、その場所のpHによって、触媒の働きの反応速度が変わる。もっとも酵素が働くpHを'''最適pH'''という。
最適pHの値の傾向は、酵素の種類にもよるが、おおむねpH=6~8といった、中性付近か、弱酸性の付近で、もっともよく働く。たとえばアミラーゼはpH=6~7の付近が最適pHである。すい臓の中で働く酵素のトリプシンはpH=8で最適pHである。